UNION参戦でSTEP ONはニューフェーズへ
2025-26シーズンのスノーボード界を賑わせている話題の一つが、UNION初のSTEP ONビンディングALTAS STEP ONの登場です。
BURTONとUNIONというビッグネームのコラボレーションに、興味を持っている方も多いことでしょう。
この記事では、お店に到着したALTAS STEP ONを手に取り、感じた注目ポイントをまとめます。実際に使用するのはこれからですが、期待値は大!です!
完全UNIONメイドのSTEP ON

ワンタッチ式バインディングシステムをリードするBURTON STEP ONは、これまでにFLUX (バイン)、NITRO(ブーツ)、DC(ブーツ)とライセンス契約を結び、BURTONが生産している工場で製造する形で各ブランドとのコラボレーションを展開してきました。
今回のUNION STEP ONでの大きな違いがこの「工場」です。自社工場を持つUNIONは、その強みを生かして自社工場で作ることを選択しています。
ついにBURTONの工場を飛び出したSTEP ON。今回登場したATLAS STEP ONでもすでに、UNIONの特徴であるアルミヒールカップとブッシングが取り入れられていたり、ハイバックの構造が変更されていたりと、BURTON製STEP ONにはない要素が見られます。
今後、更なるUNION独自の解釈が加えられ、新たなライドフィールが生み出されていくのではないかと期待が膨らみます。
BURTONの規格よりも大きめのアウトライン
BURTON製STEP ON REFLEXとATLAS STEP ONを並べてみると、外見的な違いがよくわかります。まず目につくのは、BURTON製よりもアウトラインが大きく設計されていること。
ブッシュも大きく、アルミヒールカップもあるので、全体的にボリューム感のある印象です。
ヒールクリップの構造にも違いがありました。
UNIONではハイバックとブーツの間にかなりスペースがあります。フォワードリーンを入れなければ、ブーツとの接点がヒールクリップとヒールクリート(ブーツ側) だけになり、ちょっと不安…これは使ってみないとわからないチェックポイントです。
ストラップ版のATLASとは印象が違う⁉
元々のATLASというモデルは、ハードなライディングに耐える硬さと強さが特徴です。ブッシュを重視した構造設計や一部の材質もSTEP ONへ引き継がれていることから、STEP ONでも同じ方向性のバインであると思われます。
ですが、いわゆるATLASのイメージでATLAS STEP ONに触れると、全体的にやや柔らかく感じられました。
STEP ONはストラップバインユーザーに比べてファンライド用途が多いことを考慮して、長時間ライディングでも楽に滑れるように、という意図があるのかもしれません。
ただ、これはあくまで室内温度での感触です。実際に使用する環境下ではもっと硬く、触った感覚よりもレスポンスが早くメリハリがある可能性があります。この点は、現場でのチェックが楽しみです。
また、STEP ONはストラップレスなので足回りのフレックスはブーツが担う割合が多くなります。そのため、ストラップ版で苦手意識を持った方やエントリー層にもお使いいただけるだろうと思います。
ATLAS STEP ONのディティール
ベースプレート ATLAS STEP ONDURAFLEX CB Nylon

STEP ONは耐久性が命。なので、ATLAS、ATLAS PRO、FALCORと同じく、ファイバーグラスを含んだ軽量かつ剛性のあるナイロンベース製です。
BURTON (ESTではない)や、FLUX STEP ONはRe :FLEXディスク規格のベースプレートですが、ATLAS STEPONはUNIONらしくビッグディスク用のベースプレートになります。
ハイバック ATLAS STEP ON DURAFLEX CB Nylon

ベースプレート同様、ハイバックも軽量で強度のある素材です。
これまでの全てのSTEP ONビンディングは、コネクションシステム (STEP ON INSTANT CONNECTION) とハイバックが別のパーツに分かれていましたが、UNIONはコネクションシステムとハイバックを一体型に設計しています(フォワードリーン調整パーツがあるため) 。
試着してみると、着脱がよりスムーズにできる感じがしました。
フォワードリーン INTEGRATED 2STAGE FLAD

フォワードリーンをブッシュで調整するのもUNIONらしいポイントではないでしょうか。
フォワードリーンの調整幅はオン/オフの2段階のみで単純明快。きっとBURTON, NITRO, DC STEP ONのフォワードリーンの平均値をとったものかと思います。癖がなく、フォワードリーンで色を出そうというような意図は全く感じません。
フォワードリーンはハイバック上部のパーツを入れ替えてオン/オフをスイッチします。
デフォルト(オフの状態)は遊びが多く、オンの状態にするとハイバック上部がよくしなり、ブーツの背にハイバックの内側が触れるようにもなるのでビンディングに力が伝わりやすくなります。ハイバックのフレックスや反応を楽しむならオンモードを使いましょう。
ベースブッシュ HIGH-FLEX EVA BUSHING

UNION ATLAS STEP ONのキャラクターを方向付けているパーツは、ベースのブッシュ!だと思います。
UNION初登場の新素材を用いたHIGH-FLEX EVA BUSHINGは、ベースプレートよりも一回り大きくボリューム感がありますが軽量で、更にストラップの重さも加わらないので、軽々としていてコンフォートな印象です。(実際にFALCORより軽い!)
オフィシャルカタログには、その衝撃吸収力がPRされています。
硬さやタフネスが個性だったストラップ版ATLASとの違いは、この軽さと衝撃吸収力かもしれません。
ヒールカップ EXTRUDED 3D ALMINIUM

UNIONは軽量で強度のあるアルミ製ヒールカップを長年採用してきました。今回のSTEP ON ATLASでもアルミヒールカップを取り入れていることに、ニヤっとしている方もいることでしょう。
STEP ONにはバインとブーツを結合するためのヒールクリップというパーツがあります。トゥはあくまでも引っかかっているだけなので、事実上最主要パーツです。(実際に、開発段階でBURTONライダーたちは「ヒールカップでスノーボードを動かす」とJAKEにフィードバックしていたそうです)
僕は、このヒールクリップとアルミ製ヒールカップが好相性なのでは?と睨んでいます。
特にヒールサイドターン時にはヒールカップからベースプレートへ、ブッシュへ、ボードへと力が伝わります。アルミは樹脂系ステーよりも反応が速いと思うからです。
なぜATLASでSTEP ONなのか、を考える

ATLAS STEP ONの原型となったのは、2011-12シーズンから続くUNIONの代表的モデルの一つ、ストラップ版ATLASです。
ATLASは、硬いベースと安定感のあるブッシュを備えた、タフライディング仕様のビンディングです。
一方、STEP ONは登場以来、着脱の簡単さを武器にエントリー層やライトユーザーに向けてPRが進められてきました。
今回、UNIONが初のSTEP ONバインにATLASを選んだのはこれまでとは違った層にアプローチをかけてきた証拠だと思います。
では、UNION ATLAS STEP ONは誰に向けたプロダクトなのか。その答えを表しているのがライダーのマーク・フォーセット氏のインタビュー動画です。
彼はスノーボードアルペン競技者として活躍したカナダ人の元オリンピアンです。
輝かしいキャリアを持つスノーボーダーがやがて競技を離れ、年齢を重ね、自分のスノーボードを楽しもうとしたとき、どんな道具を選ぶのか。
スキルが熟達し、良い道具を知るロングキャリア層のためのSTEP ON。これこそUNIONの狙いなのではないでしょうか。
Union Atlas Step On® – Rider Interview with Mark Fawcett | Union Binding Company
STEP ON ブーツとのマッチング
STEP ONブーツに先駆けて、25-26シーズンにビンディングを先行リリースしたUNION。現段階では多くの方がBURTONのSTEP ONブーツを合わせると思います。
STEP ONでのブーツとビンディングのマッチングのポイントは、フレックス。ストラップの特徴などを考えなくてよいので、とてもシンプルです。
BURTONのSTEP ONブーツでは、大きく分けてミディアム/ソフトの2種類のフレックスがあり、それぞれに松・竹・梅の3ランクが用意されています。好みの硬さや価格帯、使用頻度などで直感的に選んでもミスマッチが起きにくいはずです。
モロのつぶやき
UNIONは来季26-27シーズンにSTEP ONブーツのリリースを予定しています。
ブーツとバインが出揃ってはじめて、UNIONが提案したい最初のSTEP ONが完成する、そう思うと楽しみで待ち遠しいです。
UNIONのSTEP ONブーツに関しては、今年発表されたUNION初のスノーボードブーツRESET PROがその方向性を示しているのかもしれません。
UNIONは、アイディアを形にする能力が高いビンディングブランドです。今後は、その開発力を生かしてSTEP ONモデルを増やしていくだろうと僕は予想しています。本家本元のSTEP ONを超えて大きく発展していく…なんて未来が待っている!?














