ヘビーユーザーも納得のフリーライドブーツ
23-24シーズンにデビューしたケビンバックストロームのシグネチャーモデルAERIS(アエリス)は、MOJANE激プッシュブーツの一つです。
以前の紹介記事に続き、今回は24-25モデルを購入した僕とユーザーの感想をまとめます。

今まさにAERIS 25-26モデルを検討中の方はもちろん、すでに使っている方とも共有できればうれしいです。
メリハリある締め加減と動きやすさ

AERISは、一般的な日本人が使う範囲では硬い部類のブーツだと思います。
僕の使用回数は20回前後ですが、いまだにフルマックスでレースを締め上げたことはありません。
パワーベルトとボアだけを締めて、プルレースはその日の気温やコンディションによって軽く引く程度で使っていました。それでもスネ回りは十分な締め感があります。
また、2ピース構造により足首を折る動作は楽々、自由に動ける印象です(2ピース × パワーベルトの組み合わせがとても良い!)。
この先ブーツが馴染んでいけば、徐々にレースを締め上げていけるので、年間20回程度の使用なら4年くらいは使えそうなイメージです。
DEELUXEのブーツはBURTONに比べてピークゾーンが短いと感じている人は多いと思いますが、AERISの登場でその評価が徐々に変わっていくはずです。ライドフィール + 耐久性を求める方にも自信を持ってお勧めします。
ダッグスタンスで抜群の操作感!

つま先〜踵の動きに対して反応が良いブーツなので、アングルを広げすぎず、エッジに対して垂直にビンディングをセットすることでその特徴を生かすことができると感じました。
もちろん、フォワードスタンス(前振り)で使って良いと思いますが、その場合はサイドキックプロをより意識して使うことでブーツの機能を感じることができるはずです。
屈伸しやすいのに、サイドはガッチリ

AERISユーザーからはサイドキックプロが好評でした。屈伸運動はサクサク動くのに対し、横の動きには微動だにしません。
このサイドキックプロをバインのサイドウォールに引っ掛けると、オーリーに効果的。巨大なギャップを信じられない距離で飛んでいくKevin Backstoromのオーリーも頷けます。
当然僕に再現はできませんが、とはいえサイドキックプロだけでもこのブーツの価値を感じてしまいました。
また、サイドキックプロはカービングを後押ししてくれる効果もありそうです。バインのサイドウォールとリンクして、バイン→ボードへとパワーを伝えます。力強いターンに期待してください。
低い重心から生まれる安定感

「クオンタムソールは歩きやすい?」と聞かれると、正直なところVANSやBURTONのトラクションの方が柔らかく、歩きやすいです。
雪上での歩きやすさは、ソールの柔らかさに加え、溝の大きさや深さも必要なのだと改めて実感しました。
ただ、クオンタムソールはブーツの重心が低いので、ライディング中の安定感は抜群です。
この安定感は、サイドキックプロの強さへと連動しているように思われます。
やはり好印象のS3ライナー

STAGE 3のライナーも、評判は上々です。ダウングレードと感じた人はいなかったのではないでしょうか。
ふっくらした感触は、長時間履いていてもとても楽です。また、 S4に比べるとS3の方が乾きやすいと思いました。
S3は熱成形もできるので、必要を感じてからフィックスできるのも大きなポイントです。
使い込むにはタンの補強が必要?

AERISのフリースタイルタンは、MOJANEで扱うブーツの中でも特に柔らかいのでレビュー待ちの方も多いのですが、僕のAERISは未だしっかりと締めて使う段階にないので、タンの効果を実感するに至っていません。
そこで、良い頻度でAERISを履き込んでいるユーザーHさんにフリースタイルタンについて聞きました。
タンの重要性がよくわかりました。
Hさん40回程度使用(1回平均4時間)
以前使っていたDEEMONやEMPIREでは最初の状態のタンが硬く少しストレスでしたが、AERISのフリースタイルタンは使い初めから心地よい状態で滑ることができました。
ただ、シーズン後半になると少し柔らかすぎるように感じてしまいました。
普段一緒に滑る方がメンズが多く、スピード域も速いため、湿雪で荒れた状態になるともうちょっとタンの安定感が欲しいなと思うことも。
その後、スプリングシーズンに入ると、柔らかい分プレスは踏みやすく練習になりました。
総合して良かったのですが、タンの重要性がよくわかり、自分が必要としているブーツ像がしっかり見えた気がします。
ちなみに、履き込む中で柔軟性が高まってきたときには、別売りの補強パーツがあるので試してみるのも一つです。
そしてもう1名、SさんはDEEMONとの比較を詳しくまとめてくださいました。
DEEMON BOAからAERISに履き替えて大正解でした!
Sさん50回以上使用
僕はずっと脛上部の締め具合の調整に悩んでいたのですが、AERISのパワーベルトによって解消されました。
DEEMONにもパワーベルトが付けられますが、取り付け位置が低い&サポート力がぎこちなかったんですよね…。ぼくにはAERISのパワーベルトが必須だったようです。
また、DEEMONはワンピース構造だからか脛上部を締めると足全体が締め付けられる感じがして常にどこかに若干の痛みがあったのですが、AERISを履いてからは痛みもなく快適です。
ツーピース構造&パワーベルトによって締めたい箇所の自由度が増したのかもしれません。
DEEMONではスネ上部を締めるために全体をガチガチに締めて滑っていましたが、AERISはパワーベルトとBOAだけ締めてレースは緩めで滑れるのでスタイルも出しやすく感じました!
STAGE3インナーも思った以上に調子がよくてびっくりです。 もちろん整形済みCTFのほうがフィット感は良いのですが、僕には焼いてないSTAGE3でも十分なスペックです。
朝イチはCTFで攻めて、昼からは柔らかめなSTAGE3で気持ちよく滑る感じで使い分けてます。 それと、着脱はSTAGE3のほうが断然ラクなので狭い車内で準備する時はSTAGE3に助けられてます。
サイドキックプロについては、最初は「何かくっついてるな」ぐらいにしか思ってなかったのですが、なかなかやりますね!
グリップが増すのかビンディングをガチガチに締めすぎる必要がなくなった気がします。これもスタイルの出しやすさにつながった気がします。
強度も申し分なしです。50回くらい滑走しましたが、ヘタリはそこまで感じていません。
モロのつぶやき

パウダーフリークならMOSSのライダー小番直人(コツガイナオト)さんをご存じでしょう。
小番さんはUNIONのバインとDEELUXEのブーツを使用していますが、フリーライドスノーサーフを体現する小番さんがAERISを履いていることに、僕は少し驚きました。
スノーボーディングでサーフィンとの関連性を意識したとき、姿勢の作りやすさやから(特に足首が)柔らかなブーツが好まれると思っていたので、意外だったのです。
小番さんは、「ブーツが生み出すパワーを頼ることも一つの視点」というような発信をされていました。
やはり道具は使い方、考え方なのだと再認識。ご興味のある方は小番さんのインスタアカウントをチェックしてみてください!











