北海道のハイシーズンに使いたい!
パウダーパーククルージングバインの有力候補
初となるブーツやSTEP ONのリリースを控え、いつにもまして話題満載なUNION BINDING。その中でMOJANEが注目しているのは、リニューアルが行われるSTRATAです。
ウェーブやバンクが増えるなど、多目的設計が目立つ昨今のパークシーンにぴったりハマる、ハイクッショニング × ソフトミディアムフレックスへ。
特に北海道のハイシーズンでは、中低速でボードを捌いて遊ぶサーフィーなパーククルージングに自由度を与えてくれるビンディングになりそうです。まさに、トレンドのど真ん中を射抜くリニューアル!
この記事では、NEW STRATAの改良点やギアマッチングについて、じっくり深堀りしていきます。
フリーライド仕様に磨きをかけた新生STRATA

18-19に初登場し、パークライドに特化したオールラウンドビンディングとして人気を集めるSTRATA。開発にはULTRA、ATLAS、THE SOUCE PROといったUNIONの名作を手掛けるトースタイン・ホーグモが参加しました。
税込4万円そこそこのミドルクラスですが、ハイエンドモデルと同等の素材が使われていることもあり、滑走日数が多い方やコスパ重視の方からも信頼を得てきたモデルでもあります。
一般的にはパークにはSTRATA、パウダーならCONTACT PROという役割分担がありますが、日本ではMOSS SNOWSTICKのライダーたちがSTRATAをサーフライドバインとして取り入れたことで、パウダー用として使うケースも見られました。
25-26からのSTRATAは、そのニーズに応えるかのようにブッシュのクッション性と全体の柔軟性が増し、パウダー&パークを掛け合わせたライディングスタイルに前進しています。
この変化に期待を寄せている方も多いことでしょう!
パークに特化するとパウダーにも向いてくる
レールやボックスで遊ぶジビングでは、一般コース内でのライディングで織りなすターンやオーリーなどのトリックと格段に違う、多様な姿勢や動きを取ることになります。
そうした動きをサポートするビンディングの要素は、柔らかいパウダースノーで繊細な動きを取ろうという時にも役立つことがわかっています。
という訳で、ハイシーズンのコース内、パーク、パウダーをTOP TO BOTTOMで思い切り楽しめるのがSTRATAの魅力です。ただ、中低速が得意なモデルなので、もしスピードを上げてスリリングに楽しみたい人には、ULTRAやFORCEといった選択肢もあります。
モデルチェンジの要はブッシングとアンクルストラップ
①OTE FUSED VAPORLITE BUSH 2.0

まず注目したいのは、ブッシュ(ブッシング)の変更です。デビュー以来、STRATAにはラバー製のFUSED VAPORLITE BUSHが採用されてきました。2.0と銘打った今回のブッシュは、とても軽いEVA素材。気温に左右されないクッショニングが特徴です。
これまで改良を繰り返し、様々なモデルにVAPORLITEと名がつくブッシュが展開されてきたため、公式のカタログで記載されている「復活」というワードが、どの段階のVAPORLITEを再現(あるいは同一?)したものなのか…。詳細は不明ですが、使用感で言うと17-18のCONTACT PROやULTRAに搭載されていたVAPOLITE BUSHを思い出しました。
待ち望んでいたブッシングの感触
僕は、当時のCONTACT PROのVAPOLITE BUSHの感触がとても好きで、パウダーボードとのマッチングが気に入っていました。
ところが、18-19シーズンにEVAクッションへマイナーチェンジとなり、VAPOLITE BUSHはハイエンドモデル(FALCOR等)へ移行。その後、MOLECULAR BUSHやFALCORのHALO Systemなど、ブッシュ回りの新作が次々と登場しましたが、CONTACT PROで感じていたフカフカ系のクッション性は見当たらなくなってしまいました。
そのため、今回のFUSED VAPORLITE BUSH 2.0は、僕にとっては待望!
実際に、ブーツを履いていても感じるフカフカとした柔らかさと、足裏感覚が共存していることを確認。また、当時のULTRA LTDやCONTACT PROには無かったカントが入っているので、姿勢を維持しやすいことも追加点です。
ヴェポライトブッシングの遍歴
15-16:VAPOLITE BUSH登場、ULTRAとCONTACT PROに搭載。
16-17:VAPOLITE BUSH2.0が登場。
17-18:VAPOLITE BUSH 3.0とSTAGE6ベースプレートのミックスを搭載したFALCOR登場。VEPORITE BUSH2.0搭載のULTRA JPN LTDがリリース。
18-19:ラバー製 FUSED VAPORLITE BUSHを搭載したSTRATAデビュー。CONTACT PROはEVAクッションへ変更。
19-20:VAPORLITE BUSHリニューアル、2方向へ枝分かれ(どちらもラバー製)。
①FUSED VAPORLITE BUSH + (ULTRA, FALCOR) オリジナルVAPORLITEより20%軽量化。
②OTE FUSED VAPORLITE BUSH (STRATA) “Over The Edge”の略。サーフィーな乗り心地をPR。
ULTRA、FALCORがFUSED VAPLORITE BUSHに変更。VAPOLITE BUSH 2.0はここで完全に姿を消す。※ULTRA LTDもこの年を最後に終了。

・VAPORLITE BUSH / VAPLOLITE 2.0
ULTRAよりも更に柔らかいベースブッシュはパウダースノーでのライドフィールが心地よく、雪の上を羽の様に触れるライディングが出来るような感覚を覚えています。2.0は気温が低くなった状態でも硬くならず、より完成された。
・FUSED VAPORLITE BUSH
ゴムと融合したVAPOLITE BUSH、通称ラバーブッシング。少し重くなったが、ベースプレートのグリップ力がよく、ボードに張り付いた使い心地が印象的だった。
・OTE FUSED VAPORLITE BUSH 2.0
触った感じ、みた感じ、通常のVAPOLITE 2.0と相違はない。しかし重量は明らかに軽く、1に近いものだと思われる。1と2のいいトコ取り⁉
②アンクルストラップはFORMA X

もう一つの目玉は、アンクルストラップのアップグレードです。24-25までのULTRA(25-26ULTRAはHYBRID1.0)についていたストラップ、FORMA Xが採用されています。
ストラップの素材は柔らかいので姿勢を取りやすく、かつ確かなホールド感がある使い心地が特徴です。また、柔軟性の高いストラップの弱点でもあった耐久力も克服済み。しゃがみ込むような動きや体重移動、ストラップを頼る動作も不安がありません
FORMA Xは極上のパウダーを含むハイパフォーマンスシーン(コンペティション以外)を支えるストラップですが、ハイエンドブーツに限らずフレックスの相性でブーツとマッチングできるので、あらゆるレベルの方が合わせやすいモデルに仕上がっています。
そして、UNION最高クラスのアンクルストラップをサクッとSTRATAに付けてしまうあたり、次の一手がすでに完成しているのかも!?ついつい、今後の展開に期待してしまいます。
遊び要素が多いパウダーボードに

STRATAはミニディスクの中で最も柔らかいモデルとなり、中低速とパウダー環境を得意とします。
ボードとのマッチングはトータルバランスを考慮し、柔らかなフリーライディングボードを選べば間違いありません。
また、浮力たっぷりのパウダークルージングボード、POW CURVEがコンセプトのボードとのセットアップも抜群です。
環境的には、パウダー、シャバ雪、コンディションが落ち着いたハイシーズンに適しています。
一方で、太くて硬いボードやカービングボード、アイシーなコンディションでは、レスポンス性能が引き出せないと想像します。
マッシュでポンポン飛びまくろう
パウダー環境での使用は、タイトなツリーランよりも、少し広いエリアでマッシュを飛んだり、トラバースラインで踏んだりするのが楽しいバインです。特に、起伏がたくさんある場所では、ブッシュの性能が感じられると思います。
コース内では、ブッシュが振動をしっかりと吸収してくれるので、ロングライドでも疲れないビンディングとしても重宝しそうです。
例えば、疲れにくさで定評のあるBURTON GENESISからの乗り換えも違和感なく馴染むはず!GENESISのヒールハンモックは代えがたくも、その他の要素はSTRATAでも張り合いのあるレベルになっています。
舌が肥えたMOJANEユーザーには
浮力に全振りしたパウダーボードや春のシャバ雪用など、複数のボードをシチュエーションに合わせて乗り分けている方々にとって、STRATAは最高のバックアップバインになります。
ミディアムフレックス以下の柔らかいボードは、シーズンインやスペシャルパウダーDAY、春のザクザク雪といった柔らかい雪面とフィットするので、特定の用途だけでなく、シーズン中の様々な場面でSTRATAのブッシュフィールを生かし、楽しむ事ができるはずです。
クッション性が良く、余計な振動をカットしてくれるSTARATAのブッシュは、MOJANEのマストアイテムFPインソール GAME CHANGER PROとの相性も抜群です。
関節に痛みや心配を抱えている日、足に負荷をなるべくかけたくない人にも試してもらいたい組み合わせです。
ULTRAか、STRATAかで悩んだ時は

UNIONのFLEXチャートをミニディスク主体で見てみると
【硬】FALCOR>ULTRA>STRATA【柔】の順となります。
STRATAがリニューアルしたことで、真ん中のULTRAの立ち位置がはっきりしたので、選びやすくなりました。それぞれの特徴がより明確になり、ミニディスクシリーズのロードマップが完成した感じがします。
MINI DISC 3モデルの特徴
FALCOR ベースが硬め / ハイレスポンス / 高速域が得意
ULTRA ベースの硬さは中間 / ミッドフレックス / 広いスピード域をカバー / フォワードリーン無
STRATA ベースはソフト / ソフトミディアムフレックス / 中低速が得意 / フォワードリーン有
とはいえ、全体的なフレックスが似ているULTRAとSTRATAで迷う方がいるのではないでしょうか。
この2モデル、もちろん細かく比較すれば違いは多いのですが、大まかに見るなら、25-26シーズンまでは(今後ULTRAも必ず変化するはずなので)フォワードリーンの有無と価格で選んでいい範囲だと思います。
既にULTRAを知っている方で、耐スピードを重視するならULTRAのままで。もう少し柔らかさやフォワードリーンが欲しい場合は、STRATAになるでしょう。
類似モデルは廃版のULTRA LTD
僕が最も類似性が高いと感じたのは、19-20シーズンに終了してしまったULTRA LTDです。特に2代目に似た印象を持ちました。
ULTRA LTDの方が若干軽い気もしますが、ハイバックのフレックス、アンクルストラップは確実にパワーアップしているので、ULTRA LTDの後継をお探しの方にとって新しいSTRATAはとてもいい候補になると思います。
ULTRA LTDは発売当時42000円(税抜)だったことを考えると、価格を抑えつつしっかりアップグレードできます。
モロのつぶやき

新STRATAのサンプルモデルが手に入ったのが、3月下旬。
まだまだパウダーが狙える時期だったので、札幌国際や旭岳など様々なコンディションでテストすることができました。
FJELL MT1542、NEVER SUMMERのECLIPSE、NOKHU、LLAMA…色々なボードに乗せてみましたが、僕の本命マッチングは軽量で浮力があるFJELL FJELL Mt Hokkaidoです。
軽くて深いパウダーを、このセットアップでリラックスして滑りたい!
過去、CONTACT PROをYES.THE420に乗せてかなり良いフィーリングを得ていたので、今回のSTRATA × Mt Hokkaidoにも、かなり期待しています。
また、春のモイワパークではLLAMAやSEASON KINに合わせて、バンクを使いながらのフリーランも最高だろうな…。次の冬が待ち遠しい!