REVIEWブーツUNION2025-2026

RESET PRO| UNIONのバインとシンクロするブランド初のブーツ

25-26 UNION BOOTS DIVISION

UNIONの理想が詰まった精巧なブーツ、登場

2005年に設立以降、スノーボードバインディングの専門ブランドとして成長してきたUNION BINDINGS。その新たなプロジェクトUNION BOOTS DIVISIONが25-26シーズンに始動しました。

UNIONが手がけるファーストブーツとして完成したRESET PROは、イタリアの靴工場を拠点に、5年もの歳月をかけてリリースに至ったのだとか。

この記事では、注目のニューブーツRESET PROの解説と、26−27シーズンのアップデート情報、その先の展開にも想像を巡らせます。

硬い?柔らかい?という問題を越えた新時代ブーツ

UNION RESET PRO
UNION BOOTS DIVISION RESET PRO¥104,500
UNION RESET PRO 正面
UNION BOOTS DIVISION RESET PRO¥104,500
UNION RESET PRO 後ろ
UNION BOOTS DIVISION RESET PRO¥104,500
UNION RESET PRO サイド
UNION BOOTS DIVISION RESET PRO¥104,500

まず大前提として、RESET PROはUNION BINDINGとのセットアップでフリーライディングするためのブーツです。

もちろん、他ブランドのバインとのマッチングも大いにアリですが、現段階ではUNION×UNIONでブランドの提案をお楽しみいただきたいと考えています。

さて、実物のRESET PROを見ていきましょう。RESET PROは全体的に細身でソリッド、スポーティーなシルエットが印象的です。

このデザインは、長年のグッドパートナーDEELUXEとの差別化という単純な理由ではなく、UNIONがオリジナルブーツで追及しようとしている方向性の違いを感じます。

ブーツ自体は比較的軽め。硬質なシェルの感触からはずいぶんと硬そうに思えますがミディアムフレックスで、MOJANEのラインナップでは柔らかい部類です。BURTONではPHOTON, DEELUXEならID-Y2くらいのフレックスをイメージしてください。

ただ、柔らかさはあるものの、バイン次第でどうにでもなってしまう要素があり、ライドフィールを重視して作り込んだブーツのようです。

また、UNION BINDING各モデルの特性がよくわかるUNION専用ニュートラルブーツとしても、画期的だと感じました。

UNIONユーザー、特に複数のUNIONモデルをお使いの方なら、検討しない理由がない!という感じです。

目指したのは、100日使っても変わらぬ履き心地

UNION RESET PRO

RESET PROは、履いた途端に上質なフィットが感じられ、足首がとても曲げやすい。

また、踏み込むと「ポンっ」と戻ろうとする強いリバウンス機能も特徴的で、ライディングが楽しみになります。

DEELUXEが ID-Y2で先陣を切ったリバウンス機能は、今後のフリーライディングブーツのトレンドになっていくと思います。

そして、RESET PROが掲げる重要なテーマが「100days riding」。これは文字通り、100日使ってもフレックスとフィーリングを保つ、というものです。

初めて足を通した時のこの感触が維持されるように、様々な工夫が盛り込まれています。

最近、「スキーブーツには“固定”という役割が根底にある。」というお話を聞きました。フリースタイルスノーボードのブーツにも、“固定”を求める時代がありましたが、現在のトレンドは“崩し”だと捉えることができます。

– いかに自由なフィールが得られるか – そこにUNIONの提案RESET PROがバチっとハマる気がします。

シューズのようなギミックが盛りだくさん

UNION RESET PRO インナーとアウター

ハードな素材とソフトな素材を巧みに配置したRESET PROは、これまでのスノーボードブーツとは少し違った顔をしているように思います。

ぜひ実物でご覧いただきたいのがインナーブーツ(ライナー)です。まるでボクシングシューズのように見えませんか?

現在のスノーボードブーツがアウターに込めてきた役割を、かなりインナーに置き換えたのではないでしょうか。

このシューズのようなインナーをシェル(アウター)で覆い、必要な硬さと反発力を持たせる。そんな、目新しい構成のブーツです。

そして、これほど多くの素材を用い、縫い目の多いインナーであっても、厚みによるあたりや痛みはありませんでした。

今後のDEELUXEの立ち位置は?

率直に、RESET PROとDEELUXEのブーツは両極的で、比較するものではないと感じます。

ブーツを消耗品と考えるなら、やはりDEELUXEは外せない存在です。使用頻度が高い方、とにかく滑り込んでいる方にとって、これまでのDEELUXEとの相性と信頼感、コストパフォーマンスは揺るぎないものに変わりありません。

一方、RESET PROはライドフィールを第一にしたブーツです。高価格帯ということもあり、絞られた層に向けられたものでもあります。

なので現段階では、使用頻度やスノーボーディングに求めるフィーリングが、これら2ブランドの分岐点になると考えています。

履いた瞬間フィットするインナーブーツ
FORMA PRO LINER

UNION RESET PRO FORMA PRO LINER

FORM PRO LINERは、ヒートモールディング不要。馴染ませる時間も必要なし。

フォームが体温に反応し、かかと〜ふくらはぎにかけてブーツがビタッと張り付くようにフィットします。

特に、ブーツが冷えていない室温で試着すると、フォームの変化に驚きました。

FORM PRO LINERは、僕がこれまで履いてきたブーツの中でも、インナーブーツが薄く、柔らかです。その分、保温性は乏しく感じましたが、安定感は十分でした。それは、補強素材(コードやテープ、合否素材など)が随所に配置してあるからでしょう。

また、インナーにはパワーベルトとヒールハーネスが装備されています。パワーベルトを締めてインナータンをスネ周りに密着させると、かかとのホールドも一層アップします。(ハーネスは足首が細い人には締め代があまりないので、アウタータンのボアに頼ることになります。)

甲にはゴムバンド的な伸縮素材があり、個人差のある甲高や足幅をカバーします。

長時間ライディングを想定したタン


UNION RESET PRO FORMA PRO LINER タン

インナータンは、スネの真ん中に当たる部分が厚く、左右に向かって徐々にフェイドカットされています。上下も同様に、上部に向かって分厚く、足首にかけて薄く、厚みが変わっています。

ブーツを履くとタンが自然にフィットし、ズレにくい。また、BOAで締め上げてもコードが響きにくく、摩擦やプレッシャーによる痛みも抑えられる様に思います。

小技①タンのズレにくくするループ
UNION RESET PRO FORMA PRO LINER タンに付いたループ

タンの中心にはズレ防止のためのループが付いています。インナーブーツのフィットが正しい位置にセットされるので、自分の締め上げ感や好みのフィットがまだわからない方にとってとても優しいガイドです。

小技②ハーネスの紐をまとめるポケット
UNION RESET PRO FORMA PRO LINER タンに付いたポケット

タンの上部にはハーネスの紐をまとめて収納するためのポケットが!便利で見た目もスマートです。フィットに影響するパーツを徹底的に見直しているだけでなく、スタイリッシュな印象を崩さないように工夫されています。


盛り上がるように大きなカフ


UNION RESET PRO FORMA PRO LINERカフ

ふっくらと厚みのあるインナーカフは、アウターブーツよりもかなり長く作られているのが特徴的です。

実際に履くと、圧迫感のない自然なフィーリングで、ふくらはぎを広い範囲でソフトにサポート。アウターとの相性は抜群です。

ふくらはぎが太めので方も、締め付け感・窮屈感なく履けると思います。

かかとを絶対にずらさない滑り止め加工

UNION RESET PRO FORMA PRO LINER かかとの滑り止め

インナーブーツのかかとには、滑り止め加工されたパートがあります。「もしや」と思い、アウターブーツの内側かかと部分を探ると、同様の加工がされていました。

インナーブーツとアウターブーツを重ねた時、最もずれさせたくないポイントが「かかと」に設定されていることが分かります。

この仕込みにより、RESET PROのかかとの密着とグリップ、レスポンスの早さが生まれているのかもしれません。また、アウターとリンクする事で、スパイン(背骨)の一旦を果たしている様にも思います。

ちなみに、インナーブーツを取り出す際にはスルッと取り出せます。

硬軟のメリハリが効いたアウターブーツ
SINGLE FLAME SHELL

UNION RESET PRO SINGLE FLAME SHELL

アウターブーツの骨格となるのは、足首にくびれのあるシングルフレームシェル。寒暖差でも柔硬が左右されないPEBAXという高機能ポリマー素材が使われ、足先から両サイド~踵~ふくらはぎの左右へと繋がる立体的な形状です。

通常、多くのブーツはアウターのバックスパインで硬さを出しますが、RESET PROにはそれに相応するパーツがなく、シェル全体でブーツのフレックスやリバウンス機能をサポートしているようです。

シェルは、硬さがありながらも荷重に対して程よくしなり、荷重を緩めると即座に元の形に戻ろうとしてくる感じがします。これは、「100days riding」にも大きく貢献しているのだと思います。

一方、アッパーやカフ(足の甲から脛、ふくらはぎ)はナイロン系の素材に切り替わり、柔軟です。

この、シェルとアッパーの絶妙なバランスにより、柔軟性があり動きやすいのに頼れるフレックスになっています。

履きはじめから動きやすい2ピース構造

UNION RESET PRO SINGLE FLAME SHELL 2ピース構造

足首に縫い目やスリットを設ける2ピース構造のブーツは、足首が動かしやすく、長く履き続けることで起こるブーツの折れ皺やクセを一定範囲に留めます。 また、馴染ませるための時間を要しないことも利点です。

RESET PROでは、ブーツ左側のBOAが足首まで締め上げる珍しいタイプ(通常は足の甲部分まで) なので、2ピース構造でありながら、スリットではなく足首のBOAを起点に曲がります。

ここは、設計上何かしらの意図があるのかもしれません。僕の見解では、きっとどこで曲がろうともSINGLE FLAMEのシェルが支える、ということなのかなと思います。

ハイバックによる圧迫を軽減するカフ

UNION RESET PRO SINGLE FLAME SHELL カフ

履き口から甲、ふくらはぎにかけてのアッパーエリアは柔らかく肉厚でクッション性があります。特に、ふくらはぎ部分(ブーツのセンターバック)はシェルがYの字状になっているので、ふくらはぎの締め付けや・ハイバックの圧迫が苦手な方にも良さそうです。

僕はカラコラム LAYBACK, UNION FALCOR, FORCE, FIX Binding BLOCK 5などを合わせて比較してみましたが、フォワードリーンを入れても痛みを感じることはありませんでした。むしろFALCORのハイバック(トップの素材)との相性がとても良く感じました。

厚めのアウタータン


UNION RESET PRO SINGLE FLAME SHELL タン

アウタータンは、グリグリとBOAを締めてもあたりを感じにくい厚めの設定です。この、ほんの少しのクッショニング、気が利いている!

また、インナーブーツのタンも厚めかつ好フィットなので、スネ周りのクッショニングを重視する方や、ブーツをしっかり締めたい派の方にも好印象のはずです。

天然ゴムのソールは見た目以上のグリップ

UNION RESET PRO SINGLE FLAME SHELL ソール

DEELUXEやVANSなどと比べると、RESET PROのアウターソールの溝は浅めです。それでもなかなか良いグリップをしてくれて、柔らかく歩きやすかったです。

DEELUXEのソールは、ある程度硬さがあり、その硬さがダイレクト感を生み出しますが、UNIONは柔らかい方向性で感触重視。アプローチの違いも興味深いです。

細い足首周りはアンクルストラップのため?

UNION RESET PRO × FALCORE

RESET PROのシルエットは、足首回りのくびれが強いのが特徴です。

実際にブーツを履くと、スネ周りの厚みに対して足首がかなり細く作られていることが分かります。

もちろん個人差はありますが、VANSやDEELUXEと比較すると足首だけが1~2サイズ小さく作られている印象です。実際に、US9のブーツサイズでもアンクルストラップは最短設定で使用できます。

では、なぜここまで足首が細く作られているのか?僕が感じた理由は2つあります。

一つは、かかとのホールドを高めるため。

DEELUXEの熱成形を行う際も、足首の部分をぐっと押して形を作ります。(成形後もたまに押して形を整えるとよい) また、過去にはBURTONのIMPERIAL LTDも、似たようにくびれがあり、かかと浮きに悩む方から好評でした。

もう一つの理由は、アンクルストラップを際立たせるため。UNIONのバインと合わせて使ってもらえれば誰もがピンとくるハズです。

UNIONはアンクルストラップの開発に積極的で、優れたストラップを数々生み出してきたブランドです。その為、ブーツを開発するにあたり「アンクルストラップの機能をもっとダイレクトに伝えたい!」という狙いがあったのではないでしょうか。

実際に、RESET PROでは、UNIONのバイン各モデルの個性がより鮮明に感じ取れます。

セットアップには目的や好みがあるので、正解/不正解という問題ではありませんが、既存のブーツでは引き出し切れていなかった部分もあったのだということがよく分かりました。

尚、僕が使った限りブーツの足首が細いことで頼りなさや不安定感はなく、ストラップの締め付けや圧迫による痛みも出ず。心配事はクリアしていましたのでご安心を。

ストラップレスビンディングもシェアを広げてはいますが、やはりストラップビンディングは面白い!ストラップでしか出せないフレーバーがある!と改めて感じました。

同ブランドとの相性は言うまでもなく

UNION RESET PROのピンポイントなフィッティング

これに関してくどくど言うのはナンセンスではありますが、あえて感じたことを書き残します。

RESET PROは若干前傾姿勢になります。UNIONのバインで言うULTRAの傾斜に近いイメージです。

UNIONのバインを合わせると、ブーツの面とバインの面がフィットするのではなく、ブーツのくびれがスペースをつくり、ピンポイントなフィッティングになります。これが、ビンディングの反応を引き上げているように感じました。

特に意外だったのがFORCEです。ストラップを絞めた途端、アンクルストラップのホールド性がぐっと際立ちます。

他のブーツで使用すると、場合によってはホールドが強すぎたこともあったのですが、RESET PROでは程よく感じられ「こんなに良いビンディングだったの?」と見直すきっかけになりました。

また、FALCORも同様です。アンクルストラップが反応するポイントが明確になり、四方八方に動かせます。また、足裏でプレッシャーをかけると、ブッシュの反応もよくわかり、発見がありました。この他にも、印象が変わってしまうモデルがあるのだろうと思います。

長年のUNIONユーザーにはぜひ体験して、驚いてもらいたいです。

日本人に多い幅広足もバッチリ圏内

RESET PROはイタリア企画ルーマニア製ということもあり、足幅が細いヨーロッパ人向けフィッティングになる可能性を懸念していましたが、アジア人を含めた想定で作られているのかも知れません。

アジアンフィットモデルではないものの、フォームが柔らかいので、よほど幅広足の方でない限りアジアンフィットを意識しないで履いていただけると思います。

サイズ参考

UNION RESET PRO 諸橋正太

僕の足サイズは、実寸が26.5に対し、足の幅は27.5〜28.0cm未満とかなり広めのクセあり足です。

テストで使用するブーツは毎回27cm(9インチ)を使用し、スペースをチェックしつつインソールの厚みで調整しています。RESET PROは見た目がシュッとしているので警戒していましたが、結果的に足幅は十分広めで、普段のインソール調整の範囲(アウターにFPインソール3mm/インナーにGAMECHANEGER5mm)で済みました。

26-27のアップデートは暖かさをプラス

今季のRESET PROで唯一弱点だと感じたのは、寒さでした。アウターもインナーも薄手だからです。

僕は足が冷えやすいので、特に冷え込む日は「履き心地は良いけれど、他のブーツで行こう」と思ってしまうこともありました。

西洋人は体温が高いと聞いたことがあるので、これは改善されにくいだろうか…と思っていたところ、26-27に向けたアップデートで改善されることが分かりました。(嬉しい!)

現時点で公開されているRESET PROのアップデートは、つま先の冷えを防ぐためのPRIMALOFTへの素材変更と、ソールのグリップを高めるVIBRAM SOLEへの変更です。どちらもナイスアップデート!その他細かな仕様の変化はあるかもしれません。

また、26-27シーズンは更に2モデルのブーツがリリース予定となっていますが、MOJANEではRESET PROの一択です。(新たな2モデルはDEELUXEの領域と考えました。)

モロのつぶやき

UNION RESET PRO × FALCORE

「25−26シーズンUINONからブーツが出る」このニュースに驚いた方も多い事でしょう。

「DEELUXEがベストマッチじゃないってこと?」「ファンアイテムとしてのブーツなのでは?」「DEELUXEから離れて独自路線を強めていくのか…⁉」など、MOJANE界隈でも様々な憶測が飛び交いました。

UNIONは、このブーツプロジェクトの為にイタリアの靴工場を買い取り、開発に5年も投じたことを考えると、話題づくりでブーツの開発に手を出した訳ではないことが分かります。つまり、本気なのです。

僕が知る限り、中国以外の工場で作られるスノーボードブーツは初めてです。そして、ポストKING OF BOOTS(SL-X)の座を狙うに十分なクオリティのファーストモデルを名刺代わりに叩き出してきたと思います。

ついに禁断(!?)の領域に突入したUNION。来季はSTEPONブーツのリリースを控えており、ブーツ開発が本格化していくことは明白です。

今後は、DEELUXEと契約しているUNIONチームの動向からも目が離せません。

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