INTERVIEWTHECAST石本 鈴花

舞台を、世界へ。スノーボーダー 石本 鈴花が挑む勝負の1シーズン

THE CAST #06 SUZUKA ISHIMOTO

スロープスタイル&ビッグエア界の新星
石本 鈴花 17歳の歩みと決意

次のステージにつながる大きなチャンスを掴めるか。MOJANEチームに所属する石本 鈴花選手(17歳)が、その分岐点に立っています。

全日本スキースノーボード連盟(SAJ)ナショナルチーム【強化指定ランクB】で活動中の彼女は、より高度なトレーニングと実践、そして大舞台への挑戦権を得るため、世界に踏み出そうとしています。

2026年10月。トップアスリートとしてのキャリアを切り開く重要なシーズンを目前に、彼女が住む北海道北斗市へ。

石本 鈴花選手と彼女のお母さん、そして新スポンサー 津軽海峡フェリー株式会社の杉山さんにお話を伺いました。

石本 鈴花 プロフィール

石本 鈴花 suzuka ishimoto

石本 鈴花 いしもと すずか(ずーすー)
instagram
出身地:北海道 北斗市
競技種目:スノーボード・スロープスタイル/ビッグエアSAJ 強化指定Bランク
所属チーム:MOJANE


スポンサー
津軽海峡フェリー株式会社 / YONEX(ボード,ブーツ,ビンディング) / HELLOIDO(ウェア) / 100% SNOW (ゴーグル) / DOMINATOR WAX(ワックス)


2人の兄を追いかけるように4歳でスノーボードを始めた石本 鈴花選手は、MOJANEチームの一員として大会出場を重ね、小学6年のときにJSBA全日本選手権で優勝(プロ資格を取得)。スポンサーや関連団体、多くの支援者からのサポートを受けながら活躍の場を広げてきました。

彼女の持ち味は、ビッグジャンプからの鬼ストンプや、驚くようなアプローチを仕掛けるレールセクション。昨シーズンのジュニア世界選手権では、男子すらやらなかったトランスファーエントリーでSNSを盛り上げ、見事表彰台に立ちました。

2025-2026
・ジュニア世界選手権(カナダ) スロープスタイル 2位,ビッグエア 6位
・全日本ジュニア選手権大会(長野) スロープスタイル 2位

2024-2025
・ハルビン冬季アジア大会(中国) ビッグエア 3位,スロープスタイル 4位
・アジアカップ(長野) スロープスタイル 優勝
・全日本選手権大会(長野) スロープスタイル 4位,ビッグエア 10位

トップスノーボーダーの登竜門と活動資金

石本 鈴花 suzuka ishimoto

26−27シーズンの石本 鈴花選手の目標は、国際大会で成績を残し、強化指定BランクからAランクに昇格すること。

そのためには、海外遠征で実力を上げていく必要があり、渡航や滞在費等の自己負担額も大きくなります。(1シーズンにかかる費用に、つい「うぉぉ…」と声がでてしまいました。)

スノーボード選手にはさまざまな段階があります。強化指定ランクによって支援もありますが、A・Sランクを狙う間の自己負担は特に大きく、志半ばで夢をあきらめる選手も少なくありません。

26-27シーズンの石本 鈴花選手は、あとひと踏ん張りの地点にいます。

国際舞台での活躍を目指す彼女の挑戦に、協賛、寄付、フォロー、拡散など、企業/個人問わず様々な形で応援をしていただけるとうれしいです。

スポンサードに関する窓口は現在準備中とのことで、現在はMOJANEでもお問い合わせをお受けしています。

INTERVIEW:SUZUKA ISHIMOTO

口数少なく、マイペースな女の子。石本 鈴花選手を知る人の多くがそんな印象を持っているのではないでしょうか。実際のところ、僕もそう思っていました。

ですが、じっくり話をするうちに、本人の中に強い意志とスノーボードに対する美学があるということが分かってきました。

この日は、スノーボードを始めた仁山スキー場、スケートの練習を重ねた駅前のパーク、そして、津軽海峡フェリーのターミナルを巡り、選手としての現状と心境を聞きました。

25-26シーズンを振り返って

石本 鈴花 × 諸橋 正太

モロ:25-26シーズンはナショナルチームに参加して、FISジュニア世界選手権でスロープスタイル2位!見事な結果を残したけれど、自信がついたことや手応えを感じたことはある?

すず:初めてのナショナルチームだったので、遠征とか大会でいろんな経験をしました。成長につながる年だったなって思います。
ジュニア世界選手権は、昨シーズン一番の目標でした。その先を目指すって考えた時にも大事な大会だったので、絶対結果を残したいって思っていて。
高回転の技を繋げられたわけではないんですけど、自分ができる技を一つ一つ綺麗に決めきれて、それが得点に繋がったので自信になりました。

モロ:ここを通過しないと次にいけないっていう強い気持ちで挑んでいたんだね。何が良い結果を生んだのかな。

すず:予選と決勝で1セクション目の技を変えたんです。
その技は公開練習でずっとできなくて、そのまま本番に行ったので正直ちょっと迷いました。でも難易度を下げたくなかったのと、全部を綺麗に決めれたらいい点数が出る組み合わせだと思ったので、やろうと決めました。
本番は2本滑れるんですけど、「2本しかない」じゃなくて「2本もある」ってポジティブに考えたら、2本とも決まったんですよ。だから、公開練習の出来だけじゃなく、自分のやりたいことを曲げないでやり通すっていうのも結構大事だなっていうか、いい選択だったのかなって思います。

ナショナルチームと海外遠征

モロ:24−25の中国ハルビン以降、海外への遠征も増えてきたね。海外の選手と触れ合う機会もあると思うけれど、交流はできた?

すず:英語が喋れないので簡単な挨拶くらいで終わっちゃうんですけど。でも日本語が上手な子とかもいて、話ができました。海外の選手からも刺激をもらったり、自分に足りないものを実感したっていうか。

モロ:ナショナルチームの環境はどう?トップ選手を間近に、影響を受けたりした?

すず:とにかくみんな意識が高くて、切磋琢磨し合える感じ。競争競争って感じじゃなく、高め合えるというか…良いライバル?みたいな。みんな仲が良いので、遠征もすごく楽しいです。
自分はコミュ障なところもあるので、行く前は仲良くなれるかな?って不安もあったけど、喋ってみると、画面上で見ていた印象とのギャップっていうか…みんな話しやすいし面白い一面が見れて、意外とすぐに溶け込めた感じでした。

モロ:そうかそうか、それはよかった(笑)。実際にワールドクラスのライダーたちと練習してみて、今の自分の立ち位置とか技術の差はどう感じた?

すず:去年よりは近づけたと思っているんですけど、それでもまだ技術面も練習量でも遠いなって結構感じてます。

トップ選手に追いつくための練習と環境

新函館北斗駅前スケートパーク
いつもスケートを練習していた新函館北斗駅前スケートパーク

モロ:特にオフシーズンの北海道の練習環境は大きなディスアドバンテージだよね。普段は自主練が中心だと思うけれど、日頃はどんな練習をしているの?

すず:やっぱり、高回転になればなるほど(低回転でもなんですけど)、どこが悪いとかが分からなくなってくるんですよね。そういう時に教えてくれる人が身近にいないので、基本自分で考えないといけなくて、そこでちょっと止まっちゃったりします。
あと、イメトレは大切にしています。動画をできる限り見返したり、とりあえず今できることを意識してやっています。
自主練とか合宿で東北クエスト(宮城県)に行った時は、コーチの西田祟さんが動画を撮ってアドバイスをくれるし、現地のトレーナーさんに筋トレとかセルフケアを教えてもらえるので、とてもありがたいです。

気骨と度胸は父譲り⁉

モロ:鈴ちゃんは、感情をあまり表に出さないタイプだなって思うんだけど、実際のところはどうなの?大会では緊張したりもするでしょ?

すず:緊張する時もあればしない時もあって。公開練習の時点で割とうまくいっていれば、メイクしたイメージだけを持って、不安なセクションとかを考えたりは特にしないです。
逆に、公開練習で何もできなかった時とかは結構バット入って緊張します。でも、出来なさすぎると吹っ切れて「なんかもう、とりあえずやるしかないか」くらいの軽い感じになる。そういうときの方が本番うまくいくことが多いです(笑)。

モロ:調子が上がってこない時の気持ちの切り替えが凄い!本番強さの秘訣かもしれないね。

すず:考えすぎると逆に緊張するから。お父さんからは「緊張したときは、みんなジャガイモだと思え」って言われてました(笑)。

類まれな環境適応能力

2019年石本鈴花
2019年夕張マウントレースイ(小学3年当時)

モロ:鈴ちゃんは小さい頃からお兄ちゃんと毎日フリーランをやってきて、家族で車中泊をしながら全道・全国の大会にガンガン参加していたよね。その経験が生きてるなって感じる瞬間はある?

すず:違う環境に行った時に、慣れるのが割と早い方だと思います。特に海外とかだと、キッカーの形状とか雪質とか、結構いろいろ違うんですけど、なんとか合わせていけているかな。

モロ:耐性が付いている感じがするね(笑)。環境に左右されずに自分の力を出せるのは選手として強みだよ。(俺なんていまだにちょっと環境が変わったら熟睡できないし、すぐに体調崩すし、速攻で家に帰りたくなっちゃう。)

活動資金とプレッシャー

石本鈴花 仁山スキー場跡
仁山スキー場跡地

モロ:次はあえてシビアな質問をするよ。選手として活動していく上で、特に海外を転戦するフェーズともなれば、お金の問題とは無縁ではいられなくなるよね。家族でもたくさん話し合っていると思うけど、ぶっちゃけどう感じている?

すず:すごくお金がかかっているので申し訳ないっていうか、その分頑張らないとなってめっちゃ思います。
練習中はあんまりお金のことは考えないようにしてるんですけど、前回のニュージーランド遠征では、現地でインフルエンザにかかっちゃったり、天気が悪くて練習も全然できなくて。大会が終わった後とかに、ちょっと考えたりしちゃいました。罪悪感っていうか。
対策とかは今は思いつかないけど、とにかく集中するしかないなって。

モロ:スタート台に立つ選手の背景には本当にたくさんの事情がある。でも、競技の場では余計なことは考えず、集中しなくちゃいけない。これは途方もない精神力だよね。
この先、もっと規模の大きなスポンサードを受ける機会もあると思うんだ。その分、不安や雑念がどんどん入ってきちゃうけど、その中でも自分で気持ちを処理して立ち向かえるかっていうのも重要かもしれないね。

ひとつ、アドバイスがあるとしたら、スポンサーは鈴ちゃんに「ベット」してるわけじゃないってこと。これまで残してきた結果があるからこそ、次の挑戦をいろんな形で応援してくれる人がいるんだよね。
自分じゃコントロールできないことがこの先まだまだ出てくるし、競争はもっと激しくなっていく。その中で、鈴ちゃんにしかできない最大限のパフォーマンスでみんなの応援に応えていこう。

目指すは360度どこから見てもカッコイイ滑り

石本 鈴花 suzuka ishimoto

モロ:そこで、だ。自分の滑りの強みとかイケてる部分、ここに注目してもらいたい!みたいな点はある?

すず:強みは、滑りに無駄な力が入っていないところだったり、足腰が強いところかな。
ストンプとか、デコったり(デコる= ランディング上部の斜度がない部分に着地してしまうこと)とかよくあるんですけど、気合いで立つ!みたいなことが多くて。
今のコケたでしょ?って言われたやつが実は立ってる、みたいな(笑)。

モロ:たしかに!頭が沈むくらいドスン!と着地して、何事もなかったように滑り出す鈴ちゃんの映像、結構見る気がする。
鈴ちゃんの着地は肩甲骨から腕をカバーっと広げてバチーン!って立つのがカッコいいんだよね。筋力測定でも数字にでている?

すず:うん、足は強い方でした(笑)。あと、これからこだわっていきたいのはやっぱりスタイルです。
空中での写真を見ると、技によってまだまだグラブが甘いんですよ。タイミングとか、画角とかによってもスタイルが出なかったりするので、どんな角度でもどういう技でもスタイルは出せるようにしたいなって思います。

モロ:どこで切り取られてもかっこよくありたいということだよね。実は動画より写真の方が難しいもんね。例えば、どういったスタイルを目指している?

すず:選手で例えると、ミア・ブルックスとか、村瀬 心椛ちゃんみたいな、滑りは軽いのにスタイルが出てるみたいな。着地でお手つきとかあんましないし、ダイナミックでカッコイイ。そういう、カッコイイ滑りがしたいです。

高校生活と競技生活

モロ:学業と競技の両立は、どんな感じ?大変だなと感じること・良かったなって思うことはある?

すず:大変なのは、勉強がちょっと遅れちゃうところ。あとは学校行事とかに出れないのは寂しい。本当は出たいです。お兄ちゃんも同じ高校だったので、事情が分かってくれている分、活動はしやすいです。
良いところは、先生が協力的で応援してくれるところ。横断幕を作ってくれたりとか。ニセコで大会があった時は、担任の先生が手作りのうちわを作って応援に来てくれたりして、嬉しかったです。

モロ:鈴ちゃんが通う 柏稜高校の公式インスタを見ると、スポーツや文化活動を積極的に応援してくれる校風みたいだね。めちゃくちゃいいなと思ってフォローしたよ(笑)。お友達とはどう?

すず:学校では結構不思議ちゃんって言われてます。遠征とかで突然スッといなくなったりするから。毎回みんなに伝えたりとかしてなくて(笑)。でも遠征から帰ってきた時は、みんな「お帰り」って声をかけてくれたりとか、とても嬉しいです。

最高のTOP to BOTTOMを求めて

石本 鈴花 suzuka ishimoto

モロ:この先、滑ってみたい山ってある?海外でも日本国内でも、もし理想の1日が過ごせるなら、みたいな。

すず:スノーボードで理想の1日…。競技ではないけれど、リフトを降りてからの1本があるじゃないですか。その1本全体を上から下まで降りるまでにジャンプとかナックルハックとかしながらフリーランしたい。そういう、1本で色んなことができるような場所を滑りたい。
あとは今日行った二山スキー場、また滑りたいです。

モロ:まさに、TOP to BOTTOM!鈴ちゃん、やっぱスノーボーダーだね!
実は「山頂から麓までの1本を全力で遊ぶ」っていうのがMOJANEのテーマでもあって、そういう滑りをしたい人たちがお店に集まっているんだ。もう、みんなの心はガッチリ掴んだと思うよ(笑)。
さて、26−27が始まろうとしているね。まずは強化指定A、そしてSを目指していくイメージだよね。意気込みを聞かせて?

すず:今は目の前にある大会を一つ一つやっていきます。目標としている大会もあるけれど、そこに立つためにも、今の結果の積み上げだと思っているので。

モロ:確かに。大きな目標をドカンと立てて有言実行!って人もいるけれど、鈴ちゃんの考え方も一つのアプローチだよね。自分のやり方で、一歩一歩だね。
最後に、鈴ちゃんにとってのスノーボードとは?

すず:んーっと…自分は言葉で伝えるのが苦手だから、滑りで自分を見せれたらって思います。個性を表現する方法、かな。

石本 鈴花選手の移動を支える津軽海峡フェリー

26-27シーズン、津軽海峡フェリー株式会社が石本 鈴花選手のスポンサーに加わりました。

北斗市在住の彼女にとって、函館と青森を結ぶ航路は本州で行われる合宿や大会に向かう重要な移動手段の一つでもあり、心強い応援団です。

一体どんな経緯で?担当の杉山さんに、お話を伺うことができました。

INTERVIEW:津軽海峡フェリー 営業部 杉山 寧さん

津軽海峡フェリー 営業部 杉山 寧さん

諸橋:今回の鈴ちゃんのスポンサードですが、どんなきっかけだったのか聞かせてください。

杉山:お母様とお二人でターミナルにいらっしゃって、お話をいただきました。
高校生が来る時は採用の件が多いので、初めはどういったご要件で来られたのかな、というところはあったのですが、スノーボード競技をやられていること、津軽海峡フェリーを長くご利用いただいていること、あとは身近な会社として一番初めに弊社にアプローチをかけてくれたとお聞きしたんですね。

諸橋:まさかアポなしで突撃だったんですか⁉

杉山:はい(笑)。事前に電話もなくいらっしゃって。そこでお母様の熱意をすごく感じました。また、スポンサーのご依頼をする初めての会社に我々を選んでくれたのも大変嬉しかったですし。それがきっかけだったんですよ。

諸橋:それは聞いていませんでした。お母さん、頑張りましたね。

杉山:それを踏まえまして、実は私もスノーボードをやっているのですが、正直こういった競技をする環境としては設備が整っていない道南エリアで、ここまでの結果を出されているということで、我々も地元に根付く会社としてぜひ応援したい、そして会社としても石本選手と一緒に成長していきたいと思い、このような運びとなりました。

諸橋:杉山さんもスノーボーダーでしたか!青森出身とのことですが、どちらで始められたんですか?

杉山:青森の野辺地町という町がございまして、今はなくなってしまったまかど温泉スキー場という本当に小さいローカルスキー場になるんですけれど。青森では地元のショップさんにもお世話になっています。
※地元のショップ=青森の老舗aboutさんとのことで、しばしヨコノリ談義が盛り上がりました。

杉山:現在は七飯町の七飯スノーパークですとか、ルスツの25時間券を利用したり、色々遠征に行っていますね。青森に帰るときはこの津軽海峡フェリーを利用して、車と一緒にスノーボードも積み込んで、地元のスキー場を巡ったりもしています。

諸橋:理想の生活を送られていますね。なるほど、杉山さんのスノーボーダー視点があったからこそ、鈴ちゃんのスポンサードにも興味を持ってもらえたのかな。彼女の活躍を温かく見守っていただける感じがあって、僕もすごく安心しました。

杉山:私は営業担当なので、普段はスポンサー等の担当とはちょっと違うんですけれども、広報的なところもやらせてもらう中で、石本選手が初めてお母様といらっしゃった時にたまたま私もおりまして「スノーボードだったら杉山じゃないか」みたいなことで上からの指示があった、そんな経緯もあったんです。

諸橋:社内でもスノーボード好きが知られているんですね(笑)。じゃあ結構運命的というか、その日に杉山さんがいなかったら…って話ですか⁉

杉山:それは多分というか、実はそうだったんですよ。

諸橋:彼女のライディングもご覧になったと思いますが、第一印象も含めてどうでしたか?

杉山:制服姿で来られた時はスノーボードの競技をやっているような印象に見えないというか、すごい可愛らしいので、彼女のかっこいい滑りを見てびっくりしました。ギャップがありましたね。Instagramもフォローしましたし、いつも見ています(笑)。

諸橋:機会があれば、ぜひ鈴ちゃんと一緒に道南エリアを滑ってください。

杉山:滑ってくれるならぜひぜひ!そのときは、津軽海峡フェリーのジャンパーで(笑)。

(右)津軽海峡フェリー 営業部 杉山 寧さん(中)石本鈴花選手(左)諸橋

営業の杉山さん、広報の菅原さん。お忙しい中ご対応いただき、ありがとうございました。

今回の記事の制作にあたり、津軽海峡フェリーターミナル内での撮影許可とインタビュースペースをご提供いただきました。重ねてお礼申し上げます。

(代替テキスト)
津軽海峡フェリー函館ターミナル

函館/室蘭↔青森/大間を結ぶ津軽海峡フェリー。なかでも鈴ちゃんが利用している函館~青森航路の運航率はなんと約99.6%!意外にも天候の影響を受けにくいそうで、めったに欠航しないのだとか。僕もフェリーに車を載せて、また春の青森スプリングに滑りに行きたい!

INTERVIEW SUZUKA’S MOM

石本 鈴花選手を最も近くで支えているのがお母さん。選手活動の手配や手続き、車中泊を含めたハードな長距離送迎までをバリバリこなしてきたお母さんに、鈴ちゃんの幼少期のお話を伺いました。

鈴ちゃんのスタイルやアスリート適性が育まれたのは、意外にも超ストレスフルなスノーボード環境だった⁉

母から見る、娘とスノーボード

石本鈴花選手の母

モロ:鈴ちゃんは二人の兄(マナト・リク)に続いて、スノーボードの大会に出場するためにMOJANEでチーム登録をスタートしました。そもそも、石本3兄弟(妹)のスノーボードはどんなきっかけで始まったのですか?

母:実は、子供達から「やりたい」と言いだしたわけじゃなく、父親が家族でスノーボードをしたかったんですね。なので、長男マナトと一緒に滑りだしたのが始まりでした。
当時は、父親が両足の間に子供を立たせるための道具を自作して、自分のスノーボードに取り付けて、仁山スキー場の急斜面を滑っていたんです。次男のリク、長女鈴花、三人ともその道具でスノーボードデビューしました。

モロ:お母さんから見て鈴ちゃんはどんな子でしたか?

母:お兄ちゃん2人の末っ子女子だったので、正直扱いは楽でした。親としてそれなりに女の子の扱いはしていたんですけどね。
鈴花がスノーボードを始めたのは4歳だったと思いますが、スノーボードをしている時も自分の主張はしない子で、とにかく黙って長男次男について行っていました。

モロ:僕は多分、鈴ちゃんが小学1年生くらいの頃から会っていますが、当時から無口なイメージです(笑)。
一般的には、末っ子女子だと自己主張が強くなるのかな?とも思うのですが、そんな様子もないですよね。滑りとのギャップが凄い。

母:元々あれこれ言わない性格なのですが、滑るのが好きな長男次男はどんどん行っちゃう。その後ろを「待って!」とも言わず、黙ってひたすら追いかけていました。
兄たちは転んでも先に行ってしまうし、リフト乗り場で待っていることもなく次の1本にいっちゃうんですよ。なので、鈴花もそれを理解して(諦めて)、必死についていくしかなかったんだと思います(笑) 。今思うと、恐怖心を感じる隙もなかったのかも…。

モロ:めちゃくちゃ叩き上げじゃないですか。お兄ちゃんたちのスキルも高いうえに、二山スキー場の地形と斜度は大人でも厳しい(笑)。その緊張感の中で必死に滑っていたんですね。

母:ただ、上の2人もちゃんと鈴花の面倒を見てくれていて、ビンディングをつけてもらったり、ボード担いでもらったり。滑りでは一切容赦はなかったけれど、そういう面はちゃんと見てくれていたので、安心感はありました。
それと、仁山スキー場のリフトの方々にも本当にお世話になりました。(3人で爆走しているので、仁山の暴走族と呼ばれていました…) リフトの乗り降りを手伝ってもらったり、飴ちゃんくれたり、あまりにずっと滑っているので、お弁当までくれた方もいたんです(笑)。

モロ:鈴ちゃんはいつから大会に?コンペティターとしての素質を感じたことはありましたか?

母:鈴花が初めて人前で滑ったのが2019年に大通り公園で開催された「白い恋人パークエア」でした。
大会だというのに、怖がったり緊張することもなくいつも通りデーンと立ってい「黙ってやるしかない」っていう感じで。ずいぶん度胸がある子だなと思いました。長男次男とはまた違った根性があります。

モロ:2019年のパークエアは僕もよく覚えています。特大B3をストンプしたことで「石本 鈴花」の名前が一気に広まりました。
普段の″兄たちを追いかけるヒリヒリした滑り″に比べたら、逆に気楽だったのかもしれませんね(笑)。

※その翌年のパークエアでは小学4年生で特大のバックフリップを決めた。

石本鈴花キッズ時代

母:基本的には人前に出ることとか、見られることを嫌がる性格だったんです。ただ、結果を出していくことには興味があって、嫌いじゃなかったようですね。
今では大会自体「緊張」よりも「集中」ている様子です。逆に私は緊張し過ぎて、いつも朝から吐きそうです(笑)。
もの凄いスピードだし、怪我も怖いし。でも本人の近くで緊張していると怒られるので、なるべく離れて見守っています。邪魔をしないように(笑)。

モロ:危険な競技ですから、ご両親としても気が気ではないですよね。お父さんが練習や大会を見にいくことはありますか?

母:父親は基本的に大会はあまり見に来れません。でもきっと家族で一番緊張しているんじゃないかな。見に来てくれればいいのにって思うのですが、色々と口を出しちゃうので、邪魔しちゃいけないと思っているのかも(笑)。

モロ:今日はご家族でスノーボードを始められた二山スキー場を案内してもらいました。あの斜面を見れば、3兄弟(妹)の総合滑走能力の高さは納得ですね。
道南のガリガリに硬くなる急斜面を、放課後に毎日かっ飛ばしてて、週末はヒラフ。ヒラフの雪は最高に楽しかっただろうなぁ!そうやってフリーランをしてきたからこそ、オールラウンダー的な強さが育ったのかなと思いました。

母:どうなんでしょう、私はスノーボードに関しての詳しいことはよく分からないのですが、練習用の施設ではなくスキー場のそのままの地形でフリーランを滑ってきたからなのか、滑りが全然違うとは言われます。

モロ:普段あまり自分から話すタイプではない鈴ちゃんが、今回のインタビューではスノーボードの取り組みについて、真剣に一生懸命話してくれました。
彼女のホワ~っとした雰囲気は良いキャラだと思っていましたけど、実は芯があり、よく自己分析をして、一歩一歩着実に進んでいくタイプなんだということが伝わりました。鈴ちゃんの知らない一面を見ることができてよい機会になりました。

母:鈴花はかなりマイペースなので「この子大丈夫?」みたいな印象を持つ方も多いんですね。
遠征でも、慣れている子たちは朝早く起きて、自分で身体のメンテをして滑りに行く、という動きができて習慣化している。鈴花はというと、朝起きるのは苦手だし、あまり話さないし、何考えてるのか分からないって思われているかもしれません。
ただ、練習を重ねて行く中で、自分なりの考えを持っている子だということに、コーチが気づいてくださったんです。一緒に過ごす選手の皆さんにも良くしてもらっているようです。本当にありがたいですね。

仁山スキー場跡

この日、石本親子との待ち合わせ場所は、かつて滑り倒したという二山スキー場跡。スキー場が閉鎖して以来、久々の景色に「懐かしぃ~!」と声を上げるお母さん。当時の思い出もたくさん聞かせてくださいました。

このインタビューから2週間後、鈴ちゃんはスイス遠征へ出発しました。長期合宿や海外遠征など、心配事が絶えないながらも、常に明るく笑顔で応援するご家族の姿に、僕も突き動かされる思いです。

モロのつぶやき

今やすっかり大人の表情を見せている鈴ちゃんですが、僕の印象に強く残っているのは、ヒラフナイターで2人の兄を追いかけて滑っていた動画です。小学1年生くらいだったでしょうか、まだ小さな彼女にとっては腰パウ。ボコボコに荒れた地形をものともせずにダッグスタンスで突っ走る姿に驚きました。

当時、長男マナトのプロ昇格が見えていた時期。その兄を完全にトレースしたライディングスキルは、現在の活躍を十分予感させるものでした。

パーク、ストリート、パイプまで軽々とこなすスーパーオールラウンダーの長男マナト。いつも大胆なアプローチで、とにかく大きく飛んでいた次男リク。鈴ちゃんのライディングからは、今も2人からの影響を感じます。

いよいよ国際大会が舞台となりました。ここからどんな成長を遂げるのか、楽しみです。

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