REVIEWスノーボード2025-2026XX

XX|メタル内臓カービングボードを、大人のディレクショナルクルーザーとして

2025−2026 SCOOTER XX

テクニカルカービングのノウハウを
フリースタイルボードにON!

26-27シーズンより新たにMOJANEのラインナップに加わるXX(ダブルエックス)は、国産スノーボードブランドSCOOTERがつくる、フリースタイルカービングボードです。

この記事では、昨25-26モデルの試乗レポートをもとに、来季に向けてご紹介します。

XXの鍵を握るのは「正統派シェイプ」と「メタルプレート」の掛け合わせ。

重さやしなりを取り込んだ、ハイスピード・ロングクルージングにぴったりな1本です。

そして僕は、XXをパウダーボードをカッコよく乗りこなしたい方のトレーニング用としても、強くおすすめしたい!

スノーボードの上達と楽しみ、どちらも求める大人たちへの提案です。

日本流のフリースタイル・スノーボーディングを具現化

scooter xx 25-26
SCOOTER XX ¥138,600税込〈日本製〉

25-26シーズン、SCOOTERはフリースタイルボードのフレームに、テクニカルカービングボードの機能を融合させた「全地形対応カービングボード」XXを発表しました。

カービングをテーマにしているとはいえ、フリースタイルボードのコアにメタルプレートを取り入れたという、珍しいモデルです。

メタルプレートというと、テクニカル分野のスノーボーダーにとっては馴染みのある素材かもしれません。

急斜面・不整地での滑走技術と正確なカービングターンを追求するテクニカルスノーボードでは、耐スピードやエッジグリップ強化のため、ボードのコアに使われたり、カスタムパーツで取り入れる方もいます。

ですが、一般的なファン・スノーボーディングでお目にかかる機会はほとんどありません。

日本のスノーボードシーンの一角を築いてきたテクニカル競技と、思うままに楽しむスリースタイル。ジャンルを超えたこの組み合わせは、カービングボードのパイオニアOGASAKAを親会社に持つSCOOTERならではの着想ではないでしょうか。

また、MOJANEがこれまでにカービング性能の高いモデル(フリースタイルの範囲で)として紹介してきたSEASON AEROやBURTON CUSTOM-Xとは全く違う解釈で、クラシカルで奥深さのあるフリースタイル×カービングが表現されています。

SCOOTER

日本で最も歴史の長いスキー/スノーボードメーカーOGASAGA社が1996年に「フリースタイルスノーボード」をテーマに掲げ立ち上げたスピンオフブランド。(2026年は祝30周年!)

フラッグシップモデルのDAY LIFEは、BURTON CUSTOMに対抗する国産ボードの名作として知られています。

メタルプレートの重さとしなり、新感覚のターン&オーリー

scooter xx 25-26

これぞフリースタイルボードという定番のシェイプに、マットブラックのトップシート。XXのルックスは実に硬派です。

ボードを少し傾けると、両足元にXの陰影が浮かびます。このX部分に仕込まれているのがメタルプレートです。

XX最大の特徴でもあるメタルプレートが生み出すのは、異様に安定感のあるカービングターン、自分で操作していくマニュアル操作感、そして、バネのように跳ぶオーリー!

重そう、硬そう、動かなそう、というメタルプレートのイメージを良い意味で壊してくれる、新鮮な乗り味です。

金属が入っている分それなりの重量感はありますが、乗ると重さは安定感とスピードに転化されるので全く気になりません。

また、ウッドコアとメタルのマッチングが絶妙で、驚くほど自然な感触。ボードがよくしなり、ターンやオーリーにスピードとパワーをもたらします。

scooter xx 25-26 諸橋正太

カービング:大中小のターンに対応

スピードをぐんぐん上げてもターンのGにボードが耐えてくれてバチっとキマる!また、ターンのGがかかる間もずっと自然なポジションに体を置き続けられます。

スーーーっと、グイーーーンっと!身体のバネと板のしなりをリンクさせると最高にターンが気持ち良い!

ボードのルックスからは全く想像ができませんが、湿雪でのカービングは、ズバーーーっと太い線で弧を描き、まるでパウダーボードでの気持ち良いターンのようでした。

オーリー:仕掛けやすく、高く飛ぶ!

ターンのGに耐える=硬いボードというわけではなく、よくしなります。このしなりにリズムを合わせてオーリーを仕掛けると驚くほど飛ぶ!

スピードに乗せたオーリーが癖になます。そして、とにかく仕掛けやすい。反射神経に自信のない僕でもタイミングが掴めたので、相当だと思います。

このボードでオーリーを覚えると、ターン中の踏み方のバリエーションが増えて、サイドヒットがより一層面白くなるはず!。

ハードバーンや引き締まった圧雪なら、いつもより低い姿勢で伸びやかなカービングに身を預けよう!雪質が柔らかく転んでも痛くなさそうなら、思い切って大きく飛ぼう!

カービングとフリースタイルどちらにも開かれたモデル

XXは、BC STREAMやGRAY、MOSSのようなカービング専門ボードに乗っている人にとっては、カービング要素をしっかり維持したままフリースタイルへの入口になるでしょうし、僕のようにフリースタイルボードに乗ってきた人にとっては、カービングボードに向かうエントリーボードになるはずです。

フリースタイルな動きは確実に担保してくれるので、カービングだけに絞りすぎないあたりがありそうでなかった、とても面白いボードだと思います。

XX試乗レビュー

僕は、仕事柄様々なボードに試乗してきましたが、メタルプレートが入ったボードは初めてだったこともあり、新鮮さ・驚き・閃きがありました。

とはいえ、国産ボードの試乗経験があまりにも少ないので、MOJANEのご意見、高山さんと木村さんに意見を仰ぎました。

低速から高速までサーフィーなイメージ

scooter xx 高山さん
高山さん

マニュアル動作の奥深さがしっかりとあってとても良いボードですが、わかる人は限られるかもしれないですね。

試乗する機会がある方は、少し時間をかけてじっくり乗る事をおすすめします。

特にロングクルージングが楽しいと思いました。キロロとか、ルスツのビバルディー、ヘブンリーとか、大きなターンがとても気持ちよかったです。

ボードが行きたい方向へ素直に動いてくれるし、エッジも立てやすい。メタルの重さは乗っていると全く感じません。

サーフィンはやった事ないですが、GENTEN STICKやMOSSに乗っている方々の様な、サーフィーなイメージで乗ることが出来ました。

BURTON CUSTOM-Xだと常にハイスピードを意識してしまうけど、XXは低速のクルージングからXの様なハイスピードまで楽しめる。

また、春のシャバ雪でもノーズが詰まらないし、スイッチもできるし、ラントリもできちゃう。汚れた雪でも良く走るし、アリですね。

生粋のダッグスタンススノーボーダーの高山さんからサーフィーというワードがでたのが驚きでしたが、思い返すと確かにサーフテイストがあります。

サーフィンでのハイパフォーマンスボードのターンは、波のパワーが不可欠です。波からの圧を受けながら板で抑えるようにしっかりと乗る。そんなスリリングな要素がXXに内包されている感じがします。

そしてもう一つ気になったのが、クラシックボードの雰囲気を感じるシェイプです。例えば、90年代後期のCUSTOM-Xや、T6にも似た要素…。

そこで、過去のボードに詳しくBURTON T6を持っている木村さんにも試乗して頂きました。

エッジ使い分けでメリハリのある滑り

scooter xx 木村さん
木村さん

BURTON T6に似たアウトラインなので近い乗り味を想像していましたが、T6よりも重いし、硬い。でもそれらが良い方向に出ています。

回転性と直進性が高次元で両立していて、思い切りメリハリをつけたライディングが楽しめました。

踏めば思った通りにエッジが効くので、ロングターンもショートターンも気持ち良い。エッジを効かせない時の直進性もよく、まっすぐ降りてくのが得意なボードだと感じました。

スノーボードは、まっすぐ滑ることが実は難しかったりしますよね。XXは、立っているだけでボードがすーっと下に向かって降りていくので、直滑降がとても自然。この直進性を生かすと、アイテムに真っすぐに入っていくことがラクにできます。(でも、ターンを意識するとすぐできてしまう)

グラフィックを捨てて表面加工で勝負しているルックスが渋いですね。車やバイクの結晶塗装のカスタムカバーみたいな感じです。

試乗は春のシャバ雪でしたが、圧雪でも同じ感じなら言うことなし!CUSTOM-Xの後継を探さなきゃと思っていました、XXか、MEGA DEATH, PROTO T3、T3 ULTRAあたりで迷っています。

木村さんの試乗DATE

スタンス:54cm(普段は56cm),左18°右-6°(普段は12°,12°)
使用ビンディング:FALCOR
試乗環境:4月下旬の朝一のザラメ雪
ロングターン:身体を倒せばエッジが効く。でもザラメに食い込まない。高速でバタつかない。
ショートターン:踏めば踏むだけ気持ち良く反発しながらターンできる。やはりザラメに食い込まない。
ストレート:ニュートラルの姿勢になると前から引っ張られるように安定して直進(はじめての感覚!)
時間が経って雪が荒れてきも基本の性能は変わらない。
※翌日ビンディングをNOWに変えると同じ乗り味のままで、オーリーが仕掛けやすくなった(板に慣れてきたせいかも?)

イメージしたのは、ヒラフ花園へ行き、アンヌプリ山頂へとハイク~東尾根でセットバックを生かしてパウダー~花参で思い切りカービング~花弐で弾いて回って~花壱のパークで安定性を生かしてキッカーやボックスにアプローチ!

木村さんの着眼点、「ボードが下に落ちていく」というお話にはとても共感しました。これは、コンベックスソールの影響もあるのかな?と思います。

SCOOTER XXのスペック

scooter xx spec
scooter xx spec

シェイプ

XX はとにかくシンプルでオーソドックスな形状ですが、ノーズとテールのラウンドの出っ張りがないのでスピードが出せたり、春雪でも引っかからない、スイッチスタンスも問題なくいけるなど、実はよく考えられているシェイプです。トップシートはマットで、X形状のメタルプレートがエンボスされています。

サイズ

(150,154、157,160)の4サイズ展開です。150,154はユニセックスモデルとして男女問わずに選べます。

クルージングやハイスピードでのターンがメインなら、ワンサイズアップでも操作性良く乗れます。“フリースタイル感” を味わうならジャストサイズがお勧めです。

Tiプレート(メタルプレート)

ボード全体の舵取りがこのプレートから始まるイメージでした。

ターンが中盤に差し掛かるとき、メタルの安定感、力強いエッジングが発動します。

XXの重量感はこのプレートによるものですが、ライディング中にこの重量を感じる事は不思議とありません。メタルプレートがトーションやフレックスのコントロールにも役に立っていることは、オーリーすると分かります。

パワーカーブ(サイドカーブ)

数値の詳細は公開されていませんが、複合系のサイドカーブで、踏み込み具合でターン孤を自在に変えられます。

エントリーのノーズにはタイトなカーブを、真ん中では大きなカーブ、そして出口ではまたタイトなカーブ。踏み込む場所とタイミング次第で、スムーズなターンエントリーから、急な旋回まで、様々なターンを繰り出します。

ライン取りの最中に修正ができるのも、バンクに強いのも、このサイドカーブのおかげでしょう。

フレックス7/10

スピードが出ていない状態では硬く感じますが、いざ滑り出すと、全く硬い印象はありません。

ターン中は、グ〜っとボードが曲がり続けてくれ、ポン!と反発よく自然に戻る。カーボンともウッドコアとも違う感触、これがメタル⁉

スピードに乗った状態でのオーリーでは、ポン!と弾けるように飛ぶという印象を強く受けました。

トーション

フレックス同様にトーションも自然。どこまで引き出せているかはわかりませんが、ボードが春のシャバ雪をえぐってしまいターン中に暴れてしまう時に、このトーションがうまく効かせられてスムーズにこなせた印象がありました。

このマニュアル感覚、対応力はトーションの効果かなと思います。

アスナー・ラバー

ラバーといえばNEVER SUMMERの「DUMP」を演出しているテックです。NEVER SUMMERではコアにラバーを貼り付ける事で、振動を抑えています。

XXではどこにラバーが使われているかは明記されていませんが、同様の効果を生み出していると考えると、メタルで走破性を、ラバーで振動吸収性を、というイメージでしょうか。

ソール

春雪でもよく走るグラファイトソールにストラクチャー仕上げ。形状はお椀状にカーブしたコンべックスソールです。これにより、余計なエッジが引っかからず、スルスルと動きやすいボードを演出しています。

ただ、実際に滑っていてコンべックスを感じるほど極端なものではなく、ライドフィールの軽さに現れているのかな?という印象です。例えるならベースエッジを2°落としたボードのような動きに似ています。

また、木村さんのレビューにもあった自然と下に落ちていく感じにも繋がっていると思います。

ラウンドノーズ

海外ブランドではあまり見かけなくなった、シンプルなラウンドノーズですが、ターンの導入が滑らかで、自然にサイドカーブへと導かれる形状です。

足元のメタルのインパクトを十分に感じるためにも、このノーズが陰の立役者になっている?バターもオーリーも対応してくれる印象です。

ビンディングとの相性

XXはボード重量があるので、もし総合バランスを取りたい場合は、軽量でパワーのあるビンディングが好相性だと想像しています。

ハイエンドビンディングなら、UNIONだとATLAS PROやSOUCEシリーズ。

過去のモデルになりますが、NOW DIRVE CX も非常に魅力的なセットアップです。

伸びやかなターンを狙うならATLASやFORCEもおすすめです。

パウダーボードを格好良く乗り捌くためのスキルをXXで磨く

scooter xx 25-26 諸橋正太

XXは、さまざまなターンのバリエーションにも応えてくれるボードです。

特に印象的だったのは、姿勢の取りやすさ。ターンを繰り返していくと、板が走り出すポイントが分かってくるはずです。僕は頭の位置でそのプロセスがつかめました。

ボードを支点にヤジロベエの様に身体を振っていくイメージでターンをしていくと、リーンアウトの時に姿勢が崩れても、立て直すポイントがわかりやすい。こうして覚えたリカバリーは、違うボードに乗っても必ず役立つものだと感じました。

このような基礎的な要素を考えると、ビギナー層にも有益なモデルです。

レベルによってはやや重く硬く感じるかもしれませんが、綺麗なフォームをサポートしてくれることは間違いありません。

そして、これらは「パウダーボードの操作」にも繋がるスキルです。

憧れのライダーに影響を受けて手に入れたパウダーボードを上手く乗りこなせていない人、いませんか?

一見、心地良く簡単そうに見えるパウダーライディングですが、実はかなりスキルを要します。がむしゃらに乗り込んでいるだけでは上手に扱えないというボードも少なくありません。

パウダーボードの性能を発揮させられているだろうか。格好良く乗れているのだろうか。

自分のライディングに疑問を感じている方には、ぜひXXを体験してもらいたい!

特に春。パウダーシーズンを終えてからの圧雪ターンが上手くいかないという方は多いと思います。その誤差を埋めたい時は、足が取られる中でも安定した姿勢を保つライディングを意識してみてください(XXの滑走面は春の湿雪でもよく走ります)。

そして、XXで掴んだコツをパウダーボードで試すと…絶対に感触が変わっているはずです。そのボードの特徴が以前よりも明確に伝わってくると思います。

モロのつぶやき

scooter xx 25-26 諸橋正太

「フリースタイルボードにメタルプレート⁉」

25-26シーズンに発表された数々のボードの中で、SCOOTERのXXに目が留まりました。

俄然、乗り味を確かめてみたい! こうしてひと冬のテストが始まり、26-27シーズンに向けて紹介することとなりました。

これまでのMOJANEのボードラインナップは、100%海外ブランドでした。それは、北海道の雪山環境が、海外ブランドの背景にある山々との類似点が多いことも理由の一つですが、僕が若い頃から追いかけてきたアメリカのスノーボードシーンを主観に置いてきたことが大きかったかもしれません。

SCOOTER XXは僕が初めて取り扱う国産ボードとなります。それ自体に大きな意味はありませんが、XXのアプローチは、日本のスノーボードシーンの一部がある種ガラパゴス的な発展を続けてきた結果ではないか、と思うのです。

スノーボードの2大要素とも言えるターンとオーリー。これらをどんな素材とカタチで、どんな楽しさを表現するのか。

僕たちは、世界中のスノーボードブランドが生み出す様々なアイディアに乗って、スノーボードを楽しんでいます。

オーソドックスなフリースタイルボードにメタルを乗せる、というアイディア。そしてそのアイディアをバチっと形にするSCOOTERの技術力。 なんだか、日本独自のフリースタイルが立ち上がろうとしている感じがしてきて、ワクワクしませんか。

海外ブランドとは少し違った解釈で生まれたフリースタイルボード。国産ボードに触れる機会となれば嬉しいです。

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