TUNE UPワックスドミネーターセルフチューン

簡単作業で驚きの走りと持久力!DOMINATORの高性能リキッドワックス

DOMINATOR LIQUID WAX SERIES

まるで作り込んだかのような走りを、幅広い環境下で

大手ワックスメーカーや3DボードのパイオニアFIELD EARTH(HAYASHI WAX)が先駆けとなり、すっかり定着している液状のワックス。

特別な道具を使わず手早く施工できるので、自宅や現場でのワクシングに活用している方も多いのではないでしょうか。

そんな風潮からしばし遅れて、2024年秋。ついにDOMINATORから待望のリキッドワックスシリーズが登場し、話題となりました。

この記事では、ユーザーから集まったDOMINATOR LIQUID WAXのレビューと、MOJANE流の使い方をシェアします。

使用上の注意点もありますので、最後まで読み通していただければと思います。

DOMINATOR(ドミネーター)

コンペティションに特化したアメリカの老舗ワックスメーカー。
フッ素混合化学の権威タノス・カリダス博士が監修するワックスという事もあり、フッ素においては右に出るブランドはありませんでしたが、昨今は環境保全の観点から脱フッ素ワックスの開発が進められています。
この記事でご紹介するリキッドシリーズもノンフッ素。もちろんFIS大会でも使えます。

DOMINATOR LIQUID WAXレビュー

DOMINATOR LIQUID WAXを施工したボードでライディング

24-25シーズン、MOJANEでは多くの方にDOMINATOR LIQUID WAXをご紹介しました。特に、滑走日数が多い方、複数のボードを乗り分けている方に好評で、もう手放せないマストアイテムになったという声も届いています。

僕自身も様々な環境でテストし、高い滑走効果と持続性、適応力を実感しました。もはやセルフワクシングはリキッドだけで完結してしまう域に達しています。

また、誰の家にもあるツールで施工できるので、チューンナップビギナーにもおすすめです。

雪にハマればえげつない走り方をする

特にハイシーズンは、固形ワックスではなかなか体感出来ないレベルの滑走性能を発揮してくれました。滑走面にスルッスルの膜が張られたような、過去にない不思議な滑走感覚で、雪にビタっと合った時は無双です。

最もよく走ったのは外気温-5℃〜0℃くらいの環境だったと思います。

効果が薄れてきたとき、急にピタっと走らなくなるのではなく、自然にフェードアウトしていく感じも好印象でした。

1泊2日のトリップなら十分過ぎる効果

ハイシーズンの綺麗な雪質なら、朝から晩までしっかり1日保ってくれます。たった1日か…と思われるかもしれませんが、散々ワックスをテストしてきた僕にとっては、この手軽さで得られる効果と持続性は衝撃的なレベルです。

元々、DOMINATORペーストワックスを使用していた方からは「ペーストよりも効果がある」という意見も。

雪に合わせてワックスの硬さが変化するので、ある程度の温度変にも対応してくれます。旅行にも心強いワックスです。

生塗ワックスとの併用で完璧

湿度の高い雪を滑るとワックスの消耗が激しくなるので、特に春は追加のワックスが必要になることもあります。そんな時のために、生塗用の固形ワックスがあると便利。( FF )最近はハイシーズンでも急に気温が上がって走りが悪くなることもあるので、ポケットにいれておくと安心です。

走り過ぎにご注意!!

特にハイシーズンは、初級者やスキー学習のキッズたちのワクシングを行うこともあるでしょう。ただ、お子さんのスキーに施工したところ、走りすぎて怒られたというレビューが3件もありました。(お父さん、つい念入りに施工しすぎたのかも⁉)

特に、斜度がある面やパウダー内でビンディングをはめる時は板が逃げてしまって苦労する場面も見られました。スキー/スノーボードに関わらず、ビギナーやコース内で付け外しが多い方は効果の高さにご注意ください。

効果が感じられない雪環境

最低でもそれなりにいい走りをしてくれると思いますが、1本目の滑走から効果が感じられない…というシチュエーションがあるとしたら、春です。ひどく汚れた雪、湿度のある新雪、それらが混ざり合った雪質が思い当たります。その場合、多くのワックスが太刀打ちできない状況なので、汚れた雪に特化したワックスや、春雪用ワックスを併用しましょう。

DOMINATOR LIQUID WAXラインナップ

DOMINATOR LIQUID WAX
DOMINATOR LIQUID WAX 全4種 各100ml/4,180円

リキッドワックスシリーズには、ベース用(紫缶)と滑走用(緑缶)とがあり、それぞれに静電気が起きにくいグラファイトタイプが用意されています。

内容量と価格はどれも同じなので、ハイシーズンの乾燥した雪には静電気を抑制するグラファイトタイプを選ぶと良いでしょう。

また、グラファイト入りでも滑走面が黒ずむことがないので、白い滑走面のお手入れや、滑走面のグラフィックを綺麗に保ちたい方にもおすすめです。

1回の使用量にもよりますが、ベースのRENEW / 滑走用ZOOM共に1本で15回以上は確実に使えます。

RENEW LIQUID リニューリキッド / RENEW G LIQUID リニューグラファイトリキッド

ベースケア&クリーニング専用リキッドワックス

滑走性能を引き出すためにかかせない滑走面のケア&クリーニング専用リキッドワックス。ワックスのもっとも柔らかい成分と硬い成分をお互いの性質を損なわずにミキシングさせた画期的なリキッドワックスです。

ZOOM LIQUID ズームリキッド / ZOOM G LIQUID ズームグラファイトリキッド

滑走用リキッドワックス 0℃〜-10℃

ワックス自体が雪の状況変化を雪温で判断し、ワックスの硬度を変化させる特質機能サーモアクティブ搭載のリキッドワックス。ZOOM GRAPHAITE LIQUID は静電気を抑えるマイクログラファイト配合のリキッドワックスです。

HOW TO USE:必要な道具と使用方法

DOMINATOR LIQUID WAXの使い方

DOMINATOR公式に掲載されている使い方

缶をよく振って、滑走面に薄くリキッドを塗った後、フィニッシュクロスでしっかりと磨いてください。ブラス&ホースヘアコンビで仕上げると効果的です。(全リキッド共通)

さて、これを踏まえてMOJANEでは色々な使い方を試してみました。

最も効果を感じたのは滑走直前にサっと拭いて磨いてGO!ではなく、塗り広げたワックスを十分に乾かしてから仕上げた状態でした。

滑走用のZOOMリキッドを塗り広げるところまでを前日に済ませ、仕上げのブラシ掛けを出発前に行うとベストだと思います。

用意するもの

DOMINATOR LIQUID WAX使い方:道具
ワックスとブラシ以外は身近な道具でも代用可。いろいろ試してみてください!

必須アイテム
・RENEW LIQUIDとZOOM LIQUID
・キッチンペーパー/ペーパータオル
・ドミネーターフィニッシュクロス(柔らかな布で代用可)
・フィニッシュブラシ(柔らかいタイプ / ドミネーターならブラス&ホースヘアコンビ)

あると便利
・使い捨てビニール手袋
・ゴムヘラ(キッチン用・工作用など使いやすければなんでも)
・使用済みのペーパーや手袋を入れるチャック付き袋

RENEW LIQUID:ベースケア&クリーニング

RENEW LIQUIDの使い方

ベースのRENEW LIQUIDは、どちらかといえばクリーニング要素が大きいと感じました。ベースコンディショニングの効果を重視するなら、同じDOMINATORのBRペーストという選択もあります。

  • リニュー リキッドをよく振る。
  • 四つ折りにしたペーパータオルにリキッドワックスを取り、染み込ませる。
  • 染み込ませたペーパーで滑走面全体をよく拭く。
  • ペーパーに汚れが付く場合はペーパーを変えて繰り返す。
  • リキッドが乾いたら、新しいペーパーでさっと拭き取る。
  • フィニッシュクロスで磨くように拭き、軽くブラッシング。

その後、滑走用のワクシングに入ります。

ZOOM LIQUID:滑走用

ZOOM LIQUIDの使い方

ズームリキッドは、暖かい室内だとサラッとした液状ですが、冷えるとドロっと粘度が高くなります。(多分この性質が雪に合わせてワックスの硬度を変化させるサーモアクティブ機能!)

使用する環境が暖かく、サラサラの液状であればリニュー リキッドと同じ使い方でOK。 とろみがある時は以下の方法をお試しください。

  • ズームリキッドをよく振る 。
  • 滑走面にリキッドを直接少量垂らし(液だれ注意)、ゴムベラで塗り広げる。ゴムベラを使うことで均一に塗れるのと、液の使いすぎ防止にもなります。
  • ゴムベラを行き来させて馴染ませているとワックスの濃度が高まり塊になってくるので、余分なワックスをヘラで削ぎ取り、ペーパーでふき取る。
  • 滑走面にワックスが薄く均一に広がったところで自然乾燥。
  • 十分に乾かした後、柔らかいブラシでブラッシングする。
  • ブラッシングで出た粉をフィニッシュクロスで拭き取ってフィニッシュ。ズームリキッドは2度繰り返し施工するとより効果的。
リキッドワックスの注意事項

・リキッドワックスは引火性が高いため火気厳禁です。暖房の近くで使用・保管することはもちろん、リキッドを浸みこませて使用したペーパーの扱いにも注意してください。

・石油臭がとても強いので必ず換気してください。ベランダ等で施工する際は、お隣さんに迷惑がかからないようご配慮ください。

・野外で施工する場合は、雪と混ざってしまうと効果が薄れてしまうので、少しでも雪が降っていたら屋根がある場所で行いましょう。また、屋外・現地での施工で出たごみは必ず持ち帰りましょう。

・リキッドワックスは揮発性があるので、使用後は蓋をしっかり閉めましょう。

・携帯する場合は液漏れに注意。衣類や床に付くとシミになります。

・小さなお子さんやペットがいる場所での使用・保管は控えた方が良いかもしれません。

・飛行機内持ち込み不可です。飛行機で移動する選手や旅行者はご注意ください。

リキッドワックスと環境に対する意識

雪の画像

待ちに待ったDOMINATOR LIQUID WAX。お店に到着し、さっそく施工動画をSNSでアップしたところ、MOJANEとしては過去最高の150万回再生を記録。世界中から多くのコメントが寄せられました。

その中で印象的だったのが欧米圏からの「PFAS入ってるんでしょ?」という反応でした。

実際にはフッ素フリーなのですが、そういった商品もたくさん出回っている為、先入観を持ってしまうのも理解できます。

日本でも報道されるようになってきたPFAS/有機フッ素化合物は、人体や自然に悪影響がある成分です。

とはいえ、日本では環境よりも「走り」を優先したい方もまだまだ多いのが実情です。

それに対し、欧米圏では環境に対する問題意識が高く、スノーワックス一つを取っても敏感にジャッジしています。これは、お店に立っていても強く感じるところです。

その上で僕がDOMINATORを紹介する理由は、“環境負荷を最低限に抑え、最大の効果を”というブランドの信条と、これまで幾度となく変更されたFISレギュレーションに、効果を落とすことなく対応し続けてきた開発力を信頼しているからです。

今後もFISをはじめとするコンペティションレギューレーションは厳しくなっていくはずです。一般スノーボーダーとしても、ショップとしても、一つ一つのワックスを意識的に選ぶよう心がけたいと思います。

モロのつぶやき

DOMINATOR WAX

大手メーカーの中では後発となったDOMINATORのリキッド。実際にはかなり前から着手していたのではないかと思いますが、あえて十分な開発期間を設けたことで、走りの違いを明確に感じられる名作リキッドワックスが生まれました。

DOMINATOR LUQUIDの登場により、今後のコンペティションで使用されるワックスにも大きな変化が生まれると予想されます。

また、DOMINATORの基礎となるZOOM・RENEWのリキッドが完成したということは、既にコンペ用のリキッドの開発が進められているに違いありません!(憶測ですが…)

例えば、極寒用BULLETやPCHYCOリキッドがあれば、北海道の厳冬期によく機能するな、などと期待が膨らみます。

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