REVIEWブーツディーラックス2022-2023フォーマティブ

FORMATIVE|エリアス・エリハルト監修、紐とBOAのハイブリットブーツ

22-23 DEELUXE FORMATIVE

トレンドも機能も、耐久性も!欲張りなブーツFORMATIVEが登場

22-23シーズンに発表された数あるギアの中で、僕が最も興味を持ったのがDEELUXEのニューモデルFORMATIVE(フォーマティブ)です。

その理由は、DEELUXEのハイエンドモデルDEEMONを監修したバックカントリーフリースタイラー、エリアス・エリハルトの新たなシグネイチャーモデルであること。

そして、人気再燃傾向にあるシューレースを、機能として上手に取り入れているところ。

22-23 DEELUXE FORMATIVE
22-23 DEELUXE FORMATIVE¥64,900 IN TAX

ルックスはもちろん、ハードユーザーが納得できるクオリティに心が躍ります。ワクワクしすぎて夢にまで出てきました。つまり、MOJANE激PUSHブーツだということです!

紐とBOAの良いとこどり

22-23 DEELUXE FORMATIVE

どのブランドを見ても、スノーボードブーツはBOAが主流となりました。

ダイヤルを回すだけで締め付け調整ができるBOAは、着脱も簡単。スノーボードブーツを確実に進化させました。 その一方で、オーソドックスな紐ブーツには「紐ブーツにしかない格好良さ」があり、多少手間がかかっても履き続けたいというニーズがありました。

便利なBOAか、カッコイイ紐か…。年間の滑走日数が30日を越える方が、機能(BOA)と見た目(紐)を天秤にかけた時、やはり利便性の高いBOAを手に取ってしまうのが実際でした。

これまでにもBOAと紐の両方を取り入れたモデルはありましたが、年々BOAの精度が向上する中で、単なる飾りではなく”機能”としても紐が取り入れられるようになったという点で、FORMATIVEが画期的な一歩を踏み出してくれたように思います。

ARETH RINに満足できなかった方、必見

DEELUXEには、過去にINDIPENDENT(インディペンデント)というレトロスペックなレザーブーツがありました。紐で締め上げ、足首を自由に使えるニュートラルなモデルで、フリーライディングシーンで人気がありました。

INDIPENDENTが廃盤となった後、そのフィーリングはスケートボードシューズブランドARETHとのコラボモデルARETH RINに受け継がれましたが、柔軟性が高いがゆえにヘタりやすく、耐久性に満足できないという声もありました。

ARETH RINでは柔らか過ぎるけど、DEEMONは硬過ぎる。そこに登場したFORMATVEは、DEELUXEならではの抜群のフィット感、紐にしか出せない自由度と耐久性が加わり、痒い所に手が届く仕上がりとなりました。

足首のBOAで自由なフィット感

22-23 DEELUXE FORMATIVE C3レーシング

C3レーシングは、足首とスネ+甲をそれぞれ分けて締められるDEELUXE独自の構造です。FORMATIVEでは、足首をBOA、甲+スネを紐にしているので、BOAで足首をしっかりサポートすれば、紐を十分に締めなくてもかかとが浮く事はありません。

アウターブーツは使うほど柔らかく馴染み、紐はブーツが馴染むほど締めやすくなっていきます。新品の状態なら、紐は緩く結ぶ程度で十分。使いながら必要に応じて紐を締め上げ、自分好みのライドフィールを探りましょう。

使い続けるほど、絶妙。アレンジ自在のフレックス

DEELUXE 22-23 ARETH RIN/FORMATIVE
(左)ARETH RIN(右)FORMATIVE

基本的に、硬いブーツは踏み込む時により多くの力が必要になります。その分、エッジにかかる力も大きくなるので、ハイスピード、ハードバーン、ダイナミックなカービングといった用途に適しています。

ただ、雪のコンディションやボードのスタイルによっては、ブーツの硬さが仇となり「疲れるブーツ」になってしまうこともあります。

FORMATIVEの魅力は、硬さだけに頼らず、BOAや紐の締め方で足への負荷をコントロールできることです。別売りのフレックスブースターを追加すれば更にフレックスを強化できるので、使いながら自分好みにカスタマイズできる面白さもあります。

再生可能なEVA素材「RISE」

22-23 DEELUXE FORMATIVE Rise by Bloom

FORMATIVEのアウターソールは、世界初の藻類混合EVA、BLOOM社製のRISE(ライズ)で作られています。この素材は2016年、工業・農業汚水をニュートラルにする研究の中で誕生したものだそうです。FORMATIVEではこうした再生可能なマテリアルを積極的に採用することもテーマに掲げられています。

Rise by Bloom

藻類バイオマスとバイオベースの添加物を大幅に含む藻類混合樹脂です。 RISEは45%以上が再生可能であり、フットウェアのフォームに必要な従来のEVAの大部分を相殺することができます。

因みに、これまでのEVAは石油由来で、スノーボード用品ではブーツやバインのストラップ、プロテクター、ヘルメット…様々なアイテムに使われてきました。

RISEは既に、アディダス、エトニーズ、グローブ、ビラボン、リップカール、ボルコム、ファイアーワイヤーといった名だたるのアクションスポーツブランドが取り入れているとのこと。

環境に配慮しようという動きは世界中に広まっていますが、バックカントリーに身を置くエリアス・エリハルトだからこそ、強い思いもあるのでしょう。トップライダーがリーダーシップを発揮することで、スノーボードシーンのエシカル化が加速していくと期待しています。

公式サイトより抜粋:翻訳

DEELUXEは、Formativeが環境に与える影響を軽減するために、Eliasと共同で、性能を損なうことなくブーツの構造を再構築しました。Formativeの合理的なデザインは、より少ない資源で、シェルにはフットウェアのフォームに必要な従来のEVAの大部分を再利用したBloom社のRiseが使用されています。Riseは、生態系が損なわれた場所で採取された藻類から作られた、バイオベースのフォームです。DEELUXEのステージ4ライナーとフリーライドタンにより、カスタムフィットを実現。私たちは、Formativeを常に進化させ、環境負荷の少ない新しいテクノロジーを開拓していくことを目指します。このFormativeで、未来に向かって軽快に走り続けてください。

FORMATIVE × バイン、ボードとの相性は?

FORMATIVEはキャリアを折り返したエリアス・エリハルトが、これからのフリースタイルマウンテンライドの為に開発したモデルです。

彼が乗るNITRO SANTOKUのように、攻めるフリースタイルツインはもちろん、パウダーコンディションを楽しむリゾートスティックにもマッチするブーツではないでしょうか。

ブーツの力をプラスしてボードに強いプレッシャーを加えるスタイルよりも、自然な荷重とスピードを楽しむような乗り方に適していると思います。

そのため、バインはハードすぎないモデルが良いでしょう。SALOMON SHADOW FITシリーズやBURTON GENESIS、 NOW SELECT PRO や IPO2、そしてUNION ULTRAは最高のマッチングになるはずです。

モロのセットアッププラン

FJELL SNOWBOARDS

僕は次の冬、FJELL SNOWBOARDSに合わせるブーツとしてFORMATIVEを選びました。 FJELLの自然なフレックスとポップ感には、足に馴染んでからのFORMATIVEが合うだろうと想像しているからです。

また、環境に対する意識や理念、ネイビーのカラーリングもマッチしていて、我ながらナイスコーディネイト!僕はブーツのレースを白に変えようと計画しています。 22-23シーズン後のレビューを楽しみにしていてください。

①FJELL MT HOKKAIDO x NOW SELECT PRO or UNION ULTRA x FORMATIVE
②FJELL MT 1534 (New shape!) x NOW SELECT PRO or UNION ULTRA x FORMATIVE
③BURTON 21-22 CUSTOM 158 x UNION ULTRA x FORMATIVE (サーフライクなセッティングで楽しむ)

FORMATIVE VS PHOTON BOA

このブーツを試着して、すぐに連想したのが21-22シーズンのBURTON PHOTON BOAでした。丁度、PHOTON BOAをメインで使っていたところで、履き心地が似ていると感じたのです。

ただ、フレックスバランスは近くても、ターゲットは真逆かもしれません。

BURTON PHOTON BOAは利便性重視、素早く簡単で、スポーティーです。FORMATIVEは、自分好みのフィット感を作り込みたい人や、ストリート感も大事にしたい人に向いています。

オールマイティー性の高いPHOTON BOAに対し、自分の楽しみ方ができる“大人向けのブーツ”がFORMATIVEであると言えるかもしれません。

モロのつぶやき

エリアス・エリハルトはヨーロッパ出身のライダーです。

バックカントリーとコースの境界がない非圧雪エリアを、ダイナミックにトリックを交えながら滑り降りるのがヨーロッパスタイル。滑走距離も長く、山を生かしたマウンテン・フリースタイルのイメージです。

エリアス・エリハルトのキャリアを考えると、硬いDEEMONから柔軟性のあるFORMATIVEへの移行は自然な展開に思えます。

それは、アラフォーに差し掛かり、自分らしさとフリースタイル融合を意識するようになった僕にとって、強く共感出来るものでした。

力まず、気張らず、リラックスして滑ることの楽しさに辿り着いた今、硬いばかりのブーツでは持て余してしまうと感じていたからです(もちろんCUSTOM X CAMBERには硬いブーツが不可欠!)。

その日の気分やコンディション、ボートに合わせて、微妙なフレックス調整が出来るFORMATIVEは、僕たちのライディングに+αの開放感を与えてくれるはずです。

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