寒冷地サーフをDUSKのウェットスーツで謳歌する
「流氷が浮かぶ道東の海でサーフィンをする」というと、驚かれる方も多いと思います。
実は僕もその一人でした。寒冷地仕様のウェットスーツ開発に力を注ぐDUSK(ダスク)の越後さんとの出会いが、僕の考えを大きく変えました。
ただただ過酷な厳冬期の海も、条件を満たせば最高の贅沢に変わります。その条件とは、冬の低気圧が連れてくる”波”と、信頼できる”ウェットスーツ”。
寒冷地の為のウェットスーツづくりを得意とするDUSK。代表、越後さんへのインタビューと共に、DUSKをご紹介します。
“夕暮れ”を意味するDuskは、あらゆる年齢層のサーファーがそれぞれの想いと共に海へ向かい、最高の時間を過ごす為のウェットスーツブランドです。
ロゴやブランドではなく”サーファー”が主役だと語るDusk代表の越後さんは、ウェットスーツの保温性、機能性、運動性能を常に追求し、採寸を忠実に再現するオーダーメイドにこだわっています。
純粋にサーフィンを楽しみたい、というシンプルな考え方、シンプルな理由、シンプルなデザイン。それがDuskです。まるで秘境のような北海道の冬の海。波を奪い合うことなく思うままにサーフィンをして、波を待つ時間をも大切にする。そんなDuskのスタイルにMOJANEは強く共感しています。
INTERVIEW DUSK 越後 将平Shohei Echigo
moro : 初めてお会いした際、越後さんに見せていただい冬の道東の波の写真を今も鮮明に覚えています。冬季のMOJANEはスノーボードが中心ですが、冬の北海道は雪だけではないと再確認し、スノーボードとサーフィンを繋ぐ新たな鍵を頂いた気持ちです。越後さんが寒冷地に着目したウェットスーツブランドDuskを始めたきっかけを教えてください。
Echigo : DUSKは2016年にスタートしました。サーファーのほとんどが温暖な地を目指しますが、寒さが厳しい場所でも快適なウェットスーツさえあれば、混雑知らずでサーフィンを楽しめると考えています。自分の場合はどんなに波が良くても、混雑している場所は極力避けるようにしています。「人が少ない場所で気持ちよく良い波に乗りたい」と思った時、東北や北海道の寒冷地は絶好の場所です。寒さを気にせずサーフできる保温性と機能性を兼ね備え、それに加えてシンプルなビジュアルのウェットスーツを作りたい、という思いをDUSKに反映させています。
DUSKが北海道の冬の海へ向かう理由
moro : 越後さんは頻繁に北海道でサーフィンをしていると伺っていますが、冬の北海道に来るきっかけは何だったのでしょうか?
Echigo : 母が北海道出身なので、幼少時から札幌や旭川の親戚の家に遊びに来る機会があり、とても身近な場所でした。サーフスポットとして注目したのは、以前働いていたメーカーの営業で北海道に訪れた際に、少人数で良い波に当たったことがきっかけです。道内各地をドライブしながら地形を見ているうちに「条件が揃うと、きっと素晴らしい波がブレイクするのだろう」と思うようになり、通っています。国内で1番好きな場所が北海道です。北海道でのサーフィンの良さといえば、少人数でバリエーション豊富な波を自分の好みで選択でるところでしょう。満足するまで波乗りした後に、美味しい食事とサッポロクラシックが更に満足度を高めてくれますね。笑
DUSKが行う商品開発
moro : 「真冬のサーフィンにチャレンジするMOJANEのサーファーに、より良い製品を紹介したい」という思いから、 寒冷地仕様のウェットスーツに特化したDuskに辿り着きました(先輩の有馬さんを介してアプローチさせていただきました)。デザインから営業まで何役もこなす越後さんですが、ウェットスーツ作りでは、どのようなテスト、商品開発を行なっていますか?
Echigo : 私は感覚派の人間なので、まずは自分が着用してどう感じるか?を起点にします。自分自身が寒冷地でサーフして、保温性・防水性・運動性・圧迫感などといった細かな点を実際に体感します。シンプルなディティールで、1人で簡単に着脱できる点も大切なポイントです。寒冷地の海は人がいないことが多いので、ウェットスーツを1人でも短時間で着脱できるかどうかは切実な問題です。こうしてテストと改良を重ねて、全ての条件をクリアしたものをリリースする、という流れです。リリース後は、ユーザー様や、お取り扱い店様からの評価や要望をお聞きし、より良い製品作りができるように取り組んでいます。
サーファーの個性を引き立てる
moro : DUSKのウェットスーツはどれも潔いほどシンプルですよね。僕はとても気に入っていますし、MOJANEユーザーの好みに合うと確信しています。2000年初頭からの流れを受けた”目立つウェットスーツ”からの脱却は、僕が待ち望んでいたことでした。着用時のシルエットにも満足していますし、心なしかスタイルが良く見える(!?)気がします。越後さんのコダワリは、ここにも反映されているのですね?
Echigo : そうですね。東日本大震災によって湘南へ引越した経験が、DUSKのデザインに活きています。ホームブレイクを失ったことで、ビジターサーファーの気持ちが良く分かりました。ブランドやロゴが主役になるのではなく、サーファーそれぞれが持つ個性が主役になれるように、という思いを込めて、極力シンプルなデザインを目指しています。また、ウェットスーツは高価なお買い物です。デザイン性には流行り廃りがでるので、飽きずに長く使っていただけるウェットスーツをお届けしたいと考えています。
Duskのリミテッドモデル”プレミアム・ゴールド”とは?
moro : 現在、DUSKからリリースされているウェットスーツの中から、リミテッドモデルで使用されているというPREMIUM GOLD(プレミアム・ゴールド)について教えてください。プレミアム・ゴールドは、限定的に生産されている貴重な素材だと聞いていますが、どんな特徴があるスーツ生地なのですか?
Echigo : “プレミアム・ゴールド”は、年数を重ねても”フレッシュな柔らかさ”と”しなやかさ”を持続する素材です。製造工程では、人体や環境への影響に配慮した水溶性接着剤を使用しています。硬度が低く伸びが良いゴムの特性上、気温の低い時期に一定数しか生産出来ない為、限定素材としてリリースしております(シーズン毎に生地在庫がなくなり次第オーダー受付は終了となります)。柔軟性の高い生地は、動きやすく着心地が良いので、サーフィン中のストレスを軽減します。
ウェットスーツのお手入れ法
moro : ウェットスーツ(ドライスーツ)の日々のメンテナンスについてアドバイスをお願いします。
Echigo : ウェットスーツを長くお使いいただく為に、日頃から留意して頂きたいポイントがいくつかあります。まず、海上がりはウェットスーツを真水で洗い、海水や砂を流してから乾かします。スーツの表と裏の両面を乾かしたら、表面に戻して太いハンガーを選び吊るして保管するようにしています。裏返しのまま長時間干すと、内径と外径の差による深い折ジワができたり、スポンジの劣化が進みます。あとは、直射日光の当たらない場所に保管していただければと思います。
また、ドライスーツを使用する中で、”購入時よりもスーツ内部に浸水がある”と感じた場合は、工場での水没検査をお勧めします。すぐにご購入されたショップにご相談ください。ご自身で修正すると修理箇所が複雑になり、高額な修理内容になる場合がございますので、小さな破損でも工場にお出しください。
お気に入りのサーフスポット
お勧めのサーフスポット
moro : 答えにくいかも知れませんが、ズバリ越後さんが最も好きな日本のサーフスポットは何処ですか?
Echigo : 先ほども触れましたが、北海道は大好きな旅先です。優しい人々や景色、自然の強さはとても魅力的です。まだ誰もサーフしていないポイントが数多くあるので、開拓したいと密かに思っています。あとは最近、スノーボードなどの山遊びにも興味があります。なので、季節に関係なく北海道は個人的にとても気になる旅先です。あとは、やはり地元が好きですね。
moro : 日本国内でビギナーでも安全に楽しめる、サーフトリップにお勧めの場所があれば教えていただけませんか?
Echigo : ぜひ仙台にお越し下さい。苫小牧からフェリーで来ていただければ、ぜひアテンドさせていただきます。MOJANEサーフィン合宿にいかですか?ぜひお任せ下さい。笑
moro : それはありがたいですね!みんなに喜んでもらえると思います!
東京オリンピック目前、サーフィン観戦をより楽しむために
moro : 少し脱線しますが、個人的に興味がある質問をさせて頂きます。越後さんはプロサーファーというキャリアの中で、JPSAのジャッジもご担当されていますよね。東京オリンピックに向けて、サーフィンの試合を”こう見たらより面白い・ここに注目してもらいたい”など、上手な見方はありますか?
Echigo : 実際に現場で観るのと、映像では見え方が大きく異なる場合があります。可能であれば、現場で一度プロコンテストを観戦してほしいですね。あとは、実際に点数予想してみてはいかがでしょうか?サーフィンは球技と違い、採点方法が独特です。基準はより速く、よりパワフルに、動きにフローがでると高得点になります。大きなスプレーや、ボードの切り返した時のノーズの向きなども重要です。つまり細かい小刻みなサーフィンよりも大きく、ダイナミックで優雅な動きが評価につながります。
DUSKユーザーへのメッセージ
moro : これから冬のサーフィンに挑戦する人に向けて、真冬のサーフィンで注意しなければならない事や必要な心構えはありますか。
Echigo : 基本的なことですが、体調管理が大事ですね。特に睡眠不足は大敵です。好きな波質を目前にしても、体調に違和感があるときは無理をせず様子を見るようにしています。
moro : Duskをどのようなサーファーに着てもらいたいですか?
Echigo : 現在、ありとあらゆる商品が世の中に溢れています。サーフィンは自己満足度の高い遊びでもありますが、同時にサーフショップやメーカーを通じて最高の仲間、友人関係を各地に築くことができます。可能な限り各地のユーザーさんやお取り扱い店様とサーフしたり、雑談したりコミニケーションを重ね、ユーザー様との距離が近いブランドになりたいと思います。その上でDUSKを選んでいただけると嬉しいですね。
moro : 最後に、北海道のDUSKのユーザーに一言お願いします!
Echigo : DUSKユーザーの皆様、いつもありがとうございます。これからもDUSKをお選びいただいた皆様が快適にサーフできるスーツ作りを目指します。限られた時間ですが、営業でお伺いした際に、海でご一緒させていただくことがあれば皆様のサーフィンレベルが向上ができますようにアドバイスなどをさせていただきたいと考えております。スーツに関しては保証なども一定期間ございますので、安心してお選びくださいませ。今後共DUSK SUITSを宜しくお願い致します。越後将平
普段の生活の中、限られた時間内で最高の時間を与えてくれるためのウェットスーツ。
私たちのウェットスーツを手にしたサーファーが 特別な時間を共有できるような「存在」になることが「夢」であり、私たちの「目標」です。
-DUSKホームページより-
DUSK代表 越後将平-SHOHEI ECHIGO-
1976年10月31日生/ホームブレイクは宮城県
サーフショップを経営する父の影響でサーフィンを始める。
2000年にプロ転向/2014年までJPSA公認登録/