足裏から関節を守るFPインソール
スポーツ愛好家や、立ち仕事をされている方なら、シューズインソール(中敷き)の大切さに気付いているのではないかと思います。
長時間運動を続けていると、骨盤のゆがみや姿勢の癖、偏平足といった要因が関節に負担をかけ、やがて慢性的な疲労感や痛みへと発展します。
中敷き、というと「少し大きめの靴のサイズ調整を行うもの」と捉えている方も多いですが、最近では姿勢矯正、疲労軽減、保温、消臭など、様々な効果にフォーカスしたインソールが展開されています。それは、スノーボードでも同様です。
今回は、たった1枚仕込むだけでパフォーマンスが向上するスノーボード用インソール、FP(フットプリント)インソールをご紹介します。
スノーボーダーには、テリエ・ハーカンセンが愛用している、というだけで説明は十分かもしれませんが、もう少し詳しく掘り下げていきたいと思います。
プロが認めるキングフォームの耐衝撃
「足裏からの振動・衝撃を90~95%カットする」というFPインソールの要は、全モデルに搭載されている特殊な超低反発素材「キングフォーム」です。
キングフォームの衝撃カット効果は、大きなアクションになるほど発揮され、米軍、NASA、シルクドソレイユでも採用されています。
耐衝撃性能の実証例として有名なのが、FPインソールのパッケージで特大オーリーをみせているJAWS HOMOKI君。彼はFPインソールを使用し、スケートボードで25段の階段を無傷で飛び降りたスケーターです(僕はこのエピソードが大好きです)。
スノーボードの為に開発されたモデルGAME CHANGER
FPインソールからは、スケートボード用を主軸に様々なモデルがリリースされていますが、スノーボードの為に考案されたのがGAME CHANGERS(ゲームチェンジャー)です。
ゲレンデは、柔らかく綺麗なバーンばかりではありません。長時間滑る方や午後から山へ向かう方なら、むしろ雪面は荒れている方が多いはずです。また、マッシュやジャンプ台を超えたらフラットだった!着地が超硬かった!といった経験がある方も多いと思います。スノーボード用インソールとして重要なのは、いかにそれらの衝撃を和らげるか、ではないでしょうか。
GAME CHANGERSは、長時間のライディングでも疲れにくく、滑走中に不意に起こるトランジションから首、腰、膝を守ります。特に、関節痛を抱えている方、足が疲れやすいと感じている方にお勧めです。
効果を生かす使用法
GAME CHANGERSは、土踏まずが低い(ローアーチ)から普通(ノーマルアーチ)対応モデルです。土踏まずがしっかりとあるハイアーチの方は、FPのスタンダードかエリートモデルをチェックしてください。
インソールには、足裏感覚を大切にした薄型タイプや、バランス力を高める立体設計など、様々な形状がありますが、FPインソールは耐衝撃性を重視しているため、全てのモデルが比較的厚めです。GAME CHANGERSでは、最薄部4mm、フォームが入った最厚部は8mmもありました。厚みがある分、ブーツのサイズ調整にも効果的です。
使用する際は、ブーツに元々入っているインソールを抜いてから、FPインソールをインナーブーツに入れてください。
ゲレンデから帰った後は、毎回ブーツからインナーブーツとインソールを抜き出し、それぞれを良く乾かしましょう。インソールだけでなくブーツを長く使うための秘訣でもあります。
熱形成はお好みで
GAME CHANGERSの使用方法を見ると、「オーブンで温めて自分の足型にフィットさせる」との記載がありますが、熱成形をせず使用しても体温で自然に形付きます。僕は熱形成をしないまま使っていますが、それでも衝撃カットの効果は十分に感じています。
履き始めは硬さを感じるなどの違和感がありますが、心配無用です。歩いたり、滑走の準備をしているうちに体温がインソールへと伝わり、気が付くと足裏にぴったりとフィットしています。
体温でインソールが馴染むまでの時間を短縮するには、ゲレンデに向かう車内のヒーターで予めFPインソールを温めておき、ブーツを履くタイミングでインソールを装着。時短+暖かく過ごせます。
熱形成ブーツDEELUXEとのマッチング
「熱形成なしでOK」の例外は、DEELUXEのブーツと合わせる場合です。DEELUXEの熱形成では、別売りのインソールが必要になりますが、同ブランドの専用インソール(¥4.500+TAX)の代わりに、GAME CHANGERS(¥6.500)をインナーブーツに入れて一緒に熱形成することができます。MOJANEではその相性の良さに注目しています。新たにDEELUXEを購入する、焼き直しの予定がある方はお試しあれ。
GAME CHANGERSを仕込んだブーツは、履いている最中よりも、ブーツを脱いで床に足を付けたり普段の靴に履き替えた時に、インソールが完璧にフィットしていたことが感じられます。使用後、すぐにブーツからインソールを抜き出すと、自分の足裏の形がくっきりと残っているのが確認できました。
熱形成の有無にかかわらず、しばし乾かしておくと元のフラットな状態に戻り、繰り返し使用できます。何年も使っていくと柔らかさが失われていくようですが、余程ハードな使い方をしない限り確実に5年は使えます(スケートボードで使用した場合は劣化が早いようです)。
サイジング
インソールのサイズは1インチ刻みです。ブーツサイズに合わせて選びましょう。また、大きめのブーツを履いている方は、アウターブーツとインナーブーツの間に入れるという裏技も。サイズ調整をしながらフィット感を高めることができます。その場合は1サイズ大きくてもいいかも知れません。インナーブーツが痩せてしまった場合も有効なアイディアです。
インソールの応用
スノーボード用として販売されているGAME CHANGERSですが、オフシーズンは普段履きのシューズに入れてみてください。スケーターはもちろん、ウォーキングやトレッキング、長時間立ちっぱなしで行うフィッシングなど、様々なアウトドアシーンで活躍します。僕はぎっくり腰が心配なので、仕事用のスニーカーに年中入れています。
また、GAME CHANGERSを使用することで、元々ブーツに入っていたインソールを持て余している方も多いと思います。これも同様に、普段履きのシューズインソールとしてお使いください。特にBURTONブーツのインソールは履き心地が良いので、無駄なく活用できます。
成長期のストンプに注意
スノーボードで5~6mジャンプしたときの着地では、身体に体重の5倍もの負荷がかかると言われています。特に関節へのダメージは大きく、成長期の子供たちには気を付けて欲しいところ。
「すぐに成長するからブーツは大きめを選んだ」という場合もインソールでのサイズ調整をお勧めします。
MOJANEにはFP GAME CHANGERSを愛用する10代のコンペティターがいます。プロスノーボーダー藤谷瞭至くん(16)、小杉榮大(14)くんです。彼らにとってインソールがどんな存在か聞いてみました。
藤谷瞭至 × FP GAMECHANGERS
「北海道は大きなキッカーがないから効果を感じる場面は少ないけど、白い恋人パークエアーの様なガチガチに硬いシチュエーションでは性能を発揮します。決勝の3本目でのストンプはFPインソールに助けられました。」
小杉榮大 × FP GAMECHANGERS
「ブーツのサイズが小さくなってFPインソールを外した時は、すぐに膝が痛くなった。調子が良い時は気がつかないけど、体の故障がないのはインソールの効果もあると思う。」
身体能力が高く、ある程度の衝撃に対応出来てしまう彼らですが、成長期の体には大きすぎる負担を受け止めています。蓄積されるダメージを軽減し、少しでも長くスノーボードを楽しむ為にも、キッズアスリートには是非使ってもらいたいアイテムです。パラクールやブレイクダンスなど、足裏感覚や関節を駆使するスポーツにも役立つのでは無いでしょうか。
長時間のライディングを満喫するために
首や腰の怪我を経験している僕にとって、スノーボーディングで常に意識しているのは無理をしない事。それでも、気の向くままに1日中滑り続けようとすると、FPインソールが欠かせません。
北海道のフィールドは広大で、1日では滑りきれないリゾートが数多くあります。もっと滑りたいけど疲れや痛みが心配だな…と感じたら是非FP GAME CHANGERSをお試しください。心おきなくもう1本、ライディングを楽しみましょう!
いつも興味深く拝見させていただいております。
質問させて頂きます。
gamechangersとburtonの純正インソールの大きさが同サイズでも、大きさ、特にヒール部分と幅がgamechangerのほうが幾分も大きいのですが、そのままburtonのインナーに入れ込んで良いのでしょうか?
あと、27cmのburtonブーツに27〜27.5のgamechangersを使用する際にハサミ等でのカットは必要でしょうか?
もしご返答いただけたら幸いです。
SHINT さん
BURTON27cmであれば、GAME CHANGERも同サイズで問題なく使っています。インソール側をワンサイズ下げても使えましたので試してみてください。
また、GAME CHANGERに付属するクッションパーツを使うかどうか、アウトラインのカットが必要かどうかはご自身の判断で調整していただければと思います。
ご返答いただきありがとうございます。
FPインソールについて取り扱いや情報が少なく、大変有益な事をお教えいただき感謝しております。
まずはアウトラインのカットをせず使用してみようと思います。
ありがとうございました。