ゴーグルの進化が止まらない!
骨伝導を使った通話型ゴーグル ICE BLAKERや、バッテリー無しでレンズカラーが変わるOUT OFのELECTRA…。SFのようなアイディアが次々と現実化されている昨今のスノーゴーグル。スタートアップ企業も参入し、過去にない発展をみせています。
Bluetoothやカメラ内臓など、”ゴーグル+α”がひとつのトレンドとなっている中で、ダブルディケイドを迎えたANONが発表したのは、「見る」ことに立ち返ったライディングの為のレンズ「PERCEIVE LENS(パシーブレンズ)」でした。
見えていなかった雪面の状態がありありと
パシーブレンズの完成度は、雪を見れば分かります。裸眼では白一色だった光景が、パシーブレンズを通して見ると、そこに潜む地形の陰影がハッキリと確認できます(大雪の中を運転する際にも有効です)。
慣れたコースでも、雪面の細かな表情までが目に入ると、いつもと違うアプローチが生まれます。僕自身、このレンズを使うまで、想像以上に経験に頼って予測しながら見ていたのだと感じました。
歪みがなくクリア。自然な視界。
パシーブレンズのコントラストはとても自然で、透き通るようにクリアです。長時間使っていても疲れにくいと感じています。
POINT1.全ての色に調光作用
昨季までANONの主役だったカール・ツァイス社製のハイコントラストレンズは、雪山での使用を想定し、雪の色=白色〜青色に調光が施されていました。ただ、実際のゲレンデには雪と空だけではなく森や人工物も多くあります。そこでANONは、全ての色に調光が適応されるべきだと考え自社開発のパシーブレンズを完成させました。メリハリがありながらも自然な見え方のレンズです。
POINT2.どこまでも見えそうな透明感
PERCEIVE LENSを試乗会で試した時、透き通るようなクリア感が印象的でした。これは、レンズに表記されている透過率ではなく、パーシブレンズが備える新機能”HIGH-DENIFITION ハイディニフィション”によるものだそうです。レンズを通すことで生じる歪みを極力無くし、裸眼の見え方に近付いたということです。
パシーブレンズのラインナップ
2020-2021シーズンは、レンズ単品とパシーブレンズ搭載のゴーグルがリリースされます。単品のレンズは、天候に応じた3シリーズに各3種が用意されました。昨季までのマグナテックフレーム(M2,M3,M4,M fusion)にも対応するので、レンズのみの買い替えも可能です。
SUN シリーズ 晴天
PERCEIVE Sunny Onyx (6% / S4),PERCEIVE Sun Red (14% / S3),PERCEIVE Sunny Bronze (17% / S3)
VARIABLE シリーズ 晴〜曇天
PERCEIVE Variable Blue (21% / S1),PERCEIVE Variable Green (22% / S2),PERCEIVE Variable Violet (34% / S2)
CLOUDY シリーズ 曇~雪
PERCEIVE Cloudy Pink (53% / S1),PERCEIVE Cloudy Burst (59% / S1),PERCEIVE Cloudy Night (72% / S1)
ゴーグルは、フレーム+レンズ2種のパッケージです。昨季までのマグナテックシリーズ(M2,M3,M4,M FUSION)に、新しくWM3(ウィメンズ M3)が加わりました。
BURTONチームライダー アンナ・ガッサー氏のフィードバックによって生またWM3は、M3を軽量化したモデルです。ウィメンズモデルとして リリースされていますが、男女不問で使えるデザインなので、小顔さんやユースにもお勧めです。
また、M FUSIONのSYNCは2万円以内でパシーブレンズが体験できるお勧めのモデルです。
マグナテックとは?
磁石の力を利用したANONオリジナルシステム。片手でレンズの付け外しができるので、レンズ交換がスピーディで、曇りやすい人にも好評。激しい動きを伴うパークライダー向けのM FUSIONのみレンズストッパー機能付。 マグナテックのゴーグルはANONのバラクラバやネックウォーマー、BURTONのベースレイヤーとの連動も魅力です。便利な機能をフルに使えば、これまでの悩みやストレスが大幅に解消されます。
PERCEIVEレンズの選び方
パシーブレンズは「光」がポイントになります。レンズの見え方には好みや個人差がある為、いくつかを試着して選ぶべきですが、自然光の無い場所では実際の雪山で感じるほどの機能は実感できないと考えてください。
MOJANEでは、男性はやや暗め、女性は明るめのレンズを好み、若者たちは目を隠すために暗いレンズを求める傾向があります。
技術レベルから考察すると、滑走経験の少ない初心者は、明るい視界を確保すると地形の状況をいち早くキャッチでき、安心感が生まれます。また、微弱の乱視を持つ方も、明るめのレンズが見やすいようです。
パシーブレンズレビュー
レビュアー:モロ(37) 視力:裸眼1.0程度 メガネ/コンタクト:無 瞳:黒茶
ANON M4 ヴァリアブル・ブルー VLT 21%
室内で見る限り、コントラストが強く、真っ赤に見え、3-4期前のオークリー プリズムに似た印象を持ちました。プリズムで目が疲れた経験があったので、好みが分かれるレンズだろうと警戒していましたが、実際に使ってみると、自然光では直ぐに目が慣れ、レンズの赤みも気にならず、1日中付けていても目が疲れません。 昨シーズンのANONソナー・ブルーよりも、外から目が見えにくいのが特徴でもあります。 僕はこのレンズは晴天向きと考えていたのでましたが、暗めの時にはみづらいかな?と思っていましたが、コントラストが丁度良く効いてくれるので、人によっては多少の降雪でも見えるでしょう。
ANON M4 ヴァリアブル・バイオレット VLT 34%
昨シーズンよりプッシュしてるナイター様のレンズ、ソナー・ナイトに似た明るいレンズでした。外見は暗いですが、中から覗くと視界は明るく、曇天〜吹雪にも対応してくれます。 薄い雲に覆われた午後の吹雪でも明るく見えました。ただ、コントラストは弱いので、凹凸は見えにくくなりました。ツリーランや、リフト下の様な、障害物がある場所で力を発揮すると思います。
ANON M4 クラウディー・ピンク VLT53%
ホワイトアウトからナイターまでを網羅するレンズです。このレンズをボーナスに持ってくるあたり、拍手したくなります。晴天では眩しすぎると感じる人もいますが、明るいレンズを好む方ならオールマイティに使えます。
アンディーさんが語ったパシーブレンズ
2020年10月にオンライン開催されたBURTON新作プロダクト説明会で、ゲストとして登場したのが、アンディーさんことプロスノーボーダー安藤建治さんです。 ANONのパシーブレンズをいち早く使用した感想を聞くと、その良さはやはり「視界の透明感」とのこと。彼のオススメはクラウディー・バースト VLT59%のレンズ。変わりやすい天候でもオールマイティーに活躍してくれると語っていました。
また、「もっと良いレンズはつくれるはずだ」ともおっしゃっていました。もしも”アンディーレンズ”が開発されれば、つまりそれは=北海道仕様。想像するだけでワクワクしませんか!?
ウィンタースポーツを楽しむ全ての人へ
スノーゴーグルには、スキー用・スノーボード用の区別はありません。BURTONが立ち上げたゴーグルブランドANONは、スタート時こそスノーボード色が強くありましたが、昨今ではエリック・ポラードやミシェル・パーカーといったフリースタイルスキーヤーも積極的にサポートしています。
ゴーグルブランドの多くは、スノー以外にも得意な分野(フィッシング/ゴルフ/アウトドアなど)を持っていますが、雪山での見え方だけを追求するANONの専門性がPERCEIVEレンズに現れているのではないかと感じます。今、お使いのゴーグルに問題を抱えている方は、是非新しいANON PERCEIVEシリーズをチェックしてください。