道内初、高速IC&道の駅直結のスキー場
2019年に大規模なリニューアルを果たした「えんがるロックバレースキー場」は、道東エリアでも最高クラスの山です。北海道では珍しく、道の駅にスキー場が併設。更に、高速ICに直結しているという画期的な設計です。
道の駅遠軽 森のオホーツクでは、道産品を取り扱うショップやフードコート、無料の足湯施設があり、2階がスキー場 えんがるロックバレーのセンターハウスになっています。帰りがけにはお土産を選んだり、足湯で疲れを癒すのも楽しみです。
札幌から片道4時間半、路面状況に注意!
札幌を出発地とした場合、ロックバレーまでの道のりは容易ではありません。
高速で直行しても遠軽ICまで最短4時間半、状況次第では5時間以上の運転になると考えた方が良いでしょう。
途中、悪天候や交通事故等で高速が通行止めになると、ツルツルに凍った峠道を越えることとなり、冬道に慣れている北海道民でもなかなかハードなドライブです。
ただ、遠軽に大雪が降った日は、そんなリスクを冒してでも行く価値は十分にあります。天気予報を常にチェックして、狙いを定めて出発してください。
リフト一本で全6コースを網羅
ロックバレーは南向きの明るいゲレンデです。山頂からは、地形を生かした全6コースが広がります。
コースバラエティが豊富なので、コースに応じて様々なタイプのボードで遊べるのも魅力です。
リフトは1本ですが、途中下車ポイントがあり、初級者に最適な麓の緩斜面を回せます。中・上級者は、低速ターンでのフォーム練習を意識しながらリフト乗り場に戻りましょう。途中下車ポイントを通過すると、いよいよロックバレーの本当の姿が見えてきます。
チャンピオンコース
えんがるロックバレーの中心となる1枚バーンです。麓から見上げると33度の斜度が悠々と立ちはだかります。これほどの急斜面で幅が広いコースは珍しいのではないでしょうか。
朝一番は、ローカルのスキーヤーとスノーボーダーが躊躇なく突っ込んでいきます。彼らのハイスピードでのボード捌きは必見です。
綺麗に雪が締まった日は、転倒するとそのまま下へ落とされてしまいそうな修行バーンですが、パウダーが降り積もるとコースの両サイドはパラダイス!日差しを受けない朝一は、フルキャンバーボードでかっ飛ばしましょう。
時間帯によってはコース一部が合宿専用となる事がありますのでご注意を。
ダイナミックコース
全長1,000mを超える非圧雪エリア。足慣らしの後は、ここで一気にストークさせましょう!
ロックバレーと名付けられたスキー場だけあり、岩の上を滑り降りるようなコースです。雪が無いと地獄ですが、雪が定着したハイシーズンの降雪後は札幌圏では見慣れない見事な光景が広がります。
まるでバックカントリーエリアの様な広々とした斜面は、最大33度。それでも降雪後なら恐怖感なく滑走できるので、小さな子供が果敢に挑戦している姿も見受けられました。
ウサギ平コース
ダイナミックコースの反対にあるウサギ平コースは、比較的緩い斜度でユートピアコース、パノラマコース、林間コースへと分岐します。
林間コースは最も距離が長く、気の向くままに遊びながら進めます。特に、ウサギ平~迂回コースは、スノーボーダーにとって最高の遊び場。イマジネーションを膨らませて、思い切り身体を動かしましょう!
施設と料金
全面リニューアルしたばかりの施設は、ナチュラルな北欧テイストでリラックスできる空間です。スキー場のセンターハウスとなっている道の駅2Fには、チケットカウンターの他、ロッカーやレンタル、ピークパフォーマンスを主に扱うショップ、カフェが揃っています。
リフト料金は1日券が2.900円、1日券+ランチが3.400円。とてもリーズナブルです(2020現在)。
ランチはカフェかフードコートで
食事は、タイ料理やサンドイッチを提供する2FのSally Caffeと、1FのフードコートENGARU TERRACEがあります。
ENGARU TERRACEでは、ステーキ丼やハンバーグといったボリューム系、地元食材や野菜をたっぷり使ったメニューも揃っていました。道の駅のレストランとして機能していることもあり、クオリティ高めのゲレ食です。
道の駅でお土産探し
施設1Fにはフードコートの他、オホーツクエリアを網羅するインフォメーションスペースと、遠軽の農産物品や雑貨、道内の食品が集められた売店があります。ここで帰路の車内で食べるお菓子やお土産を見繕いましょう。
滑り終わった後は足湯で反省会
ロックバレーには、道の駅の建物に並んで無料の足湯があります。予めタオルと替えのソックスの準備をお忘れなく。長い道のりを運転して帰る前に、まずはここで疲れを癒します。※グループで行く際は少人数に分かれての利用を心がけましょう。
装備のポイント
撮影日は2020年3月。降雪後のチャンピオンコースとダイナミックコースを狙っていたので、僕はFJELLのMt Wilg 168を持ち込みました。全長が長く、かっ飛ばすには最適です。また、このボードにはロッカーもあるので、壁遊びもそこそこ楽しめましたが、壁遊び向きのボードがあれば午後を一層楽しめたかな、と思います。リフトから駐車場までの距離も近いので、タイプの違うボードをいくつか用意して臨みたいゲレンデです。
最高の思い出を作るスノートリッププラン
札幌からは、2時間もあれば北海道を代表する大型リゾートに着くことができますが、あえて遠出をする楽しみもあります。同じ道内といえども、慣れたゲレンデとは違った気候や地形から、スノーボードの新たな一面を発見することも少なくありません。
えんがるロックバレーでは、道東らしいダイナミックな景色や、いつもと違う空気感が味わえ、ローカルの高度な滑りも大いに刺激になりました。さすが道東、気温が低く陽が当たっていても夕暮れまでサラサラのパウダーでした。
この日現地で集合したメンバーは、狙い通りの雪に恵まれ、3年後も、5年後も「あの日のロックバレーは最高だったね」と語れるような、記憶に残る1日を過ごしました。次回は層雲峡や比布、旭川などで一泊してトリップを続けるプランも計画したいと思います。
えんがるロックバレーでは、2021年夏よりスノーマットPIS-LABを設置したサマーゲレンデがオープン。ツリートレッキングや、山頂からの大規模なジップラインなど、着々と設備を増やしている模様。子供から大人まで、アクションスポーツを年中楽しめるスポットです。