REVIEWウェアオーナーオペレーター

OWNER OPERATOR|ペアリフトが似合うオールドスクールなスノーボードウェア

OWNER OPERATOR -FROM NY , JAPAN MADE-

ラフで、ジャンクで、カッコイイ
NY発 “あの頃” のスノーボードスタイル

2008年、ニューヨーク州ブルックリンで誕生したOWNER OPERATOR(オーナー オペレーター)は、スノーボーダーのスティーブンとピート(steven.kimura と @petersieper)によって設立されたスノーボードウェアブランドです。

彼らが大切にしているのは、今まさに再注目されている90年代のUSAスノーボードシーン。

ストリートカルチャーから派生したスノーボードがムーブメントを起こし、世界中の若者へ急速に広がっていった当時のシルエットが、ニューヨーカーのフィルターを通して表現されています。

懐かしさだけでなく、いま改めて向き合いたいテーマが詰まったブランドです。

日本で販売するウェアを、日本でつくる。

OWNER OPERATOR 91’ ANORAK 諸橋正太

OWNER OPERATORが日本で展開を開始したのは、23-24シーズンから。

一般的な海外ブランドのスノーボード用品は、完成後に日本へ輸送され、日本の拠点を通じて全国のショップへと届けられますが、OWNER OPERATORが日本に宛てて送ったものは、製品ではなくパターン(製図)と素材でした。

このユニークかつ合理的なプロセスは、ファウンダーの2人が素材選考、製図、裁断、縫製に至るすべての工程に関わり、持続性を意識したブランドの在り方を模索しているからこそできた選択でしょう。

これまでの「あたりまえ」から一歩踏み出した取り組み、大変興味深いです。

そして、国をまたいだ難しい企画を実現させた影の功績者が、日本の担当者ネイティブ・プロダクトの辻村氏。

彼もまた90年代のスノーボードシーンに魅せられたスノーボーダーであることは、言うまでもありません。

日本製OWNER OPERATORは、辻村さんの情熱と、日本の縫製工場の技術力が叶えたプロジェクトでもあります。

90’sスタイルでローカルゲレンデを楽しもう!

OWNER OPERATOR 91’ ANORAK / 93’PANT諸橋正太

そんなオーナー・オペレーターを、MOJANEでは北海道のコンパクトなローカルゲレンデで着用することを想定し、ご提案します。

その理由は、ウェアの機能が絞られているから。

ジャケットにもパンツにも、ゲイターやパウダースカートは無し。ベンチレーションもありません。パンツに関してはベルトループすらありません。とはいえ、心配はご無用。

ローテクではあるものの、小~中規模ゲレンデで着用するには十分な撥水防水性と実用性を備えていることは確認済みです。

レイヤードの知識がある方なら、中規模ゲレンデでフルシーズン着こなしていただけるはず!ハイシーズンの標高の高い山では心もとないウェアですが、小物とのコーデや重ね着で自分らしさを演出しながら、ローカルゲレンデを楽しみましょう。

OWNER OPERATOR LINE UP

OWNER OPERATOR 24-25

OWNER OPERATORで採用されている表地は、日本の東レによるブリザテック®︎です。

GORE-TEX®︎やSYMPATEX®︎といったトップブランドの機能には劣りますが、オーナーオペレーターのフィールドでは十分なスペックではないでしょうか。

※日本で製造されるOWNER OPERATORは、一部のパーツをアップグレードしているとのことです。

BRETHEATEC®︎


BRETHEATEC®︎ OWNER OPERATOR

特殊なポリウレタンの微多孔質膜構造により、撥水、防水性能と内部に滞留した湿気を外部に放散する性能を兼ね備えた高機能性素材。表面に1〜30マイクロメーターの細かい孔があり、ウェア内の湿気を外部に放出。表からは水滴を通さない仕組みです。

93’s PARKA ¥60,500税込

OWNER OPERATOR 93’s PARKA
OWNER OPERATOR 93’s PARKA BLACK XL
93’s PARKA BLACK XL (181cm/72kg)

オーナーオペレーターの元祖ジャケットです。フードがついていないので、首回りがすっきりシャープな印象です。フードクラバやネックウォーマー、マフラーバド、様々な首周りアイテムとの組み合わせが映えそうです。

身幅は大きめ、袖ぐりも深いので中にパーカーを着ても動きやすいサイズ感。僕は、まずはベーシックなブラックをチョイスしました。

91’ ANORAK ¥71,500税込

OWNER OPERATOR 91’ ANORAK
OWNER OPERATOR 91’ ANORAK L BLUE
91’ ANORAK L BLUE (181cm/72kg)

少しでも防寒性が欲しい方にはフード付きのアノラックを。93’PARKAよりもカジュアルかつビッグシルエットです。

僕の体型(181cm/72kg)で、ハイシーズンのレーヤードの厚みを考慮するなら少し余裕を持ってXL。春、薄手のインナーに羽織るならLを選びます。

ポケットにはキーチェーンとスマートフォンスリーブがあります。背中の大きなポケットは、センターハウスに並ぶパンフレットを入れるのにピッタリ。現地情報を持ち帰ろう!

93’PANT ¥59,400税込

OWNER OPERATOR 93’PANT
OWNER OPERATOR 93’PANT XL BLACK
93’PANT XL BLACK (181cm/72kg)

93’s PARKA/91’ ANORAKどちらのジャケットにも合う太過ぎないバギースタイルです。

履き口は大きく、着替えがスムーズです。備え付けのベルトをギュッと引いてウェスト調整。お腹周りの体型が変化しても長く着られそう!

パンツ裾のゲイターはありませんが、裾口がリブ仕上げとなっているので、ズボズボと雪の上を歩いても雪が入りにくくなっています。スノーボードブーツとの相性も抜群!

VANS INVADO PROやBURTON ION LEATHER, DEELUXE ARETH RINやK2 TT SNOW SURFなど、個性のあるブーツが際立ちます。

BESPOKE PLAN¥4,400 税込

OWNER OPERATOR BESPOKE PLAN

ジャパンメイドのプロダクトでは、パウダースカートやハンドゲイターがオプションとして追加できるようになりました。ハードに使いたい方は、取扱店で相談しましょう。

この他、ウェアとあわせて使いたいグローブやバッグの展開も!今後のラインナップにも期待してください。

インナーコントロールでハイシーズンもバッチリ!

2024年3月。サンプルのウェアをお借りして使用感テストを行いました。また、12月からは1シーズン通しての使用を開始しています。

機能がそぎ落とされているとは言え、細部に工夫が感じられ、すでに満足しているのが率直なところです。

OWNER OPERATOR 
 93’s PARKA BLACK XL / 93’PANT XL BLACK
生地は適度なハリがあり、ドローコードを絞れば狙い通りのシルエットに。
OWNER OPERATOR 91’ ANORAK
ジャケットの身幅は太め、袖ぐり深め。肩回りも動きやすい。
OWNER OPERATOR 93’PANT XL BLACK
ガバッと大きなパンツの履き口。車内や外でも着替えやすい!
OWNER OPERATOR 93’PANT XL BLACK
ZIPやボタン、ベルトループはナシ。ベルトをギュッと引くだけ。
OWNER OPERATOR 93’PANT XL BLACK
裾口はリブ仕様、ゲイターが無くても雪が入りにくい。
OWNER OPERATOR 91’ ANORAK L BLUE BACKSTYLE
91’ ANORAKの背中のラインは大きなポケット口になっている!
OWNER OPERATOR 91’ ANORAK
強風、降雪、問題なし。想像以上に風を通さなかった。
OWNER OPERATOR 91’ ANORAK
バックスタイル。他ブランドのパンツにも合わせやすい。
OWNER OPERATOR 93’PANT XL BLACK
アライグマのアイコンは1980年ニューヨーク州レークプラシッド開催の冬季五輪マスコットに由来
OWNER OPERATOR 93’s PARKA裏地
ウェアの随所にさりげなく、アライグマ。愛嬌のある表情がかわいい!

SCENE1:ゴンドラが止まるほどの強風 × 真冬並みの寒気
3月夕張マウントレースイ / 91’ ANORAK(L)着用

3レイヤーなので風は全く入ってこない。降雪があっても乾いた雪質なら影響なし。 寒さはインナーと小物で対処。渋めのパープルは陽射しにも降雪でも映える。この日はFWのパンツとの組み合わせ。

SCENE2:-5~-8°、降雪 × 強めの風
12月上旬ニセコモイワ / 91’ ANORAK(L)/93’PANT(XL)着用

ペアリフトのみの運行日。湿気を多く含むニセコの雪が降り始めるとブリザテック生地に雪がたまりやすく感じた。全体的に水分の浸み込みや寒さはないが、お尻だけは少し濡れていた。インナーまで染み込むレベルではないので、降雪の中でも半日過ごす程度なら問題なし。ただ、心配なのは湿雪やシャバ雪の季節…。

古着とも好相性!自分らしく着こなそう

(代替テキスト)

24-25シーズンがスタートして、早速OWNER OPERATORのコーディネート写真を届けてくれたのは、いつも洒落たウェアの着こなしを見せてくれる田中くんです。

彼のインスピレーションを刺激したのは、91’ ANORAK × 93’PANT。身長170cm台後半で、ジャケットL,パンツXLです。

古着のベストを上手に合わせたナイスコーデです。オリジナル感、出てます。


田中くんのアイテム

100% SNOW OKAN / OWNER OPERATOR 91’ ANORAK(L) x USED VEST / OWNER OPERATOR 93’PANT(XL) / PHOTON BOA / NEVER SUMMER HARPOON 152

OWNER OPERATORのより詳しいレビューはシーズン終了後に改めて記事にしたいと思っています。

スノーボードウェアの過剰スペックを見直す時がきた⁉

OWNER OPERATOR 91’ ANORAK

1990年代は、日本の若者たちの間にもスノーボードが普及し、冬の公園やスキー場でスノーボーダーの姿が増え始めた頃。

普段着のパーカーの上にペラペラのコーチジャケットやアノラックを羽織り、背中丸出しで遊ぶスノーボーダーたちがシーンを盛り上げていました。

それから四半世紀の間に、スノーボードウェアは進化に進化を重ね、軽く、薄く、驚くほど快適になりました。

ストリートウェアの延長だったスノーボードウェアは、いつしか山岳分野のアウトドアブランドと肩を並べてその機能を競うまでに達し、僕たちは毎年更新されるスペックやライダー着用モデルを追いかけてきたのです。

ただ、ローカルスノーボードショップとして、こうしたウェアの提案を一部見直す必要があるかもしれない、と考える機会が増えました。

「カッコよさを優先したいので。」

例えば、広島県からの移住者 Kくん。昨シーズンは地元で使っていたウェアで寒い経験をしたものの、北海道の雪が楽し過ぎてなんとか乗り切ったそうです。

それなら、まずは快適なハイスペックウェアでライディングを楽しんでもらおうとアウターシェルをいくつか提案しましたが、会話を重ねるうちに、Kくんが大切にしたいことは「スノーボーダーとしてのカッコよさ」だと知り、オーナーオペレーターを紹介しました。

雪が入ってくるかもしれないし、機能性には期待しないでね、と伝えると、「北海道の雪は擦り傷にならないから、雪が入るくらいなら全然OKです!カッコいいのが良いです!」この言葉に、ハッとさせられました。

道具の機能なんて気にせずに、雪が積もった身近な場所で、板に乗って思いっきり遊ぶ。

派手に転んで背中に雪が入ってきても楽しさが勝ってしまう、僕の原点もそんなスノーボードでした。

道内には、標高が高くないにも関わらず、雪質に恵まれたローカルゲレンデが点在しています。そこで遊ぶには…、もっと手軽でライトな装備でいいんです。まさに「あの頃」のウェアのような!

純度100%のスノーボードウェアOWNER OPERATOR、あなたならどう着こなしますか?

モロのつぶやき

OWNER OPERATOR 91’ ANORAK 諸橋正太

スノーボードがエクストリームスポーツへ、レジャーへ、アウトドアへ、リゾートアクティビティへと発展するのに合わせて、ウェアもそれらに似合う様々なスタイルを生み出しました。

その揺り戻しでしょうか、まだジャンクカルチャーだった頃のスタイルが新鮮に感じられます。

ローテクシューズの良さがあるように、飾らず気張らず、すぐ近くにあるスキー場が似合うウェア。

オーナーオペレーターが醸し出す空気感は、今のシーンを追う若者にも、スノーボードカルチャーが大好きな大人たちにもよく似合います。

OWNER OPERATORプレオーダー

次期モデルのカタログは2月下旬公開、オーダーは3月締切り予定です。スケジュール確定次第、MOJANEのインスタアカウントでお知らせします。

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