REVIEW田中岳宏スケートボードオフトレウッディプレス菊田光司郎

WOODY PRESS | 菊田光司郎プロ×田中岳宏さんによるオフトレーニング検証

スノーボードとサーフが交わるスケートボード"CARVE"の可能性

アスリートの視点で見るWOODY PRESS

この春リリースされたWOODY PRESSのニューモデル”CARVE(カーブ)”は、サーフィンのトレーニングの為に開発されたスケートボードです。MOJANEでは、サーフィンだけでなくスノーボードのオフトレ用としてお勧めしています。ポイントは、コストパフォーマンスと実用性の高さです。

WOODY PRESS CARVE
CARVE 18500円+TAX

今回は、プロスノーボーダー菊田光司郎さんをゲストに迎え、MOJANEアドバイザー田中岳宏さんと共に、スノーボードとサーフィン、2つの視点からCARVEの使い方や効果について考察しました。

撮影当日は、具体的な練習法のアイディアが次々と飛び交い、より実践的なお話を聞くことが出来ました。夏を持て余しているスノーボーダーのみなさん、オフシーズンの過ごし方の参考にしてみてはいかがでしょうか。

INTERVIEW菊田光司郎×田中岳宏

菊田光司郎さん田中岳宏さんにインタビュー
(左)菊田光司郎さん(中)田中岳宏さん(右)諸橋正太

Q1.WOODY PRESS CARVEに乗った感想

kikuta : 前足と後ろ足の両方を使って”角付け(スノーボードを立てる動き)”する感覚や、ターン切り替え時の最初の捉え、ターンの導入部分の前足の使い方がスノーボードにそっくりでした。

スノーボードでは、1つのターンの中で「前足→真ん中→後ろ足」へと自分の重心が変化していきますが、CARVEでもよく似た動きが出来て、なおかつその動きが出来た時は板が走っていくんですよね。ボードが走っている=重心移動ができている証拠です。

重心移動が上手くいったときは、切り替えでの加速でギュンっと板が跳ね返ってくるような感触があり、次の切り替えしへと繋がっていきます。逆に、重心移動が出来ていないと、そのターンの切り替え時に加速が感じられません。これはスノーボードに近いですね。また、誤魔化しがきかないので、ピンポイントで重心位置の練習をすることが出来ると思いました。

CARVEで練習する菊田光司郎さん田中岳宏さん

tanaka :僕が初めてCARVEに乗ったのは、スノーボードシーズンが終わってすぐでした。ショートターンの練習をした感覚がスノーボードと良く似ていて、インパクトがありましたね。

サーフィンに関しても、自分が目指しているカービングのサーフィンに絶対良いな、という手応えがありました。ボトムでレール入れて走らせるような、そんなイメージに似ているなって。あと、開発にはプロサーファーの意見が取り入れられているという点でも信頼感があります。

CARVEは、ボトムターンからトップターン、ダウンザラインからカービング、という練習に良いですね。あとは連動です。板、骨盤、身体の動きをリンクさせる事が出来るようになると思います。

Q2.他のサーフスケートとCARVEの違い

WOODY PRESS CARVEに乗る菊田光司郎さん

kikuta : 僕はグラビティ(スラスターシステムトラック)を持っていますが、CARVEと乗り比べると、グラビティはサーフィンの動き、CARVEはスノーボードの動き、に分けられると思います。グラビティは、前足を主体にしてスケートをしていくのですが、後ろ足の角付けが作りづらかったんです。前足を踏み込むと前足の角付け量は取れるんですけども、後ろ足は結構フラットに近い、という感覚です。今回CARVEに乗ってみて、両方の足の角付けがちゃんと取れるという違いがありました。両足がしっかりと倒せる点で、スノーボードにより近い、と言えると思います。

動作確認をする田中岳宏さん

tanaka : 今まではサーフィンの陸トレとして、WOODY PRESSのスラスターを使っていました。サーフィンでは、レールワークでボードを動かしたり、スピードに乗せていくんですよね。その為にはパワーを溜めてきっかけを作る必要があります。

スラスターでは、板を立ててタメを作ろうとした時、そのパワーが逃げていく様な感覚があり、瞬発的な動きになりがちでした。板がクネクネと曲がるので、力が弱い女性やビギナーにはメリットがあります。一方、新しいCARVEトラックは、溜めた力を逃すことなく、よりパワフルでダイナミックな動きに繋げることが出来ます。モーションをキープしたままスピードに乗る(もちろんその間は踏み続けているんですけど)という、大きく動かすサーフィンの感覚が掴めます。

Q3.CARVEをどんな人に勧めたいですか?

WOODY PRESS CARVE|菊田光司郎さん

kikuta : スノーボードのショートターンが苦手な人です。普段、皆さんが滑っている中でも、ショートターンは気持ち良く滑るというより、人や障害物を避けたり、急斜面を滑り降りる際など、安全に滑るという意識が強い技術だと言えます。スノーボードのテクニカルの種目ではショートターンの技術が求められますが、わざわざ大会の種目の為だけにその練習をするっていう人は実は少なくて、気持ちの良いミドル~ロングターンに注力しがちなんですね。シーズン中、ショートターンを疎かにしてしまった人は、是非、夏の間にスケートを使って、ショートターンをしっかりと補ってもらいたいと思います。

CARVEとターンの動きを解説する菊田光司郎さん

具体的に説明すると、ショートターンにおける前足の使い方です。前足の動き、前の骨盤・股関節の動きの練習ができます。しっかりと動けば、スケートがちゃんと反応してくれました。例えば、前足の足首だけでターンした時と、前足の半身全体を使ってターンした時では、ターンの深さが全然違いました。スノーボードでも同じ動きになるので間違いなく応用できるポイントです。

高い姿勢でショートターンの深い弧を描けない人には、こういった前足体半分左側を使う練習がとても効果的だと思いますよ。身体が連動して足が上手く使えて、正しいフォームに近づいていくほど、ターン弧は深くなっていくはずです。同じ落差の中でも、浅いターンなのか深いターンなのか、そういった点でも技術の差が出てきますし、更に、左右均等なターン弧を描くという難易度の高い技術の練習にもお勧めです。

WOODY PRESS CARVE|田中岳宏さん

tanaka : 間違ったフォームでサーフィンをしている人に使って欲しいですね。スラスターに比べると乗り始めは動かしづらく感じると思いますが、フォームを少し修正するだけで動くようになってきます。

「サーフィンをやってもやっても上達しない」と思っている人に多いのが、自己流によるフォームの癖。間違ったフォームではCARVEは動いてくれないので、動かすためにはフォームの改善が必要、つまり正しいフォームへと繋がります。「このスケートが動く様になったら、サーフィンが今よりも上手く動かせるかもしれない」と思うと、モチベーション維持や、上達の突破口になってくれるかも知れませんよね。

陸上で気軽にできるスケートは、色々なフォームが試せます。先ずは陸で動作を理解し身体で覚える。陸でできたことを海に持って行く、という手順はとても合理的です。僕がコーチを務めているMOJANE SURF SCHOOLのレッスンでも是非取り入れたいと思っています。今、壁にぶつかっている人は、一度立ち止まってCARVEを試してみて欲しいですね。また、自分は出来ているという自信がある人は、本当かどうか試してみるのも面白いですよ。

今回の様に、スケートの練習を撮影し合ってチェックするという事も、海でサーフィンをしながらよりも断然行いやすいと思います。大事なのは、見てくれる人がいるかどうか、ということですね。自分では低い姿勢のつもりでも他から見るとまだまだ高いと言われてショックを受けることもありますけど(笑)。自己満足で終わらせず、修正していきましょう。


田中岳宏
MOJANEアドバイザー|田中岳宏 Takehiro Tanaka

1975年生/北海道夕張市出身/178cm72kg / レギュラースタンス
ホームゲレンデ:夕張マウントレースイと札幌国際スキー場
ホームビーチ:浜厚真
JSBA A級インストラクター/C級検定員/TECH TEST LICENSE TECH.1
NSA 公認指導員 / NSAサーフィン検定2級


WOODY PRESS CARVE|田中岳宏さん
インタビューに答える田中岳宏さん
WOODY PRESS CARVEの撮影会
WOODY PRESS CARVE|田中岳宏さん
タイヤでターン練習
WOODY PRESS CARVE|菊田光司郎さん
ターン練習をする菊田光司郎さん
WOODY PRESS CARVE|菊田光司郎さん

Q4.CARVEを使ったトレーニングの応用

インタビューに答える菊田光司郎さん

moro : 菊田さんに最後の質問です。夏の間オフトレに励んでいるスノーボーダーの皆さんに向けて、アドバイスを頂けますか?

kikuta : 僕が乗ったCARVE 30インチをスノーボードに照らし合わせると、フラットなバーンならショートターン、ゆるいスロープがあればミドルターンの身体の確認作業にも使えると思います。スノーボードでの大きめのターンは、自分の重心位置やローテーションの量の確認を重ねることがスムーズな滑りに繋がります。そういった確認作業に向いていると思いますし、初心者の方にも、大会で上位を狙うような上級者の方にも、どちらも効果があると思います。

moro : バンクを利用したバックサイドの動きとスノーボードのコブの動きには共通点があるとの事でしたが、詳しく聞かせてください。

kikuta : コブにもいろいろなコブがあって、ただ滑り降りる人、速い人、コブの中で加速していく人もいるんです。コブは小さいバンクの連続だと考えてもらうと分かりやすいかも知れません。それをスケートボードでのバンクで練習していくと、実際のコブでの動きやイメージに繋がっていくという感じです。

moro : コブはバンクを使った練習で加速のきっかけを掴めるという事ですね。

kikuta : パイロン等を使ったスラロームも、コブの動きと似ています。コブを抜けるときの動きと、雪面を伸ばしながら荷重していく、そこから切り替え、抱え込んで次の山周りターンへと仕上げていく、という感覚です。また、ベーシック運動(沈み込んで荷重・立ち上がって抜重)の初歩的な動きでのショートターン/ミドルターンの練習にもなりそうです。そういった用途の使い分けができると思います。

moro : ボウルについてはどうでしょうか?

kikuta : サーフィンには当然いい練習になると思いますが、スノーボードでは当て込みに繋がります。ぎゅーんと下がって行って、壁に向かって当てて、スプレイを飛ばすような。クイックなターンで行くとバシュっと上がるようなイメージです。

kikuta : あとは、上級者に見てもらうという事もポイントです。少し姿勢を修正するだけでも乗っている感覚や板の反応がガラッと変わります。道具だけでなく、コーチングを受けるということは環境として大切だと思います。1日1個の課題で十分です。1つずつこなしてステップアップしていきましょう。

スノーボードとサーフの交点

(左)菊田光司郎さん(中)田中岳宏さん(右)諸橋正太
(左)菊田光司郎さん(中)田中岳宏さん ありがとうございました。

これまでMOJANEではサーフスケートWOODYPRESS CARVEのコストパフォーマンスや実用性にフォーカスして、スケートボードを利用したオフトレをご紹介してきました。

今回、田中さん(サーフィン)と菊田さん(スノーボード)、両サイドのプロフェッショナルから内容の濃いレビューを頂けたことで、3S(SURF,SNOWBOARD,SKATEBOARD)の関係性の奥深さや、可能性を感じました。

スケートボードは、スノーボードにもサーフィンにも生かすことが出来ますが、スノーボードとサーフィンの動作は必ずしもイコールではありません。その中で共通点を探り、自分のスタイルを作っていくことが”スノーボードとサーフィンを繋ぐスケートボード”の魅力なのかもしれません。

KOJIRO KIKUTA PROFILE

プロスノーボーダー菊田光司郎さん
菊田 光司郎 Kojiro Kikuta

1976年生/北海道根室市出身/レギュラースタンス
ホームゲレンデ:函館七飯スノーパーク、仁山高原スキー場、ルスツリゾート
使用ボート:MOSS SNOWBOARDS/TWISTER_155、MAJEST_157,160,X5_154
使用バインディング:DRAKE/fifty_前33度/後15度,SUPER SPORT_前21度/後3度
使用ブーツ:NORTHWAVE/PROPHECY,SL,DOMAIN
日本スノーボード協会公認プロスノーボーダー
日本スノーボード協会認定デモンストレーター11/14/15/16/17期
SAJ スノーボード指導員
JSBA A級検定員
北海道スノーボード協会教育部役員
出演DVD/GTS12
第25回JSBA全日本スノーボードテクニカル選手権大会北海道地区予選 優勝
第25回JSBA全日本スノーボードテクニカル選手権大会inよませ 準優勝
2018 FIS SnowboardCross 第2回ジュネス栗駒Cup(SX)過去リザルト 6位入賞
キロロコブ選手権大会 優勝
第22回JSBA全日本テクニカル選手権大会 準優勝
第23回JSBA全日本テクニカル選手権大会 優勝
第24回JSBA全日本テクニカル選手権大会 5位入賞
MOSS SNOWBOARDS/MTN.ROCK STAR/SMITH OPTICS/SNOMAN HYPER GEARS/雪板研究所/KRYPTON/SRN VIDEO/NORTHWAVE/DRAKE/magic
mist/GALLIUM/Ispack/earthcolorshooting/T-plate/YOROI/POWERRIDE/Shy Mouth Gnards/ライズ歯科クリニック

COMMENT

メールアドレスは非公開です。

BLOG CATEGORY記事カテゴリー