豪雪地帯の穴場、桂沢国設スキー場
札幌と旭川のほぼ中間に位置する三笠市の桂沢国設スキー場は、札幌から車で約2時間、高速なら1時間程度で到着できるスキー場です。
南空知エリアが昔からの豪雪地帯ということは、パウダーフリークなら誰もが知るところ。その中でも桂沢国設スキー場は、小規模ながら十分な斜度と表情豊かなコースを有し、一度雪が降りしきれば、スピード感溢れる攻撃的な山へと変貌します。
大人も子供も、スノーボーダーも
この日は冬休み中ということもあり、朝から地元のスキーレーシングチームの子供たち、彼らを見守る保護者の方々、そして2世代、3世代でスキーを楽しむ家族連れで溢れていました。
印象的だったのはスキーヤーの年齢が幅広くレベルが高いこと。スキーカルチャーが根付いている事が伺えます。一方、スノーボーダーはというと1割程度でしょうか。数えるほどしかいませんでした。
とはいえ、スノーボーダーが煙たがられるような空気は全くなく、アットホームな雰囲気のファミリーゲレンデです。
さすがレーシングチームを抱えているゲレンデだけあり、綺麗に圧雪された見事なバーンが広がります。もしパウダーがなくとも、十分に楽しめるはずです。
ただ、天気が変わりやすく吹雪くと視界は悪くなります。雲行きが怪しい時は、凹凸が見えやすいレンズを用意して行くと良いでしょう。
効率良好な1本のリフト、途中下車で全コースを網羅
桂沢国設スキー場は、リフト1基、1枚バーンです。ゲレンデマップもとてもシンプルで、コース名も特にありません。リフトには中間停留場があり、頂上まで行くと上・中級コース、途中で降りれば初心者コース・ファミリーゲレンデを滑ることが出来ます。
中間ポイントでリフトを降りる際は、係員さんに合図を送ってリフトのスピードを緩めてもらいましょう。多少混んでいても短い待ち時間でスムーズにリフトに乗れてしまいます。
リフトで頂上まで登ると、最大斜度31°という斜面が待ち受けます。リフトを降りて左右に深雪、真ん中が圧雪、いずれも上・中級コースです。
起伏の激しいスノーボードコース(オレンジ)
ゲレンデに向かって右側に位置するスノーボードコースは、リフト下から右にダイナミックに滑り降りる深雪コースです。
降雪後には凹凸のある地形が活きて、マッシュ(切株にたっぷり雪が積もった状態)さながらの起伏が。これをうまく捌いた時にはリフトに乗車中のオーディエンスから歓声が湧きおこります。パウダーライディングを強化したいスノーボーダーにとって、修行の場となりそうです。
リフトの鉄塔もありますし、スキーヤーとスノーボーダーは攻略方法が違う為、混雑時は無理をせず「お先にどうぞ」の精神で楽しみましょう。
思い切り飛ばせるボーダーズゲレンデ
更にその先を進むと、非圧雪エリア、ボーダーズゲレンデが現れます。幅が広いので自由な遊び方が出来ますが、お勧めは約300mの直滑降。
ボトムでスピードが落ちる設計になっているので、ガンガンスピードを出してみましょう。降雪後ならハッピータイム、荒れている程スリリングです。
圧雪が綺麗な上・中級者コース(赤)
ゲレンデの中央のコースは、最大斜度31°平均斜度24°の圧雪バーン。リフト上からはこのコースを気持ちよさそうに滑るスキーヤーが眺められますが、なかなかの難易度です。
コースの一部は、レーシングチームの練習が行われていることが多いようです。コース中盤からは、綺麗に整ったバーンとなり、初・中級者のカービング練習に最適です。
地形が面白い上・中級者コース(ピンク)
ゲレンデに向かって左手のコースは、札幌国際スキー場ダウンヒルにも通じるイメージで、スキルを試したい人にお勧めです。
他の2コースに比べ、最大斜度は23°と控えめですが、広さと地形が特徴的。朝のノートラックに滑れたら超ラッキーですね。
ついついスピードが出過ぎてしまいますが、中腹で圧雪コースとの合流地点がありますので、手前でしっかりとスピードを落とし周囲を確認しましょう。このコースにエントリーする際は、是非尾根沿いを滑ってください。上下左右にウネウネと走る自然な地形が面白いです。
初心者コースとファミリーゲレンデ
リフトの中間停留場を越えると、緩斜面が広がります。初心者コースとファミリーゲレンデです。グランドトリックで遊びながらリフトへ戻りましょう。
ファミリーゲレンデにあるパウダーゾーンは初心者の深雪練習にぴったりです。すぐにコースに戻れるので、子供でも安心して遊べます。この日もキッズスキーヤーが恐る恐る突入し、快感の歓声を上げていました。
また、左右には綺麗なグルームバーンがあり、リフトから遠く離れるほど、午後もトラックが付かないままで残っています。スキー学習や、子供達のスキーレッスンが行われている事も多いので、様子を見ながら滑りましょう。
みっちりコソ練?それともハシゴ?
「1枚バーンのゲレンデは、すぐに飽きてしまうでしょ?」と思う方もいるかも知れませんが、桂沢国設スキー場を侮ってはいけません。
コース上部には地形の起伏が激しいライン、ハイスピードを試せるボーダーズゲレンデ、綺麗な圧雪でのカービング…。初級者から中級者がしっかりと練習できるゲレンデです。
リフト代も食堂もとってもリーズナブル。朝一からの3時間券(1.540円)を楽しんで、近隣の美唄国設スキー場をハシゴするのも良いでしょう。
センターハウスと山の家
チケットカウンターは、センターハウスに隣接する食堂”山の家”の入口にあります。
大きな食堂ではないものの、暖かく、懐かしい雰囲気です。地元のお母さんたちが腕を振るうゲレンデ食(300円~)は、驚くほどリーズナブル。パック入りの軽食から定番の丼物・麺類等のメニューが揃います。
家族連れが多い休日のお昼時にはレジが大渋滞!(カツサンド400円を食べたかったのですか断念。)その為、正午のゲレンデは人が少なく開放感抜群になります。キッズ達がランチタイムを終えるまでは、とことん滑り倒しましょう。
また、スキー・スノーボードのレンタルの他、チュービングやソリの無料レンタルもあるようです。
アクセスと降雪チェック
桂沢国設スキー場は、札幌から富良野に向かう道の途中です。
国道12号線を旭川方面へ、三笠市からは桂沢湖方面を目指すと案内板が出てきます。峠を越えずに行ける、というところもポイントです。
小さな町のローカルゲレンデという事で見逃している方も多いと思いますが、富良野へ行く前に偵察だけでも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
また、三笠ICから程近いゲレンデなので、天気予報だけでなく高速道路情報も降雪の手掛かりになります。道央道三笠エリアが通行止めなら、莫大な雪の証拠です。チェックしましょう。
尚、大雪の際はホワイトアウトの危険があるエリアとしても知られています。運転には十分ご注意を。
余談ですが、三笠市は炭鉱と恐竜やアンモナイトの化石が有名で、博物館はなかなかの高評価。是非足を運びたいところです。
北海道三笠市西桂沢50
桂沢国設スキー場 電話:01267-6-8235
AM9:00-PM4:00/シーズン中無休/駐車場200台
滑走距離490m~855m、最大斜度31度、平均斜度16度、高低差218m
ワックスデータ
2019年1月上旬 曇雪/最高気温 -4°/最低気温 -8°/前日降雪あり/湿度 80%~ /南西2m
DOMINATOR BOOSTER MF1 -6~-12°
時折日が差す天候だったので、フッ素入りで正解。ただ、予想していたほど冷え込まなかったので、MF2がベストでした。