REVIEWバートンスノーボードカスタムXフライングV2017 2018

CUSTOM-X|全てが見直された新生エックス

2017-2018 BURTON CUSTOM X / Flying-V

2017-18はフルモデルチェンジ!全く新しいCUSTOM-X

BURTON SNOWBOARDSを語る上で、最も重要なボードがCUSTOM-Xではないでしょうか。 スノーボーダーなら誰もが知るモデル ”CUSTOM”のアップグレードボードで、シェイプは細く、フレックスは極めて固い。言わずと知れた上級者モデルのオーラを漂わせていました。

そんなCUSTOM-Xも来季は「乗る者を選ぶボード」から、「楽しくレベルアップできるボード」へと、イメージとサイズバリエーションを大きく変容させました。

そして2期目に突入したCUSTOM-X FLYING-Vの進化にも注目してください。

CUSTOM-X徹底解説

BURTON 2017-2018 CUSTOM X
BURTON 2017-2018 CUSTOM X

CUSTOM Xのデザインとスペック

2017-2018シーズンのCUSTOM-Xは、キャンバーとFYLING-V(ダブルキャンバー)の2モデルが登場します(グラフィックスは同一です)。そして、ついに待望の154cmもリリースされます。

過去のCUSTOM-Xのアウトラインは、オリジナルのCUSTOMよりも細いデザインでしたが、新たにリリースされるCUSTOM-Xのアウトラインはサイズスペックを見る限りCUSTOMと全てが同じ…。え!?っと思いましたが、どんな違いがあるのかと試乗会が俄然楽しみでした。

CUSTOM X 156cm ウェスト幅25.2cm サイドカーブ半径 7.8m

BURTON CUSTOM X 2017-20018|諸橋
毎年のCUSTOM-Xを比較して、BURTONの本気度を確認します。

ノーズ、テールデザインはフルモデルチェンジ。スーパーパイプを滑る平野 歩君やMIKKEL BANG君は既にこのデザインを使用しています。彼らのフィードバックが反映された新スペックは、スピン時のスウィングウェイトを軽くする狙いがあるのでしょうか。

ディレクショナルボードとして有名なCUSOTM-Xですが、来季はセットバックが”1.25”。既存のデザインよりもツインチップの様な雰囲気でセッティングできるでしょう。この1.25という数字はBURTONからリリースされているTRICK PONYやマーク・マクモリスが乗るPROCESS、またはショーン・ホワイトが乗るTWCと同等の数字となっています。ハーフパイプを意識したデザインなのか、TWINっぽくCUSTOM-Xを乗りたい方にとっては興味の沸くニュースです。

コアとフレックス&トーション

BURTON CUSTOM X 2017-20018トーション
SQUIZE BOX HIGHの恩恵は扱いやすいトーション
BURTON CUSTOM X 2017-20018テールフレックス
CAMBER:軽く乗り上げられるのに、柔らかくはない…
BURTON CUSTOM X 2017-20018ノーズフレックス
前後のボードフレックスが同じツインフレックス

CUSTOM-Xには通常のファイバーグラスとは異なる、”カーボンハイライト 45°ハイボルテージ”が施されています。コアの密度を軽くしたFSC認証ドラゴンフライコア600gにカーボンレイヤーを重ねる事で軽量化を図り、反発力を極限まで高める設計です。

ここまで来るとケミカル要素が強く、ウッドコア本来の良さであるしなりが心配です。しかしケミカル要素はまだまだ続きます。足元にはトーションを効かせる為のスクイズボックス仕様。これは、足の外側(小指側)と内側(親指側)のコア密度を変化させることで反発を生む、というスゴ技です。トーションは効く印象なのにボード自体は張りがビンビンしています。そしてこの”HIGH”にはさらにカーボンラミネートが施されています。

これらの様々な最新技術を搭載した結果、抜群のしなりが生まれました。フレックスチェックの写真の足元に注目してください。ビンディング下は綺麗にアーチを描くようにフレックスしています。通常なら足元のフレックスはビンディングによってブロックされますが、気持ちよく踏み込めます。

データー上では同スペックとなっているCAMBERとF-Vですが、F-Vのほうが基本的なベンドが内側にしなっている為、柔らかく感じられます。ボードが太くなったので、フレックスの硬度が心配でしたが、太さによる影響は無いように感じました。

試乗レビュー

CUSTOM-Xに注力してきたMOJANEには、歴代の変化を見届けてきたユーザーが多いのですが、中でもCUSTOM-Xを乗り込んできた平山雅一くんは、フルモデルチェンジとなった今回、絶好のレビュアーです。

BURTON 2017-2018 CUSTOM X 平山雅一
BURTON 2017-2018 CUSTOM X 平山雅一

平山雅一くんのレビュー

CAMBERは踏み込んだ時の加速感やターン後半での伸びは相変わらず、唯一無二のボードで、常に先へ先へと行けそうに感じるボードです!ウェストが少し太くなったせいか、キレッキレの感覚は薄れたのかな?^^; フレックスも少し柔らかく感じました。これまでのCUSTOM-Xが持っていた”乗る者を選ぶ”という強固なイメージから、より自由度が高まり、様々なレベルに対応したボードになったと思います。とは言ってもCUSTOM-X。基本的には下へ下へ加速し、ターンでは伸びていくボードなので、パウダーでは相変わらず潜っていきます。浮力を求めるのであればF-Vでしょう!

CUSTOM-X FVは”X8”シーリズが登場した時の感動を覚えました。ビッグジャンプ、ガッチガチのナイター盤渓を覗けば間違いなくどこでも楽しめるボードだと思います。オフピステではCUSTOM-Xの様な操作性と伸びがあり、パウダーに入れば心地よい浮遊感を感じられる2刀流ボードです!特に北海道のフィールドで、朝一にパウダーを頂き、朝2からゲレンデクルーズやサイドカントリーの探索、地形遊びには最高のボードではないでしょうか?ネクストレベルのオールラウンドボードと言わせていただきます!

CUSTOM-X CAMBER/Flying-Vまとめ

平山君の「ネクストレベルのオールラウンドボード」とは言い得て妙。MOJANEとしても、非の打ち所が無い高い完成度だと感じています。

Xにカービング性能やビッグジャンプを求めるのであればCAMBERで間違いないでしょう。一方で、山全体をクルーズしながら、攻めることもできるFlying-Vは、BURTONが目指してきたダブルキャンバーはこれなのか!!という十分なインパクトを持っています。F-Vが発表されてから数年が経ちましたが、このCUSTOM-Xに搭載されることで、完成を迎えたのでは無いでしょうか?因みにセットバックをすれば、DEEP POWでも戦える”BARRACUDA”の様なボードに変身します。

CUSTOM Xはハイパフォーマンスモデルから、ハイパフォーマンス”FUN”ボードへと進化しています。これまでのXユーザーを裏切ることなく遊べる要素が盛り込まれたということは、夢のボードが実現したと言えるかもしれません。

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