REVIEWスノーボードツインチップ

大人の為のツインチップボードガイド

MOJANEの提案は、大人が楽しめるツイン

40代、今こそ乗りたいツインチップがある!

「ツインチップボードはコンペティターやパークで遊ぶ若者たちの乗り物。」

そんなイメージが根強くあります。特に、僕らアラフォー世代なら、そもそも選択肢に入っていないという方も多いでしょう。

ですが、昨今のツインチップの守備範囲がパークを優に超え、幅広く進化していることをご存じですか?

ツインチップの現在を眺めていると、これまでディレクショナルボードに求めていた「心地よさ」に、ツインチップが得意とする「遊びと挑戦」を加えたくなってきました。

そんな訳で、23-24のMOJANEラインナップは、フリーライディングをベースに”大人のツインチップ”をテーマのひとつにしています。

ニュータイプ・ツインが増えている⁉

TWIN TIP 平山雅一

2000年代は、フリースタイル・スノーボードが2極化していく分岐点だったと思います。

一つは、競技から切り離されたライフスタイル・スノーボーディングを追及する為のディレクショナルボード。大きな山や急斜面、カービングターン、パウダーライディングなど、遊び方とそれに特化したディレクショナルボードが次々と生まれました。

そしてもう一つが、過激化するスノーボードコンペティションの複雑なトリックに対応していったツインチップボードです。

アスリートたちが乗るツインチップボードには、より高い反発力や硬さが求められた為、一般スノーボーダーには扱いにくいモデルも多々ありました。こうした背景から「ツイン=コンペ/パーク用」という印象が付いていくこととなります。

特に、パウダー環境に恵まれた北海道ではディレクショナルボードが主流となって久しいですが、華やかにプロモーションされるディレクショナルボードの影で、ツインもまた、コツコツと進化を遂げてきたのです。

トラディショナルなキャンバー、ハイブリッド、ダブルキャンバー、フラット。ディレクショナルとツインチップの良いトコ取りをしたディレクショナルツインや、ツインライク。

ディレクショナルとツインの間のグラデーションを埋めるようなこのバリエーションは、「ツイン」の一言ではまとめられない程です。

スイッチスタンスで小さな山が劇的に面白くなる

TWIN TIP 諸橋正太

ツインチップボードの醍醐味は、ずばりスイッチライディングです。

進行方向を逆足で滑るスイッチでは、バックサイドの壁がフロントサイドの壁に変わります。

利き手の逆で箸を使うようなものですから、同じ地形でも難易度がぐっと上がります。メインスタンスでは簡単にできていたことが、ぎこちなく難しい…。

そこで、身近にある小規模ローカルゲレンデが最高の遊び場になります。

小さなゲレンデは、同じ場所を何度も繰り返し練習できるのがいいところ。退屈に思えていたコースがチャレンジングな場になります。スイッチでひとつづつ攻略していきましょう。

簡単なトリックは積極的にスイッチで!

スイッチの動きに慣れてきたら、オーリーやノーリー、スライドターンなど徐々にトリックを加えていきましょう。スイッチスタンスとメインスタンスを繋ぐタイミングでは、180°にも挑戦!

スイッチが自然に出来るようになる頃には、ゲレンデの見え方や遊び方にも変化が起きているはずです。改めてディレクショナルボードに乗ると…表現の幅が広がり、ますますスノーボードが楽しくなること請け合いです。

大人のツインチップは無理なく、シックに。

UMLAUT TWIN EDITION

「よし、次の冬は久々にツインチップで遊んでみるか。」そんな気分になってきましたか?

とはいえ、いざツインチップのボードを手に取ろうとすると、気になるのが”攻めすぎ問題”です。

そもそも昨今のツインチップは一定の条件(使用環境やトリック)に最適化されていることが多く、モデルによっては積極的に仕掛けて乗らなければ面白味が感じられない心配があります。

また、ツインチップは往々にしてポップでやんちゃなグラフィックスが多く、大人が乗るには抵抗を持ってしまうこともあるでしょう。僕自身、ツインチップ最大の障壁はグラフィックスだと思っています。

せっかく選ぶなら、性能+コンセプトやプロダクトイメージも大切にしたいところです。

MOJANEが考える「大人が似合うツインチップ」の条件

低速性能
スピードに頼らずに遊べるボードはスイッチやトリック練習でも危険度が少ないので安心。身近なローカルゲレンデでも楽しめます。

適度な浮力
午前中はパウダーで遊びたい!浮力があると使用環境が限定されません。

柔らかく、反発がある
タイミングが合わせやすく、スイッチやトリックの感覚が掴みやすくなります。

エッジが噛む
アイスバーンはもちろん、雪面環境が安定しない季節にも使えます。

フリーライディング仕様
地形遊びのために、フリーラン能力の高いベンドやサイドカーブ!

大人でも浮かないグラフィックス
それぞれの好みやコンテクストを大切にコーディネートを楽しみましょう。

フリーライディングブランドが作るハイエンドツイン
FIELD EARTH “TWIN EDITION”

FIELD EARTH TWIN EDITION
¥135,300税込(155)

UMLAUTロゴが復活したTWIN EDITION、グラフィックだけではなく中身も特別です。オリジナルのART RIDE TWINをハイマテリアルで作り、スピード、浮力、ポップ、全てがアップブレードされています。

軽量かつ抜群の操作性は、筋力に自信が無い方でもハイオーリーを可能にします。また、FIELD EARTH特有のトーションを強調したスノーボード作りは、低速でもボードコントロールが面白い!ボードのチップにまで神経が通ったかのような感覚が掴めます。

クルージングを楽しみながら、低速でのサイドヒットやバンクなど、大人の遊びをアシストしてくれる存在です。もちろん、ハイスピード性能もバッチリですので安心してかっ飛ばしてください。

フルシーズン活躍するクルージングツイン
SEASON EQPT “KIN”

SEASON EQPT KIN
¥95,700税込(142,147,152,156,157w,158,161)

SEASONがプロデュースするツインは、総合滑走能力が高い“大人のクルージング・ツイン”。トラディショナルなキャンバープロファイルですが、十分な浮力を備えています。4mmのテイパードによりメインスタンスでのターンフィールは最高です。

フレックスは柔らかいのにターンが心地よいのがこのボード最大のポイント。シーズンを通して使えるポテンシャルがあるので、初めてのツインチップや脱3点セットに最適なポジションでもあります。

噛むのにルーズ、急な雪面変化に強い4WDツイン
NEVER SUMMER “EASY RIDER”

NEVER SUMMER EASY RIDER
¥115,500税込(148,154,157158x,160x)

ハードバーンを得意とするNEVER SUMMER、そのオリジナルテックであるトリプルキャンバーをカジュアルに楽しめるモデルです。

標高の高い山を上から下まで滑るスタイル“TOP to BOTTOM”を好むライダーにとって、3月の山頂と山麓の気温差は天敵ですが、トリプルキャンバーがあるEASY RIDERに怖いものはありません。”噛む”と”ルーズ”、真逆の機能を一つのボードにまとめ上げています。

また、フリーランも大得意。3月上旬〜中旬、標高の高い山では山頂と山麓では状況が変化、そんな場面でも活躍、また、硫安による急な路面変化にも強い。削られたトラバースラインもなんのその。

一般的なツインと比べ、乗り心地に奥深さがあるので、ロングキャリアの大人たちに体験してほしい新感覚ツインです。

ディレクショナルとツインを切り替える新種のフリーライディングツイン
NEVER SUMMER “SHAPE SHIFTER”

NEVER SUMMER SHAPE SHIFTER
¥115,500税込(153,156,159)

アウトラインはディレクショナルですが、スタンスロケーションはトゥルー・ツインという特殊なモデルです。

普段は通常通りのスタンスでツインの乗り味が楽しめ、大雪が降った朝イチにはセットバックされたインサートホール(ブロワーホール)でパウダー仕様に!

ウエストは太く、レングスは短めに選ぶ、浮力と安定感を備えたオーリーが楽しい1本です。

深雪が得意なリゾートオールマウンテンツイン
FJELL SNOWBOARD “MT1230”

FJELL SNOWBOARD Mt1230
¥105,050税込(153,159)

ロッカー・キャンバーのハイブリッド構造で、高い浮力を備えたリゾートにぴったりなツインです。

パウダーパフォーマンスはこの記事でご紹介したモデルの中でダントツ!パウダーでもスイッチで攻めたい方におすすです。

特に、地形遊びでは、ウッドコアの自然な乗り心地と、オーリーの反応の良さが際立ちます。贅沢なコンディションで思い切り雪まみれになり遊んでください。また、ユーザーズレビューはカービング性能が高評価です。

モロのつぶやき

CUSTOM 諸橋正太

すっかりツインチップボードから離れていた僕が21-22CUSTOMを手に、オーンズへ向かった日のことは忘れもしません。

久しぶりにダッグスタンスにして、意気揚々とリフトに向かったものの、全く乗りこなせない自分が居ました。

「普段、前を向いて滑ってばかりいるからですよ、それじゃトリックも覚えられませんよ。」

そう僕に指摘した先輩スノーボーダー高山さんは、どちらがメインか見分けがつかないほど自然に、そして巧みに、地形を滑っていくのです。これまで自分の中で誤魔化していた怠惰を突きつけられ、危機感を覚えた瞬間でした。

スノーボードは楽しくなくては意味がない。ただ、難しさをクリアしていく楽しさを忘れてはいけない。

この日をきっかけに、初心に立ち返って少しずつスイッチスタンスの練習を始めました。

ツイン1本で何でもこなすことが当たり前だった若い頃とは全く違うツインの使い方ですが、試行錯誤したり、派手に転んだりしながらも「前よりも出来るようになった!」と毎回感じられるのはやはり楽しいものです。

更に、ツインとの対比により、ディレクショナルボードの良さや扱い方の理解も深まりました。

慣れたディレクショナルに少しスパイスを効かせたい方、進化系ツインでもう一度スノーボードのスキルアップを試してみませんか?

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