REVIEWバートンカスタム2022-2023

CUSTOM|北京五輪のチャンピオンボードであらゆる地形を遊び尽くせ!

22-23 BURTON CUSTOM CAMBER

世界で最も有名なフリースタイルボードCUSTOM

2022年2月に開催された北京オリンピック。圧倒的なスキルとスピリットで「人類史上最高難度」のトリックを成功させた平野歩夢選手や、洗練された身のこなしでクールにスロープを制した中国のスー・イーミン選手らが、スノーボード史をドラマチックに更新しました。

彼らが乗っていたCUSTOMは、来季最も注目を浴びるフリースタイルボードです。

(代替テキスト)
CUSTOM CAMBER 84.000円+TAX

SIZE(ウェスト幅)//150(248ww),154(250ww),156(252ww),158(254ww),162(256ww)
154W(258ww),158W(262ww),162W(264ww),166W(266ww),170W(270ww)

コンペティターを支えるCUSTOMの舞台裏

読売新聞号外/北京五輪 平野歩夢
読売新聞号外/遠藤さんありがとうございました

ハーフパイプといえばCUSTOM X、スロープスタイルやビッグエアならPARAMOUNTという長年の定石が崩れ、BURTONは新たなフェーズに突入しています。

バートンライダーたちがCUSTOMを選ぶ要因のひとつは、スロープスタイルのセクションが拡大・複雑化している点にあるでしょう。また、大会だけでなく遊びの時間に乗るフリーライディングボードとしても好まれている様子を見ると、17-18以降のツインライクなシェイプや、21-22のSuperflyCore2の軽量化が好評なのでは?と想像します。

特に来季は、オリンピックで活躍したトップライダーに憧れてCUSTOMを選ぼうと計画中のアマチュア選手/ジュニア選手も多いと思います。

僕が考えるCUSTOMの利点は、サイズ展開が多いので必ずベストサイズが見つかること。スタンスやチューンナップを自分好みにアレンジしやすいこと。生産数が安定しているので、ボードの故障や破損といったトラブルに備えやすいことも大きなメリットとなるはずです。

2022北京五輪でCUSTOMを使用したライダー

ハーフパイプ:平野歩夢、平野海祝
スロープ・ビッグエア:スー・イーミン、レヴォン・ボッケンスバウアー、大塚健、モンス・ロイスランド

22-23CUSTOMはジャストサイズを選ぶべし!

BURTON 22-23 CUSTOM 平山雅一

近年のCUSTOMの流れをざっとおさらいすると、17シーズンから続いていた「粘りまくるトーション」から一転、純粋な乗りやすさと軽さを取り戻し、誰もが望むCUSTOMが帰ってきたのが昨21-22モデルです。

21-22モデルでここまでフレンドリーな乗り味を復元したのは、オリンピック後の影響を意識した結果ではないか?という意見もありますが、どんな背景があるにせよ、完璧の域に達したと思われる乗り味が継続されるか否かが22-23モデル最大のチェックポイントとなります。

22-23モデルの試乗では「基本的な乗りやすさとオールマイティ性は継承しつつ、アグレッシブになった印象」という感想が多く集まりました。

そして、1サイズの違いで乗り味が大きく変わってしまうことも分かりました。

例えば僕(181cm/71kg)は、21-22モデルではターンを楽しむ為に158を選びましたが、22-23モデルのジャストサイズは156。1サイズダウンでも同じ目的をクリアでき、明らかな安定感がありました。長さに頼らない安定感が22-23CUSTOMの特徴です。

問題は150と154の選び方

BURTON 22-23 CUSTOM 竹田礼

ジャストサイズを狙おうとしたときに悩ましいのが150と154です。154以降は2cm刻みサイズの展開ですが、150と154の間に152はありません。ここをどう選ぶべきか。

試乗さえできれば明確な答えが得られますが、試乗できない場合はスペックと経験で考えるしかありません。

150~154が適正範囲の方で、最も分かりやすいのは体重でしょう。身長的には154でも華奢で軽い方なら150、ウェイトとパワーがある方なら154が有力です。

特に、体重が軽い方は普段の滑走距離やスピード感、欲しい浮力を考えてみましょう。滑走距離が長く、ハイスピードを好み、浮力も求めるなら154となります。また、150はユース、レディースも選べるジェンダーレスなサイズです。

幅広いサイズ展開とフリースタイルの可能性

CUSTOMはBURTONの中で最もサイズ展開が多いモデルです。ボード幅も、ノーマルサイズとワイドサイズが用意されているので、あらゆる体型体格の方が最適なマイサイズを見つけられます。

また、BURTONはフレックス・レスポンスチャートを明確に出しているので、特定の用途や狙いがある場合でも、サイズ選びに失敗するリスクが低いと思います。更に、ESTバインを選べば、フレックスやレスポンスまでもが容易にコントロールできてしまいます。同じモデルで初心者から追求したいコア層までを網羅できるのはBURTONならではです。

フレックストーションも、カスタム

BURTON 22-23 CUSTOMフレックス
BURTON 22-23 CUSTOMフレックス
BURTON 22-23 CUSTOMトーション
BURTON 22-23 CUSTOM

室内でのフレックストーションチェックでは、21-22モデルからの大きな変化は感じられませんでしたが、オンスノーではセンターのフレックストーションに微妙な違いがありました。

踏み込める柔らかさの中に張りと粘りがあり、CUSTOM Xほど俊敏ではないものの、ハイスピードにも対応している印象です。SuperflyCore2がトーションの粘りと反発を生み出し、飛び、回り、跳ね、耐える要素がしっかりと備わっています。

自分のバランスとリズムを生かしたボードコントロールができるので、スロープスタイル競技での人気も頷けます。更にクイックネスを求めるライダーはFREE THINKERやBLOSSOMを選んでいます。

BURTON JAPANのプロダクト担当者さんからはこんな提案がありました。

BURTON JAPAN

BurtonのコアユーザーにはCustomに乗ってもらいたいです。レスポンスはビンディングで調整をしてもらい、BootsはIon Boa辺りが良いでしょう。 Ion Boaに採用されているLife Liner & Focus BoaのコンビネーションはBootsの粘りを最大化してくれるセッティングです。 Customが The Burton デッキなので、是非Customでカービング、フリーラン、サイドカントリーを滑り倒してもらいたいです。

過去には日本仕様にアレンジされたJAPAN FLEX CUSTOMがリリースされた事もありましたが、ビンディングの性能が向上したことで、フレックスとトーションも自分好みにCUSTOMできるようになっている、ということですね。

CUSTOMの硬さ感覚でジェネレーションギャップ発覚⁉

ひとつ、若い世代から頂いた指摘を書き残しておきたいと思います。

僕は21-22のCUSTOMのフレックスについて「全体的に踏み曲げられる均一な柔らかさ+ノーズテールに向かって張りがある」と解説しました。22-23モデルでも似た印象を持っています。

ところが、20代のユーザーから「全然柔らかくないです」との声がありました。

現在トレンドの中心になっているフリースタイルボードと比較すると、CUSTOMはむしろ硬いボードだと言うのです。

確かに、そうかもしれません。僕やレビュアーは30代後半…皆、硬いボードに無理やり乗ってきた経験があり、ある種、硬さを利用した滑り方が身についている気もします。

ボードの乗り味は、世代だけでなく合わせるギア・環境・スキル・体型など、パーソナリティによっても差が生じます。僕たちエンドユーザーが、お互いの道具選びのためにできることは、一つの情報源に頼らずたくさんの意見を見聞きすること、そして、自分の考えや感想を誰かに伝えることではないでしょうか。MOJANEでは、様々な世代・レベルのスノーボーダーとの意見交換を楽しみにしています。

2サイズの乗り比べでジャストフィットが明確に!CUSTOM試乗レビュー

BURTON 22-23 CUSTOM 竹田礼

試乗は2月中旬の美唄で行いました。降雪はなく、完璧な圧雪~荒れた圧雪・非圧雪というコンディションです。

テストライダーは、近藤勇介くん、竹田礼くん、平山雅一くん、そして僕、諸橋です。試乗ボードはCUSTOM CAMBER154,156。主な比較対象は、やはり21-22CUSTOMです。

メンバーの総合評価

BURTON 22-23 CUSTOM  表1
BURTON 22-23 CUSTOM  表2
BURTON 22-23 CUSTOM  表3

場所を選ばないオールマウンテン仕様
近藤勇介

BURTON 22-23 CUSTOM 近藤勇介
近藤勇介 72㎝/70㎏/Regular

試乗サイズ:154,156 ジャストサイズは154
仕様バイン:Xベース 15,-9 54cm
バインの相性・セッティング:X BASEは良かった。硬・柔問わず幅広い選択ができるイメージ。
どんな人に合うボード?:1本の板で何でもやりたい人、平野歩夢のファン

この板はサイズ選びがとても重要になってくると思います。

最初に156cmに乗った時、少しモタっとした感じと硬さがあり、正直「アレ?」と思いました。21-22のカスタムの軽快で反発のある感じが少し失われてしまったかな…と。

ですが、サイズを154cmに変えると全く別の乗り味になり、21-22のカスタムに引けを取らない板に変わりました。たかが2cmですが、大きな違いです。

このサイズ選びさえクリア出来れば、初級~上級者まで幅広い人に乗ってもらえると思います。

ピステン、地形、グラトリ、ジャンプ、パウダーでも問題なく乗れると思うので、1本でどこへでも、という人には最高のボードです。特に今回の試乗コンディションにはベストな板でした。

今年も健在、安定のオールラウンドモデル
竹田礼

BURTON 22-23 CUSTOM 竹田礼
竹田礼 181cm/58kg/Regular

使用バイン:NOW PILOT 12,-9 55cm
試乗サイズ:154,156 ジャストサイズは156

僕は21-22Custom156を愛用しています。それを踏まえて、21-22と22-23を比較しました。

フレックストーションに大きな変化はなかったのかなと思いますが、乗り心地としては21-22モデルの方がPOPな感覚です。一方、22-23モデルは伸びるような安定感の備わったターンができ、より接地面に近くなった印象です。程よくタメることができ、ノーズよりのエッジの食いつきがより精密になったように感じました。

ただ、21-22,22-23どちらを選ぶかと言われたら、迷わず21-22モデルを選びます。

21-22モデルのインパクトが強烈すぎた為に、22-23のインパクトが薄く感じられたのかもしれません。 ですが、オールラウンドモデルとして十分な仕上がりなので、シチュエーションを選ばずに山遊びをしたい方にはお勧めできる1本です。

ポイントはサイズ選びを慎重に行う事です。僕は156がジャストでした。154だとさすがに短く、しっくりきませんでした。156と乗り比べた時に、乗り心地の印象が違ったので、サイズ選びはよりシビアになったのかもしれません。

変身したオールラウンドボード
平山雅一

BURTON 22-23 CUSTOM 平山雅一
平山雅一 174㎝/65㎏/Regular

試乗サイズ:154,156 ジャストサイズは154
使用バイン:ファルコア18-19モデル 12,-12
連想するモデル:ホームタウンヒーロー
このボードで滑りたい場所:開けて斜度のある斜面
ビンディングの相性:ミドル~ハードフレックスのもの
どんな人に合うボード?:スケールの大きくてダイナミックな滑りをしたい人

21-22から全体的な乗り味が一変していました。

21-22は初~上級者まで誰でも楽しく動かし、跳ねることができたCUSTOMでしたが、来季モデルはトーションに張りが出て安定性を重視した中・上級者へ向けた本気仕様のオールラウンドボードになったと感じました。

また、これまではCUSTOMの上位モデルに位置付けられていたCUSTOM Xが、来季は横並びとなり、CUSTOMとXの役割が21-22シーズンとは逆転した印象を受けました。

CUSTOM:しっかりと板に乗って斜面全体を広く使って、雄大にスケールの大きなターンを描きたい人
CUSTOM X:常に板を動かし、動きを付けながら滑る、比較的ターン弧の小さなライン取りが多い人

スタイルや好みによってCUSTOM or Xどちらをチョイスするか?といったイメージです。

サイズ感については、21-22ならば僕は154と156のどちらでも選べる感じでしたが、22-23モデルでは156だとフットワークの重さを感じたので、迷わず154を選ぶと思います。

鮮やかなピンクのソールが空にも雪にもトゥイークにも映えて、あえて”直球ど真ん中”で勝負するのもカッコイイと思わせてくれる1本でした。

ワンサイズダウンでも抜群の安定感
諸橋正太

BURTON 22-23 CUSTOM 諸橋正太
諸橋正太 181㎝/70kg/Regular

試乗サイズ:156
使用バイン:NOW SELECT
連想するモデル:ROSS POWERS 2001
このボードで滑りたい場所:地形が豊富なゲレンデ

21-22シーズンのCUSTOMはポップでライトな乗り味で、156では回転しすぎてしまい158を選びましたが、22-23モデルでは156がハマりました。

156でも安定感は十分で、ギャップでスピンしたり、もっと体に近いサイジングでフリースタイルボードらしい遊びができそうです。

合わせるバインはもちろん平野歩夢選手に習ってMALAVITA EST。リスペクトを表すためにも、超どミーハーにいきたいと思います。

Xとの明確な違いはターンからターンへ繋げるスピードですが、CUSTOMだからといって遅いとか鈍い、という事ではありません。Xはより早いリズムで次から次へとエッジtoエッジが出来ますが、CUSTOMは自分のリズムでターンを繰り出していける良さを感じました。

22-23のCUSTOMには「RIDE ON JAKE」という表記はありませんが、オリンピアンの功績が刻まれたモデルになりました。平野歩夢選手にありがとう!と伝えたいです!

モロのつぶやき

“オールマイティー”と謳うフリースタイルボードは無数にあります。今ならスワローテールデザインでさえオールマイティーに滑れてしまう時代です。

その中でもCUSTOMが秀でているのは、セットバックやスタンスポジションのちょっとした使い方でスケートライクにもサーフィーにも気分を持っていけるところではないでしょうか。

初めて行くゲレンデ、コンディションがわからない日、また、コンディションが悪い日。あらゆる場面に対応できるCUSTOMは、12月〜5月までの長いシーズンをフルに楽しめる心強いボードです。

世界中を飛び回るトップライダーたちは、CUSTOMのお陰で、持ち運ぶボードの数を減らしても楽しめるようになったのでは⁉

Details

BEND: Camber
SHAPE/FLEX: Directional, Twin
Super Fly II™ 700G Core with Dualzone™ EGD™, Squeezebox
FIBERGLASS/BASE: 45° Carbon Highlights, Sintered WFO
EXTRAS: Frostbite Edges, Infinite Ride, The Channel®, Pro-Tip, Super Sap® Epoxy
Personality: 4-7 (Medium – Aggressive)
TERRAIN: Park: 6/10, All-Mountain: 10/10, Powder: 6/10

MOJANEでのご予約は、店頭・メールで承っております。

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