ビンディング史上最高額!?O-DRIVEをいち早くチェック
スノーボードブランドYES NOW BOARDのオーナーでもあり、NOW BINDINGSのチームメンバーとしても知られるROMEIN DE MALCHYES(ロメイン・デ・マルチ)。彼が開発に携わったプレミアムビンディング、O-DRIVEがついに到着しました。僕が知る限り、ビンディング史上最高額と思われる9万円(税抜)という代物です。
2017年10月にNOW BINDINGSが配布したカタログにも未記載。試乗用、展示品にすら出回らず。秘密のベールを被ったままのO-DRIVEでしたが、2017-2018シーズン最高傑作となるか、期待が高まります。
3Kカーボンがトップレベルの軽さを実現
NOW BINDINGSの公式サイトを見ると、O-DRIVEではハンガー、ポスト、ディスクに至るまで、過去最高のカーボン比率をを実現した、と掲載されています。
ベースプレートはカーボンとナイロンの複合、ハイバックには3000本の極細カーボンを1本の糸に合成した”3Kカーボン”をフルに使用。重厚感のある見た目ですが重さは770g(Mサイズ/片足)と軽く、柔軟性と強度があるのが特徴です。業界No.1の軽量ビンディングと評されるBURTONのX-BASE(計測中)や、UNION BINDINGSのULTRA(714g/M/片足)と比較するとやや重くなりますが、50g程度の差に納まっているので、十分な軽さに仕上がっていると思います。
O-DRIVEのハイバック
まず目に付くのが、アシンメトリーなハイバック。斜めに伸びたデザインは、スノーボードのスタンスに沿う設計です。 O-DRIVEのハイバックはNOW BINDINGSの中で最も大きく、ふくらはぎ全体を囲うようなイメージで作られています。ハイバックの大きさと、フルカーボン特有の硬さによって、ビンディングからボードへの反応を高めているという事でしょう。
僕が今期使用予定のSL-Xにセットアップしてみました。流石のロメイン氏、デフォルトでもかなりのフォワード・リーン(ハイバックの傾斜)がありました。
ハイバックの傾斜が強いと、反応が早いと共に、足への負担もあります。SL-Xもフォワード・リーンが強いブーツですが、相性は良さそうです。足への負担がどう出るか、使ってみるのが楽しみです。その点は使用後にリポートしたいと思います。
ブーツにビンディングがぴったりと沿った状態が、相性の良さの証です。BURTONのブーツは世界シェアNo.1を誇ります。その為、どのビンディングブランドもBURTONのブーツとは相性良く作られていることが多いです。ブーツとビンディングが持つ特徴を生かす為にもブーツやビンディングを買い替える際は、ハイバックやヒールカップを是非チェックしてみてください。
4段階のフォワード・リーン
O-DRIVEでは、これまでにない六角ボルトという方法でフォワード・リーンを調節することが出来ます。六角を緩めると、長方形のフラッドの中に小さなスペーサーパーツが。このフラッドの上下と、スペーサー上下の組み合わせで4通り、更に左右の足を変えると最大16通り(一つの進行方向では8通り)のフォワード・リーンアジャストが可能です。
従来のビンディングで見たワンタッチ形式と比較すると、決して使いやすいデザインではないですが、ギミック感にはワクワクします。アイディアとビジュアルは◎。
フォワードリーン調整の方法
4段階のフォワード・リーンを比較してみました。六角レンチには、JISやISO、ASMEといった規格があります。ちなみに、今回は手持ちの規格が合わず、ちょっと無理やり試しました。ご使用の際は六角レンチの規格にご注意ください。フォワード・リーンを色々試してみるには、1本車に常備しておくと良いかも知れません。
フォワードリーン4段階の位置確認
まずはデフォルトの1.からスタート。僕には十分な傾斜です。2.足に負担がかかるので、一日中ルスツを滑るのは難しそうです。3.既に十分な傾斜が1.2.の状態にあるので僕には必要ありません。4.後ろ足だけを4、前足は1という状態で試してみたいです。
アシンメトリーなFLIP IT STRAP
O-DRIVEのストラップはフリップイットストラップ(FLIP IT STRAP)が採用されています。ナイロン製の芯材が合成皮革のような張りのある素材で覆われ、伝統的なステッチで縫い合わせています。
触った感触では、かなりのレスポンスが期待できますが、9万円という価格には不釣り合いな気もします。ここはもう少し頑張って欲しかった、という感想です。しかし、強度を高めるための措置としてこの方法を採用したという事なので、とりあえずは納得しています。
このストラップの形状は左右非対称になっているので、取り外して左右を付け替える事により、フィーリングを変えることができます。ホールド感を強くしたい場合は足首を守る写真右のように、足首の可動を大きくしたい場合は写真左のように。O-DRIVEでは、ストラップの付け替えによってその使用感がはっきりと感じられると思います。
ベースプレートはもちろんスケートテック!
O-DRIVEグのベースプレートにはもちろん、NOW BINDINGSが誇るテクノロジーSKATE TECHを搭載。スケートボードのトラックから構造のヒントを得たこのSKATE・TECHはフリーライディング愛好家から、パークスタイルのライダーまで、幅広く対応します。SAKETE TECKについては、別の記事で詳しくご紹介します。
NOW BINDINGS/O-DRIVEへの期待
正直なところ、O-DRIVE最大のインパクトは9万円という価格です。高額の理由の1つは”カーボン素材”です。僕の話になりますが、夏季の間にスノーボードのオフトレとしてピストバイクに乗っていました。そのピストバイクのハンドルをカーボンに付け替えたところ、首や手首への負担が激減したという体験が今回O-DRIVEへの興味に繋がりました。
工業用品や車関連の分野で良く見かけるカーボンには、軽く、強く、しなやかな硬さで衝撃を吸収するという特徴があります。UNIONやBURTONが敬遠しているフル・カーボン。スノーボード界ではまだまだこれからといった素材ですが、O-DRIVEではフォワード・リーンによる負担にいかに働くのか、期待しています。
また、僕は運動神経が良いとは言えないので、エッジtoエッジのレスポンスの速さにも注目したいと思います。使用後は改めてレビューを公開するつもりです。シーズンインが楽しみです。
Now O-DRIVE 2018 from now snowboarding on Vimeo.