REVIEWバートンスノーボードカスタム2018-2019

CUSTOM, CUSTOM Flying V|五輪を制したチャンピオンボード

BURTONが誇る2019CUSTOMの解説とレビュー

世界が注目するチャンピオンボードCUSTOM

平野 歩夢選手
2018.3月青森での平野 歩夢選手

2018年2月、韓国・平昌を舞台にした平野 歩夢 VS ショーン・ホワイトのオリンピックゲームは記憶に新しいところです。

スノーボード・ハーフパイプ史上、最も白熱した戦いを繰り広げた2人。金銀のメダルを獲得した彼らがチョイスしたボードは、BURTON SNOWBOARDSのCUSTOM(カスタム)でした。

平野 歩夢選手はBURTONのスポンサードを受けて以来CUSTOMに乗り続けている事でも知られています。

CUSTOMと言えば、30代オーバーのスノーボーダーなら誰もが一度は乗った経験があるボードではないでしょうか。僕自身、初めて手にした本格的なスノーボードが1998-1999シーズンのCUSTOMでしたので、思い入れのあるモデルの1つです。

シーズン毎に試乗を重ねていく中で「CUSTOMを見れば、BURTONが今季どんなところに注力しているかを知れるのではないか」と思い至り、CUSTOMのチェックには毎年気合が入ります。

1996年から続くBURTONの代名詞、CUSTOM

BURTON 2018-2019 CUSTOM
BURTON 2018-2019 CUSTOM ¥82.000+TAX

誕生以来、常に最新のテクノロジーが集約されてきたCUSTOMは、数多くのベストボード受賞歴を持つBURTONの代表的モデルです。そして、現在のBURTONのスノーボードは全て、CUSTOMのDNAを継承しています。

CUSTOMの歴史は1996年まで遡ります。当時BURTONの専属ライダーだったDave Downing(デイブ・ダウニング)が開発に携わった事でも話題になりました。

90年代のスノーボード映像を見ていた方は、サーフのためにプロ・スノーボーダーの道を選んだという彼のオールマイティーなライディングスタイルが想像出来ると思います。彼は、2015年に北海道で行われたBURTON試乗会の際、CUSTOMの開発についてこう語っています。

『ありとあらゆるスケートトリックをスノーボードで表現するために、ラウンドノーズとラウンドテールが必要だった。当時はまだ反り返ったツインボードはあったけど、そこにサーフィンの様なカービング要素は無かった。僕はこれを合体させたかったんだ。』

フルモデルチェンジから2季目を迎え…

BURTON 2018-2019 CUSTOM
BURTON 2018-2019 CUSTOM
BURTON 2018-2019 CUSTOMソール

15年以上もの間、同じボードデザインを貫いてきたCUSTOMですが、昨シーズン(2017-2018)フルモデルチェンジとなりました。

生まれ変わったCUSTOMは、ノーズ、テールワイズ、そしてウェストが少しだけ太くなり、ノーズとテールのデザインも、デイブが考案したラウンド形状からスクエアへと変更されています。

このデザインは、現行フリースタイルボードに多く見られる特徴で、他メーカーでも取り入れられています。チップ(反り)は、モデルチェンジ前よりも反っています。

2018-2019シーズンでイメージを大きく変えてきたのが、グラフィックスです。メカ感のあった昨シーズンとは打って変わって、ウッディでレトロな配色。これまでにない洒落っ気を出しています。ウェアや小物とのコーディネートが楽しくなりそうです。

また、来季もキャンバータイプとダブル・キャンバー”Flying-Vタイプ”共に、そのサイズバリエーションは健在です。※平野 歩選手、ショーン・ホワイト選手はキャンバータイプを使用しています。

CUSTOMは本当に初心者向け?

BURTON 2018-2019 CUSTOMに乗る竹田礼くん

「ビギナーはCUSTOMから」というイメージが強いにも関わらず、CUSTOMの価格は82.000円(税抜)。入門ボードとして手にしやすい価格であるとは言えません。同価格帯で他ブランドのボードを選ぼうとすると、レベルアップを狙う為のハイスペックボードがずらりと並びます。

僕は、新しいCUSTOMを初心者向けのボードとは捉えていません。レベル幅の広い中級層を満足させるモデルだと考えています。

もしもCUSTOMが初心者向けのイメージから抜け出し、ミドルクラスのハイスペックボードを謳ったとしたら?その括りなら、CUSTOMがコストパフォーマンスにも優れていることに気付いてもらえると思います。また、楽に乗れる点ばかりが注目されがちなFlying-Vですが「誰でも乗り易い。」と簡単に言い切ってしまうのもつまらない。

プレチューンやボードメンテナンスでFlying-Vの特徴(ルースな乗り味でありながら、トーションを効かせて4つのエッジが使える)を引き出せば、想像以上に遊べるボードになります。

2019CUSTOMのスペックとサイズ選びのポイント

2017-2018シーズンにリニューアルしたCUSTOMのシェイプ。リニューアル前後のカタログを見比べても、目立った”データ上”の変更はありませんでした。ですが、乗ってみると違いは歴然、全く別の乗り物かと思う程インパクトのある変貌を遂げていました。

2018-2019シーズンも引き続きその乗り味を維持し、センターのフレックスが柔らかく、外足はスクイズボックスが効いてしっかりと張りがある印象です。センターフレックスが柔らかいのでトーションも効きやすく、ボードコントロールがしやすいように感じました。Flying-Vは更にセンターが柔らかくなります。

フレックス&トーション

BURTON 2018-2019 CUSTOMテールフレックス
テールフレックス
BURTON 2018-2019 CUSTOMノーズフレックス
ノーズフレックス
BURTON 2018-2019 CUSTOMトーション
トーション

コントロール性に焦点を当てるなら、サイズ選びが重要です。乗り方次第ではサイズアップやサイズダウンのメリットもあります。

例えば、グランドトリックが好きな方、小規模ゲレンデで中心に滑る方には1サイズダウンでボードの取り回しがし易くなります。カービングやフリーラン中心に楽しみたい方は、逆に1サイズアップする事でパウダーも視野に入るでしょう。

2サイズのアップダウンは、ボードの性能が発揮されない等のデメリットが生じ易いので、慎重に選ぶ必要があります。サイズ選びに困ったら専門店で相談しましょう。

サイズと仕様

CUSTOM:150/154/154W/156/158/158W/162/162W/166W/170W(全10サイズ)
CUSTOM Frying-V: 150/154/154W/156/158/158W/162/162W/166W(全9サイズ)

SHAPE(シェイプ)|ディレクショナル
昔ながらのスノーボードシェイプです。ノーズがやや長く、テールは短め。強い反発力を秘めています。浮力があり、地形や雪質を問わないオールラウンドな適応力。

FLEX(フレックス)|ツイン
フレックスとはボードの柔軟性のこと。レギュラーでもスイッチでも全く同じライドフィールになるよう、ノーズとテールが同じフレックスに設定されています。

BEND(ベンド)|キャンバー
CUSTOMのパワフルでポップ感と正確性に優れたサスペンションのようなキャンバーは、鋭いエッジコントロールを可能にします。

BEND(ベンド)|フライング・V
ボード全体のロッカーが浮力とルーズさを、両足下のキャンバー形状がエッジコントロールとパワー、ポップを生みます。

コア材|FCS認証 スーパーフライⅡ 700g
反発力と強度のアップ、ウェイト削減のため、コアの特定エリアに強くて軽いウッドを使用。

デュアル・ゾーン EGD(エッジ)
トゥ&ヒールエッジ沿いの木目をウッドコアに対して垂直に走らせ、正確なエッジホールドと耐久性を実現。

SQUEEZEBOX(スクイズ・ボックス)
部分によってコア材の厚みを変えることで、足裏のエネルギーが外側へと伝え、ポップ感や全体のパフォーマンス(安定性/動作性)を高める仕組みです。

FIBER GLASS(ファイバー・グラス)|カーボン・ハイライト45°
コア材に重なるファイバーグラス層を最適化するカーボンハイライト。ノーズからテールまでのカーボンレイヤーが追加されることで軽量化を図り、絶妙トーションへ。ファイバーを45°で配列することで、レスポンスが生まれます。

BASE(ベース)滑走面|シンタードWFOベース
高い浸透性を持つ高密度シンタードベースに特殊なワックスを染み込ませる事で耐久力を高めています。日頃のメンテナンスでもワックスが入りやすく、どんなコンディションでも基本的に”走る”ソールです。

EDGE(エッジ)|フロストバイトエッジ
バインディングの裏側のエッジを少し膨らませる事で、アイスバーンなどグリップが必要なコンディンションでエッジホールドを実現します。

CUSTOMとCUSTOM Flying V 試乗レビュー

MOJANEテストライダー竹田 礼くん、平山雅 一くんによる試乗レビューです。試乗は2018年2月20-21日、札幌国際各コースにて。当日の天候は‐7℃-11℃曇雪。

CUSTOMの個性はハードバーンで発揮する!-Rai Takeda-

BURTON 2018-2019 CUSTOM × 竹田 礼
BURTON CUSTOM × 竹田 礼

試乗ボード:CUSTOM CAMBER 156
テストコース:札幌国際スキー場 ファミリー/スウィングコース
使用バインディング:X-BASE(12, -9, 56cm)


今季のBURTON試乗ボードの中で、最も雪面と足裏が近く感じました。雪面にねっとりと張り付くような乗り心地。ですがキッカーでのジャンプではスッと軽く抜けてくれたのが好評価のポイントです。

また、速度のあるカービング時には、自分で考えているラインからズレたとしてもすぐにリカバリーが利きます。高速域に強く、しっかりとしたエッジホールド感。自分の決めたラインをしっかりとリードしてくれるボードです。

ターン山周りのキレのある入り、後半のズレの無いスムーズな抜け感…。ハードバーンである程、ボードの持つ性能が発揮されると思います。

竹田くんのCUSTOM採点

フレックス:4(柔→硬) テクニカル:4(易→難) トーション:4(柔→硬) カービング:5 グラトリ:3 バンク:3 ジャンプ:4 スイッチ:4 パウダー:3 /5点満点

Flying Vは伸びの良いターン、クセの無い乗り心地

BURTON 2018-2019 CUSTOM Flying V × 竹田 礼
BURTON CUSTOM Flying V × 竹田 礼

試乗ボード:CUSTOM Flying V 156
テストコース:札幌国際スキー場 ダスキン/スウィングコース
使用バインディング:マラビータEST(12, -9, 55cm)

CUSTOM同様に、攻めるボードです。特徴的な”クセ”があったキャンバーと比較すると、全体的にバランスが良いボードだと感じました。

Flying-Vでは、CUSTOMキャンバーで印象的だった「雪面に張り付く感じ」はありません。ターンの質も、エッジホールド感の強かったキャンバーに比べ、ホールド感が弱まっています。その分ターンに伸びが出た、という印象でした。

竹田くんのCUSTOM FV採点

フレックス:3(柔→硬) テクニカル:3(易→難) トーション:3(柔→硬) カービング:3 グラトリ:4 バンク:4 ジャンプ:4 スイッチ:4 パウダー:4 /5点満点


竹田 礼プロフィール画像
竹田 礼 Rai Takeda

1986年生/ 181cm / 58kg / レギュラースタンス
「気持ちの良いカービングターンに比重を置いたライディングが好きです。」
好きなライダー / テリエ・ハーコンセン, 植村能成, 中井孝治, 藤本広海
シーズン中のスノーボードは月9回、滑走時間は4時間程度。

進化するCUSTOM、さすがの完成度。

BURTON 2018-2019 CUSTOM × TEAM MOJANE
BURTON CUSTOM × 平山 雅一

試乗ボード:CUSTOM 156 キャンバー
テストコース:札幌国際スキー場 ファミリーコース
使用バインディング:X-BASE(12°,-12°,55~56㎝)

2017-2018モデル同様にドシッとした安定感とエッジホールド。どのシチュエーションでも問題なく使えるトータルバランスの良さは相変わらずで、やはりバートンにおける指針的存在だと感じました。

それに加え、2018-2019モデルでは、オーリーをかけた時の反発が増して板離れも良くなっていました。この進化がボトムでしっかりとタメを作ります。リップでタメた力を爆発的に開放する動作を要するハーフパイプだったり、欧米の岩山のようなハードなコンディションでもしっかりと滑り切れるボードになった要因なのかなと感じました。

2018平昌オリンピックでは、多くの選手がこのボードをチョイスしていたことにも頷けますし、ミッケルバンクのようなエグいバックカントリーからパウダーまで何でもこなすライダーが使用しているのも納得の仕上がりです。

オールラウンドボードでありながらも超一流のコンペライダーにも選ばれるボード、CUSTOM。さすがの完成度でした。THE SNOWBOARDですね。また、パウダーでの”浮き”は来季からXと逆転しています。固めでレスポンスの良いバインディングとのセットアップをお勧めします。

類似モデルは、CUSTOM-X,CUSTOM TWIN,PROCESS

平山くんのCUSTOM 採点

フレックス:4(柔→硬) テクニカル:4(易→難) トーション:2(柔→硬) カービング:4 グラトリ:3 バンク:3 ジャンプ:4 スイッチ:3 パウダー:3 /5点満点

グラトリもパウダーも。バランス良好ファンボード

BURTON 2018-2019  × 平山雅一
BURTON CUSTOM Flying V × 平山雅一

試乗ボード:CUSTOM 156 FlyingV
テストコース:札幌国際スキー場 ゴンドラからダスキン手前まで
使用バインディング:MALAVITA(12°,-12°,55~56㎝)

誰にでも扱いやすい硬さで、ポップ感もあります。パウダーでも動きが出しやすくファンなボードでした。

グラトリではくるくると細かな動きが出せますし、地形を舐めるようにして遊ぶのも楽しいです。フレックストーションやベントがファンボードのコンセプトで作られているので、BIG JUMPやキレのあるカービングには不向きではありますが、それらも最低限楽しめるスペックに仕上がっているところを含め、良いバランスだと思いました。

どのシチュエーションで楽しむにしても、基本的には中・低速域での動きがハマるボードです。ファンな気持ちで気楽に乗りたいボードでした。CUSTOMで気持ちよく攻めたいのなら、やはりX-FVをお勧めします。

ファンなボードが欲しいけれどショートファットは抵抗がある、あるいは、ショートファットよりも動きを出したいという方には是非乗ってもらいたいです。

過去の中から類似するモデルはX-FVやボトムフェダーです。ビンディングとの相性については、BURTONならMALAVITAやGENESIS、MISSONでもOKだと思います。

平山くんのCUSTOM FV 採点

フレックス:2(柔→硬) テクニカル:1(易→難) トーション:2(柔→硬) カービング:2 グラトリ:4 バンク:2 ジャンプ:2 スイッチ:3 パウダー:4 /5点満点


平山雅一プロフィール画像
平山 雅一 Masaichi Hirayama

1982年生 / 174㎝ / 65㎏ / レギュラースタンス
「パウダー、ジャンプ、カービング、グラトリ、ボーダーレスに全てをリンクさせた滑りが好きです。」
好きなライダー / ニコラスミューラー, マークランドビック, エーロエッタラ
シーズン中のスノーボードは週2~3回ペース。

CUSTOM/CUSTOM Flying-V MOJANEのまとめ

BURTON 試乗会 2018-2019

試乗を終えた竹田くん、平山くんとの意見交換から、2018-2019CUSTOMは昨年度に比べ、より個性を強く出してきたよう思います。

キャンバーに乗った2人の共通の感想は「タメが効く」という点。これは、トーションが効き、センターが柔らかいというCUSTOMの性質による効果です。このポイントが平野選手やショーン・ホワイト選手がCUSTOMを選んだ所以かもしれませんね。

また、スクイズボックスがあらゆる地形でのバタつきを抑え、ライトな乗り心地と安定感を両立させているようです。ここがNEW CUSTOMの特徴と言えるでしょう。

CUSTOM Flying-Vに関しては、エッジのチューニング次第で大きく印象が変わります。「F-Vに乗ってみたけれど、実はイマイチ使い方がわからない。」という感想をお持ちの方も多いと思いますが、ある程度乗れるようになった方が感じるFlying-V特有の現象です。そんな時は是非、エッジチューンをお試しください。MOJANEでも、お持ち込みのFlying-Vのチューンナップは大歓迎です。

また、CUSTOM Flying-Vは、些細な違いを敏感に感じ取るテストライダーの竹田くんが、満面の笑顔を見せていた点からも注目したいボードです。Flying-Vの面白さを体験するには、多様な地形やコンディションもカギになります。そういった意味で、北海道を滑るにはとてもエキサイティングなボードではないでしょうか。

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