ターンのバリエーションが増えると
スノーボードは格段に楽しくなる
2022-23現在、SEASON EQPTから発表されている4モデル、FORMA , AERO , KIN , NEXUS の中で、僕がとびきり気に入ったのがAERO(エアロ)です。
空気、気体、空中…といった意味を持つネーミングの通り、まるで羽が生えたかのように軽快なターンが手に入るAERO。
もちろんオールシーズン楽しめるスペックですが、スプリングシーズンのターンは格別でした。シーズン中盤からは、ターンで思いっきり遊びたい!という方に激PUSHです。
SEASON EQPTはターンが得意なブランドです。AREOはラインナップの中でもバラエティ豊かなターンが楽しめるので、フラッグシップモデルと言えるのでは!?
MOJANEではスノーボードのみの取り扱いで、151,154,157を揃えています。また、23-24からは価格が改定されます。
スノーボーダーとスキーヤーの垣根を取り払い、純粋に滑ることを楽しもうというテーマは、ブランド創設者であるオースティン・スミス(AUSTIN SMITH)と エリック・ポラード(ERIC POLLARD)のプロフェッショナルな経験から生まれたもの。
ひとつのコンセプトからスノーボードとスキーの両モデルを作るユニークなウィンタースポーツブランドです。
毎年のデザイン変更やマイナーチェンジを行わない事を前提とした、シンプルなデザインにもこだわりを感じます。
レベル不問のデレクショナルボード
AEROは、ライトユーザーにも扱える「乗りやすさ」と、攻めたい気分を盛り上げる「機動性」を備えた、ファン要素の強いモデルです。
SEASON EQPTのプロモーションを見ると、バックカントリーやヘリボーディングを想定したアルパインスタイルのエキスパートモデルだと思われるかもしれません。もちろんそういった急斜面を縦に落とし、ガンガン踏んで攻めていけるスペックが備わっています。
そういったシビアな環境で求められる繊細なコントロール性能や、踏ん張れる粘りやパワーを、僕ら一般スノーボーダーはターンと遊びに転用できる、というイメージです。
例えば、僕のようにキャリアは長くても滑走日数は多くないという方や、スノーボードを再開しようというカムバック組、せっかくだから良い道具でカッコ良く始めたいというエントリー層まで、レベルや年齢を問わずターンの楽しさに触れられます。
特に、初中級レベルの方がカービングターンに挑戦するのなら、まずは自分ができるターンのバリエーションを増やすところから。
フリースタイルボードでのカービングを体で覚えてから、スタイルを完成させる為のボード選びへと進むと、「難しい」が「楽しい」に変わります。
憧れの高難度ボードを目指している方のファーストステップにもなりえるのがAEROです。
ディレクショナルボードは北海道に欠かせない⁉
メインスタンスで一定方向に滑走する事を主軸としたスノーボードをディレクショナルボードと呼びます。
初心者向けや量販店のセットものは、両方向に滑る事を想定したツインチップが主流ですが、特に北海道でスノーボードを続けていくなら、いつかは必ず手に取っていただきたい種類の板です。
決して初級者が乗れないものではありませんので、次のマイボードを選ぶタイミングで候補にしてみるのも良いでしょう。
広義ではパウダーボードもディレクショナルに分類されますが、AEROはあくまでターンを得意とするディレクショナルボードで、パウダー向きではありませんのでご注意を。
サポートしながら盛り上げてくれる「めっちゃイイ奴」
ディレクショナルボードの得意分野の一つがターンです。ターンが楽しめるボードは、雪質や降雪量に左右されず、春になっても遊び続けられるのが魅力です。
例えば、BURTONのSPEED DATE(狭いセクションでのターン)やSENSEI(高速域のロングターン)も、ターン性能が際立つディレクショナルボードですが、AEROが備えているのは、多彩なターンのバリエーション。
一定の弧や一定のリズムで刻むターンだけでなく、大中小のターンで生まれるそれぞれの遠心力や重力を体感できます。左右だけではなく上下のリズム変化にも対応しているようでした。また、ボードの切り返しが早いので、地形遊びもリズミカルに攻めていけます。
ターンでつなぎながら壁でスラッシュ!小さな起伏でジャンプ!ウェーブのトップで180!リズムに変化をつけるのはあくまで自分ですが、ボードが仕掛けていくラインをリードしてくれます。例えるなら、時に実力以上を引き出してくれるフレンドリーなナイスガイ。
また、ボードが驚くほどよく回るので、春のコブコースに挑戦すると想像以上に出来てしまうはずです。
ボードの力を借りて感触を掴めば、ボードを変えても、雪環境が変わっても、体が覚えてスキルが身についていきます。
脇パウで十分遊べて深雪に辿り着けず…
北海道で乗る上で、まず気になるのは「パウダーではどうなの?」という点ですが、実はハイシーズンのパウダー豊富な沢で試すことはできませんでした。圧雪やコース脇に積もった雪だけでも楽しすぎたからです…。
もちろんパウダーのバンクは最高です。地形に雪がついてたら、それはもう言うことはありません。ただ、非圧雪エリアや沢遊びに向かいたくなる様なボードではなく、思い切って飛んだり、当て込めるポイントを探して突っ込んでみる!という遊び方が面白かったです。
浮力については、スピードを上げれば沈むことなく、潜水しながら進みます。これは、BURTON SENSEIと同様のイメージです。
正確で素早いエッジtoエッジを生み出すボードスペック
僕が乗っているAERO157cmを詳しくみてみましょう。
AERO 157のスペック
有効エッジ1194mm
ウェストワイド:25.4cm
サイドカット:7.5m
テーパード:0.5cm
ベンド :フルキャンバー
フレックス:ノーズがやや柔らかいミディアムフレックス
一見、細身なAEROですが、ウエストワイドは25.4cm。決して細い部類ではなく、オーソドックスな数値です。
細くないのに動きにキレがあり、ボードコントロールがしやすいのは、サイドカットによるものだと思います。ボードレングスに対してサイドカットは小さめ(7.5)で、小回りが効く設定です。
また、控え目なテーパードもポイント。キレと小回りが特徴のボードなら、もう少しテーパードが大きくても良いはずですが、この数値が大きくなるとターン弧は小さくなり、テールで踏む力強いターンがしにくくなるのです。
ターンの種類が偏らせず、狭いエリアや角度のついた斜面でもボードの切り返しやすい、絶妙なバランスだと思います。
フレックスは、コンディションを問わず扱いやすいミディアムフレックスです。
ノーズからテールにむかい、徐々に硬度が増しているので、求めれば粘りと反発が生まれます。全体的にBURTON CUSTOMに似たフレックスですが、AEROの方がやや反発力がある様に感じました。
ノーズとテールのキックが少しだけ柔らかいので、地形でのターンや”抜け”がスムーズです。このノーズとテールを使いこなすことができれば、ターンの表現はまだまだ拡張していけそうです。
バインとの相性に悩まずセットアップ
レベルや年齢を超えてAEROをお勧めしたいもう一つのポイントは、エントリーモデルのビンディングからでもスタートできることです。
例えば、BURTON MISSIONやUNION ELITEでもまずはOK。ビンディングにこだわるのは、ボードに乗り慣れてからでも遅くはありません。
SEASONからバインが初登場
23-24シーズンにはSEASONから初のビンディングがリリースされます。
SEASONが提案する乗り味を体験するには、このモデルがファーストチョイスになるでしょう。
試乗したフィーリングでは、今まで使ったどのバインよりもトゥサイドターンで細かく荷重レベルを調整できた印象でした。
僕にはとても好感触だったので、23-24からはSEASONのセットアップで乗りたいと思っています。
SEOSENのバインについては、また別の機会に詳しくご紹介したいと思います。
自由自在に操る、フリースタイルなターンの快感を
近年の積雪量や雪のコンディションは不安定です。ゲレンデの規模や雪環境に関わらず、遊べる地形を見つけて、その日のスノーボードを最大限に楽しむこと。それがMOJANEのスノーボードポリシーです。
オーリー、当て込み、180°、バタートリック…そしてもちろんカービングターン。パウダーがあろうとなかろうと目の前の雪で遊べることは最強のスノーボードスキルではないでしょうか。
フリースタイルボードは、そんなマインドで設計されていると思っています。
思い返すと、僕がスノーボードにハマったきっかけは、連続ターンでした(いきなりジャンプから始める人も大勢いましたが…)。 いまも同じ熱量でスノーボードに夢中になっているのは、やはりターンの快感と奥深さのせいかもしれません。
AEROはスノーボードの原点でもあるターンを多彩にコントロール出来るモデルです。
その楽しさを知っている人はもちろん、ルックスから入りたい若いスノーボーダーたちにも是非体験してもらいたいと思っています。