ブーツも、ボードも、スタイルも選ばない。
SEASONが考えるユニバーサルなビンディング
年式に左右されない普遍性と、ライディングの楽しさを追及するスキー/スノーボードブランドSEASON EQPTから、初のスノーボードビンディングUNIVERSAL(ユニバーサル)が登場します。
SEASONの幅広いスノーボードラインナップを、たった1つのビンディングで網羅するというUNIVERSAL。強い個性でギアの掛け算をするのではなく、ボードの性能を活かしながらライディングのテイストレベルを上げてくれるビンディングです。
更に、スイスの老舗ブランドNIDECKERとのタッグとなれば、俄然興味が湧いてきませんか？
影の立役者に徹するビンディング
UNIVERSALは、癖のない自然な装着感でユーザーのレベル/スタンス/ギアのマッチング/ライディングスタイルといったビンディング選びの条件をクリアしていますが、決して無味無臭ではありません。
様々なテイストのボードとブーツを繋ぐコネクタとしての性能が高いので、SEASONのボードはもちろん、1つのビンディングで複数のボードを合わせたい方にもお勧めです。
UNIVERSALの原型となったのは、NIDECKERのラインナップの中でも信頼度の高いミディアムハイグレードモデルKAON X(¥37,000)。
【RESPONSE 8/10, TOE-HEELSTIFFNESS 7/10 ,LATERALSTIFFNESS 7/10】
手が届く価格帯で、ハードチャージや長時間ライディングまでを考慮したKAON X、そこにSEASON流のアレンジが随所に加えられています。
軽く、柔らかい。ブーツタイプを選ばないストラップ
強くしなやかなTPU素材でハニカム構造を再現したストラップ、「エグゾフレーム」は、ナイデッカーのオリジナルです。
UNIVERSALでは、トゥ/アンクルの両方のストラップに採用されています。軽量かつフィット感に優れ、力を分散させる設計です。
TPU素材
TPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)は、スマホのソフトケースやスノーボードの衝撃吸収剤にも使われている素材。柔軟で弾力があり、傷がつきにくい性質も備えています。
主張せずにホールドするアンクルストラップ
一般的に、ブーツの硬↔︎柔は、ビンディングのアンクルストラップの硬↔︎柔との相性があります。UNIVERSALはその相性を越え、硬いブーツから柔らかいブーツまで、それぞれのブーツが持つフレックスのイメージで滑ることができます。
エグゾフレームのストラップは、それ自体がとても柔らかいので、触れただけでは少々頼りなく感じられるかもしれませんが、装着すると見事に足元を支えてくれます。
アンクルストラップの存在を忘れてしまうような、自然な装着感。これにより、トゥサイドターンでの微妙な荷重コントロールがしやすいと思います。
微細調整可能、マルチアングルなトゥストラップ
つま先を覆う一般的なトゥストラップではなく、足の親指を上から押さえるように装着するオーセンティックなタイプです。
この形式のトゥストラップは、コネクト位置が調整できるのでどんなブーツとも相性が良く、また、つま先を覆わないので、ドラグによるストラップの破損を軽減出来ます。
ストラップ調整はスライド式。多くのブランドはホールパターンを採用していますが、スライド式はホールの間隔に影響を受けないので、どんなブーツにもパーフェクトフィットします。
ストラップセッティングのポイント
アンクルもトゥも、ストラップの調整方法は同じです。
①パーツを外し、ブーツを締めた状態で足を載せます。
②そこにストラップを装着し、スライド式のパーツを固定します。
実際に装着する際、ラチェットを締めるとストラップが引っ張られるので、ストラップのポジションは若干内側にしておくとよいでしょう。
ダッグに有効⁉NIDECKERの着想が光るベースプレート
ベースプレートはNIDECKERのKAON Ｘと同じAXIS N1 SERISEだと思われます。
ボードのフレックスを自然に使い、パワーを自然に伝える仕組みが詰め込まれたこのベースプレートが、SEASON UNIVERSALのコンセプトにしっくりハマったのではないでしょうか。
材質は強度としなりを融合させる配合(グラスファイバー30%にナイロン70%)で、あらゆるブランドが取り入れているスノーボードビンディングのベストブレンドです。
ROCKERD CORNER
ベースプレートの底辺の角4点(親指/小指/踵の左右)にほんの少し角度がつけられています。これはボードとの接触を抑えダメージを与えないための気遣いです。
また、各ポジションに適した硬度のパッドが使い分けられています。最も柔らかいのはボードがしなる時に一番プレッシャーがかかる小指側のパッドです。ダッグにすればなおさら角張った部分にはプレッシャーかかるので、ダッグスタンスで最も効果を発揮しそうです。
OFF AXIS POWER BEAM
ベースプレートを裏側から見ると、トゥとヒールにかけての骨組みが斜めに設計されていることが分かります。この構造がエッジングのパワー伝達を助けるPOWER BEAMです。
ボードフレックスを活かしながらも、ボードへの出力を妨げません。エッジに対して垂直に力が加わるので、ダッグスタンスにも向いていると思います。
BANK BED
フルEVA素材のシンプルなフッドベッド。2.5°のカントが入っています。特徴的な構造ではありませんが、ベースプレートに機能を作り、ベッドは緩衝材という考え方はNOW BINDINGに通ずるところがあります。
どんなボードにも◎自由度が高いオフセットディスク
NIDECKERのディスクは、THE CHANNELから3Dパターン、そして2×4,4×4と全てのスノーボードにフィットするのが特徴です。
3Dパターンのバートンボードにこのバインを付ける人はめったにいなと思いますが、型落ちや中古ボードにも悩まず使えるバインが欲しいという人は意外と多いのでは？
また、オフセットディスクはセッティングの幅が広く、繊細なスタンス調整が可能なので、使用環境に応じて色々なセッティングを試してみたいアクティブユーザーもガンガン楽しめます。
使い方は公式サイトで詳しい使い方動画が掲載されていますので、参考にしてください。
SEASONのボードと一体化するオリジナルハイバック
ハイバックはブーツやライディングスタイルを選ばないミディアムフレックス。パウダーライディングの邪魔をしません。よりレスポンシブにしたければ、フォワードリーンを入れれば解決です。
驚いたのは、ヒールカップとハイバックの関係です。
僕はこれまで、ヒールカップとハイバックが密着している事が重要だと思っていましたが、UNIVERSALではそのスペースを「良し」としています。理由は、ブーツサイズでアジャストさせるためです。
さらに、オフセットディスクとの効果も相まって、様々なブーツ、ボード、スタンスアングルに対応できるという訳です。
また、ハイバックに彫り込まれたSEASONの文字にも注目してください。ハイシーズン、その溝に雪が詰まると白文字のロゴとなって出現します。これがとてもかっこいい！こういった演出にもSEASONのセンスを感じます。
サイズ展開
UNIVERSALはM,L,XLのサイズ展開となっています。
適応ブーツサイズは、M：US7~8.5、L：US8.5~10。概ね表記通りの選び方で問題ありませんが、使用するボードのウェスト幅を考慮しておくと安心です。
US8.5はMとLのどちらも適正範囲内ですが、8.5まではMサイズで良いと思います。
サイズマッチングに自信のない方は、ご購入店で相談しましょう。(コメント欄での個別のサイズ合わせにはお答えできませんのでご了承ください。)
尚、MOJANEではご購入者に限りブーツ×バイン×ボードのセッティングを無料で行っております。
UNIVERSAL試乗レビュー
テストライドでは、僕、諸橋と竹田礼くんがUNIVERSALとAEROのセットアップを体験しました。また、他ブランドのボードとの相性もチェックするため、この冬にメインで乗っていたFJELL MT1542で普段の乗り味との違いを確かめました。
UNIVERSAL×AERO
踏み込めるアンクルストラップ、動きやすい！
AEROは、キレのある直線的な動きと回転性が特徴のボードですが、UNIVERSALによって遊びやすくなった感じがしました。これは柔らかくフィットするアンクルストラップの効果ではないかと思います。
AERO得意分野を損なうことなく、自由に踏み込めて、着地では膝を曲げやすく、次の動作への移行がスムーズ。AEROの様な反応の素早いボードでも、アンクルストラップの柔らかさがデメリットになることはありません。
お借りしたテストモデルはLでしたが、センタリングを取ろうとした時にビンディングが少し大きかったので、Mサイズを試したかったです。
AERO×UNIVERSALは「クルージング」というワードがしっくりくるセットアップ
率直な印象として、ボードと足裏の感覚が近くなったと思いました。ボードを立てやすく、SEASONが持つカービング性能との相性も◎だと思います。
ストラップ、特にトゥ側のストラップのホールド感が良く、足裏全体をビシッとホールドしてくれるお陰で、より面で捉えていけるAEROへと進化しました。
足首がフリーなイメージではなく、足全体を包み込むように固定しつつ、程よいホールド感がソール全体に力を伝え、ソールからも面を感じ取れるバインです。
また、ボードとバインのデザインがマッチしているところも気分を盛り上げてくれます。リフト乗車中に足元を見ると、気分が上がります。
もちろん、バインには個々の好みがありますから、ボードを動かして遊びたいならNOWでもいいのかもしれませんが、せっかくならSEASONセットアップでその世界観に浸ってみたいですね。
UNIVERSAL×FJELL MT1542
SEASENとFJELLはブランドコンセプトの調和も心地よい
FJELL MT1542はスケートライクにもサーフライクにも遊べるスワロー・テールで、普段はソリッドなUNION ULTRAを合わせることが多いのですが、UNIVERSALではULTRAよりも出力性能が大きく感じました。
例えば、ベースプレートの強さと存在感。足の自由度も申し分なく、ハイシーズンにかっ飛ばして使うと、よりその差が実感できるだろうとイメージできました。セットアップとしての相性はUNIVERSALの方が好きです。ただ、こちらもやはりMサイズで試してみたかったです。
FJELLも年式に左右されない恒常的なものづくりを行うブランドです。機能的な相性はもちろん、ブランドの組み合わせとして良いと感じています。
モロのつぶやき
UNIVERSALを「ボードブランドが1モデルだけ作ったバイン」と要約してしまうと、魅力を取りこぼしてしまうように思います。
機能もデザインも、ここまで削ぎ落としながら、タフで汎用性の高いビンディングにデザインされたUNIVERSAL。初期設定さえ押さえれば、どんな条件にも合う万能アダプターになると思います。
僕はNIDECKER製のビンディングを使うのは初めてでしたが、UNIVERSALを通して多くのメリットを感じることができました。
機能や強度から見ても、ルックスひとつを取っても、レベルの高いプロダクトがあたりまえ、という時代です。
僕が出会えていない「良い道具」が、まだまだ沢山ある。SEASON UNIVERSALはそんな事を考えるきっかけになりました。
