マイナーチェンジからフルモデルチェンジまで
NOWの進化が止まらない!
少ない力を最大化させる独自テックと、メカニカルかつ武骨なルックスで僕たちの足元を支えてくれるNOW BINDINGS。
“オールマウンテン・フリースタイル”をテーマにスノーボードギアをセレクトしているMOJANEにとって、必需品とも言えるビンディングブランドです。
23-24のNOWは、多くのモデルがブラッシュアップされます。ユーザーが気になっていた小さな問題点が次々と改良され、パーツの開発にも積極的です。
この記事では、23-24最新NOWの中から、MOJANEがセレクトしたモデルのアップデートと試乗レビューをまとめます。
NOWは一部の交換用パーツが別売りされているので、お持ちのバインに組み合わせて違いを楽しむのもアリ⁉
REBEL -Hanger2.0-
超フリースタイルな男女兼用のNEW MODEL
NOWを使ってみたいけど足が小さくてサイズがない、もうちょっとパワーダウンしたNOWが欲しかった、という方はNOW初の日本企画 × ジェンダーレスモデルREBELを要チェック!
バインディングの男女兼用モデルは業界初。硬いボードには不向きではありますが、ジビングやグランドトリックをしたい男性、フリーライディングでガンガン遊びたい女性にぴったりなモデルです。
過去に、フランク・エイプリルがジビングシーンでレディースモデルを使っていた様に、レディースモデルは成長段階のキッズはもちろん、体格やボードサイズによっては、メンズの選択肢でした。ただ、日本ではレディースモデルのLサイズの需要が少ない為、いざメンズがレディースモデルを選ぼうという際、なかなか見つからないという問題がありました。
今回のリリースは絶妙なフィットを実現させたい足サイズ23〜25.5cm、体重50~65kg前後のスノーボーダーにとって大きなアドバンテージとなります。
Free Style Hi-Back
21-22シーズンにアップデートされたSELECT PROのフリースタイルハイバック(個人的に高評価!)が搭載されます。 ふくらはぎに対し、ハイバックがフラットな設計なので、ダッグスタンスで足を左右に伸ばしやすく、ボード上での動きがスムーズです。
サンプルでは確認出来ませんでしたが、ハイバックが後方へ曲がり易い、ヒドゥン(hidden) フレックスヒンジ構造となっています。
これにより、フォワードリーンを入れてもストレスが少なく、ライディングの幅を広げてくれます。
ASYM S-Sence Strap(アンクル)
22-23シーズンにお披露目されたストラップです。柔軟性が高く、ブーツを選びません。
足首には自由度があり、パワーライディングやストンプ時に、膝を柔らかく使えるのも特徴。北海道での多様なライディングに対応できるストラップです。(エクストリームカービングの様なアンクルストラップのパワーが求められるライディング以外)
3D Contour Strap(トゥ)
足のつま先、甲部分、どちらで締め付けても良い様に設計されたトゥストラップです。
性別を問わず、様々なブーツに対応しなければならないREBELには最適だと思います。
REBELのおすすめセットアップ
ゲレンデ〜サイドカントリーが範囲なフリースタイルボード。
GNU HYPER, LIB TECH LIBRIG, SEASON KIN, BURTON FREE THINKER, PROCESS Fjell Mt1230 等
DRIVE CX -Hanger 3.0-
最軽量のスーパーハイエンドモデルが完成!
フルカーボンスペックで高いレスポンス性能が期待されるとともに、史上最高の軽量化に成功しています。
公式では片方709g(ディスク込み)。ハンガーが3.0により多少大きくなったにもかかわらずO-DRIVE(770g)より61gも軽く仕上がっているのは、ストラップやラチェット、ベース群(ハンガー/ポスト)のカーボン配合率(30%)も大きく関係しているようです。※過去モデルは配合率の記載なし
本格的なバックカントリーアクセスからリゾートライディングまでを圧倒的な軽さでサポートします。過去のO-DRIVEもご参考ください。
HYPERFUSE2 Strap(アンクル)
22-23 SELECT PROに搭載されていたアンクルストラップHYPERFUSE2がDRIVE CXに。柔らかいナイロン芯材を、NOWが得意としていたEVA素材で覆ったレイアリング構造により、高いホールド力がありながら自然な使い心地が特徴です。
見た目はゴツいですが驚くほど軽いのも特徴。長時間ライディングにも安心なストラップです。
DRIVE CXのおすすめセットアップ
ゲレンデ~バックカントリーまでのオールマウンテン・フリースタイルボードやカービングボード、スペシャルテックボード。
BURTON Mystery HTH, JONES PROJECT-X, FIELD EARTH Xシリーズ等
DRIVE PRO -Hanger 3.0-
より軽くパワフルに、フルモデルチェンジ
Drive CXに並ぶ軽量でありながら、パワーはこれまでのDRIVE以上の出力!大きな山をハイスピードで楽しむなら、最新版のDRIVE PROに注目してください。
硬いだけ?ではありません。ハイバックには柔軟性があり、長時間ライディングもしっかりサポート。 ハンガー3.0がハイバックとアンクルストラップからリズムよく反射し、エッジtoエッジの安定感は抜群です。
カタログを見た限り、“なんだかチープになったな”と軽視していた僕ですが、実物を使ってみると見事なリニューアルを遂げていました。
エッジにプレッシャーをかける動きに対する機敏な反応は、手で触れたフィールからは想像がつかない程です。 さらに、プレッシャーの軸を外すと、今度はねじれを体感できます。しっかりとハンガーに反応し、ヒールサイドターンの組み立てが面白くなりそうです。
AYM FRX HI BACK
これまでのDRIVEに漂っていたイカツいイメージが、AYM FRXにより一新。
一見スレンダーで、フレックスも柔らかです。足首からふくらはぎの筋肉に沿って反り上がり、ふくらはぎを包み込む様にシェイプされています(サイドウィング形状)。
ブーツに対して密着度が非常に高く設計されたハイバックですが、柔らかいので違和感はなく、幅広いバインアングルに対応し、パワーを無駄なくボードに伝えます。
心地よく使えるのに出力パワーが大きいので、硬いボードや大きなボードなど、パワフルなボードに好相性です。
Asym FRS Strap (アンクル)
縦の動きはハードに、横や斜めの動きにはソフトに対応するアンクルストラップです。
実際に装着すると、つま先や踵にプレッシャーがかかる時は硬く、左右やねじれるような動きにはぐにゃりとフィット。
実は、サンプル段階ではガチガチのホールド性で柔らかいブーツでは負けてしまうのではないか?という印象でしたが、ハイバックのねじれに対応するように調整された模様です。
ジャンプの着地にも強いだろうし、ハイスピードでも繊細なコントロールが出来そうです。
DRIVE PROのおすすめセットアップ
ゲレンデ~BCまでのオールマウンテン・フリースタイルボード、カービングボード。
NS HARPOON(ワンサイズアップ), VALHALLA, COUGAR, BURTON CUSTOM X, X-FV, LIB TECH SKUNK APE ,STOMP APE,STEELY-D, SEASON FORMA 等
IPO -Hanger2.0-
ニューストラップで圧雪でもパワフルに
マイナーチェンジを繰り返してきたIPO、今年も変化があります。
PILOTに使用されていたフレックスヒンジハイバックを新たに採用し、アンクルはASYM FS Strap、トゥはニューモデルの3D STRETCH Strapへとアップデート。
昨シーズンまでのIPO2はパウダーライディングに特化したモデルでしたが、NEW IPOは圧雪でのサポート力がアップ。以前よりも、ぐっとパワフルになった印象です。
REBELの登場とPILOTが途絶えた事が、IPOを進化させたのかもしれません。
他ブランドに比べて、ハイエンドモデルのバリエーションが多いNOWでは、IPO=スタンダードモデルと位置付けされがちですが、IPOは正真正銘のフラッグシップモデル。どんな目的でも、どんなボードでも使えるバインです。
ASYM FS Strap (アンクル)
大きな面積で足首を包み込むAYSM FS Strapは、“コンフォータブル(快適性)”をテーマに、長時間の締め付けによるストレス緩和に挑戦しています。
エッジにプレッシャーをかける動きには機敏に反応し、横の動きはとても柔軟です。過去のSIEVA Strapと比べ、スピード領域も格段にアップ。フリーライディングに最適化された印象です。
3D STRETCH FIT Strap (トゥ)
IPOでお披露目となった新しいトゥストラップです。この使い勝手、実に素晴らしい!どのストラップと比較してもブーツを選ばず簡単にフィットします。
特に、DEELUXEの様なアウターが大きなブーツとの相性が良い。NOWが初めての方にはぜひ体験してほしいストラップです。
IPO おすすめセットアップ
ゲレンデ~BC オールマウンテン・フリースタイルボード。
BURTON CUSTOM, CUSTOM-X FV, HTH, SEASON AERO, NEXUS, NS SHAPER SERISE, VALHALLA, Fjell Mt 1365 Mt 1230, Mt Hokkaido, GNU HYPER, LIB MCWay Finder2, STEELY-D, FIELD EARTH モデル全般 等
23-24 NOW試乗レビュー:近藤勇介
IPO
僕は22-23のIPOを使用しています。いい意味で癖がなく、程よいフレックス、幅広い用途とユーザー層に向けられているイメージです。僕はパウダーボードをメインに使う目的で購入しました。特に足首の自由度が気に入っています。 ハードフレックスの板だと物足りなさを感じてしまうかもしれませんが、ミドル~ソフトフレックスの板なら基本何でも合うと思います。
その上で、23-24のIPOは合わせる板のフォーカスを少し絞り、ハードフレックスの板にも使用できるよう仕上げてきた、という印象です。
アンクルに張りを持たせ、切り返しのレスポンスを上げて、カービングターン寄りになった感じがしました。ただ、ノーズ・テール側への動きはそこまで変わらず、足首縦に対しての反応が変わったという印象でした。
今回は、NEVER SUMMERのHARPOONとULTRAに乗せて試乗しました。どちらかというとULTRAに使用したときの方がしっくり来たので、ハードフレックスやカービングに対応できる気がします。CUSTOM Xにも合うのではないでしょうか。
DRIVE
僕のDRIVEのイメージはかなりかなり硬くて難しい、僕にはオーバースペックな印象でした。
23-24DRIVEを装着してすぐに感じたのは、22-23IPOにフィーリングが似ているなという印象でした。昔のDRIVEに比べかなり扱いやすく、ぼくには今期のIPOの上位モデルという位置付けに感じました。
今回はGNU HYPERに乗せて試乗しましたが、以前このボードを試乗した時よりフィーリングが良く、乗り易く感じました。ボードの出力とバインの出力がマッチしていて、とても相性が良かったと思います。
DRIVEには少し張りのある出力高めの板、例えばネバーサマー等にも結構ハマるのではないでしょうか。
※3シーズン履き潰したEMPIREでの試乗レビューなので、新品のブーツだと違った印象になるかもしれません。特にIPOは新品のブーツでもう一度乗ってみたいです。
NOW共通パーツリスト
ハンガー
テコの原理を利用したNOWの独自構造スケートテックはMOJANEの大好物!基本構造に変化はありませんが、HANGER 3.0と 2.0(以下H3.0, H2.0)の個性がより明確化したコレクションとなります。
大きなボードやワイドウエストにはH3.0が、通常~細めのボードならH2.0がオススメ。そして、23-24はH2.0のラインナップが増え、選びやすくなりました。
ストラップ
23-24からは全モデルのストラップがアミアミ形状に変更されます。アンクルストラップは2つのニューモデルが、トゥストストラップも1つニューモデルが加わります。
Asym S-sence Strap(アンクル) 片足7700円税込
22-23のPILOTで初めて使用されたストラップ。とても軽量で足首を集中的に締めます。ストラップが柔軟なので、ブーツを選びません。注目モデルのREBELに採用されています。
Asym Free-Stye Strap(アンクル) NEW!
大きなストラップで足首全体を包み込みます。ブーツが少し柔らかくなってきたかな?サポートが足りないかな?という場合でも、包み込む様にサポートしてくれます。NEW IPOに採用されています。
Asym FRS Strap(アンクル) NEW!
ハイスピードカービング、BCでのライディングを想定して作られたDRIVE, DRIVE PROに採用されているストラップです。サンプル時点では全体的に硬さが気になりましたが、本製品では柔らかく仕上げられていました。コンセプト通りの「ハイスピード対応」なら、”柔らかいのにハイレスポンス”という新しい使用感が期待できます。DRIVE PRO、DRIVEに採用されています。
3D Pro Grip Strap(トゥ)片足5500円税込
21-22からSELECT PROでデビューしたストラップです。それ以前、ブーツとの相性でズレたり止まらないことがあり、賛否両論だったNOWのトゥストラップでしたが21−22以降はどんなブーツでも確実に止まるようになりました。過去のモデルで悩んでいる方はストラップのアップデートをおすすめします。DRIVE CX, DRIVE PROに採用されています。
3D Contour Strap(トゥ) 4400円税込
つま先か、足の甲か。ライディングスタイルやブーツによって装着位置を変えられる便利なストラップです。DRIVE, REBELに採用されています。
3D Stretch Fit Strap(トゥ) NEW!
張り付く様なフィット感は過去最高のフィーリングに!しっかりとホールドしてくれるのでトゥの存在感がとても際立ちます。ブーツとのマッチングに関しては、どのモデルよりも汎用性が高いように思います。IPOに採用されています。
テックパーツ
TOE Hinge Conector
ストラップ装着のわずらわしさを解決した、トゥストラップ向けヒンジコネクター。BURTONが最初に発表した”フレックス・スライダー”をトゥでも体験出来ます。
実際の使用では、パウダーで再装着する時にとても重宝しました。またNOWとBURTONはコネクター(burtonではスライダーと呼ぶ)の互換性があるのでパーツが壊れてしまった場合でも安心してバックアップができます。
※BURTON→NOWへの装着はOK、NOW→BURTONに装着する場合、REFLEXはOK、ESTはパーツを削る必要があります。
ハイバック
上位機種DRIVEシリーズのハイバックデザインが一新されます。特に、柔らかいのにパワーがしっかりと伝わるDRIVE PROのハイバックAYM FRXは、これまでにない使い心地です。
FRC ハイバック
DRIVE CXにのみ作られたフルカーボンハイバック。過去のBURTON X BASEやX ESTのカーボンブレンドハイバックの使用感から想像する限り、硬いのにしなりがあり、反射神経を超えるレスポンスが得られるのでは?と期待しています。
AYM FRX ハイバック
DRIVE PRO専用ハイバック。フォワードリーンが強めですが、横方向への柔軟性に富んでいるので、バックサイドターンにバリエーションを加えます。
AYM FRハイバック
ASY FRXハイバックの簡易バージョン。フレックスが若干FRXよりも柔らかく作られています。DRIVE, CONDAに採用されています。
モロのつぶやき
多くのスノーボードブランドがギアの値上げに踏み切った23-24シーズン。ここまで急激な価格変化は、僕自身初めての経験です。
「このご時世、値上げは仕方ない」と思う一方、いちユーザーとして「価格が上がるのに機能は変わらないなんてつまらない」という微妙な心境でした。
そんな気分を一蹴してくれたのがNOW BINDINGです。23-24シーズンは、ほとんどのモデルがアップデートされていて、ボートとのマッチングやライディングの想像が膨らみ、ワクワクする内容でした。
やはり、スノーボードギアはこうでなくっちゃ。
はじめまして。
こちらのブログを参考に21-22のSELECT PROを使用しています。
21-22のDRIVEのフィット感がしっくりこなかったのですが、23-24のDRIVE PROが気になります。
DRIVE PROのアンクルストラップやハイバックは、21-22のDRIVEとSELECT PROのどちらに近いでしょうか?
ハヤシ さん
DRIVE PROはモデルチェンジとなり、過去モデルと比較しても使用感が異なるので、参考にしない方が良いかもしれません。
どんなボードで、どんなスピード域で、どんな環境を遊ぶのか。ギア選びではこれらが重要なファクターになります。
お近くの信頼できるお店で相談したり、実際に実物に触れてご自身で確認していただくのが最も納得がいく答えに辿り着けると思います。
加えて、IPOの新しいストラップもチェックしてみてください!
DEELUXEの25.5でMサイズのハンガー3.0のモデルはマッチング不良でしょうか?
モンさん
ハンガー3.0は、DEELUXEだと基本的に26.0以上の方におすすめしています。過去記事をご参考ください。
ただ、選ぶボードによりけりなので、詳しくはご購入店でご相談されると良いかと思います。