札幌近郊の穴場⁉ 初心者から楽しめるスキー場
札幌市内から1時間程車を走らせると、空知管内屈指の豪雪エリアとして知られる岩見沢市に到着します。 大きな山こそないものの降雪量の多い土地柄、スキーが生活に深く根付いている街です。
市内にある2つのスキー場は、同じ山の東側と西側を分けたもので、今回ご紹介する萩の山市民スキー場は、その東側に位置します。
※西側は北海道グリーンランド ホワイトパーク
コース長は500~700m程。全体的にメロウですが、グラトリ練習に最適な緩斜面、ターン練習に欠かせない中~急斜面のバーン、コブやウェーブといった遊べるコースが揃い、降雪後にはスリリングなパウダーも楽しめます。
レベルを問わず、短い時間で特定の練習を行いたい方や、スノーボードデビューのステージとしてもお勧めのゲレンデです。
リフトがズラリ!「日本一」に納得。
萩の山市民スキー場は、1966年の設立以来「日本一ワイドなスキー場」なのだそうです。
駐車場に着けば、そのワイドっぷりは一目瞭然。端から端まで1500mもあるとか。麓から5本のペアリフト(メイン3本、複線2本)がずらりと並ぶ珍しいレイアウトです。
これら全てのリフトが稼働すると、遊園地のアトラクションさながらの雰囲気となります。初見なら、驚く方も多いのでは?
これだけリフトがあるので、スキー学習のキッズたちが来場していてもリフト待ちはほとんど発生しません。
かつては更に多くのリフトがあったというのですから、鉄道の町として栄えた全盛期は大変な来場者だったのでしょう。
標高225M、コンパクトな練習向きコース
コースは山に向かって左から、上級ダイナミック、中上級のジャイアント、A,B,C,D,E…と続きますが、実際に整備されているのはB~Cコースあたりまで、D,Eは手つかずのオープンバーンとなっていました。
ダイナミックとジャイアント以外のコース間にはほとんど境界がないので、横に大きくターンできるのが嬉しいです。
また、コースが広くとも、ピステンの継ぎ目が無いことに驚きました。もちろん、コンディションによる部分もありますが、降雪後の朝一番は感動的なピステンです。
中上級|ダイナミック~ジャイアントコース
第3ペアリフトで回す中上級者向けの2コースがこの日のメインの遊び場になりました。
最大斜度が28°のダイナミックコースでは、コツコツとカービング練習を行うスノーボーダーがチラホラ。平日だったこともあり滑走者は少なく、綺麗に整備されたバーンで練習に打ち込むことができました。
第3リフトが降り場に近づくと、降雪後にみんなが飛び込んでいく非圧雪エリアが目に入ります。この日はスキースクールの子供達がガンガンに攻め込んでいました。
ジャイアントコースは最も地形があり、降雪後のコース脇や沢は想像以上に遊べます。また、コース後半はスピーディーなターンに十分な斜度。スキーヤーは脇のコブコースを颯爽と捌きます。 コース序盤、連絡コースからAコースへと流せば、萩の山一番のロングランとなります。
ジャンプ台の跡地をチェック!
萩の山で最もエキサイティングなポイントは、ダイナミックとジャイアントの間にあるジャンプ台跡です。ゲレンデ内のコースマップを見ると、20.30m級と記されています。
まともに突っ込むと怪我を負うので、決して飛んではいけません。
ただ、地形をよく把握し、大降雪の直後ならば…?標高225Mとは思えないクオリティーとなるはずです。
中上級|Aコースでターン練習を
萩の山の圧雪はどのコースもきれいですが、特にAコース(最大斜度18°/平均斜度15°)は、足慣らしも兼ねて朝一番で攻めたいところ。一見、なだらかな斜面ですが、起伏がありターン練習に良いコースです。
中上級|Bコースのウェーブでアクション!
Bコース(最大斜度15°/平均斜度13°)は、ビギナー向きでしょ?と避けることもできますが、実はスイッチ練習に丁度いい斜度と広さです。
また、コース中盤にあるウェーブとキッカーはなかなか立派なもので、オーリーや180に最適なサイズ感。スノーボーダーにとって見せどころとなるスポットです。
レッスン中の子供たちも多いので、注意しながらエントリーしましょう。
狙い目は大雪の後のナイター
萩の山スキー場のナイター営業(PM4:30~ PM9:00)にも注目してください。岩見沢で降雪がある日は、仕事終わりからでも楽しめます。
日中、岩見沢に雪マークがついていたり、滑り足りないな…という時は是非チェック!北海道のハイシーズン、ナイターに降る雪は格別です。
設備と料金
リフトは4時間券2000円、6時間2500円、ナイター券1300円(2022年現在)ローカルならではの嬉しい価格です。スキー、スノーボード、チューブなど各種レンタルも揃っています。
第1ロッジから逆サイドまで歩くと、結構距離がありました。子供連れの方は麓での集合場所を予め決めておくといいかもしれません。
休憩所は2か所。食堂や売店がある第1ロッジと、休憩スペースのみの第2ロッジがゲレンデの麓、両サイドにあります。どちらも広々しています。
食堂は懐かしい昭和の雰囲気で、軽食も充実。売店ではスナックの他、地元産の米や豆類を販売していました。
アクセスと周辺情報
萩の山市民スキー場は、岩見沢ICから10分、札幌市内からは12号線か337号線から道道38号線へ。三井グリーンランドを横目に、三笠方面へ数分です。
札幌市から峠を越えず小1時間で到着できるので、午後からでも十分遊べて、コンディションも狙いやすいと思います。日々の天気予報では岩見沢も同時にチェックしておきましょう。
スノートリップを計画しているなら、旭川空港からの旭岳~富良野~桂沢~萩の山~三井グリーンランド~北広島ダイナスティ~千歳空港といった、大小のローカルゲレンデを巡るルートはいかがでしょうか。
岩見沢の美味しい寄り道
萩の山と三井グリーンランドの近隣、234号線にあるカフェ併設の食品店NORTH FARM STOCKは、12号線や高速に入る前の寄り道ポイントです。
カフェメニューはテイクアウトもできます。甘党さんにお勧めしたいのは、マシュマロとホイップがトッピングされたホットチョコレート!
同じく234号線を12号線に向かって走ると、なにやらモクモクと煙が立ち上る小さな店舗が目に止まります。ローカル御用達の雰囲気が漂う焼き鳥屋、鳥乃家三船さんです。ここはまだ行ったことがないのですが、めちゃくちゃ気になっています。
岩見沢のローカルゲレンデでノスタルジックな1日を
天気の良い日は、朝一番に萩の山市民スキー場を楽しんだら、午後からは北海道グリーンランドホワイトパークに場所を移してみるのも良いでしょう。
東向きの萩の山は朝日が、西向きの北海道グリーンランドは夕暮れがとても綺麗な位置条件になります。
歴史と懐かしさが感じられる岩見沢の2つのゲレンデは、ただコースを流し滑るだけでなく、想像力を使って遊び方を開拓する楽しさもあります。小さな山だからこそ、試せることがたくさんあるな、と改めて感じました。
次のシーズンは、近隣の美唄国設スキー場や桂沢スキー場も巻き込んで楽しみたいと思います。