狙いは2月下旬からのパウダーチャンス
上川郡新得町にあるサホロリゾートスキー場は、日高山脈佐幌岳の東側を切り拓いた大型リゾートです。
このエリアは、北海道屈指の寒冷地。厳冬期に降る乾いた雪は、ギュッと握ってもまとまらずパラパラとこぼれ落ちてしまいます。風に飛ばされてしまうほど軽く、山肌に定着しにくい雪です。
そんなサホロを狙うなら?ハイシーズンを終え、少し遠出がしたくなる2月後半から。気温が上がり始め、サホロの雪の下地が安定する頃はいかがでしょうか。
札幌圏に比べるとサホロはまだまだ冷え込む日が多く、雪雲が流れ込んだ後は最高のパウダーツリーランが楽しめます。
まずはゴンドラ!最長3000mのロングコースと圧巻の景色
まずはゴンドラで一気に山頂まで。十勝・大雪連峰と十勝平野の雄大な景色が迎えてくれます。晴天が多い十勝方面 、高確率で迫力の大パノラマが望めるはずです。
山頂からは大きくノース、センター、サウス、3方向にコースが広がり、それぞれリフトが配置されています。どのエリアも地形に溢れた遊び場の宝庫!
非圧雪コースが点在し、麓までのロングコースを最後まで飽きずに滑り切ることができます。
コースマップの赤い線、アベニューはサホロの骨組みとなる中級コース。黒線ウェイは上級者コース、そして緑で記されるロード/ストリートは初級コース。麓からのリフトに初級コースがまとめられた、分かりやすいレイアウトです。
難易度の高い環境でスキルアップ
サホロリゾートは山の尾根を生かしたコースが特徴です。ゴンドラからのコースは全体的に斜度があり、コース幅が狭くなるポイントも多いので、スピードの出し過ぎには十分注意しましょう(スキーヤー / スノーボーダーがハイスピードで急接近してくることがあります!)。
また、軽く乾いた雪質が特徴のサホロは、風の影響を受けやすく、コースによってはパウダー、底あたり、ガリガリの雪面がミックスされる難しい環境になることもあります。
こうした場所を滑ることは、スピードコントロールや板捌きはもちろん、コースの方角、風・陽当たりによる雪への影響を考えるきっかけにもなり、経験値がぐっと上がります。
サウスストリート|足慣らし・締めの1本に
南側のロングコースは、朝一番のウォーミングアップにちょうど良く、また、午後からも陽が当たり続けるので、1日の締め括りにも滑りたいのが南側のコースです。
サウスストリートとセントラルウェイの合流地点には、大きなバンクが出現。まとまった降雪のあとは確実に雪庇ができます。
サウスストリートから雪庇が見えたらスピードをつけ、雪庇のトップにボードを当て込み!雪庇はちょうど良いサイズ感なので、リスクなく崩して遊ぶことができます。コース内にここまでの雪庇が出来るのは、とても珍しいと思います。
冷え込んだ朝は雪が軽すぎて底あたりする場合もありますが、時間を追うごとに雪が馴染むので、午後には思い切り蹴り込めます。
サウスストリートのコース前半にはサウスウェイ→セントラルロードへと続く入口が。後半はサホロでも数少ない広いエリアとなるので、大きなターンで楽しみましょう。
上級者向け非圧雪3コースに飛び込もう!
ゴンドラからアクセスできる黒色コースのサウス・ウェイ、セントラル・ウェイ、センター・ボールウェイは、雪の状況に応じてアタックしましょう。もしその日がTHE DAYならば、迷わず一気に攻めてください!
綺麗な一枚バーンとツリーが楽しい第8リフト
ゴンドラで一通りコースを巡ったら、ノース・アベニューから第8リフトへ向ってみましょう。
第8リフトのメインバーン、ノース・ウェイは、サホロで最も広々としたコースです。SAJ公認フリースタイルコースでもあり、綺麗な圧雪/非圧雪が楽しめます。
最大斜度11~39度の上級コースではありますが、リフト乗り場に近づくと緩やかになってくるので、ターンができる方ならチャレンジできるコースだと思います。
第8リフトで回せるノース・アベニューのコース中盤は、斜度や地形の変化に富んだ尾根沿いで、緩急様々なターンが楽しめます。
また、ノース・アベニューからノース・ウェイの間にあるツリーは是非狙ってください!入り口はタイトですが、中は広く、出口が分かりやすいのでおすすめです。
カービングターン練習に第7リフト
第8リフトを遊び終えたら、ノース・アベニューを下ります。見えてくるのは第7リフト。このリフトでは、ノース・ロード / ノース・ストリートの初級2コースを回します。
特に、ノース・ストリートはカービングターンの練習にちょうど良い斜度があり、春にはコブも仕上がっています。お一人でコツコツ練習を続ける方を多く見かけました。
ゴンドラ回しに少し疲れたら、第7リフトでフォームやスタンスを確認するのも良いでしょう。また、降雪後のリフト下やコース脇には、ほとんど手付かずのパウダーが残ってるかもしれません。
第7リフト降り場には、小さなハーフパイプの跡地がありました!今はコースとして解放していないかもしれませんが、雪が付いていればチェック。
手付かずのコース脇ツリーランがたくさん!
サホロはロングコースが多く、縦落とし系のボードやスキー向けのハイスピードな山ですが、実は僕が毎回楽しみにしているのは、ツリーランです。
降雪後でも1日中ほとんど人が入っていない、穴場中の穴場!コースからコースへと縫う様に動けて、木の間隔も絶妙です。
僕はツリーラン用にFjell SnowboardsのMt1180^|HokkaidoやMt1542を持ち込みます。NEVER SUMMERのNOKHUもとても相性の良いスキー場です。
伝説のサホロエキスプレス
サホロリゾートには、ハイシーズンの週末にだけオープンするという幻のエリアがあります。
ゲレンデ北側のサホロエキスプレスで回す5つのコースです。
ほんのわずかな期間、しかも週末にしか開かないという事で、知る人ぞ知る領域。行ったことがある方から聞くと、このサホロエキスプレスこそがサホロの魅力!だそうです。僕もいつか行くことができればと思っています。
設備と周辺情報
休憩ポイントはセンターハウスのみ
2階建てのセンターハウスには、売店やレンタルカウンター(1F)、レストラン(2F)があります。ただ、これほど広いスキー場でありながら、トイレや休憩場所はこのセンターハウス1か所です。
第8リフトやサホロエクスプレスを回して遊ぶ時、センターハウスに戻るには少々時間がかかります。特にお子様やビギナー同伴の場合は、水分補給やトイレ休憩のタイミングにも気を配ってあげてください。
リフト券+500円のランチパックがお得!
1日券か4時間券に+500円でランチが付きます。しかも、4時間券の場合ランチを付けると+1時間。5時間券になるというボーナス設定です。
レストランのメニューはもはやファミレス。パスタや丼物、ラーメン、チャーハンまで!ボリューム満点なメニューが揃っています。しっかりカロリーをチャージして、午後からに備えます。
また、食事以外にもスイーツやドリンクが揃うカウンターもあり、賑わっていました。
帰路の寄り道|新得そばの館
新得町は道内有数の蕎麦の産地としても有名です。
サホロスキー場から車で10分にある「そばの館」は、ラストオーダー(冬季16:30)に間に合うなら是非立ち寄りたいおすすめ店。高速道路を利用するなら行き帰りで通るので、チェックしてみてください。
冬季は“寒ざらし”(冬の冷水・冷風に蕎麦の実をさらして風味を引き出す寒冷地ならではの技法)のお蕎麦が味わえるかも?丼物やセットメニューも豊富で、お土産も充実しています。
スキー場のゲレ食も魅力的ですが、新得町には他にも美味しいお店がたくさんあるはずです。皆さんのおすすめグルメ情報があればコメントで教えてください!
宿泊ポイント
札幌からは日帰りも十分可能な距離ですが、スノートリップを計画するなら、敷地内にサホロリゾートホテルとクラブメットが隣接しています。
もう一軒、車で15分のところにある湯宿くったり温泉レイク・イン。こちらは湖やキャンプ場もあるので夏もチェックしたい宿です。
2月中旬からのサホロのコンディションと狙い方
札幌からサホロリゾートまではおおよそ3時間(高速で2時間半)。冬の狩勝峠は少々ハードルが高いと感じる方も多いかもしれません。
なかなか情報が集めにくい印象もありますので、実際に行った日のデータを残しておきます。まとまった降雪があった翌日、風がなく晴れるであろう日を目掛けて出発!
2023年 3月後半
気温 -1°+5°|パウダー→湿雪
午前中は3月末とは思えない軽い雪を楽しみました。前日に30cm近く降ったため、風下に吹き溜まりを見つけては、ひたすら当て込んで遊びました。
日の当たる場所は徐々にモッサモサのストップ雪になりましたが、それでも日陰やツリーの中は1日中極上の滑り心地でした。3月にもなると路面が見えているので、峠道も安心です。
2024年 2月中旬
気温 -5-2°|底当たり吹き溜まりパウダー
2月でも比較的暖かい日でした。それでも朝イチはパウダー!ただ、ターン一発で底あたりする場面もありました。
なんとコース内で前日降った雪の雪崩が発生!一日中晴れていたので、11時ごろには雪がしっかり山肌に付き始め、滑り心地も良くなり、朝イチに狙っていたエリアの雪の落ち着き具合を見て行くことにしました。午後には日当たりの良いところは水分が浮き、凍り始めた場所もちらほらありました。