名作ビンディングGENESISのモデルチェンジ
2012年に登場して以来、多くのスノーボーダーの必需品となり、現在のビンディングの一つの主流を築き上げたGENESIS(ジェネシス)。
これまで1度もリニューアルは行われず、いかにGENESISが完成されたモデルであるかを示してきましたが、遂に変化の時がやってきました。
疲れにくく、ストレスのない滑らかな動きを可能にしたこのモデルは、大規模ゲレンデに通い詰めるスノーボード愛好家から、脚力に自信がない初中級者までを一手に受け止めてきたBURTON屈指の名作です。
なにが変わった?新旧キックバックハンモックを徹底比較
今回変化が見られたのは、GENESISの顔とも言える二重構造のハイバック、キックバックハンモックです。昨21-22シーズンGENESIS STEP ONで一足先にお披露目されたものとデザインコンセプトは同一です。
NEW GENESISは、以前よりもキックバックハンモックが前へ押し出された設計となり、クッション性がアップ。ソフトでフワフワとした心地よいフリーランが期待できます。
キックバックハンモック
スノーボードの滑走中、スピードコントロールのブレーキは主にヒールサイドで行います。 ターン中の減速や、急なブレーキも、ほぼヒールサイドで操作していますよね?その時、足にかかる負荷をハイバックで軽減するのがキックバックハンモックの役割です。ハンモックのように浮いた二重構造で、クッションのように衝撃や振動を吸収します。
ハイバックアングルの調整機能
マラビータやカーテルシリーズと同様、ハイバックを取り外さなくてもアングルを決めることができる「マイクロフラッド」が追加されました。
旧タイプは、フォワードリーンの設定を変えると、ハイバックとヒールカップの間に隙間が生まれ、不要な”遊び”が生まれていました。 ニューモデルではフォワードリーンとハイバックローテーションの機能がそれぞれ独立したことで、小さなガタつきがすっかり改善されました。
ダイアル式のフラッド、フォワードリーンの調整が楽になったので好みのフィーリング探しも楽しみです。
線から点へ、ステーの変更で際立つハンモック感
ハンモックとハイバックを支えるステーも変更されています。
旧モデルではハイバックの縦中心に長く沿っていましたが、ニューモデルは上部一箇所に。これにより二重構造の間に空間ができ、可動域が広がったことは、ハイバックに触れただけで分かります。
また、クッション性が一層高まったことは、二重構造の厚みを比較すると一目瞭然!
エッジに対してのプレッシャーは旧モデルの方が高いと思いますが、ハイバックのセッティング次第で、遜色のないレベルにまでもっていけそうです。
捻じれやすく、粘り強い
今まで以上にハイバック全体が肉抜きされたことで、様々な方向からかかる力がフレックスに変換されます。
また、今回のハイバックには、バートンのビンディングで唯一、ファイバーグラスがブレンドされているとのこと。 耐久性の向上はもちろん、負荷がかかり続けた時に粘る力が備わっています。
これらはウッドコアとの相性を意識して設計されたものだそうで、フリーライディングボードとのセットアップは折り紙付き。間違いありません。
NEW GENESISをどう合わせる?
22-23シーズンのBURTONのカラーリングを見ると、FORAGERをはじめとするFAMILY TREEライン、フリーランボードとのセットアップが提案されています。もちろん、CUSTOMとの相性もバッチリです。
また、ブランドを問わずハード過ぎないフリーライディングボードなら概ねフィットするので、複数のボードに乗せることを前提にしたバイン選びの有力候補となります。
GENESISを合わせることで、精度が高まるボードも多くあります。「どんなバインディングを選べばいいか分からない」とお悩みの方には、BURTON GENESISを一つの基準としてお試しいただきたいです。
僕らのライディングを支えるGENESIS
コンペティションシーンでこそ見かけませんが、ゲレンデを滑る一般スノーボーダーの足元をよく見てみると、GENESISがどれだけ信頼を得ているかが分かります。
今回は変更がなかったアンクルストラップやベース、フレームの柔軟性、そしてどんなボードにもハマる万能性。全体のバランスがこれほど整っているビンディングはそう多くはありません。
僕自身、フォワードリーンを入れたGENESISのソフトな感触と反応の良さがとても気に入っています。
今日は一日中気の向くままに楽しく滑ろうという日はGENESIS、ハイレスポンスなボードに乗る時はもっとパワフルなビンディングというような使い分けをしています。
また、歳を重ねるごとにGENESISの身体に優しい設計がよく理解できるようになったこともあって、22-23のリニューアルには大きな期待を寄せています。
ハイバックだけでそんなに違いが生まれるの?と思う方もいるかもしれません。この少しの工夫がライディングの幅を大きく広げてくれる、それがハードギアの面白さです。
久々にビンディングの買い替えを検討している方には、是非、手に取ってその感触をお試しいただきたいと思っています。