全ての問題を解決したSTEP ONの完成
21-22BURTONのトピックスの一つは、5シーズン目を迎えるSTEP ONのアップデートです。
これまでSTEP ON ビンディングが抱えていた問題点を一挙に克服し、基本となるSTEPONビンディングは手に取りやすい価格へと見直されました。
更に、ニューモデルとしてGENESIS(ジェネシス|MEN’S)、ESCAPADE(エスカペード|WOMEN’S)がSTEP ONに仲間入り。
来季のSTEP ONアップデート詳細と、新たなGENESIS STEP ONについて、詳しくご紹介します。
着脱しやすく、音鳴りの無いTOW HOOK 2.0へ
これまでのSTEP ON ビンディングは、基本モデル(メンズ、ウィメンズ、キッズ)とハイエンドモデル「X」の2型でした。
そこで起きていた問題は、滑走中の「カチカチ」という音。そして、パウダー環境での着脱のし難さです。
21-22モデルでは、問題解決の為にトゥフックがアップデートされ、全STEP ON ビンディング共通で改善されています。
新たなトゥフックは、ブーツ側のフックをしっかりと押さえ込むような仕組みになりました。これによって、カチカチ音が軽減されました。
このカチカチ音に関しては、早い段階でBURTONから「製品使用上の問題は無い」とのアナウンスがありましたが、過去の記事にも書いてきた通り、音に関する不安の声も多く聞きましたし、できれば改善して欲しいポイントでした。
今回のアップデートは、BURTON開発チームがユーザーの声に向き合ってくれたものだと思います。
また、STEP ONビンディングを外す際には、足をねじるような動作が必要でしたが、新しいフックでは蹴り出せば外れる様になりました。初心者だけでなく、ゲレンデ内でスピーディに動きたい方にも満足してもらえるはずです。
一部モデルの価格改定
¥42.000から¥31,000へ(税抜)。来季のSTEP ON ビンディングの大幅な値下げは、購入を検討していた方にとって大きな決め手になることと思います。
ただ、昨シーズンまでの購入者は複雑な心境のはずです。僕も、販売する身でありながら、驚きと妙な悔しさを感じました。
価格改定の理由には、STEP ONが軌道に乗り量産体制に入ったことが考えられます。
既に購入済みの方には、僕たちアーリーアダプターがSTEP ONの発展に一役買ったのだと捉えていただきたく思います。
トゥー・フックのアップデートと価格改定。これにて、STEP ONは初心者から上級者まで、本当の意味で「誰もが使えるギア」に仕上がったと言えるのではないでしょうか。
STEP ON Xの価格は変更なし
21-22STEP ON Xについては、トゥフックのみのアップデートで、価格の変更はありません。STEP ON X 昨シーズンのレビューを参考にしてください。
【NEW】GENESIS STEP ON
21-22シーズンは、大人気のストラップビンディングGENESIS(ジェネシス)のSTEP ON版が登場します。
ストラップは無くても、GENESISのレスポンス性能とキックバックハンモックのサスペンションは健在です。STEP ONビンディングの中でも、ボードとの一体感を大切にしたい方、トーションを使ったしなやかなスタイルの方にピッタリなモデルです。
もしも、直線的でスピーディーな動きがお好みなら、無心でかっ飛ばせるSTEP ON Xをお勧めします。
GENESIS STEP ONのポイントは、何といっても「キックバックハンモック」です。
ヒールサイドへのプレッシャーをキックバックが受け止め、レスポンスを保ったまま振動を軽減。結果、足への負担が少なく疲れにくいハイバックです。
「レスポンスを維持しながらも、長時間・長距離のライディングを可能に」というキックバックハンモックの効果をSTEP ON版でも十分に発揮していると思います。
ブーツとビンディングのフィットに関しても、ハンモックがあるだけでストラップバインの様な柔軟性が感じられました。
初めてSTEP ON Xを使った時も、「硬いけど柔軟性がある」と感じましたが、それ以上のフィーリングです。GENESIS STEP ONは、ライディングを楽しみたい人にとって最高のSTEP ONになると思います。
GENESIS STEP ONのボード合わせ
GENESIS STEP ONでは、HOME TOWN HEROやWAVE TRACER、そしてもちろん来季CUSTOMの様なモデルにもハマると思います。これらの共通点はスーパーフライコアであり、オールラウンド性が高いボードです。
因みに、STEP ON XはBASEも硬いので、CUSTOM-XやSTRAIGHT CHUTERといった、ドラゴンフライコア搭載ボードがしっくりきます。
GENESIS Xに似たフィーリング!?
惜しまれつつも廃盤になってしまったストラップビンディング、GENESIS Xを覚えているでしょうか。GENESISの装着感に高いレスポンス性が加わった最強モデルでした。
MOJANEでは、CUSTOM XFVとの相性がベストだと考えていたので、デッドストックを確保したくらいです。
レスポンス性に注目したとき、STEP ONとGENESISが融合したGENESIS STEP ONは、GENESIS Xに近い印象を受けました。
エンデュランスなライディングを可能にするGENESISのキックバックハンモックとSTEP ONのスピーディーなエッジtoエッジ、そしてストラップフリーの使い勝手も考慮すると、GENESIS X以上のアドバンテージがあるかもしれません。
XとGENESIS。これらのSTEP ONを体験すると、ストラップビンディングに戻すには、明確な目的やこだわりといった、それなりの理由が必要になってくるのではないでしょうか。
バートンビンディングの名作、GENESISとは?
21-22シーズンからは、STEOPN版とストラップ版がそれぞれリリースされるGENESISですが、そもそもどんなビンディングなのでしょうか。
BURTON JAPANの森永さんに質問すると、初代GENESISの誕生から現在までを詳しく解説してくださいました。
改めて、GENESISをおさらいしましょう。
革新的なハイバック+革新的なベースプレート = 革新的なバインディング➡ Genesisです!
初めてGenesisが発売されたのは2012-13シーズン。Genesis Xは2016-17 シーズンからです。
2011-12シーズンまでのProphecyというソフトフレックスバインディングのアップグレードバージョンとしてリリースされました。
Prophecyのハイバックは、前同ポジションにあったTriadの「アーロンチェア」をモチーフにしたハイバックにメッシュを使い、同じコンセプトでアップグレードしたものでした。
メッシュ素材をハイバックに採用することでよりハイバックをブーツにフィットさせることに成功し、フレックスとレスポンスの向上をもたらしました。
更にそのハイバックにスプリングを取り入れて、快適性・安定性の向上を図ったデザインがGenesisのキックバックハンモックとなります。
Genesisのハイバックの優位性というのはこの、Triadのアーロンチェアをモチーフにしたハイバックの進化にあり、加えてMalavitaのHeel Hummockで立証されたグリップ力を取り入れた究極のハイバックデザインがKickback Hummockです。
Genesis ハイバック
これまでのバインディングは、素材をフレックスさせて使うものでしたが、Genesisは構造上フレックスするバインディングとなります。
特にスプリングを配したハイバックというコンセプトは、ライダーに快適性と安定性をもたらしました。
1. ハンモック:いかなるブーツにもフィット。
2. グリップパネル:ヒールホールドの向上により、ボードへのレスポンスも向上。
3. スプリング:車のサスペンションのような役割で、ライディングの快適性を向上。
4. ハイバック:足をしっかりと支える、人間工学に基づいたデザイン。
Genesisベースプレイト
ベースプレイトに採用されているThe Hingeは、革新的なデザインでした。
スケートのオーリーをする時に「すり足」で足を全方向へ動かしますが、これをスノーボードにも取り入れたものです。ライダーの横の動きにも対応するEST Binding専用のテックです。
他のバインディングは素材でのみでこの動きが出来る(!?)ようなコメントもありますが、The Hingeは素材と構造でこの「すり足」の動きを生み出します。
また、すり足のみならず、カービング時の鋭角なターン、やビッグターン時にも足の動きに連動して、より滑らかなライディングが実現しました。
このThe Hingeは、Genesisがリリースされる一年前のMalavitaに初めて搭載されましたが、カービング時の「足の動きに連動するデザイン」は滑走をメインに考えるGenesisにベストマッチしました。
Genesis ストラップ
2013-14シーズンにはPUタイプのストラップからインジェクションタイプのハンモックストラップがGenesis/ Escapadeに初めて搭載されました。
ハンモックストラップの原点はGenesisのKickback Hummockにあり、様々なブーツにフィットするコンセプトはストラップにも受け継がれ、更に半永久的に変わらぬフィットをもたらしてくれました。
後にMalavita,Cartel等のハイエンドモデルにも搭載されました。半永久的に変わらぬフィットというフレーズはBurton Sustainabilityともマッチし、今日ではすべてのMNS/ WMSバインディングに採用される事になりました。
BURTON JAPAN 森永さん、貴重なお話をありがとうございました。
一言にBURTONといっても様々なモデルがありますが、一つ一つの開発が他モデルの向上にも影響し合っているというのは、とても興味深いです。
マイナーチェンジを繰り返しながら、人気モデル、定番モデル、名作モデルへと成長したGENESIS。STEP ON版にも期待してください。
MOJANEでのご予約は、店頭またはお問い合わせフォームより承ります。
ステップオンに強い関心があります。技術戦などテクニカルな滑りに対して、STEP ON Xとgenesis STEP ONとはどちらが適しているのでしょうか?ブーツはIONにしたいと思います。因みに板は、YONEXのthrust 165です。真剣に購入を検討しておりますので、ご教示頂けると助かります。
三好哲夫 さん
当店でも「ストラップよりもエッジtoエッジの切り返しが効率良い」ということで、技術戦に出ている方やテクニカルな滑りを求める方にSTEP ONをお選びいただいています。
モデルは間違いなくSTEP ON Xが良いと思いますが、ブーツはレベルや好みにもよるので、必ず試着して感触を確かめてから選ぶことをお勧めします。
トゥーフックのアップデートによってヒールサイドターンのレスポンスが変わったりしますか?(音の原因のあそびが無くなる?)
スギヤマ さん
こんばんは。
トゥフック2.0になっても”あそび”はそのままです。ストラップバインの様にトゥを押さえる構造ではありませんので、ヒールサイドターンでトゥストラップの効果を重視している方には、試着や試乗をお勧めします。
こんにちは。
今シーズン、CUSTOMキャンバーを購入予定です。
また、こちらの記事を拝見してGENESIS STEP ONを合わせようと決めました。
そこで質問ですが、ブーツは何がオススメででしょうか?
TKさん
ご覧頂きありがとうございます。
当店では、初めてSTEPONを使う方にはPHOTON一択でお勧めしています。
硬さを求めるならION、逆に柔らかさ重視ならSWATHというモデルがありますが、まずはミドルフレックスのPHOTONをお選び頂けば、間違いないかと思います。
ION、SWATH、PHOTON、それぞれどう違うのだろうと迷っておりました。
ありがとうございます!
モロさん、こん○○は!
あ!先日の開封イベは行けずにすいませんでした。
ステポンGENESISのレビュー心待ちにしてましたよw
先日お願いしたWAVE TRACERへはGENESISで行こうと考えてます。
SENSEI用のXは来シーズンかなぁ…
トークリートのバージョンアップとともにブーツを外す方法も変わったんですね!
昨シーズンの骨折時は捻って外すのに一苦労したので、Version2.0は楽しみでもあります
骨折はもう勘弁ですがねw
来月中にはワクチン接種もできるので、一段落したら初来店を果たしたいと思ってますので、もう少しお時間くださいね
マツカワさん
メッセージありがとうございます。
先日はご予約ありがとうございました、GENESISSTEP ONはWAVE TRACERはもちろん、お持ちのSENSEIやDUMP TRACKでも楽しめると思います。
また、トゥークリートの改良はとても良いアップデートだと感じています。蹴るような動きでポンと外れるようになったので、更に使いやすくなりました。
おっしゃる通り、足の怪我をした場合、STEP ONのロックは逆に厄介になりますね、ストラップとは違ったリスクがあることも改めて感じました。
北海道は8月から再度まん延防止期間となるそうで、なかなか札幌に足が向かない状況かと思いますが、お会いできる日を楽しみにしています。