REVIEWカスタムXフライングV2022-2023

CUSTOM X |コンペティションからの解放⁉誰もが挑戦できるXへ

22-23 BURTON CUSTOM X CAMBER / FLYING V

-CAMBER-
2022冬季五輪で見えてきたCUSTOM Xの転換期

CUSTOMのアップグレードモデルとして2003-2004シーズンに登場したCUSTOM X(CAMBER)は、アグレッシブな滑りを競うトップ選手や、高速域でスリリングに遊ぶ上級者層に支持されてきたハイスペックボードです。

USオープン、ワールドカップ、そしてオリンピック。大舞台の表彰台には欠かせないはずのCUSTOM Xに、変化が起きています。

今年2月に開催された北京オリンピックでは、ハーフパイプを見てもスロープを見ても、Xに乗るライダーはごく少数でした。Xで出場していたBURTONライダーは、前回大会金メダリストのレッド・ジェラード(USA)、ヴァレンティノ・ギュセリ(AUS)、大会直前で大怪我をしてしまった片山来夢くん。XよりもCUSTOMに乗る多くのライダーが活躍していたことは記憶に新しいところです。

BURTON 22-23 CUSTOM X
BURTON 22-23 CUSTOM X CAMBER
BURTON 22-23 CUSTOM X CAMBER
BURTON 22-23 CUSTOM X CAMBER

CUSTOM X CAMBER/¥93.000+TAX
SIZE:150(248ww),154(250ww),156(252ww),158(254ww),162(256ww)
158W(262ww),162W(264ww),166W(266ww)

コンペティションボードの座を降りたXは、一体どこに向かうのか?

MOJANEが追い続けてきたCUSTOM Xは来季、かつてないレベルでオープンかつフレンドリーなモデルになります。もちろん、Xらしさを残したまま!

ターンのCUSTOM、カービングのX。

BURTON 22-23 CUSTOM X 平山雅一

オリンピックでの印象を踏まえ、CUSTOMとCUSTOM Xの位置付けに再注目しました。

スペックだけで見ると、常に「CUSTOMの上にXがある」という構図でしたが、来期のXはCUSTOMの横に並ぶイメージです。縦の関係から横の関係へと変化したことで、両者のポジションが明確化し、スタイルの分岐点が出来上がったように思います。

CUSTOM:ターン性能、スキル次第で自在に操れる、グラトリ、バンク、中・低速域
CUSTOM X:カービング性能、オートマチックな操作感、中・高速域

BURTON 22-23 CUSTOMとX

両モデルを乗り比べると、ターンの質とスピード域の違いがはっきりと感じられます。

CUSTOM Xはキレとスピード感が特徴で、ターン中のホールド力が高くブレません。スピードを感じさせない安定性と、サーフィンのレールワークがスムーズに再現されるような感覚…そんなオートマチック性が、僕たちでも扱いやすいと感じられる理由だと思います。

一方のCUSTOMは、グランドトリックやバンクで遊ぼうという時、滑りながら準備が出来るゆとりと自由さがあります。ボードに弾かれないので自分のペースでトリックを繰り出して遊ぶにはピッタリでした。

また、CUSTOM 156とCUSTOM X156は同じサイドカーブですが、Xはターンの入りからターン弧が小さくコンパクトに感じられます。これは、コアの配列やファイバーシートから生まれる違いではないでしょうか。

ちなみに、そのコンパクトなターン弧をスピンに転換できるのがプロフェッショナルレベルのスノーボーダーです。

今季までのXにも、もちろんこれらの要素はありましたが、僕が持っている17-18モデルとは比較にならないほど扱いやすくなっています。

自然でかかりやすいフレックストーション

BURTON 22-23 CUSTOM Xのフレックス
BURTON 22-23 CUSTOM Xのフレックス
BURTON 22-23 CUSTOM Xのトーション

室内で行ったフレックスチェックでは、密度の高いゴムの上に乗っているような、弾力のある硬さを感じました。単純な硬さや張りとは違う感触です。

僕の技術では21-22モデルと大差はないかな?と思いましたが、レビュアーの平山くんは1本のテストライドで細かな違いを察知していました。

平山雅一

トーションの扱いやすさが抜群!溜めれる時に力を溜めて、解放できる時に一気に解放できる。

僕らにも扱えるスピードとターン性能

BURTON 22-23 CUSTOM X  近藤勇介

誕生以来、CUSTOM Xが担ってきた役割は「CUSTOMよりもプロフェッショナル」でした。高い反発力と強いエッジホールド、そして軽さ。性能は常にCUSTOMを上回ります。

初期のCUSTOM Xは、背伸びをして乗ると怪我をするようなハードなボードでしたが、年々改良が繰り返された結果、現代のニーズにしっかりハマる洗練されたハイスペックボードになりました。ですが、未だ「硬く、扱いが難しい」というイメージは根付いたままで、ボード選びの候補にすら挙がらない、というのが実情だと思います。

「硬い・難しい」と思っている方の多くは、一般的なボードのようにCUSTOM Xで遊ぼうとしている気がします。スロープやスーパーパイプを舞台に活躍してきたプロフェッショナルスペックのCUSTOM Xが僕ら一般スノーボーダーに有利に働くのは、スピードとターン性能です。Xの強さを味方にできれば、スキルアップは確実です。

MOJANEでは、運動能力が高い方やスノーボードに積極的な方には、初級者であってもあえてCUSTOM Xをお勧めしてきました。

エッジは一度入ったら抜けにくく、スピードを上げてもボードがバタつかないので、姿勢をキープしたままカーブを意識して滑れる様になります。習得が早い方は、どんどん上達していけるのです。

乗りやすさがUPした22-23モデルは、より多くの方が楽しめる仕上がりではありますが、短期間で乗り換えていくタイプのボードではありませんので、その点はご注意ください。1シーズンで答えを出すのではなく、練習を続ける限り応えてくれるのがCUSTOM Xです。

やっぱり良かった‼CUSTOM X CAMBER 試乗レビュー

試乗は2月中旬の美唄で行いました。降雪はなく、完璧な圧雪~荒れた圧雪・非圧雪というコンディションです。

テストライダーは、近藤勇介くん、竹田礼くん、平山雅一くん、そして僕、諸橋です。全員がCUSTOM X CAMBER156を試乗しました。

 

メンバーの総合評価

BURTON 22-23 CUSTOM X CAMBER 表1
BURTON 22-23 CUSTOM X CAMBER 表2
BURTON 22-23 CUSTOM X CAMBER 表3

来季最大のポイントはトーションの質!
平山雅一

BURTON 22-23 CUSTOM X 平山雅一
平山雅一 174㎝/65㎏/Regular

連想するモデル:CUSTOM,CUSTOM X,CAPITA SUPER DOA
使用バイン:FALCORE18-19モデル 12,-12
このボードで滑りたい場所:ヒラフ、カムイスキーリンクス
バインの相性:反応の良い硬めのモデル
どんな人に合うボード?:スピードに乗ったターンやジャンプをしたい人
このボードを一言で表すなら:みんなのCUSTOM X

今までのXは、強い力をかけて、その強い反りで爆発力を得るタイプのボードだったので、脚力やポイントに合わせる技術が必要でした。この点がCUSTOM X キャンバーが敬遠される要因になっていたと思います。

しかし、来季モデルはトーションが効かせやすくなったにも関わらず、粘り、反発が格段にアップしました。トーションが柔らかくなっても反発は今までのXと同様の返りがあるため、少ない力で強い反発が得られます。

これにより、脚力の問題が緩和され、ポイントに合わせる技術についても、トーションを効かせてタメを作りながらポイントに合わせられるようになり、ピンポイントに合わせることに縛られなくなりました。結果、より広いレベルの人が、より広いスピード域で使えるボードになったと思います。

もちろん、年に数回しか滑りに行かない方や、低速域でのグラトリをメインで楽しもうとする方には、もっと適切なボードがあると思いますが、これまで耳にしてきたような「X キャンバーの敷居の高さ」は感じられなくなったと思います。

フレックスに関しては、今まで同様にしっかりと張りがあるので、高速域での安定性は抜群ですし、オーリーでの爆発力も健在です。

この変化は、日本人男性の体型や、北海道のスキー場のコンディションの面からみても、恩恵があると感じます。

僕が実際にXを選ぶ際は、ターンはもちろん、トリックでの動きに比重を置いて154cmをチョイスすることが多いのですが、来季に関しては156cmでも十分板を動かす事ができ、ターンも調子が良くなりました。来季ならば、迷わず156cmを選びます。

もし、テストライドの機会があれば、是非この扱いやすさと、Xでしか感じられない領域を体験してほしいです。(過去にXに乗っていた方や試乗した経験がある方は特に!)

今回の22-23BURTONボードの試乗では、フォレイジャー、Xキャンバー、X FV、CUSTOMキャンバーしか乗れませんでしたが、この4本の中で、僕の来季1番のプッシュボードはコレ、CUSTOM X キャンバーです!

誰でも手にすることができるX
竹田 礼

BURTON 22-23 CUSTOM X 竹田礼
竹田礼 181cm/58kg/Regular
使用バイン:NOW PILOT 12,-9 55cm

昨シーズンから大きく変わった印象はありません。ただ、毎シーズン扱いやすくなっていると思います。

年齢を重ねるにつれて衰えていく体力や技術を考えると、ボード自体のスペックが上がっているのかも!?

扱いやすさは増しても、カービング、エッジのキレは一切の妥協なし。ターン後半にかけて後ろ足に乗せて粘りを楽しめました。

昨シーズンとの違いを挙げるなら、オーリーや180等の跳ねる動きがしやすくなった印象です。コース端の小さなギャップを見つけると遊びに行きたくなりました。ここら辺の感覚が、誰にでも扱いやすくなったと感じたポイントです。(昨シーズンはリフト乗り場まで直行気味でしたのでw)

昔のような「THE X」感はないものの、本気で乗れるボードでもありつつ、誰でも挑戦できるボードになっているのは間違いないかと思います。

特に中級以上であればCUSTOM XとCUSTOMを天秤にかけて自分に合ったボードをチョイス出来るのではないでしょうか。

カービング特化ボード
近藤勇介

BURTON 22-23 CUSTOM X 近藤勇介
近藤勇介 72㎝/70㎏/Regular

使用バイン:X BASE 15,19 54cm
このボードで滑りたい場所:ピステンのかかった奇麗なロングバーン
バインの相性やセッティング:X BASEピッタリです!自分ではNOW PILOTで乗っています。
どんな人に合うボード?:カービングが好きな人、降雪の少ない山で乗る人

今回試乗したボードの中で、僕は1番印象が良かったです!

僕が持っている17-18モデル以降、毎年カスタムXを試乗してきましたが、今回のXはひと際乗りやすかったです。

17-18モデルを含め、これまでのカスタムXにはどこか難しさを感じ続けていて、実は今回初めてXに乗っていて「楽しい!」と感じました。

試乗のコンディションが良かった事も一因はあるかもしれませんが、キャンバーボードのカービングがここまで楽しかったのは初めてです。

最も印象的だったのは、フレックストーションのしなやかさで、僕はカスタムよりも柔らかく感じてしまいました。切り返しがいつもよりもスムーズで、エッジが扱いやすく、カービングのキレも増していると思いました。

僕はカービング上達のために17-18シーズンにカスタムXを選びましたが、今も苦手意識があり、パウダーボードに逃げがちでしたが、来季のカスタムXはむしろ積極的に乗っていきたいと思わせてくれるような、楽しく乗れるボードです。この差は、僕にとってとても大きいものだと思います。似たような境遇の方がいたなら、来季のカスタムXはお勧めできる1本です。

TPOを選ばないスーパーボード
諸橋正太

BURTON 22-23 CUSTOM X 諸橋正太
諸橋正太 181㎝/70kg/Regular

使用バイン:NOW SELECT 18,0 56cm
このボードで滑りたい場所:夕張マウントレースイ
バインの相性:NOW SELECT PRO , X EST
どんな人に合うボード?:スピードあるリズム感でターンをコントロールしたい人

例年、試乗ではサイズが限られている為、156を基準に自分に合ったサイズを想像していましたが、22-23はそのおかげで良い比較ができました。

僕の身長体重(181cm/71kg)では通常なら158を選ぶところですが、CUSTOM 156がドンピシャなサイズ感だったのです。そこで、CUSTOM156とX156を乗り比べてみることにしました。

両モデルに共通するのはターン性能。どちらもコントロールが楽に出来ますが、Xはダイナミックで、いつもより早いテンポで切り返す事が出来ました。

ただ、やはりX。身体に負担はかかります。Xで遊ぼうとすると、体力とスキルが必要になりますが、X特有の早いリズムに慣れれば、トリッキーなターンも自在に操れるようになる予感がします!

勇介くんのレビューに「CUSTOMよりもトーションが柔らかく感じた」という意見がありましたが、僕は更にトーションを掛けて戻ろうとする力がCUSTOMよりも圧倒的に速く感じました。その性質がターンやカービングに生きているのかなと思います。

CUSTOM Xキャンバーは来季もハイスペックかつ、レベルに応じて「良い部分」が発見できるボードです。初~中級者の方はスピードを出すのが好きな人にお勧めします。

-FLYING V-
ますますFANにアップデートしたCUSTOM X FV

BURTON 22-23 CUSTOM X FV 平山雅一

CUSTOM X FV/¥93.000+TAX
SIZE:154(250ww),156(252ww),158(254ww),162(256ww)

CUSTOM XをダブルキャンバーにアレンジしたCUSTOM X FLYING Vは、年を追うごとにファンな方向へ猛進しています。

キャンバー版のXは初心者から性能の良さを感じられるのに対し、XFVは多くのボードを乗り込んできた上級者たちが、遊びを追及するためのモデルだと捉えています。

軽く、スピード感があり、スイッチもパウダーもスタビリティーも、バッチリ。ダブルキャンバーの特性が見事にハマった傑作です。

フレックストーション

BURTON 22-23 CUSTOM X FV 竹田礼
BURTON 22-23 CUSTOM X FV 近藤勇介
BURTON 22-23 CUSTOM X FV 竹田礼

ディーラー試乗会で撮り損ねてしまったX FVのフレックストーションですが、特徴がよくわかる滑走時の画像がいくつかありました。

力を加えると全方向にしなり、戻ろうとする力も強いのがFV。特にノーズとテールは遊びやすいポイントです。この性質を上手く利用すれば、スノーボードはもっと楽しくなると思います。

X FVの人気は北米と北海道ならでは?

BURTON 22-23 CUSTOM X FV 近藤勇介

BURTON JAPANのプロダクト担当者から興味深い話を伺いました。CUSTOM X FVは、プロライダーのプロモーションが無くても、北米ローカルから絶大な信頼を得ているそうです。

BURTON JAPAN

CUSTOM X FVが残り続けている理由は、北米のコアなシーンで支持されているから。彼らは、大きな山の不整地、ギタギタに荒れた地形をハイスピードで滑っています。

フリーライディングのメッカである北米のスノーボーダーたちが、北海道に住む僕たちと同様の使い方、遊び方でX FVに乗っていることに嬉しくなりました。

良くも悪くも、「日本でCUSTOM X FVを推しているのはMOJANEくらいだ」と言われますが、コンディションに左右されずにゲレンデ全体を思いっきり滑りたいというユーザーが多く集まっているからだと思います。また、そのために必要な総合的なスノーボードスキルを身に付けたいと考える方がX FVを選んでいます。

午後からの荒れたパウダーをスイッチスタンスで遊びたい中~上級者にとって特別なモデルです。

個性全開!CUSTOM X FLYING V試乗レビュー

BURTON 22-23 CUSTOM X FV 近藤勇介

CAMBERと同日、諸橋以外の3名がCUSTOM X FV 156を試乗しました。彼らのライディングをみれば、X FVがどんなテイストなのか直感できると思います。

メンバーの総合評価

BURTON 22-23 CUSTOM X FV 表1
BURTON 22-23 CUSTOM X FV 表2
BURTON 22-23 CUSTOM X FV 表3

CUSTOM X FVといえば、レビュアーの平山くんです。僕は彼を「日本でただ一人、CUSTOM X FVの専門家」と評しています。「平山くんみたいに滑るには?」CUSTOM X FV一択です。

CUSTOM X FVは唯一無二!!
平山雅一

BURTON 22-23 CUSTOM X FV 平山雅一
平山雅一 174㎝/65㎏/Regular

使用バイン:FALCORE 18-19モデル 12,-12
このボードで滑りたい場所:ヒラフ スーパーコース、ストリベリーゲート、ルスツスーパーイースト
ビンディングの相性:攻撃的なチューンナップの方は反応の速いモデル、メロウなチューンの方は柔らかいモデル
どんな人に合うボード?:パウダーで攻めたい人、レギュラー、スイッチ問わず気持ち良く浮きたい人

X FVに関しても、キャンバー同様トーションの質が良くなっています。

FVの場合、前後の体重移動による動きが多くなるのですが、形状上キャンバーほどノーズテールフレックスの影響は受けずらく、その分センターのフレックストーションが重要になってくると僕は感じています。

そういう意味では、トーションの粘りが効くようになったことで、全体的なバランスがとても良く仕上がっているように思いました。

例えば、X FV唯一の難点だった「硬いバーンでの高速域のエッジバイト」ですが、僕が現在愛用している2季前のモデルよりも粘る事が出来、ターン後半のズレも少なくなっていました。

試乗当日のコンディションがノーパウダーだったのため、このボード最大の魅力である浮き感やハネ感は試すことができませんでした。実体験として、製品版の仕上がりや、工場出荷時の微妙な反り具合の個体差によっても、乗り味が結構変化するボードだと思うので、パウダーでの詳細なレビューは出来かねますが、例年通り他に類を見ない唯一無二のボードであることは保証できます。後は、しっかりと自分のスタイルに合ったチューンナップを施して、自分らしいX FVを作り上げてほしいと思います。

パウダーで乗ってみたかった~!

CUSTOM X FVを名乗った新たなパウダーシリーズ
竹田礼

BURTON 22-23 CUSTOM X FV 竹田礼
竹田礼 181cm/58kg/Regular
使用バイン:NOW PILOT 12,-9 55cm

今回の試乗は数日間降雪がなく、パウダーはあまりなかったものの、ピステンのコンディションは最高でした。

パウダーのコンディションが良ければ、他のパウダーボードの楽しさが際立ったかもしれませんが、今回のようなコンディションでもCUSTOM X FVの存在感は圧倒的でした。

なんといっても「浮く」。パウダーの浮き感や性能だけを切り取ると、ファンなパウダーボードなのかと思ってしまいます。

その乗り味を生み出しているのが、ボード形状です。フラットな雪面にポンと置くと、真ん中から折れているかのような大胆な反り具合がよく分かります。

気になるのはカービング性能です。滑走中は、前足よりは後ろ足付近にキャンバーを感じられるので、気持ち後ろ荷重で重心をおきつつ、後ろ足から前足へ送り出すようなターンをすると気持ち良く乗れました。

また、地形遊びでも全くストレスを感じませんでした。FVのおかげか、壁・バンク・ウェーブといった緩急ある地形に臨機応変に対応してくれます。

一般的なパウダーボードだと、苦手なシチュエーションやピステンでのカービングターンに対してのクセがあることも多いのですが、その弱点を補っていけるのがXFVなのかな、と思います(そもそもパウダーボードではないのですが…)。

フリーラン×パウダー、どのコンディションにも対応できるハイブリットボード。1シーズン通して楽しめる、割と欲張りなオールインワンです。

遊べるパウダーX
近藤勇介

BURTON 22-23 CUSTOM X FV 近藤勇介
近藤勇介 72㎝/70㎏/Regular

使用バイン:X BASE 15,-9 54cm
このボードで滑りたい場所:桂沢、ほろたち、レースイ
ビンディング相性:レスポンスのあるビンディングが◎ダッグスタンスで乗りたいです。
そんな人に合うボード?:パウダーの地形を使って遊びたい人、スイッチを多用する人、ゲレンデ内滑走が多く、ピステンもサイドカントリーもオールラウンドに板1本で楽しみたい人

先シーズンから注目していた板の一つです。見た目は見事なV字のロッカーとなっていて、ピステンでの滑走が心配になるほどでしたが、乗るとしっかりとエッジングしてくれるので、結構びっくりしました。

今回パウダーでの試乗はできませんでしたが、21-22モデルと変わらない浮き感は十分あると思いました。

この板はスイッチランを重要視して作られた板だと思います。特にパウダーでスイッチの浮き感となると、このFV形状は最強なのでは?

僕は最近スイッチを意識して練習するようになりましたが、この板で終日ビッグマウンテンを滑ることを想像すると、コンディションによってはスキル不足が心配です。なので、小・中規模の少し斜度のある山でポコポコとジャンプしたりスイッチ練習をしたりしたいです。

モロのつぶやき

BURTON 22-23 CUSTOM X 平山雅一

長引くコロナ禍で、僕たちの暮らしは大きく変わりましたが、外国人で混み合うはずのスノーリゾートでノートラックを悠々と堪能できたことは、道内在住のスノーボーダーにとって唯一のメリットだったかもしれません。午後になっても、まだまだ雪面が荒れていないことに歓喜したローカルも大勢いることでしょう。

この2シーズンの間に、パウダーボードの人気が高まったのは当然の結果です。

ただ、ウィズコロナ~アフターコロナへと向かって、世界は確実に進んでいます。世界中からスノーボーダーが帰ってくる日はそう遠くありません。

大勢の旅行者がパウダーを狙いにやってくる…数年前の風景をイメージしたとき、やはりMOJANEにはCUSTOM XとCUSTOM-X FVが不可欠だという答えに舞い戻ります。荒れに荒れたパウダーを滑りこなしてこそ、北海道らしいスノーボーディングだと思うからです。

結局、22-23もMOJANEの激PUSHモデルは、CUSTOM X / XFVです。


BURTON INFORMATION

CAMBER
BEND: Camber
SHAPE/FLEX: Directional, Twin
Dragonfly™ 600G Core with Multizone EGD™, Squeezebox
FIBERGLASS/BASE: 45° Carbon Highlights High Voltage, Sintered WFO
EXTRAS: Frostbite Edges, Infinite Ride, The Channel®, Pro-Tip, Super Sap® Epoxy
Artist: Brendan Monroe
Personality: 6-9 (Medium – Aggressive)
TERRAIN: Park: 6/10, All-Mountain: 9/10, Powder: 7/10

FLYING V
BEND: Flying V™
SHAPE/FLEX: Directional, Twin
Dragonfly™ 600G Core with Multizone EGD™, Squeezebox
FIBERGLASS/BASE: 45° Carbon Highlights High Voltage, Sintered WFO
EXTRAS: Frostbite Edges, Infinite Ride, The Channel®, Pro-Tip, Super Sap® Epoxy
Artist: Brendan Monroe
Personality: 5-8 (Medium – Aggressive)
TERRAIN: Park: 5/10, All-Mountain: 9/10, Powder: 7/10

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  1. とても参考になるサイトありがとうございます。
    04⁻05年のT6、P1、IONを17年間も使用しておりましたが、昨年ブーツとバインが壊れてしまい、今年はStepon IONとRe:flexに買い替えました。これでスキーの子供にリフト後に置いて行かれないかなと思っています。
    ボードは移り変わりに全くついていけず。歴史を追った記事などとても参考になりました。まだボードは使えるため、来シーズンもT6を使用する予定ですが、予算に余裕がでたらこちらのサイトを参考にさせて頂きます。

    • 50歳ボーダーさん
      コメントありがとうございます。
      04-05 P1は僕もMALOLOとのコンビネーションで使っていました!17年ぶりの買い替えは、ギアの進化が一段と感じられたのではないでしょうか。
      STEP ONは良い選択だと思います。 

      ボードも着実に進化を遂げています。T6時代の様なある意味派手な開発は見られなくなりましたが、近年は乗りやすく扱いやすく、洗練された乗り味に向かっていると感じます。
      ボードを新調する際は、是非BURTON CUSTOMを基準にしてみてください。きっとこれからも時代をリードしていくボードだと考えています。

  2. Custom Xのレビュー参考になりました。
    私が所属しているスクールは、ハンマーヘッドやアルペン以外ではCustom Xを選択している人が大多数なのですが、その理由が今回わかったような気がします。
    次の板は選ぶとしたら、ノーズが刺さるようなシャバ雪でも乗り越えてゆくDeep ThinkerかHometown Heroか考えていたのですが、CustomXも検討したいと思います。

    • kamioka さん
      コメントありがとうございます。
      CUSTOM-Xは刺さってもモノともしない安定感があると僕でも感じられます。逆に、DEEP THINKERやHTHはノーズが長く、かつ柔らかいので、そのまま刺さってしまう印象がありました。きっと、テクニカルやスクールの方々のノウハウだと、また別の視点からも良い部分があるのだと思います。
      試乗された際は、是非お聞かせください!

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