北海道を遊ぶために開発されたショートワイド
21-22シーズンにFjellから登場したMT1180 HOKKAIDO、通称マウント北海道。
僕がこのボードとひと冬を過ごしたレビューと、実際にご購入頂いたユーザーから頂いた声をまとめます。
Fjell MT1880 HOKKAIDOの紹介記事の追記としてご覧ください。
今、目の前にある雪に突っ込んでいくライブ感!
21-22シーズンは札幌近郊の降雪量が多く、札幌2時間県内にあるローカルゲレンデがMT HOKKAIDOの最高のステージとなりました。
特に印象的だったのは、美唄国設スキー場のナイター(膝上のさらさら湿雪)、萩の山スキー場(圧雪/湿雪10cm/ピステン)、キロロ(湿雪20cmのパウダー)など。
そこで感じたのは、MT1180 HOKKAIDOが持つ初速と切り返しの「速さ」です。ショートワイドの安定感に加え、スピード感とクイックな動きが際立ちました。
バンピーなコンディションでもテールを踏めば一件落着。不安定な場所でもオーリーが決まるので、ちょっとした起伏が連なる場所はポンポンと飛んでいけます。
練習を積むというより、最高のシチュエーションに身を任せて遊ぶイメージのボードです。
パウダーハンティングボードとして激プッシュ!
ハイシーズンのパウダーでは、初速がつきやすく、緩斜面でもスピードを維持し続けます。
張りのあるテールは、多少雪が荒れていたり、湿雪と新雪が混ざったコンディションでも頼れるコントロール性能でした。
代表的なショートファットYES THE420よりも飛び出しやすく、浮力による反発を受ける事なく着地できます。また、小気味よく切り返せるターンにワクワクしました。
ディープパウでの圧倒的な浮力
とにかく沈みません。深い雪でもノーズが雪面から常に覗いていてコントロールが効きました。
ローノーズロッカーですがノーズフレックスが柔らかくトーションが効くので、タイトな沢でもノーズが詰まりづらく、地形をなぞる様に雪面を捉えて進みます。
ノーズから素早くターンしてくれるので、長いボードに乗っているかの様な安定感があり、ターンやスラッシュではショートワイドならではの回転性がありました。
サーフィンのような…というとありきたりですが、例えるなら玉石で波が上からゆっくり崩れる波で次のセクションを探しながら余裕を持ってクルージングしている様な感覚、スープで捕まっても、すぐにフェイスに切り抜けられる長いボードのようなスピード感があります。
パウダー×バンクが最高に楽しい
壁での回転性や当て込みから次に繋がるスピードは、テールの硬さと、後方のサイドカーブが大きく影響しているようです。
壁遊びでは、自分のイメージ通りにボードが動き、本当に楽しかったです。
タイトなピッチで当て込んでもスピードを維持し続けてくれるので、狙う回数が多くなり、思う存分に当て込めました。 壁の底からトップまでフルに使うように遊びましょう!
圧雪カービングは両足踏みで
このシェイプのデメリットは、圧雪でのテクニカルなターンには不向きだという点です。
テクニカルの現役選手で、サーファーでもある田中さんに試乗してもらったところ、後ろ足で強く踏み込むとターンがぶれてしまうと、最後までセッティングに悩んでいました。
これもまた、レングスやサイドカーブの特徴なのかもしれません。
一般的なボードは、前足できっかけを掴み、徐々に後ろ足へ荷重を移動させていきますが、MT 1180 HOKKAIDOでは、ローキャンバーがあるので、両足を同じタイミングで踏むほうが安定しました。
滑り方にもよるかもしれませんが、僕は両足踏みの方が足下真ん中のキャンバーが使えて、サイドカーブ前後の変化にも対応できる気がしました。ボードも起こせるし、圧雪ターンも心地よく進みます。ミドルからショートターンが面白いボードでした。
もしも、ターンに違和感を感じたら両足踏みを試してみてください。
※パウダーなら前足きっかけ、後ろ足荷重ができます。
一見、平坦な山の端っこが、今日の遊び場に
斜度がなく、ツリーや起伏、タイトな場所を好むボードなので、道内各地のローカルスキー場の規模感ピッタリなモデルです。
ルスツやニセコといった大型リゾートに持ち込むなら、圧雪が長く続くコースを避けて、サイドカントリーとコースを縫う様な遊び方が合います。
コースの区切りがない旭岳のツリーラン(山の中腹以下から)も、絶対に楽しめるはず。トラバースもストレスを感じにくいので、新しいエリアの開拓にもぴったりです。
乗れば乗るほど面白い!MT1180が「良い」理由
早速MT1180 HOKKAIDOを手にしたのは、数多くのボードを乗り継いできたMOJANE屈指のギアオタクたちでした。
彼らに共通しているのは、ブランドやトレンドに捕らわれず、オリジナルの審美眼を持ち、MT HOKKAIDOに良く似た姿のボードを知っていること。
例えば、先にも比較対象として挙げたYES THE420や、BURTON BOTTOM FEEDER、ニセコモイワに拠点を置くOFSR SEABISCETも類似と言えるでしょう。
ではMT1180は?彼らが口々に「予想外だった」と報告してくれたのは、圧倒的なスピードと浮力でした。
また、150ワンサイズでも、160cm台から180cm台まで、50kg台から80kg台までの体格差がある方々が、直感的に楽しみ方を発見してくれたことは、とても嬉しい結果です。
なかでも、YES420や3Dソールを経験してきた屋敷くんと、ギア分析を得意とする多田くんが、とても熱いフィードバックを寄せてくれました。
縦横無尽、人生で一番のFUNボード!
屋敷 祐介
まず、この板を持った時に思ったのが抜群に軽いという事でした。そして、何よりスピードが半端なく速いです。
特筆すべきは緩斜面を滑った時です。ルスツのフリコの沢コースの緩斜面でもスピードが一切落ちませんでした。
また、取り回しもしやすく、今までは躊躇していた、タイトなツリーランも難なくこなせました。
以前乗っていたYESの420の上位互換と言って差し支えないと思います。こちらの方が大きなターンがしすく、軽いので大分扱いやすいです。
沢地形の壁に取り付いてスラッシュをするのもいいし、ボトムをぶち抜いて行くのも非常に気持ちいいです。
個人的には、扱い易い事この上ないので、3点セットから脱却する時の選択肢としてもいいのかなと感じました。
ビンディング選びで革命が起きる⁉多田 稜亮 165cm/57kg
センターからテールにかけてフレックスが硬めになっているためか、反応が凄く良いので、タイトなツリーランで活躍しました。
軽く取り回しも良いので地形遊びも楽しく、高速域でのカービングも安定しています。
150というレングスからは想像できないほどの浮力もあります。降雪40cm超え翌日のニセコに持ち込みましたが、ノーズが自然と浮いてくる感覚があり、最高でした!
ただ、ビンディングによって印象が変わりますので、選定も大切だと感じました。
硬いUNION ATLASではカービングが調子良いボードだと感じられ、SALOMONのHIGHLANDERのような横にある程度遊びがあるモデルでは壁遊びがしやすくなり、相性が凄く良かったです。
次のシーズンはNOWのSELECT PROでヒールカップを試してみようと思っています。 そうした試行錯誤も楽しんでいます。
木村さん/ MT HOKKAIDO 白×黒 NOW SELECT
朝寝坊できるパウダーボード。誰も行かないところでも余裕で突っ込んでいける推進力は、レイジーな道民の気性に合う。
ニセコの山頂から大斜面も、東尾根、ストロベリーから美唄まで、本当にどんな場所でも遊べる。
館山さん/ MT HOKKAIDO 白x黒 GENESIS(L)
30kgのカメラバッグを背負っても維持し続ける浮力。
前振りのアングルよりも、ボードに対して垂直気味の方がコントロールしやすい。良いバランスでテールが残るのでコントロールが利く。
川村くん/ MT HOKKAIDO 白×白 NOW DRIVE
常にノーズが沈まないギリギリのポジションに居続けるから突っ込める。
地形をトレースするように浮き、テールの反応が良いのでリスクマネージメントがしやすい。身近なスキー場でも楽しめる事がわかりました。
INFORMATION
FJELL SNOWBOARDSの各モデルはMOJANEで展示・販売中です。ご予約も随時承っております。
MT1180|HOKKAIDO SIZE:150 PRICE:¥95.500+TAX