大きな山の非圧雪を気の向くままに突き進むなら
21-22シーズンより本格的にラインナップしたMT1365は、バンピーなパウダーエリアを軽快にこなす、フリースタイル要素全開のパウダーボードです。
小規模なローカルゲレンデよりも、札幌国際の荒れたダウンヒルやキロロの長嶺、旭岳といった大きな山の非圧雪エリアでその能力を発揮します。
MOJANEユーザーが大好きな”午後からの残パウ”が、ますます楽しくなること請け合いです。
またこのボードは、Fjellと同じくノルウェー出身のスノーボーダー、アンドレアス・ウィグと共に開発したという注目作でもあります。
僕と同じアラフォー世代なら、彼の魅力を語れる方も多いことでしょう。
ノルウェーの山々で育ったFjellとアンドレアス・ウィグ。彼らが作るフリースタイルボードが、ただ滑り降りるための板であるはずがありません。
アンドレアス・ウィグ Andreas Wiig
2007年以降、X-GAME スロープスタイルで2度チャンピオンに輝き、マックダウ・プロダクションで多くのビデオパートを獲得。十八番のバックサイドロデオをあらゆる地形で繰り出してきたノルウェーが誇るレジェンドスノーボーダーの1人。
軽く、速く、弾き、浮く。そして爽快なターン
MT1365は、ブランド設立時からの2モデル、MT1542 / MT1230を良いトコ取りしたイメージです。
サイドカーブも自然で乗り味に癖がなく、Fjellで最もオールマイティー性が高いモデルだと思います。パウダーボードでありながら、1本でフルシーズンを過ごしたい人にもおすすめです。
低速でも浮力がありますが、スピードに乗れば乗るほど、その浮力を使った遊びが次々と湧き出てきます。また、スムーズなターンも同時に味わえるので、シチュエーションをフルに使った表現が可能です。
スノーボードをロジカルに考えたりせずに、一瞬一瞬を思うままに滑る。
そんな、フリースタイルの楽しさを再確認させてくれる開放的な乗り心地は、Fjellボードに共通する特徴かもしれません。
Fjell 各モデルの特徴
MT1542 : バックカントリーやノートラックゾーンを意識した純正パウダーボード
MT1230 : トリックをしながらクルージングする、浮力を備えたツインチップボード
MT1180 HOKKAIDO : ローカルゲレンデや、ツリーランを楽しむパウダーボード
MT1365 : ボコボコエリア大斜面もOKな躍動感のあるパウダーボード
ディレクショナル×キャムロック
MT1365のベンドはキャンバーとロッカーのハイブリッド、キャムロック構造。
ディレクショナルにセッティングされたキャンバーを両足で踏めば、足下のグリップを高まるので、硬いバーンや斜度のある圧雪エリアも怖くありません。
また、長いノーズロッカーは、スピードが出ても安心して身を委ねることができます。急斜面が得意ではない人も、このノーズロッカーなら恐怖感を軽減できそうです。
テールのキックがあるおかげで、メインスタンスでのオーリーはタイミングが掴みやすく、複雑な地形でも遊べます。 パウダーでスイッチ着地をしても、十分に機能してくれました。
コース脇にあるバンクを使った50-50やオーリーなど、スケートライクなライディングにもぴったりです。
フレックストーション
センターはややフレックスが強く、ノーズとテールはミドルフレックス。トーションは硬くなく、かといって柔らかくもありません。
どんな人にも扱いやすい設定かつ、ルスツのような大きな山で思い切りかっ飛ばしても十分に対応してくれる内容です。もちろん、Fjellボードらしいスタビリティーもしっかり備わっています。
サイズバリエーション
オールマウンテン性で言えば、MT1542やMT1230も申し分なく使う事が出来ます。それらと比較して、MT1365を選ぶべき理由の一つが、サイズバリエーションです。
用意されているのは、152,157,161.8,168,全4サイズ。
シグネイチャーサイズは168ですが、日本人の体型や使用環境を考慮し、アジア向けのサイズ展開をリクエストしました。FJELLの世界観を、多くの方に体験してもらえるモデルになると期待しています。
サイズ選びのポイントは、細かくボードを動かすか、大きく乗るのか。この後のレビューをご参考ください。
類似モデルは、BURTON CUSTOM X FV ⁉
バックグラウンドやコンセプトは全く異なるモデルですが、荒れたパウダーを遊び場にしている北海道ローカルの視点からは、MT1365とXFVの全体像はかなり似ているように感じます。
X FVはスイッチスタンスでのライディングが可能。ロッカーベースなのでスイッチスタンスの時に、逆足(レギュラーの人は左足)でボードを踏める方はX FVの方がスキルを活かせると思います。
一方、MT1365は足元にキャンバーがあるため、両足踏みでの操作が簡単。初中級者にとっても乗りやすいはずです。メインスタンスでの浮力とスピードはX FVを超えるかもしれません。
FjellオーナーKjetilさんの解説
MT1365 は、アンドレアス・ウィグの経験とライディングにインスパイアされています。
私たちは、山全体で使用できるフリースタイルボードを作りたいと考えていました。
アンドレアスは、安定したライディングと着地のためのより硬いボードを求めていました。
また、エッジからエッジまで簡単かつ迅速に、パウダーからパックされた雪までの方向性とセットバック形状を備えたボードを求めていました。
ノーズとテールを大きくし、わずかにテーパーを付けることで浮力が増し、硬めのフレックスがターンでの素早い反応と安定した着地を実現します。
より大きなライディング、サイド、エア、ラインのための長いレングスだけでなく、さまざまなライダーに最適なカスタマイズされたサイズを用意しています。
MT1365(157/161.8)試乗レビュー
3月上旬の旭岳に2サイズを持ち込みじっくりとテストしました。当日は晴天、 -8~ -2° 最高のパウダーコンディション!
MT1365 161.8 56cm 18/ 0°
大きなラインがよく似合うボードですが、遊びも取り入れられるのがポイントです。大きいボードでありながらも小回りが利き、ツリーも軽快に滑走できました。
ロッカーベースですが、キャムロックがしっかりと機能してくれて、バンクでもボードが軽やかに動き、エッジtoエッジも早い!
スウィングウェイトは自分にとってはやや重いと感じましたが、安定感と捉えることもできるので、これは好みの問題。
今の自分には、ややオーバーサイズに感じたけれど、開けたエリアや大斜面をかっ飛ばすなら、このサイズで十分に対応できるはず。次は21° +3°を試したいです。
MT1365 157 56cm 18/ 0°
僕は、斜度の無いツリーランやマッシュ、バンクを当て込み、迂回コースにあるような壁で遊ぶのが好きなので、旭岳もタイトなエリアや最後の廊下で遊びたい派。この日は、157が完全にフィットし、沢を完全に攻略出来たので大満足でした。
サイドヒットもバンクも、普段よりスピードを上げて対応できる印象。浮力も全く問題なし。ノーズとテールのフレックスが雪の状態に応じて変化してくれる感覚がありました。
心強いのはやはりスタビリティー。目の前のセクションにフォーカスするのではなく、一歩先を見る余裕を与えてくれます。ボードを回転させ、縦横無尽にセクションを当て込みたい人にはかなりオススメ。
非圧雪エリアでの機動力はCUSTOM X FVと同等の満足感でした。
INFORMATION
FJELL SNOWBOARDSの各モデルはMOJANEで展示・販売中です。ご予約も随時承っております。
MT1365 SIZE:152, 157, 161.8, 168 PRICE:¥108.000+TAX