車は?ギアは?シーズン券は?
経験者が語る札幌のスノーボードライフ
毎年、仕事や学業などで札幌に移住してきたスノーボーダーが、ローカル情報を求めてMOJANEにいらっしゃいます。
18-19シーズンからお越しいただいている高山 裕二さんも、そんな転勤組のひとりです。
今回は、北海道で4度目の冬を迎えようとしている高山さんに、札幌のスノーボード環境について聞きました。
これから札幌で暮らす予定のスノーボーダーはもちろん、長期滞在型スノートリップを計画している人の参考になるはずです。
高山さんに札幌のスノーボードに関する8つの質問
Q.北海道で初めて滑った山とその印象を教えてください
A.キロロスノーワールド
「とにかく雪がいい!ゲレンデが空いていて貸切気分でした。 また、北海道のリゾートは岐阜県よりも斜度がきつい印象。ここで初級??とか思うことがよくありました。」
高山さんが札幌に移住した年はコロナ禍直前。道外・海外からの旅行者の数もピークの時でした。それでも平日のゲレンデは比較的ゆったりしていたと思います。
北海道のコースは、初級と表記されていても実は中級レベルのコースが多いので、どのコースでも遊べてしまいます。初心者に優しい初級コースが整備されてきたのはビジターが増えたここ最近の話です。
Q.マイカーを持たなくてもスノーボードライフは楽しめる?
A.カーシェア/レンタカーが自宅近くにあれば不便はない
カーシェアやレンタカーが自宅近くにあるので不便は感じていません。費用は3万円/月くらいです。
実際に体験したトラブルとしては、カーシェアで前の人がガソリンを入れていなくて困った事がありました。北海道のガソリンスタンドは早朝からやっていないので…。
あとは、観光シーズンは早くから手配しないと全く借りられません。滑りに行く日は朝から借りるのですが、前の人の返却が遅れたり、車の故障で直前にキャンセルになったことが2回あります。
スノーボーダーにマイカーは必須!と思いがちですが、交通網が整ったエリアに住み、レンタルやシェアサービスを活用する方も増えています。
シェアカーでひと冬過ごしたのち、リースに切り替えた方は「費用は倍になったけれど、自由度が増した。」とおっしゃっていました。 家族構成や休日・休暇が暦通りかどうか等々、条件によってマイカー派、シェアカー派、リース派に分かれそうです。
Q.冬道運転は問題ありませんでしたか?
A.ホワイトアウトさえしなければ、本州より運転しやすいですね。
大雪直後を除けば、主要幹線道路は走行しやすいと思います。ただ、細い抜道でショートカットを企てると、轍や車線縮小などで逆に時間がかかってしまうことがあるので注意。ホワイトアウトや大渋滞など、トラブルに備えて早めの給油を心がけましょう。
Q.北海道に来てギア選びは変わりましたか?
A.やはり、パウダーを考慮した選び方になりました。
北海道に住む以前はパウダーに当たることも滅多になかったので、パークや圧雪バーンのための選択をしていましたが、北海道のトップシーズンは毎週パウダーです。貸切状態の広大なバーンとなると滑走スピードも上がるので、以前よりワンサイズ長く・硬い板を選ぶようになりました。
北海道に来たからには、まずは「フリーライディング」を存分に楽しんで頂きたい!
MOJANEが得意とするのは、ジャンルに縛られず、コンディションを選り好みせず、山全体を思うままに滑るスタイルです。初めてご来店いただいた高山さんに僕がご提案したボードは、パークや地形遊びに対応し、思いっ切りパウダーが楽しめるBURTON HOME TOWN HEROでした。キャリアが長いフリースタイラーの高山さんにピッタリな1本ではなかったでしょうか。
Q.寒さ対策と装備にも変化があったようですね?
A.ゴーグルとレイヤード、大事です。
最も重要だったアイテムは、ゴーグルです。ルスツのトップシーズンは曇ったらすぐに凍ってしまうので、かなりシビアです。ツリーランも多いのでレンズに雪が付着しにくいものを選びます。
極寒のためファースト・セカンド・サードレイヤーにも気を使います。滑走中はかなり動く方なので、着膨れせず速乾性・保温性の高いものを選んでいます。
1~2月の北海道は、小規模の山でも寒さが厳しい日が続きます。標高が高い山に行く日はゴーグルのスペアは必須です。
また、厳冬期の寒さを初めて体験した方から「何を着ればいいんですか」と聞かれることが多いです。みなさん、ハイスペックの”アウターウェア”に気を取られがちですが、高山さんの言う通り、実はインナーが重要です。-10°環境ではライディングで汗をかいても常にドライを保てなければ、リフト待ちやゴンドラで凍えてしまいます!
Q.高山さんが体験した北海道スノーボードの注意点は?
A.ツリーランで知らない人に付いていかないこと
最高のコンディションだとしても、ツリーランで知らない人に付いていっては絶対にダメです。酷い目にあいます。
まして、迂回コースや長いトラバースでボードが走らないと本当にキツい…。北海道こそワックスが重要です。
MOJANEで買わされることにも注意してください。
[#買わされました]はMOJANEユーザーの証です。板にMOJANEステッカーを貼っている人を見かけたら傷を舐めあってください。
サイド〜バックカントリー探検は、ローカルも注意しなければいけません。滑走跡を追って入るのも厳禁!ガイドや信頼できるコミュニティを通じて開拓していきましょう。
ワックスのワンポイントは、ハイシーズンは雪の結晶が尖っているので、硬いワックスを。滑走面に汚れが付きやすい春はスクレーパーやブラシを携帯すると役立ちます。
Q.道外から来た人に勧めたいゲレンデはどこですか?
A.有名リゾートからローカルスキー場まで、面白い山がたくさんあります
- ニセコエリア
- ルスツリゾート
- 美唄国設スキー場
- 富良野スキー場
世界を魅了するスノーリゾート。夜のニセコヒラフの盛り上がりもまた魅力的。
1日があっという間に過ぎてしまう!同じ場所を滑り切ることが出来ない程広い山。
北海道らしいTHEローカルゲレンデ。美唄市内に降雪があった場合、地元の人は朝10時ぐらいからやってくる。
きれいな圧雪コースが魅力の山と、斜度、起伏が激しい山の2つの山が楽しめる。
3年間で道内各地のゲレンデを巡っている高山さん。黒岳で一緒に過ごした日は「せっかく来たから」と、ゲレ食を2回も楽しんでいたのが衝撃的でした。ゲレンデ存続のために僕らができるアクションです。
北海道には小さくても遊べる山が本当にたくさんあり、ご当地ならではの空気感やグルメも味わえます。大型リゾートを体験したあとは、小規模のローカルゲレンデにも注目してください。
Q.逆に、僕ら道産子が本州に滑りに行くなら、高山さんの推しゲレンデは?
A.妙高杉野原 or 野沢温泉
妙高杉野原はスノーボードにちょうど良い斜度と湿雪が特徴で、野沢温泉には立ち寄り湯など観光要素もあります(スキーヤーが多い)。 どちらも雪と地形が豊富で、3日では網羅できない位の飽きさせないゲレンデサイズ。北海道でいうルスツみたいなイメージです。
食事も美味しい、温泉も楽しめる、40代には最高のトリップになると思いますよ。
高山 裕二さんプロフィール
1978年生 千葉県出身(愛知県育ち)
スノーボードを始めた場所:めいほうスキー場
スノーボード歴:10年+10年ブランク+3年
好きなライディングスタイル:全てのスノーボード
好きなライダー:トラビス・パーカー
北海道在住年数:3年7ヶ月(2022年10月現在)
道内ゲレンデのお得なプランをハックしよう
各ゲレンデには、シーズン券や共通券、パックプランなど、様々な割引制度が用意されています。価格や特典内容は毎年更新されるので、積極的にチェックしましょう!
通いやすいゲレンデをホームに設定するもよし、コンディション重視で様々な山を気ままに巡るもよし。1シーズン毎に大規模リゾートを攻略していくのもまた、よし。
代表的な割引とサービス(2022年現在)
北海道スキーシーズンネット
全道の加盟スキー場のいずれかでシーズン券を購入すると、他の加盟スキー場でも特典が受けられます。通えそうなゲレンデが加盟していたらラッキー!
earth hopper
全国にある提携スキー場の1日券を、各スキー場で2回ずつ使えるというアースホッパー。3つの価格帯で、利用制限は7回~無制限!北海道エリアだけでもなかなか贅沢なゲレンデラインナップです。道内を広く楽しみたい人には良い選択かもしれません。
加森観光グループ共通シーズン券K-ウィンターパス(KWP)
ルスツリゾート、サッポロテイネ、十勝サホロリゾート、中山峠スキー場、4つのスキー場が滑り放題の共通シーズンリフト券。
札幌国際スキー場 くるトククラブ
チケット購入回数に応じて割引率が上がる札幌国際のサービス。5回購入(5ポイント)で1日券GET!入会金・年会費無料。
キロロスノーワールド ウェブ道民割
北海道在住の方はリフト券のウェブ購入でディスカウントコード(DOMIN0966)を入力すると割引が受けられます。シーズンパスを持っている人と一緒なら、同伴割がお得です。
キロロ&札幌国際 共通1日券
札幌近郊の人気2ゲレンデの共通1日券5枚セットがお得な価格でリリースされています。
札幌近郊の贅沢なスノーボード環境
札幌は、市街地でも一晩に30cmものパウダースノーが降るスノータウンです。
車で1時間圏内には仕事の後からでも通えるホームゲレンデが多数あり、2時間かければ世界が羨むスーパーリゾートが点在します。
公共交通機関でアクセス出来るリゾートが多く、雪のコンディションやメンバー、スケジュールに合わせて自由な選択が出来る場所でもあります。
仕事や学業で札幌に住むなら、是非札幌圏ならではのスノーボードライフを大いに楽しんでいただきたいと思います。