ヘリウムの様に軽い高機能レイヤード
20-21シーズンの北海道は、特に寒暖差が激しかったと思い返します。
1月の札幌市内でさえ、最低気温-11°から最高気温+6°の間を目まぐるしく行ったり来たり。例年にない気温のふり幅をゲレンデで感じていた方も多いのではないでしょうか。
それでも、僕が快適に過ごせていたのは、このレイヤードのお陰様。
20-21シーズンBURTON AKから登場したレイヤードシリーズ、HELIUM COLLECTION(ヘリウムコレクション)をご紹介します。
お店に立っているときも、泊りがけのスノートリップでも、もちろんスノーボーディングでも、とにかくヘビーローテーションでした。実用性の高いプレゼントをお探しの方にもお勧めです。
[AK]が一新、2つのレイヤードライン
スノーボーディングは、スケートボードやサーフィンと同様、全身をダイナミックに動かすスポーツです。BURTONは3Sでの身体の動きを深く理解し、ウェアづくりに反映させています。
そんなBURTONがハイエンドライン「AK」から2つのニューコレクションを発表したのは、昨20-21シーズンのことでした。
BURTON [AK] BAKER COLLECTION
最高品質の機能素材とインサレーション(中綿)を組み合わせ、重ね着のストレスを感じない快適な暖かさ。
BURTON [AK] HELIUM COLLECTION
湿度調整と通気性に長けたストレッチ素材により、蒸れや汗冷えを解消し、よりアクティブなスタイルを追求。
これらを一言で説明すると、BAKERは保温力、HELIUMは動きやすさ、です。
AKインサレーションの中で保温性を順位づけると、AK BAKER DOWN > AK BAKER LITE DOWN> AK BAKER STRETCH INSULATOR > AK HELIUM STRETCH INSULATOR の並びになるそうです。HELIUM STRETCHの保温性は最下位ですが、それでも北海道で使用するのに十分な暖かさでした。
BURTON JAPANによると、「基本的に、保温性に優れた素材ほど透湿性は低くなる」そうです。ライディングでの汗冷えを考慮すると、蒸れにくいことが暖かさに繋がる場面も多々あります。お手持ちのレイヤードアイテムとの組み合わせを考慮して選びましょう。
BURTON akとは
アラスカの略称AKと名付けられた通り、厳冬の過酷な環境での使用を想定し、最新素材を用いた高機能かつ無駄のないスタイルを提案。アウターウェアの他、レイヤードやグローブ、ソックスまでが揃います。
アウトドアとしての雪山ではなく、あくまでヨコノリの視点から開発を続ける、BURTONを象徴するコレクションです。
ストレッチ性×通気性=快適な運動
MOJANEがセカンドレイヤーとして注目したのは、HELIUM COLLECTIONのSTRECH PANTS とSTRECH JACKETのセットアップです。
僕は毎年、新作レイヤードをいくつか試しますが、HELIUMのジャケット&パンツは中綿入りなのに薄く、軽く、思い切り滑って汗をかいても蒸れ知らず!ソフトマットな手触りも心地よく、久々に感動的なレイヤードアイテムでした。
このストレスフリーな着心地は、BURTONのオリジナル素材THERMACORE STERECH(サーマコアストレッチ)によるものです。
THERMACORE Stretch
AK Heliumシリーズに採用されているTHERMACORE Stretchは、最大25%もの伸縮性と透湿性が特徴です。ストレッチ素材のアウターシェル/ライニングと組み合わせることで最も機能を発揮するインサレーションです。
また、素材には柔軟性を重視し、リサイクルされていないバージンポリエステルを採用しています。(現段階でのリサイクルポリエステルはストレッチインサレーションに適した強度と収縮力に満たないため)
インサレーションのトップサードパーティーとして知られるALBANY社のPRIMALOFT®や、INVISTA社のTHERMO LITE®。これらは多くのアウトドアブランドが採用している素材です。BURTONも一部のアイテムに使用してはいますが、あえて自社開発を進めることで、オリジナリティとコストダウンの両立を図っているようです。
熱量を自動的に感知し最適化するLIVING LYNER™や、速乾性の高いDRY RIDE™といった既存の機能性素材に加え、このTHERMACORE™もBURTONプロダクトに欠かせない素材の一つとなっていくことでしょう。
MOJANEのHELIUMラインナップ
スノーボード時のセカンドレイヤーから、普段のワンマイルウェア、ルームウェアとしても活躍する使用範囲の広さも、HELIUMの魅力です。洗濯後の乾きも早いので、荷物を増やしたくないスノートリップでは最強のセットアップだと思います。
セカンドレイヤーをお探しの方にお勧めのジャケットです。
同シリーズにはフード付きタイプもありますが、スノーボードウェアのジャケットを重ね着すると首回りにボリュームが出てしまうので、このタイプを選びました。
セカンドレイヤーとしては、-10℃を下回るエリアでも活躍してくれました。この場合、もう少し保温力が欲しいと感じる方もいると思いますが、ベースレイヤーを見直すレベルで対応出来るでしょう。保温力を重視する方はBAKERコレクションをチェックしてください。
BURTONではありそうでなかった、アフターライディングやリラックスウェアとしても重宝するパンツ。中綿入りですが着ぶくれしません。
長距離ドライブの最中、背中やお尻の蒸れが気になる事がありますが、浸透性に優れているからかノンストレスでした。
また、スノーボードシーンでは、細身のボトムスでない限りウェアのシルエットを邪魔することはなさそうです。
AK POLATEC POWER GRIDの様なフード一体型のベースレイヤーと好相性、ゲレンデでの春コーデにも便利なフルジップベスト。
日常着としても取り入れるならベストが最適かもしれません。屋内外の温度差をクリアし、重ね着の幅も広がります。デスクワークでは、膝や肩にかけるだけでポカポカです。
横山君は、交通機関を活用してゲレンデに通うタウン型スノーボーダーです。
スノーボードを背負って地下鉄やバスを乗り継ぎ、ゲレンデに着けば、みっちりカービングに打ち込みます。そして、帰路へ。
これが彼の普段のルーティンですが、場面場面で暑さと寒さを繰り返し感じていたのではないかと想像します。久々に滑りに行こうと待ち合わせた時、HELIUMベストが役立っているようでした。
21-22シーズンは廉価版が登場
21-22シーズンは、HELIUMの機能を低価格で体験できるマルチパーパスインサレーションジャケット(BURTON MULTI-PURPUTH INSULATION JKT)がリリースされます。ラインナップはジャケットのみですが、AKのロゴは不要、コスパ重視、という方にお勧めです。
HELIUMと同素材のTHERMA COREを使った、セカンドレイヤー兼ジャケット。
スマートフォン・ウォータープルーフホルダーやノイズポケットなど、HELIUMには無い機能もプラスされ、より生活に密着した作りになっています。春秋の羽織物としても使い勝手の良い超万能アイテムです。
唯一のデメリットは、毛玉!
HELIUMは手触りの良い素材ですが、使用を重ねるごとにアームホールや脇、ポケット周りなどの広範囲に小さな毛玉が広範囲にできました。僕の場合、使用頻度が高かったので、摩擦が起きやすい部分へのダメージが早く現れたのかもしれません。
化学繊維特有の細かな毛玉は、毛玉取り機でさっと撫でるだけでは取りきれず、かといって毛玉取り機を強く押し当てると生地を傷つけてしまいそう…。くれぐれも慎重にお使いください。
こうした劣化を防ぐために、お洗濯は手洗いかネットに入れて手洗いコースで。脱水はほどほどに、バスタオルの上で干したり、型崩れを防げる平干しネット等を活用すると良さそうです。
これほど快適なアイテムなので、摩耗に対してタフになってくれれば、更に価値が高まると思います。
僕らに本当に必要なスノーボードライフウェア
スノーボーディングからアフターパーティーまで。それが、JAKE BURTONが目指したBURTON SNOWBOARDSです。
長距離移動が多いスノーボーダーのフライト疲れを考慮して作ったシューブランドGRAVIS (現在はBURTONではありません)や、撮影陣の為の雪山仕様のカメラバッグシリーズ、ノートPCスリーブ付のバックパックをいち早くリリースしたのもBURTONでした。
今回ご紹介したHELIUMのセットアップもまた、移動→ライディング→アフター→リラックスタイムまで、スノーボーダーの日常に役立つマルチウェアです。
スノーボーダーのライフスタイルと称して、スノーボードの域を逸脱したアイテムづくりに手を広げすぎているように見受けられた時期もありましたが、BURTONが本来得意とする「機能的なスノーボード用品」に立ち返り、強みを生かして、本当に必要とされるプロダクトを生み出そうとしているように感じました。今後も、更なる改良が進み、BURTONの名品が増えていくことを期待しています。