気分も一新!サーフボードの基本のお手入れ
ワックスアップとは、サーフボードに塗り重ねたサーフワックスを綺麗に剥がして新たに塗り替えること。この記事では、その手順や効果をご紹介します。
サーフワックスの重要性
実際に海でサーフボードの上に立つと、両足の指先までをフルに使った体重移動を行います。そのバランス運動を助けるのが、サーフワックスです。ボードに塗ったワックスが滑り止めとなりグリップ力が生まれ、確実なボードコントロールへと繋がります。
ワクシングが不十分だと、足が滑ってボードから落ちてしまったり、テイクオフのポジションが掴めなかったり…。心当たりのあるビギナーさんは、ワクシングを見直してみてください。
サーフボードのワクシングは、サーフィン用の固形ワックスを塗り重ねるのが基本です。殆どの場合、ベースワックスと水温に合わせたトップワックスを重ね塗りします。海に入る前は、毎回トップワックスを塗りなおすのが一般的です。
重ね塗りをし続けるのはNG!の理由
サーフィン用のワックスは、グリップを効かせるための”粘着性”が特徴で、塗布後の効果はボードを使用するほどに低下していきます。
1日のサーフィンで数回塗りなおす方が多いと思いますが、ベタつくワックスは海中の汚れや砂を吸着しやすく、汚れを含んだワックスの上にトップワックスを塗り重ねていくと、やがて不純物を多く含んだぶ厚く重いワックスの層が出来てしまいます。それは、ボードの浮力に影響を与えてしまう程の重さになっているかもしれませんし、黒ずんだボードはちょっと不潔な印象です。
ワックスの効果は層の厚さには比例しませんので、気持ち良くサーフィンをする為にもこまめなワックスアップをお勧めします。
このサーフボードは極端な例ですが、汚れたワックスが何層にも重なっていることが見て取れると思います。ワックスはすっかり黒ずみ、どこか不潔な印象があり、妙にメンタルに響きます…。削り取ったワックスは、驚くほどの量でした。これではせっかくのぼーどが台無しです。稀に、ワックスをゴテゴテに盛ったサーフボードを抱えている方を見ますが、サーファーならばサーフボードシェイパーへのリスペクトも忘れてはいけません。
ワックスアップの手順
サーフボードのワックスアップに必要な道具は、リムーバーとスクレーパー、ウェス、そしてサーフボードスタンド。サーフワックスの成分はエコロジーなものが多いですが、床や地面に落ちると張り付いてしまい、お掃除が大変です。
アスファルトなどの凹凸があり熱を持ちやすい地面や屋内で行う場合は、シートを敷く等、環境に合わせた準備をしてください。
スクレーパーを使い、ボードの中心に向かって汚れたワックスを剥がします。フットプリントがついたボードでは、凹みにワックスが残りますが、まず全体的にワックスを剥がしましょう。ワックスをボードの中央に集めるとワックスくずを床に落とすことなく作業が出来ます。
フットプリントに残ったワックスはレバーの端でこすりながら落とします。中央に集めたワックスくずをゴミ箱に落とし、リムーバーを噴射します。
リムーバーを噴射すると、10秒程度で取り切れなかった頑固なワックスが溶けてきます。再度スクレイパーで全体をこすり落とし、ウェスを使って拭き上げます。
トップのクリーニングが終わったら、次はボトム(裏面)へ。少量のリムーバーをウェスに染み込ませ、ボトムに付着したワックスもしっかり拭き取りましょう。
ボトム面をよく見ると、思いのほかワックスが付着して汚れていませんか?その主な原因は、サーフボードケースにあります。特に夏は車内温度が高くなるため、移動中や保管中に柔らかくなったワックスがケース内部に付着してしまいます。ケースから出し入れする際に、ワックスを塗ったサーフボードのトップ面とケースの面を統一しておかないと、ボトムにべったりとワックスが付いてしまうのです。
ボトムに汚れが付いていると水の抵抗を受け、スピードを妨げます。ボトムを綺麗に保つために、ケースに仕舞う際はトップ面を決めておきましょう。
最後に、リムーバーが蒸発するまで、サーフボードスタンドなどを利用して、しっかり乾かしましょう。リムーバーが乾く前に新しいワックスを塗っても、滑ってワックスが乗らないのでご注意を。
ワックスアップの頻度
僕の場合、5回に1回はベースワックスを剥がし、新たにワックスアップをして、気持ちも一新して次のサーフィンに望みます。
サーフィンは自然環境の中で行うスポーツで、ボードの破損は大変危険です。ワックスアップを面倒だと感じる方もいるかもしれませんが、傷や破損といったボードの状態を把握する上でも大切な情報源となります。黒ずみのない新しいワックスは気分が上がりますし、写真映りも格段に良くなります。