エッジの角度調整でイメージ通りの滑りへ
シーズンも中盤、理想のスノーボーディング、気持ちの良い滑りは出来ていますか?どうも納得がいっていない、という方にぜひ知ってもらいたいのがエッジのチューンナップ、通称エッジチューンです。
エッジチューンとは、レベルやライディングスタイルに合わせてエッジの角を立たせたり、丸めたり、傷や錆を削り落としたりするエッジ調整のこと。
初心者の方にとっては、あまり聞きなれないメンテナンスかも知れませんが、決して「上級者や選手のもの」ではありません。今よりも上手くなるため、理想の滑りに近づくために重要なメンテナンスです。
エッジの錆びや傷がスノーボードに及ぼす影響
エッジのチェックポイント
①錆:錆びついたエッジは雪面に引っかかり、ライディングのスピードを殺してしまいます。また、錆が進むとエッジを侵食していき、やがて修復不可能となってしまいます。
②傷:錆びと同様、ターン時に引っかかりを感じます。傷によって生じた細かな突起”バリ”は、滑走時に逆エッジを招く可能性もあり大変危険です。
③エッジの丸まり:角の無いエッジは、スノーボードが持つコントロール性能を低下させます。例えばアイスバーンや急斜面では全く歯が立ちません。また、レベルによっても調整を行う必要があります。上級者の必要とするエッジは危険が伴いますので、エッジチューニングの際は必ずレベルをお聞きしています。
普段あまりスノーボードのお手入れを行わない方や、中古ボードをそのまま乗っているという方は、まずはエッジに注目してください。
エッジが錆びついていたり、丸まっていたり、傷が入っていませんか?それらを取り去るだけで、ボードの乗り心地は驚くほど変わります。
また、全身の動作にも大きく影響しますので、出来なかった姿勢が取れるようになったり、正しいフォームを身に付けやすくなります。
エッジチューンの効果
MOJANE EDGE TUNING ¥5.500 TAX IN
エッジチューンを終えたスノーボードでまず試していただきたいのは、綺麗に圧雪されたバーンや硬いアイスバーンでのターンです。
スピードを遮る障害物(錆びや傷)が無く、適切な角度を持たせて磨いたエッジでは、カーブでボードを倒した際に安定感があり、ターンのキレ味や伸びやかさを実感できるはずです。
カービングはスノーボードの基本であり、どんな場面でも必要な技術です。例えばパウダーでのスプレーや、雪の中でのボードコントロール。カービングによりスノーボードの楽しみは一気に広がります。圧雪のゲレンデは格好の練習場です。「降雪が無い」と落胆せずに、是非思い切りターンを楽しんでください。
自宅で行うエッジのお手入れ
お店で行うメンテナンスだけが全てではありません。日頃からエッジに一手間かけておくだけで、良い状態を保つことが出来ます。
最も重要なのは、使用後は水分をしっかりとふき取り、乾かすこと。湿ったソールカバーに入れっ放しにするとすぐに錆びてしまいます。帰宅後はソールカバーもボードもしっかり乾燥させましょう。乾燥後はエッジの錆び防止と保護のために、ニベアクリームを薄く塗っておきましょう。
INTERVIEW 田中 岳宏
moro : スノーボードのキャリアの長い田中さんですが、今まではどのようにエッジのメンテナンスを行っていましたか?
tanaka : エッジチューンはずっと自分でやっていました。手作業で行うには色々な道具を用意して、更に使いこなす必要がありました。特に、ステンレスエッジのチューニングは難しく、時間もかかりますしね。モジェーンのマシンを使った作業を実際に見て、仕上がりと所要時間に驚きました。一番身近なショップで、クオリティの高いチューンナップが出来るのは、とても助かります。
moro : MOJANEのエッジチューンは昨シーズンよりダイアモンドファイルの仕上げ工程を追加しました。田中さんにはダイアモンドファイル有と無、両方乗って頂きましたが、効果のほどはいかがでしたか?
tanaka : ダイヤモンドファイルで仕上げると、綺麗に面が形成されていて、ケバの無い滑らかなエッジになるので、手を切るリスクは減ると思います。角度がぬるくなってるように感じるけど、現場ではしっかりエッジが噛みそうです。ダイヤモンドファイル無しではハードな場所に行ったときにあ、いいなって感じました。仕上がりには好みもあるので、砥石フィニッシュとダイヤモンドファイル仕上げを選べるといいと思います。
moro : エッジチューンを行ったことの無い人や初心者にとっては、乗り心地にこだわりを持った人が行うメンテナンス、というイメージがあるかもしれません。初心者でもビフォアフターの違いを感じるものでしょうか?
tanaka : 初心者こそ感じるんじゃないかな。錆びたエッジで乗っている初心者の人も多いです。性能を引き出すためにも、道具は綺麗にした方がいいですよね。
moro : エッジチューンは”気持ちの良い滑り”という感覚だけでなく、フォームや技術の向上にも影響しますか?
tanaka : もちろんです。スノーボードの上達に確実に影響するので、早く気付いた方がいいと思います(笑)。
moro : 田中さんは、インストラクターという仕事柄、一般のスノーボーダーと比較して滑る頻度が多いですよね。エッジチューンはどのくらいの頻度で行っていますか?エッジが減ってしまう心配は?
tanaka : 例えば札幌国際スキー場をメインに滑るなら1シーズン1回で十分でしょう。オーンズなどの硬いバーンを中心にすると、エッジの丸まり方も早まります。気になったらお店に持って行き、良い状態のエッジで気持ちよく滑りたいですね。好みのエッジ角度が決まっていて、同じ角度でメンテナンスを繰り返すなら、軽いサンディングで仕上げられるので、結構長持ちすると思いますよ。
JSBA:A級インストラクター/C級検定員/TECH TEST LICENSE TECH.2 / NSA公認サーフィン検定 2級
今シーズンも大会出場やスノーボードテクニカルの検定試験TECH3を目指して練習に励む田中さん。
田中さんによるスノーボードスクールの受講をご希望の方はMOJANEまで。