ついに実現、BURTONによるチューンナップ講習会
10月某日のMOJANE臨時休業日。Burton Snowboardsより黒木 康秀さん(ジャパンチームテクニシャン / リペアスペシャリスト)をお迎えして、チューンナップ講習会を開催しました。その名も”バートンメンテナンスクリニック”。
スノーボードの構造や歴史を追いながら、チューンナップへの理解を深めようという試みです。当日は、ワクシングに興味を持っているユーザーや、メンテナンスの悩みを抱えるキッズチームの保護者の皆さんをご招待しました。その様子をご報告します。
Burtonプロダクサービスに所属する黒木さんは、名だたるトッププロスノーボーダーのボードメンテナンスを担当してきた方です。
ここ一番の場面に立つ猛者達を表彰台へ導くチューニングは、緻密で繊細な職人技。そんな黒木さんが行う講習会ですから、さぞ難易度が高いのでは…?と思いきや、「難しく考えず、とにかく楽しもう、やってっみよう」というメッセージが込められていました。
雪質により臨機応変な判断が求められるスノーボードチューンナップは、ハウツーももちろん大切ですが、好奇心や閃き、柔軟な姿勢が良い結果を生むのかもしれません。
プロの実演と解説に興味津々
4時間にも及んだメンテナンスクリニック。映像や実演を交えながら、スノーボードメンテナンスの重要性やワックスの役割、ボードの構造解説といった盛りだくさんの内容で、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
中でも、スノーボードが出来るまでをまとめた動画は、普段見ることのできないクレイグスでの作業工程を覗けて楽しかったと好評でした。
黒木さんの手元を注視するあまり、グイグイと前に詰め寄るシーンもありました。また、キッズチームの保護者の方々からは、大会の為の、より具体的な質問も飛び交うなど、時間が許す限り質問・相談に応じて頂きました。
参加者の皆さんはそれぞれにアイディアやヒントを持ち帰ることが出来たのではないでしょうか。
現在はデジタルカタログとなったBurtonですが、講習会の資料として過去のカタログを見ることが出来ました。30代の僕らが中高生だった頃の記憶を呼び覚ますものばかり。どれを見ても懐かしさや当時の憧れが蘇ります。
また、この年代のテイストは昨今のトレンドになっている点でも新鮮で「逆にイケてる!今欲しい!」という声も上がっていました。
黒木さんが参加者全員に用意してくれていたのは、2016-2017Burrton Customをカットして制作したというキーホルダー!
ソール部分にはメンテナンスクリニックの開催を記念して”B13M(Burton,13,MOJANE)”の刻印が施されています。「自分の手に馴染む1本を確かめて選んでくださいね」と黒木さん。スノーボーダーにとって最高のサプライズプレゼントでした。
黒木さんのお話は、チューンナップ初心者でも分かりやすく、スノーボードメンテナンスがとても身近に感じられます。ルールに捕らわれない柔軟な姿勢は、ビッグコンペでのシリアスな場面を多く経験してきた黒木さんならではなのかもしれません。
講習会終了後は、お店を後にするひとりひとりに「スノーボードを楽しんでください」と声をかけていた姿が印象的でした。
※尚、この日収録した黒木さんのロングインタビューも公開中。
スノーボードメンテナンスに正解は無い
チューンナップを行っていると「本当にこれで合っているのだろうか?」という疑問や不安がつきまといます。豊富なワックスの種類に惑わされ、混乱している人も多いはず。
自然の中で行うスノーボードのチューニングは、場所、時間、気温、コンディションといった条件が影響する為、ケースバイケースであることが殆どです。解決方法は、黒木さんの言葉にあったように「楽しむこと」に尽きるのではないかと思います。
僕自身、チューンナップをやればやるほど新たな発見があり、MOJANEでのチューンナップも常にアップデートしています。
また、スノーボードの進化やワックスの改良により、手軽にワクシングが行える時代になりました。ホットワクシングが当たり前だった僕にとって、どこか頼りない存在だったペーストワックスやリキッドワックスが今の主流になりつつあります。新しいアイテムを試したり、組み合わせたり、意見交換をしたり。そんな実験もチューンナップの面白さです。
メンテナンスクリニックを終えて
黒木さんには、度々メンテナンスに関する相談に乗って頂いていました。僕としては、今年こそ実際にお会いして教えてもらう機会を作りたい!と考えていましたので、今回”Burtonメンテナンスクリニック”の試験的な開催場所としてMOJANEを選んで頂いた事を大変嬉しく思っています。
また、参加した皆さんにとっても、今シーズンは自ら行うチューンナップを実際に雪山で試すという、新たな楽しさが生まれるのではないかと期待しています。
実はこのイベント、9月6日に北海道を襲った胆振東部地震により開催を延期したという経緯がありました。一時は中止もやむを得ないと案じていましたが、無事に当日を迎えることが出来ました。ご尽力くださったBurton関係者の皆様、参加者の皆様にお礼申し上げます。
BURTONメンテナンスグッズ解説
Burtonメンテナンスクリニックでは、Burtonのワックスやメンテナンスアイテムの使い方についても教えて頂きました。
全てのBURTONワックスラインナップは、MOJANEでお勧めしているワックスメーカーDOMINATOR社によるものです。中には同成分でDOMINATORよりもお得なワックスもあるので注目してみましょう。
常に大活躍してくれる万能オールラウンド仕様。ほとんどのコンディション、幅広い温度(0〜-14℃)に対応する100%分解性のハイドロカーボンワックス。中温にセットしたアイロンで塗って、スクレーパーをかけて、ブラッシング。チーズを模したネーミングですが、匂いや味はありませんのであしからず。
80g/Made in USA/¥1500+TAX
最も多様性に優れたハイドロカーボンワックスは、フラットなパウダーでも、長いアプローチでも、もっと長いトラバースでも、安定したスピードを供給します。ほとんどのコンディションと幅広い温度(0〜-10℃)に対応する100%分解性のハイドロカーボンワックス。中温にセットしたアイロンで塗り、スクレーパーをかけて、ブラッシング→GO!
80g/Made in USA/1500円+TAX
スピードを加える為に適量のフッ素をプラス。どんなシチュエーション幅広い温度(0〜-10℃)に対応。コンディションでも、常にスピードを求めるライダーにピッタリな万能オールラウンドワックス。
中温にセットしたアイロンで塗り、スクレーパーをかけて、ブラッシング→GO!
80g/Made in USA/2000円+TAX
レース前やスプリングセッションでのビッグキッカー、ノートラックパラダイスまでのトラバースなど、スピードをプラスしたいときの特効薬。ライディングの合間にも塗れるクイック&イージーなお手軽ワックス。ほとんどのコンディション、幅広い温度(0〜-10℃)に対応、塗りやすいペースト状フッ素入り。塗って、乾かして、擦ればOK。アイロン、スクレーピングは不要です。
40g/パッド付属/Made in USA/¥2000+TAX
チームライダーが選ぶ最速ワックス。純度の高いフッ素入り。0〜-10℃の幅広い温度で、コンペティションレベルのスピードを供給します。ほとんどのコンディション、幅広い温度(0〜-10℃)に対応。中温にセットしたアイロンで塗って、スクレーパーをかけて、ブラッシング(オプション)して、GO!
40g/Made in USA/¥2200+TAX
これさえあれば、駐車場やゴンドラで簡単にワクシングできちゃいます。塗って、擦って、滑るだけ(アイロン、スクレーピング不要)MTN ESSENTIALS KITにも含まれています。
20g/パッド付属/Made in USA/¥1500+TAX
チューニングルームはもちろん、ホテルや寮の部屋でも、Burtonのワックスを塗るのであれば、温度調節可能なこちらのワクシングアイロンを。軽量なので、トリップにも持っていくことができます。海外でも使用できるよう電圧調節可能で、見知らぬ土地でのトラブルも回避。
¥8500+TAX
エッジングやワクシングをする際は、ボードの固定がマスト。BurtonのTuning Visesはスノーボードに特化した作りで、ワクシングやスクレーピングでは吸盤がボードを水平に固定。エッジングの際は、ボードを垂直にも固定できます。ロードトリップに持っていけるようポータブル&パッカブルな設計で、あらゆるテーブルやベンチに設置可能。密かにボトルオープナー搭載。
¥10000+TAX
スノーボードに必要な基本的なチューニンググッズをセットにした救急箱です。ワックスやベースに張り付いた氷を剥がすためのCredit Card Scraper、スピードを加えるRub-Down Wax、エッジをシャープにするFileguide、予備のM6ハードウェア、バインディングの装着やスタンス調節のためのEST® Toolをパッキング。
¥5200+TAX