INTERVIEWスノーボードスキー場ニセコモイワ岡本佑斗道央

スノーリゾートで働こう! #1面接と移住の準備

NISEKO MOIWAで働く岡本佑斗くんの一冬に密着

NISEKOで働き、雪と暮らす

上質なパウダースノーで世界中のスノーボーダーを魅了する、日本屈指のスノーリゾート”ニセコ”。そこに訪れるのは、冬の休暇を楽しむ旅行者ばかりではありません。

11月に入ると、ゲレンデや宿泊施設等で働きながら最高の雪を楽しもうと、シーズンスタッフ達が国内外から続々と集結します。国際的な大規模リゾートは、彼らによって支えられているのです。

北海道の中でも、これほど多国籍で、同じ目的を持った人が集まる場所は他にありません。スノーボードやスキーを通じて国際的な経験が出来るエリアとしても魅力的です。

ニセコモイワからの景色

採用決定、ニセコモイワへ!

今回の主役は、MOJANEユーザー岡本佑斗君(27歳)。コアなパウダーフリークから支持を得るニセコモイワスキーリゾートのスタッフとして、この秋からモイワでの生活を開始しました。

彼が過ごすひと冬を追い、ゲレンデの仕事やスノーボードライフに迫ろう、という計画です。

Vol.1となるこの記事では、岡本君が転職を決めるまでの経緯や、採用決定後の素直な気持ちを話してもらいました。雪山と密接な暮らしがしたい。スキー、スノーボードに携わる仕事がしたい。そう考えている方は、是非彼の体験を参考にしてみてはいかがでしょうか。

INTERVIEW YUTO OKAMOTO

岡本佑斗くん
岡本佑斗くん 1991年生 / 札幌市出身

気持ちを雪山に向かわせたもの

moro : 晴れてニセコモイワで働くことになった訳だけれど、札幌都心のビジネスマンだった岡本君がスノーリゾートの仕事をしようと決めたいきさつを話してくれる?

okamoto : 事の発端は、友人の山本くんと飲んだ日(ハイボールで記憶が飛んじゃった日)ですね。元々ゲレンデの仕事に興味はあったし、行ってみたい気持ちはありました。けど、真剣に考えたことは無くて、自分は行く側の人間ではないっていう風に思っていたんですよね。なので、山本くんやモロさんにプッシュされたのは大きかったです。

札幌にいた頃の岡本佑斗くん
9月9日、きっかけの夜
モイワでの面接の様子
9月19日、緊張の面接
面接を受ける岡本佑斗くん
その場で採用が決定

憧れから、挑戦へ

moro : 今回の決断を聞いたときは嬉しかったよ!僕は以前から「モイワに行ってみない?」って声をかけていたんだよね。自分も20代の頃、当時のMOJANE中島店長にモイワの仕事を紹介してもらって、本当にいい経験が出来たから。タイプ的にも岡本君なら合っているし、面白いんじゃないかと思って。スノーボーダーにとって”冬山に籠る”っていうのは、期待と魅力に満ちた世界なんだよね。20代も後半、転職もキャリアのうちとはいえ勇気がいる事だったと思うんだけど、何が背中を押したのかな。

okamoto : そういう山の暮らしに憧れもあって、良いなって思う反面、今の仕事や生活に区切りをつけるリスクばっかりを考えてしまっていました。言うだけで終わるとも思っていたんです。でも、人と接するサービス業をしたいなっていう気持ちはずっとありました。決定的だったのは「スノーボードに向き合える環境は、自分で選んで作っていかなきゃならない」っていうモロさんの話が妙に腹に落ちたというか。ただ遊びに行くんじゃなくて、どんな時間を何処でどう過ごすか。特にモイワは良い意味で未開拓エリアだし、まだまだチャンスがある。色んな要素がかみ合って、チャレンジしようと決めました。

moro : 採用決定後、会社に辞表を提出してからご両親に報告したそうだけど、どんな反応だった?

okamoto : 親には、全部決まってから言おうと思っていました。案の定、母は心配していましたけど、怒るだろうと予想していた父が意外にドライで、ハイボール片手に「あ、そ。」みたいな感じでした。身構えていた分拍子抜けでしたが、父なりの応援だと解釈しています。

モイワ支配人吉村さん、広報の畑さん

モイワ流、風変わりな面接

moro : 今回は、こうした取材の企画をモイワ支配人の吉村さんが快諾して下さったという経緯もあって、面接に僕も同行しました。面接会場はゲレンデの麓にあるLODGE MOIWA834。モイワでは、宿泊施設やゲレンデ、なんでもこなせる積極的な人材が求められているようだったけど、面接の感想は?シティボーイが来た!って高評価だったよね(笑)。

okamoto : 面接?いや、してないです(笑)。自己紹介した途端に「どうやったらお客さん来るかな」みたいな会議になっちゃったので、あれは僕の知っている面接ではなかったです。これまで自分がやってきたような、ガチっと型にはまった中で行う仕事ではないんだなっていうのを実感しました。色んなギャップもありますけど、良い意味で自由に見えました。

MOJANEでインタビューを受ける岡本君と山本君
GOPRO越しに見守る友人の山本君

雪山での新生活に向けて

moro : ゲレンデは天候や集客、トラブルにも左右されるし、常に臨機応変な対応が求められる職場だから、いわゆる会社的な動きとは違った働き方になるよね。既に寮や職場の下見をしてきたそうだけど、実際の印象はどうだった?コンビニやスーパーも近くには無いし、街とは全く違う生活が待っているけれど、想像できた?

okamoto : 職場も寮も新しくて綺麗でしたね。設備的にも整っているな、という印象でした。寮にはキッチンや冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ等、生活に必要なものは揃っていましたが、周辺には温泉しかないですからね。滑りに行った事はありますけど、生活っていう意味では、まだイメージできていないです。

moro : いよいよ11月1日から仕事が始まるという事だけど、どんな準備をしている?生活面、仕事面、スノーボード面、不安なことはありますか?

okamoto : 板はもちろんMOJANEで準備しますけど(笑)。スノーボードのメンテナンスやコンディションについて、もっと知りたいなと思っています。今は身の回り品と最低限のライフラインを確保するグッズを用意しようっていう感じです。とりあえずヤカン1個あればなんとかなるだろうし、もともと料理はしないので、食事は食べれる場所でお世話になろうかなっていうところです。あと、「ぅお!」って思ったのは、寮が2人部屋だったという事です(笑)。二段ベッドだったので、プライベートも丸裸なんだなっていう…。まぁ、逆にそのくらいの方が思い切って行けるかもしれませんね。どんな人が相部屋になるのか、日本人か外国人かもわからないけど、コミュニケーションは積極的に行こうと思ってます。

岡本佑斗くん

目標は特大マッシュでダブルバックです

moro : スノーボードが目的だとは思うけど、ニセコにどんなことを期待して、どんな時間を過ごしたいですか?

okamoto : ちょっと恥ずかしいんですけど、自分の中でまだ目覚めていない何かが”ポンッ”と弾けないかなって思っているんです。これまで生きてきた中で「俺はこんなんじゃない感」があるんですよね(笑)。思ってても言えない、言わない、みたいな今までの自分をガラッと変えたいんです。環境だけに依存しないで、自分を出していきたいなって思っています。


思い立ったが吉日、決断から10日足らずでニセコへの扉が開かれた岡本君。その背景には「自分を越えたい!」という熱い気持ちがありました。明るく、コミュニケーション能力に長けた彼なら、素晴らしい経験が出来ると期待しています。今シーズンは岡本君によるモイワゲレンデ情報の配信も実現するかもしれません。

ニセコモイワのお仕事事情

僕、諸橋も2004年の冬にニセコモイワ(旧ラポンテ)で働いたスノーリゾート経験者の1人です。20代前半だった僕は、現在モイワの総支配人を務める吉村政哉さん監督の下、リフトやペンションとゲレンデ間の送迎を担当しました。

当時のニセコは、ちょうど海外からの滞在者が増えてきた頃。今ほど外国人は多くありませんでしたが、英語を活かせる仕事がしたかった僕にとって貴重な経験を積むことが出来ました。吉村さんをはじめ、OFFSHORE SNOWSHAPESを設立したジョシュ、リチャードと出会ったのもこの頃です。今、こうして僕がスノーボードに携わる仕事を続けられている事も、ニセコでの出会いや経験が大きく影響しています。

現在のモイワはどういった様子なのか、吉村さんに募集要項や職場環境、スタッフの暮らしについて伺いました。

面接中の様子
左:MOIWA SKI RESORT支配人吉村さん/右:PR&マーケティング畑さん

INTERVIEW ニセコモイワ支配人吉村 政哉さん

moro : ニセコモイワの魅力を教えてください。

yoshimura : 北海道全般に言えることですが、雪質がとても良い。加えてニセコは降雪量が多いため、海外からのお客様でもノートラックパウダーを狙える可能性が高いです。

moro : 冬季のニセコモイワでは何人くらいのスタッフが働いていますか?どんな職場ですか?

yoshimura : 社員は宿泊施設のスタッフ含めて10人程の小さな組織です。ほとんど社員がニセコ町在住で、地域に根付いて生活していますが、ニセコ町出身者はおりません。風通しの良い職場であってほしいと思っています。また、近い将来大規模な開発を控えているので、変化に素早く対応できるような組織であってほしいと思っています。

moro : 各国から集まるスタッフはどんな体験・経験をしていますか?

yoshimura : スキー場ではオーストラリア出身者が1名、The Lodge Moiwa 834ではタイ、イギリス、フランス、イスラエルなど多様な国から働きに来ています。どんな経験をするかは人それぞれ様々だと思いますが、スノーシーズンはリピートするスタッフも多いのでそこそこ居心地がいいのかもしれません。

moro : 日本人スタッフと外国人スタッフの割合はどのくらいですか?

yoshimura : スキー場はほとんど日本人、宿泊施設は半分くらい外国人です。

moro : ニセコモイワでの仕事内容はどんなものがありますか?

yoshimura : スキー場【券売/レストラン、カフェ/リフト係/パトロール/圧雪/スクール/レンタル/ショップ】The Lodge Moiwa 834【宿泊施設運営全般/レストラン】といった業務内容です。

moro : 英語が出来ないと働けないのでは?と考えている人も多いと思うのですが…。

yoshimura : 英語はもちろん話せたほうがいいと思いますが、絶対ではありません。お客様とのコミュニケーションを拒否しなければモイワでは問題ありません。大事なのはゲストのことを考え、伝える努力を惜しまないことだと思います。

moro : どんな人材を募集していますか?年齢層や経験等も条件があれば教えてください。

yoshimura : 年齢、経験は問いません。チームで仲良くやっていける人を募集しています。

moro : 長い間モイワを統括し、多くのスタッフを育ててきた吉村さんですが、記憶に残るシーズンや出来事はありますか?

yoshimura : スタッフを育ててきた、とは全く思っていません。むしろ年長の冬季スタッフのおじさんに教えられ、支えられ、何とか凌いできたという感じです。

moro : スキーヤー・スノーボーダーにとっては、目の前に上質な雪があるというだけで魅力的な職場だと言えますが、他にも特典はありますか?

yoshimura : モイワで滑りたいと思うならモイワで働かないほうがいいと思います。スキー場は基本リフトがついている公園だと思っています。人を遊ばせる公園で働けるということは非常に貴重な経験だと思います。近くの温泉に入れるとか、休日にはモイワや他のニセコのスキー場、キロロも滑れます。

moro : スタッフの居住環境はどうでしょうか。やはり車がないとニセコの生活は厳しいでしょうか?

yoshimura : スタッフ寮としてアパートがありますが2名で1室です。楽しくやってもらえることを願っています。車がないスタッフの為に、買い出しに行くために週に1回ほどスタッフ送迎バスを出しています。

moro : 冬季スタッフの募集期間は例年いつ頃から始まるのでしょうか?また、何名程度の募集がありますか?

yoshimura : 通年でスカウトはしていますが、求人を出すのは9月頃からです。

moro : 具体的な質問になりますが、おおまかな雇用条件や待遇について聞かせてもらえますか?

yoshimura : 時給1000円からで基本的に週休2日制です。寮費は1カ月15000円。精勤手当あり。交通費支給。

moro : やってみたいけれど不安だなと二の足を踏んでいる人も多いと思います。迷っている人にメッセージをお願いします。

yoshimura : モイワで働くことに給料は抜きにしても損は無いと思っています。

ニセコモイワで働きたいと考えている人へ

ニセコモイワスキーリゾートセンターハウス

見渡す限り英語だらけ。日本に居ながらにしてこの環境で過ごせることは、とても面白い体験になると思います。ニセコモイワのシーズンスタッフの募集は、例年9月頃から始まります。ニセコエリアの中でも比較的日本人スタッフが多く、落ち着いた雰囲気が特徴です。雇用条件や仕事内容は多種多様、熱意があれば言葉の壁も越えていけると思います。逆観光がてら、異文化体験をしに、留学気分で、ニセコ特有の雰囲気を楽しんでみてはいかがでしょうか。

MOIWAの皆さん、ご協力ありがとうございました。春までよろしくお願いします!

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