ビギナー、ライトユーザーに激プッシュ!
スノーボード専門店のラインナップは、中~上級者向けのハイエンドモデルが主役になりがちで、初級者に対しての提案が疎かになってしまう傾向があります。…MOJANEも例外ではありません。ですが、専門店として「初心者にこそ正しい情報とアドバイスを届けたい」と思っています。
この記事でご紹介するボードは、来季BURTONから登場するエントリーモデルCARTOGRAPHER(カートグラファー)です。
MOJANE店頭には並びませんが(お取り寄せのみ)、スノーボード歴が長い上級者からも、そのクオリティーとコスパは高評価。「若い頃にこんなボードがあったらな」という声も上がりました。
初めてのマイボード選びで迷っている方の最有力候補になるはずです。
スノーボードをアクティビティーとして楽しむ方に向けたディレクショナルボード。「ターンを覚えたての初心者でも、パウダースノーを楽しめる様に」というコンセプトで、フライトアテンダントをソフトフレックスに再設計したモデルです。
税込み6万3800円という価格からは想像が付かない完成度。若者からおじさんまで、アウトドアとしてのスノーボードを楽しむ方にお勧めします。
SIZE:149,154,159,162,154W,159W
予算14万円で揃える最新BURTONハードギア
スノーボードのハード一式(ブーツ、バイン、ボード)を揃えようとしたとき、スポーツ用品量販店では5~10万円程度。それに比べると、BURTONは高額です。
エントリーモデルの価格差については、価格=品質です。材質、耐久性、トレンド、乗り易さや性能、保証制度等に応じた価格が設定されていると捉えてください。
「まだ初心者だから、安価なもので良い」という考え方もありますが、せっかくマイボードを手に入れるのであれば、滑走の楽しさが十二分に感じられる道具を選んでいただきたいと思います。
大学生~若手社会人向けのセットアッププラン
ボード:CARTOGRAPHER 63,800円税込
バイン:STEP ON 34,100円税込
踏み込むだけで装着できるワンタッチビンディング。2021-22より価格が改定されお求めやすくなります。
ブーツ:RULER STEP ON 42,900円税込
STEP ON BOOTSの中では最安価モデル。通常版のRULERも、脱エントリーモデルとしておすすめ。RULER経験者なら、ワンランク上のPHOTON STEP ON57200円税込も候補です。
合計 140,800円税込
最新のBURTONセットアップが14万円強で完成。レンタル品や一般的な低価格帯ギアとの違いは、歴然です。
10代後半~20代前半でも、なんとか手が届く範囲ではないでしょうか。また、バインやブーツは、型落ちの新古品を上手に組み合わせると、10~12万円で揃えられると思います。
CARTOGRAPHERを乗りこなしていく中で、「こういう場所で滑りたい」「こんなスタイルを目指したい」といった目標が出てきたら、ボード選びは次のステップへ。BURTONならPROSESSやCUSTOM、場合によってはHOMETOWNHEROも視野に入ってくるでしょう。
お父さん必見、家族でシェアできる共有性
カートグラファーは、親子間でのシェアが出来る内容のボードだと思います。
新作がずらりと出揃うアーリーシーズンは、ついハイエンドモデルに目が行きがちですが、年間滑走日数は少なくとも高品質かつ遊べるボードに乗りたいお父さんは、カートグラファーでその条件を低価格で満たしつつ、中・高校生のお子さんと共有する事が出来ます。
家族共有のポイント
お子さんの身長が150cm台になると、カートグラファー149には乗れてしまいます。お父さんの身長を170cmと仮定し、154を選ぶなら、お子さんの身長が154cm以上で共有開始できると思います。(華奢な体型だったり、女の子にとってはやや大きいかもしれません。)
上級者が太鼓判を押す高コスパの理由
カートグラファーのアウトラインは、BURTONのハイライン、ホームタウンヒーローやフライトアテンダントを連想させる、オールマウンテンフリースタイルボードです。
ボードが柔らかくよく曲がるので、ターンを覚えたい初心者から、コース脇の非圧雪エリアにも挑戦し始めたスノーボーダーにとって、これ以上ないエントリーモデルとなるでしょう。
ターンしやすいサイドカーブとテイパード。浮力を生むディレクショナル・キャンバー+セットバックされたスタンスポジション。ソールは、ホットワクシングに対応したシンタードベース。他ブランドと比較しても、5~6万円台ではなかなか見られないスペックです。
CARTOGRAPHERか、PROCESSか。
2018-2019シーズンにも、同様のインパクトを持ったボードがありました。
6万円+TAXという価格でハイスペックを実現したBURTON PROCESS(プロセス)です。
PROCESSの登場で、ロー~ミドルグレードボードのイメージが覆り、エントリー層の若者から上級者まで、幅広いユーザーを楽しませてくれました。PROCESSは2021-2022も健在です。
大成功を収めたPROCESSを契機に、BURTONはエントリーモデルの価格と性能の新たなバランスを見出したのかもしれません。カートグラファーはPROCESSよりも更に2.000円価格を下げた設定となっています。
同価格帯・エントリー層/ライトユーザーに向けられている点で、これら2モデルで悩む方が多いかも知れません。分かりやすい分岐点は、スイッチです。スイッチでも滑ることを前提に考えるならPROCESSを選んでください。
PROCESS//ツインチップ:ピュアポップキャンバー:オールラウンドボード
CARTOGRAPHER//ディレクショナルキャンバー:オールマウンテンフリースタイルボード
試乗レビュー
お馴染みのレビュアー平山雅一くん、竹田礼くんに加え、今年は近藤勇介くんが試乗に参戦してくれました。彼らはこの手のボードが大好物。レビューからも、驚きが伺えます。実際に彼らが選ぶボードではありませんが、乗っている姿を見ればいかに楽しいボードであるかが伝わってきます。
ハイコスパ・ハイクオリティ 近藤 勇介
試乗モデル:カートグラファー
使用バイン:Xベース 18,-6
このボードで滑りたい場所:シーズン初め、春、ローカルゲレンデ、ちょこちょこ遊びながら滑りたいです。
ビンディングの相性:中間フレックスのバインが合いそう
どんな人に合うボード?:初心者、セカンドボードを探している人
近藤勇介プロフィール
1984年生 / 172㎝ / 70㎏ / レギュラースタンス
好きなスノーボーダー / ニコラスミューラー,アーサーロンゴ,レナ・リンネカンガス,藤田カズシゲ
1シーズンのスノーボードは40~50回
21-22シーズンのコスパ最高モデル 竹田 礼
試乗モデル:カートグラファー
使用バイン:12,-9
このボードで滑りたい場所:美唄、かもい岳、桂沢などのローカルスキー場
ビンディングの相性:NOWで乗りたい
プライスから想像するチープさが全くないです!この価格でこれほどの性能があることに、驚きました。
間違いなく初級から乗れる,おすすめのモデルです。
フレックス・トーション共に柔らかい設定ですが、ベロベロではなく、初級者でもフレックス・トーションを意識したターン練習が出来ます。
中級以上の方は、壁遊びやツリーランなど、細かい動き使った遊びが抜群に面白く、軽快に動けます。
高速域のターンでは、さすがに限界がありますので、ビッグマウンテンや急斜面には向きませんが、キロロとの相性は悪くないと思います。
小さな子供さんと一緒に楽しめる、程よいスピード域にフィットしたモデルで、極端な程扱いやすいです。2021-22の中では、カスタムと並ぶインパクト大のボードです。
竹田礼プロフィール
1986年生/ 181cm / 60kg / レギュラースタンス
「気持ちの良いカービングターンに比重を置いたライディングが好きです。」
好きなライダー / テリエ・ハーコンセン, 植村能成, 中井孝治, 藤本広海
シーズン中のスノーボードは月9回、滑走時間は4時間程度。
レジャーボード??ではない!平山雅一
試乗モデル:カートグラファー154
使用バイン:ファルコア12,-9
このボードで滑りたい場所:整地やメンツルなどのオープンでメローなバーン
ビンディングの相性:乗り手のレベルによるが、上級者ならCARTEL等で、初中級者ならジェネシス、マラビータ系
どんな人に合うボード?:低コスパでパウダーボードを探している方
連想するモデル:フライトアテンダント、HOMETOWN HERO
「あくまでもスノーボードをレジャー、アウトドア感覚として考えている人に向けて作られたボード」という事前情報を聞いていましたが、いざ乗ってみると、扱いやすく、バランスの取れたフレックストーションで、ターン時の導入・反応も素直で癖が無く、オーリーも楽にできますし、パウダーでも気持ち良く浮いてくれます。
それでいて、上級者でも楽しく乗れる程度の反発や動きの良さはあったので、上記のようなコンセプトで収めているのはもったいないクオリティのボードでした。
コンセプトの様に、初級者が初めて買うパウダーボードとしてはもちろんですが、例えばパークメインで普段フリースタイルボードに乗っている方で、DEEP DAYのために浮くボードは1本くらいは持っておきたいけれど、パウダーボードは高額なので、予算を回すのが難しい、というような方にもお勧めできるボードかと思います。
また、もう一つの情報として、欧米で人気のあるフライトアテンダントのソフトバージョンというコンセプトあるそうです。僕は今まで欧米でフライトアテンダントが何故ここまでロングセラーなのか、良さが今一つ理解できなかったのですが、このボードに乗ってみて、僕らより脚力のある外人は、こんなフィーリングでフライトアテンダントに乗っているのだと思うと、とても納得できました。
もちろん、高速域や不整地には多少の不安はありますし、使用している素材はハイグレードモデルと比べると見劣りするので、ワックスの浸透性や耐久性などの問題もあるとは思いますが、この価格ならではの様々なレベルやスタイル、環境に合わせた選び方のはばがあるコスパ最強フリーランボードだと思いました。
平山雅一プロフィール
1982年生 / 174㎝ / 65㎏ / レギュラースタンス
「パウダー、ジャンプ、カービング、グラトリ、ボーダーレスに全てをリンクさせた滑りが好きです。」
好きなライダー / ニコラスミューラー, マークランドビック, エーロエッタラ
シーズン中のスノーボードは週2~3回ペース。
モロのつぶやき
カルチャーと密接に結びつきながら発展したスノーボードが、徐々にアウトドアレジャー化しています。僕がスノーボードに魅了された90-2000年代からは、ブランドも、ギアも、ライダーの影響力も、シーン全体がすっかり変容しました。
スノーボード界の最前線を走り続けているBURTONでさえ、現在はアウトドアブランドであると言わんばかりのプロモーションです。
-BURTON公式より-
Burtonの始まりは、山でした。旅の時間を最大限に充実させることから、世界のあちこちでライディングを楽しむことまで、私たちは設立当初からほかの誰よりも先駆けて新しい技術を開発し、アウトドアを楽しむ方法を変えてきました。
CARTOGRAPHERからも分かる通り、BURTONが生み出すスノーボードハードギアは、今も高いクオリティを維持しています。ですが、近頃何か物足りない。その「何か」とは、こうしたニューモデル誕生の経緯やブランドの熱が、僕たちユーザーに届かなくなったことかもしれません。
僕と同世代の1980年代生まれ~もっとディープなスノーボードカルチャーに触れてきた先輩スノーボーダーにとって、一つ一つの製品が持つバックグラウンドは、道具を選ぶ上で今も重要なファクターです。
そのストーリーが、道具への愛着、ブランドへの敬意、スキルアップのモチベーションとなっています。
ブランド公式のデジタルカタログやオンラインストアは便利ですが、その一方で僕らが最も重要にしてきた部分があっさりと切り捨てられてしまった様で、どこか寂しさを感じています。
確かに、カートグラファーは、僕らの様な古株ではなく、BURTONのギアを使った事の無い若い世代に向けて、手頃な価格で始められるように、そして誰もが楽しめるように生まれたモデルです。ここに、「ワクワクするようなストーリーがあったなら?」と期待してしまうのは筋違いなのでしょう。
ただ、このボードの良い部分に気付き、驚き、発信したいと感じ、この記事を制作したのは、道具に対しての思いが強い僕たち世代だからこそではないか、と密かに自負していたりもするのです。
BURTON INFORMATION
Details
BEND: Directional Camber
SHAPE/FLEX: Directional, 5mm Taper, Directional
CORE: FSC™ Certified Super Fly® 800G Core with Dualzone™ EGD™, Squeezebox
FIBERGLASS/BASE: Triax™, Sintered
EXTRAS: Balanced Freeride Geometry, Infinite Ride, The Channel®, Pro-Tip, Super Sap® Epoxy
Personality: 4-7 (Medium – Aggressive)
TERRAIN: Park: 3/10, All-Mountain: 7/10, Powder: 8/10
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