観光名所のスキー場

標高532.4mの天狗山を走るロープウェイは、小樽の情緒ある街並みを一望できる人気スポット。冬季は、その壮観に向かって滑り降りる印象的なスキー場へと姿を変えます。また、夜の天狗山は、函館山や札幌藻岩山とともに夜景の名所としても有名で、12月~2月にはナイターでもその夜景が楽しめます。
スピーディーなコースレイアウト
天狗山の斜度は最大40度、正にスキーの為に切り開かれた山です。スキー授業やスクールも盛んで、ローカルキッズは臆する事なく山を遊び場にしている様子。小樽出身者にスキー上手が多いことも頷けます。小樽育ちの”樽っ子”に天狗山について聞くと、「最初は怖かった」と口を揃えて言うのですが、徐々にこの斜度とスピードに慣れ、技術を身に付けていくのでしょう。
天狗山スキー場のダイナミックな5つのコースは、1本のロープウェイと2つのリフトが繋いでいます。麓から山頂まで一気に駆け上がるパノラマリフトは、全てのコースへ。ロープウェイは8号目まで、ロープウェイ降り場~山頂間の緩やかな初心者コースは、1人乗りのファミリーリフトで回します。
朝一のロングラインコース

まずは山頂からロングラインコースでウォーミングアップ!天狗山で最も長いコースをノンストップで駆け下りてみましょう。綺麗にグルームされた朝のバーンは、アドレナリン全開です。
緩やかな山頂付近を進むと、綺麗な一枚バーンが出現。コース幅も広く、ターン練習にはもってこい。ここから一気にジェットコースターの様なカーブが続きます。その先に待っているのは右手の長い壁!当て込みの穴場です。後半は中程度の斜度が続きます。
インパクト大!新旧2コース

小樽天狗山のメインとなるのは、旧コースと新コース。道内のスノーリゾートではなかなかお目にかかれない斜度ですが、小樽ローカルにとっては朝飯前。
ロープウェイで乗り合わせたおばちゃんスキーヤーからは、「今日の新コースは良いよ、行かなくていいのかい?」とアドバイスを受けました。恐るべし。

旧コース
天狗山スキー場のメインバーン。地元のレーシングチームなどがポール練習を行うSAJ公認コースとなっています。リフトが運航を開始すると間もなく、旧コースから熟練スキーヤーが次々とシュプールを描いて降りてきます。普段は綺麗に圧雪されている模様です。

新コース
新コースは天狗山最大の斜度、未圧雪40度の斜面。ロープウエイ山頂駅のすぐわきを滑り降りるコースです。コース脇にはパウダーが積み上がり、地形が剥き出しに。滑り降りていくというよりは吸い込まれていく、という感覚です。ジャンプポイントも多数ありますが、跳びすぎにはご注意を。
山頂のファミリーコース

山頂からロープウェイ山頂駅までの緩斜面コース。ビギナーコースが山頂に配置されていることや、なだらかな緩斜面が400mも続くのは、天狗山ならではの珍しいレイアウトです。初心者と上級者が一緒にゲレンデに行っても孤立感無く過ごせるのと思います。子供たちのスキーレッスンが行われていることが多いので、周囲に注意しましょう。また、リフトは1人乗りなので、小さなお子様が乗り降りされる際はリフトスタッフにスピードダウンの声掛けを。ロープウェイで下山する事ももちろんできますが、最後は麓まで挑戦してみてください。
ファミリーコースは、ランチの後のウォーミングアップに1本。
ごく緩い斜度を維持する長いコースなので、つまらなく感じがちですが、普段やらないグランドトリックを練習したり、新しいスタンスを試したり、スイッチスタンスでの足の細かな荷重までを意識してみたり。身体の細部にまで神経を巡らせてみるのに良い場所だと思います。
閉鎖した伝説のコース
ジャンプ台があったダイナミックコースの閉鎖により、天狗山からスノーボーダーが離れてしまった、という話をよく耳にします。噂のコースは、中央に高確率でクレパスが発生する、とても危険なコースでした。今思い返すと「当然クローズになるでしょ」というレベルの場所ですが、昔は更に危険なジャイアントコースが存在していたというから驚きです。昔の人は攻めまくっていた様ですね。もしもこの2コースが再オープンすることがあればチャレンジしたいものです。
変わりやすい天気が面白い!

朝は曇り空でスタートしましたが、真っ青な空が切り開けて強く陽が差したかと思うと、急に真黒な雲が近づいてきて大雪が降り始めたり。天狗山は、とにかく短時間で天気が極端に変わる山だな、という印象でした。
眺めていると、海から流れてきた雲が陸にぶつかり大きく立ち上がっています。この雲が天気を急変させているようです。雲が大きな塊となったところで山に向かって流れ、越えていく。特に風が強い日ではありませんでしたが、雲の流れによって、晴天の気持ち良い時間があったり、降雪の中をスリリングに進んだり、ふわっと被った新雪など、1日中飽きずに滑ることが出来ました。この気象もゲレンデの特徴になっていると思います。
コンディションとワックス

2月中旬のこの日は、前夜からの降雪に恵まれ各コースの特徴が良く表れていました。印象に残ったのは、湿った雪が生きる山だということ。斜度のある天狗山、特に急傾斜の新旧コースでは、乾いたサラサラ雪だと雪が山に付き難いだろうと想像します。海からの水分を含んだ湿雪なら、少しの降雪でも山に張り付いてくれるので、ボードが底あたりしてしまう様な斜度でも、思い切りターン出来ます。北海道は、乾いた雪が降るイメージがありますが、潮風に晒された天狗山は、塩分と湿度を含み、雪の結晶も複雑な形状です。海の近くのゲレンデは、ワックスが難しいと感じる方が多いかもしれませんが、DOMINATORのHYPER ZOOMは外しません。湿雪でも気持ちよく走ります。
天狗山での装備

天狗山のコースは、ロングターンとスピードが求められます。この日僕は、Fjell Snowboards Mt Wilg 168で臨みました。降雪後だったので、ボードのチョイスは大当たりでした。圧雪コンディションならフルキャンバーで攻めたいです。
同行した伊藤藍冬くんは、CAPITA OUTSIDER154。オールマウンテン仕様のMERCURYを出してくるかと思いきや、キャンバーボードでサーフィーなフルカービングを楽しんでいました。
絶景のランチタイムと天狗山の見どころ

ロープウェイ降り場には、神社や公園、展望台などがあり、スキー場利用客以外の方も訪れています。小樽の全景を眺めながら食事が出来るレストランは冬も人気で、晴れた日は積丹半島まで綺麗に見えます。ご当地グルメのあんかけ焼きそばや、鰊を使ったどんぶりなど、小樽らしいメニューにも注目。リフトと食事のセット券がお得です。海を眺めながらのランチの後は、館内や周囲を散策して腹ごなし。




天狗山神社
天狗に似た岩があるから…。天狗火が見えたことから…。「天狗山」という名称の由来には諸説あり、ハッキリとしないそうですが、ロープウェイ山頂駅には、古くから天狗と同一視される猿田彦大神を祀る天狗山神社があります。道を開く神様として、交通安全、商売繁盛、学業成就にご利益があるそうな。

小樽スキー資料館
第一回全日本スキー選手権(大正12年)の開催地であり、国際大会が開催できるスキー場としていち早く発展した天狗山スキー場。その歴史を探ると、リフト以前にスキーのジャンプ台が建設されたという話が残っていました。天狗山と日本のスキーのルーツは、スキー資料館で知ることが出来ます。

天狗の館
天狗山をユニークでミステリアスな場所にしている天狗の館。全国から集めた700点もの資料の中には、サブカルの帝王みうらじゅん氏が考案したキャラクター「テングー」までもが展示されています。有名なペンギンのキャラクターを完全に意識しているという事で著作権問題が持ち上がったみうら氏は、天狗マニアの聖地「天狗の館」にテングーを奉納しその危機を切り抜けたとか。ウェア姿で見学するとカオス感が増します。