簡単操作でエッジング自在!
遊びもカービングも軽々と
NEVER SUMMERのボードは、どれもエッジの「噛み力」に長けていますが、23-24シーズンに登場したCOUGARは、板離れの良さも群を抜いています。
どんな姿勢であっても、板のどの位置に乗っていても、乗り手が噛ませようとする限り雪面からボードは離れません。 その反面、踏み加減であっけないほど簡単に板を開放することもできます。
これほどカービング性能が高いのに扱いやすく、オールラウンドで使えるボードがあるなんて!
COUGARなら、深いカービングターンは当たり前。板をずらさず乗りたい人、もっとカジュアルにカービングを取り入れたい人、新感覚の乗り味を試したい人に激PUSHします。
あの氷上の動画、序盤に登場するボードがCOUGARです
スノーボードシーンを追いかけているファンならば、凍った湖面でカービングターンするトリプルキャンバーのプロモーション動画をご覧になったことでしょう。
さすがにスノーボードで氷上を滑ろうという方はいないと思いますが、COUGARはガチガチの斜面でも力強く食いつき、アイスバーンの恐怖心を払拭してくれます。
軽いターンでもしっかり噛んでいる感触がありますが、決して噛み過ぎることはなく、踏み加減で噛みの強弱を直感的にコントロールできました。 姿勢を低くして本気で踏み込めば、どこまでも噛み続けます。
このエッジバイトがあれば、誰でもカービングが得意になってしまいそうな、ある意味ズルいボードです。
トリプルキャンバーシリーズの改名
COUGARは、NEVER SUMMERのオリジナルテック「トリプルキャンバー」の一種、リカーブ・トリプル・キャンバーという形状です。
トリプルキャンバーモデルの多くはロッカーベースですが、リカーブ・トリプル・キャンバーはキャンバーベース。キャンバーの中に、更に3つのキャンバーが配置され、ベースのキャンバーを含めると合計4つのキャンバーがボードを支えます。
24-25シーズンからは、リカーブ・トリプル・キャンバー → リカーブ・トラディショナル・キャンバーへ、トリプルキャンバーの総称は → リップエッジホールドテックへと名称が変更されました(構造は以前と同じです)。
急な改名で、僕もまだ慣れていませんが、今後リップエッジホールドテック(トリプルキャンバー)がますます進化していくと期待しています。
RE-CURVE TRADITIONAL CAMBER by R.I.P EDGE HOLD TECH
ボードが波打つように、ウネウネしたボード形状。そのウネウネが雪面をガッと捉えます。
ターンでの荷重により踏まれたウネウネは、元に戻ろうとする反発力をスピードに変えて、加速するターン、カービングターンを完成させます。
一般的なキャンバーボードのキャンバーは1つですが、COUGARのリカーブ・トラディショナル・キャンバーは4つのキャンバーを有します。つまり、ブーストが4つもあるということです。
コンタクトポイントの数が板離れの鍵
COUGARの特徴は、噛み力と板離れ(エッジ離れ)の良さです。その秘密は、やはりキャンバーの数にあります。
ボードはターンで溜まったパワーによって加速を得ます。エッジがホールドする(噛み力が高い)ほどボードに多くのパワー力が蓄えられる、と言えるでしょう。
COUGARは、ターンで得た力を波打つような板のカーブの頂点(ピンポイント)を通じて、力強い次の動きに変換してくれます。
ノーマルキャンバーボードのエッジのピンポイントはノーズ・テールの一番太い部分、片側2点ですが、リカーブ・トラディショナル・キャンバーのCOUGARは片側6点もあります。このポイントの多さが板離れのキレとなっているのだと思います。
MOJANEのテストライダー平山くんは、「ぉぉおお!?」と叫びながら驚くほどの高速ショートターンでその機能を体現してくれました。
彼曰く、「とにかくボードがよく弾き、反応してくれる。エッジの噛む力と矛盾している。」
平山くんのレベルには到底及びませんが、僕も似た体験をしました。
ボードが「今まで噛んでいたのはなんだったの?」というほどあっさり雪面から離れ、そして次の瞬間にはまた噛んでいる!!
深いカービングをしても、体にかかる負担が少なく身軽に動けるので、ボードが勝手に上達させてくれる不思議な感覚です。
スペックが同じでも全く違う COUGARとPROTO FR
COUGARのスペックを見ると、NEVER SUMMERの代表作PROTO FRと同じことに気付きます。コアファイルなどの中身は多少違いますが、数字の部分は全く同じです。
キャンバーベースのフリーライドボード(COUGAR)と、ロッカーベースのフリーライドボード(PROTO FR)。
この2モデルで迷った方は、圧雪でのライディング性とトラディショナルな乗り味を求めるならCOUGAR、バンピーなコンディションやアウトオブコースでのライディングを求めるならばPROTO FR、と考えてみてはいかがでしょうか。
テイパーは5mm、スタンスセットバックは1.25inch(約3cm)入っているので、ディレクショナル・フリースタイルボードに位置付けられます。
トランジションエリアは長めに設定されています。その分、見た目以上に扱いやすく、リラックスした乗り味です。もし、もっとピーキーな感触を求めるなら、エッジチューニングで寄せる事ができるでしょう。
キックの強さも十分で、浮力もそこそこあります。僕の体感では、CUSTOM Xよりも浮力を感じたので、いざという降雪にも問題なく応えてくれます。
浮力を求めるタイプのボードではないと思いますが、オフシャルでは「リカーブトラディショナルキャンバーは浮力もあって楽しいよ!」とお墨付きです。
カービング選手は非公認ブランドなので注意
NEVER SUMMERは、JSBAやSAJの公認ブランドに登録されていません。
正確なライン取りと、ボードの切り返しの速さ。これほどカービングに適したボードであっても、国内のカービング競技で上位を目指そうとした場合、非公認ブランドでの結果は無効となってしまいます(出場自体は可) 。
これを使えたなら…と思っている選手はたくさんいるでしょうけれど、コンペを終えてからのお楽しみ、というのが現状です。
COUGARはNEVER SUMMER版CUSTOM⁉
トリプルキャンバーを紹介した過去記事にも書きましたが、COUGARはBURTON CUSTOMやCUSTOM Xに似た要素があると思っています。
CUSTOM Xは硬いハリがありますが、COUGERは同じパワーが備わっているのに柔らかく踏み込めてしまう。粘り方はCUSTOMで、スピード域はX。CUSTOMのスピード域を上げ、Xを踏みやすくした、という印象です。
ポジションを意識しなくても噛ませられ、エッジングの強弱や踏み加減が直感的にコントロールできるので、デフォルトのままで幅広いレベル層が楽しめます。
その他、SEASONのKINにも類似性アリ。
COUGAR試乗レビュー
オールマイティー性が光る新感覚カービングボード
動画や事前情報の印象が強かった分、身構えてしまいましたが、実際には操作がとても簡単で驚きました。
ただ、ターンのインパクトは異常なレベル!
ハイシーズンの比布で試乗した際は、自分史上最高に低い姿勢が自然に取れてしまい、違う景色を見ることができました。
エッジのホールド力ももちろんですが、北海道のゲレンデを滑る僕たちにとって全体バランスがとても良いボードだと思います。
フレックスの強度や張り感は均一で、ノーズやテールはプレスしやすく、NEVER SUMMERのモデルの中でも特にオールマイティー性が高いモデルです。
また、NEVERSUMMER独自の“DUMP”(荒れた雪面に強い構造)も相まって、ボコボコエリアではボードが暴れることなく、いつでも縦にボードを浮上させられる。押さえ込まなくても勝手にダウンフォースが効いてくれるので、156とは思えない安定感がありました。
157X(ワイド)はマジックスペックになる予感!
試乗ボード:COUGAR 156
使用バイン:UNION FALOCR, ULTRA, NOW SELECT PRO 前15~24° 後 -3~ 9°
テスト場所:比布スキー場、キロロ
このボードで行きたいゲレンデ:日高国際スキー場、サホロ、トマム
突撃!NEVERSUMMER SPECIAL INTERVEW
COUGAR誕生の背景に、どんなきっかけがあったのだろう…。気になったのでNEVER SUMMERのカスタマーサービスに質問してみました。
すると、カスタマーサービスのジョンさんより、とても丁寧な返答をいただきました。
一部抜粋してご紹介します。
私たちはロッカーとキャンバーのハイブリッド・プロファイルで知られていますが、2008年以前に私たちが作っていたような伝統的なキャンバーのボードを作りたいという層からの要望が常にありました。
クーガーは、2021年に作り始めたHammerというボードの新バージョンです。
HammerはCougarと全体的なシェイプは同じですが、標準的なトラディショナルキャンバーを採用し、クラシックなプロファイルを現代風にアレンジしたボードでした。
リカーブ・トラディショナル・キャンバーは、キャンバーと同じクラシカルなフィーリングに加え、R.I.Pテクノロジーによりコンタクトポイントが増え、エッジコントロールが向上しています。
R.I.P.テクノロジーは、市場に出回っている他のエッジテクノロジーと比較して、「グラビー」な感触や抵抗の増加なしに、楽なグライドとエッジホールドを提供すると私たちは感じています。
クーガーは、さまざまなコンディションで多彩なカービングができ、キャンバー主体のボードとしてはソフトなコンディションでの扱いやすさから、私たちのお気に入りのオールマウンテンボードのひとつです。
2024/2025シーズンに向けて更新された、私たちのプロフィールや新しい技術を説明したビデオをご覧ください。
Hey Shota, nice to meet you and thanks for reaching out. I’m happy to get you some more tech info.
We are known for our hybrid rocker/camber profiles but there has always been a demand from our demographic to make a board with traditional camber like how we made our boards before 2008. The Cougar is a newer version of a board we started making back in 2021 called the Hammer. The Hammer had the same overall shape as the Cougar but featured standard traditional camber giving that board a modern take on a classic profile.
The Cougar is going to be the next evolution of that board featuring Recurve Traditional Camber which gives you the same classic feel as camber with the added benefit of more contact points and improved edge-control with R.I.P Technology. Compared to some other edge-techs on the market, we feel that R.I.P. Technology gives you effortless glide and edge-hold without the “grabby” feel or increased drag from some other technologies out there.
The Cougar is one of our favorite all-mountain boards because of its ability to carve and be versatile in so many different conditions, as well as how well it handles in softer conditions for being a camber dominant board.
I’ll attach a link below so you can take a look at some of our updated videos for the 2024/2025 season that explain all of our profiles and new tech as well.
モロのつぶやき
「“グラビ”ーな感触や抵抗の増加なしに、楽なグライドとエッジホールドを提供する…」
ジョンさんからの返答は、試乗したときの感触をありありと想起させてくれました。
エッジの長さを点で使うことで、これほど軽々と操作でき、切り返しの反応も早くなるなんて。
ハードバーンでも、身体にかかる抵抗がない。少ない力でも力強く噛む。うねうねと波打つエッジ。…これはもしや、パン切り包丁でバゲットを切る、的なことかも!?