TUNE UPスノーボードチューンナップエッジチューンTHE420イエスナウボード

エッジチューンで引き出す THE420の新たな性能

YES NOW BOARD THE420の遊び方

深雪攻略だけじゃないTHE420の遊び方

斬新なスノーボードデザインを次々に生みだしてきたYES NOW BOARDから、2012-2013シーズンに登場したTHE420は、パウダースノーを謳歌する為の”ショートファット・パウダーボード”という新ジャンルを確立させた名作の一つです。

ひと目でイメージが沸くその形状と、これまでにないキャッチーなコンセプトで、多くのスノーボーダーを虜にしました。

THE420のデビューから6年、浮遊感を追求する時代は移ろい、オールマイティーボードに注目が集まる昨今。パウダー限定という印象が裏目となりTHE420の出番を失ってはいませんか?

今回はTHE420を今まで以上に楽しむMOJANE流のアイディアをご紹介ごします。THE420に飽きてしまったと感じている皆さん、もう一度THE420を引っ張り出して、もっと自由にスノーボードを楽しみましょう!

ショートファットパウダーボード、THE420の誕生

YES. THE420
YES. THE420/2017,2013

THE420は本来、パウダーの上をスキップし、ポンポンと飛び跳ね、マッシュ(切り株の上に積もった雪)から飛び出す…というシチュエーション、つまり豪雪地帯の為に作られたスノーボードです。

YES.クルーはニセコエリアがお気に入りで、このTHE420のテストライドもニセコモイワで行っていました(テスト中のJP SOLBERGに遭遇‼)。ニセコエリアをはじめとする北海道の山々は、彼らにとってあまりにも多くの雪が降る。ただ、斜度がないので、長いボードでは遊べない。飛び跳ねる事が出来て、取り回しが良い形であること。それがTHE420の誕生に繋がったのではないかと想像します。

エッジチューンでTHE420を新たな乗り物に

YES. THE420のチューンナップ

結果から言うと、THE420の遊び方を大きく変えたのはエッジのチューンナップです。僕がTHE420に乗り始めたのは、2013-2014シーズンモデルからでしたが、「THE420は深雪を楽しむ為のボード。」というイメージから、エッジ作りには注目していませんでした。

考え直すきっかけとなったのは、夕張マウントレースイのスリリングラインという迂回コースです。かつては非圧雪だったそうですが、現在は圧雪と非圧雪がが入り混じり、滑りやすくなっています。とは言え、ジェットコースターの様にぐるぐると回るコースはスピード感があり、木々が立ち並んでいるので、コースアウトすれば当然危険も伴います。その名の通りスリリングで面白いコースです。ここはTHE420の出番!

予想通りボードは生き生きと動いてくれたのですが、どこか物足りない…。その理由は、壁での遊び残しです。タイトなコースレイアウトの中でも、あの壁で遊べたら…という場面が何度もありました。スピードとターン弧考えると壁を登る余裕はないし、登ろうとすればスピードも落ちてしまう。もっとスムースに壁を登り、スラッシュをして、スピードを維持したまま遊ぶ方法はないだろうか。そこで考えついたのがエッジの角度でした。

ショートファットの為のエッジチューン

YES. THE420のエッジチューン

そこから試行錯誤を経て辿り着いた角度は、思いもよらない数字でした。[ソールを2°落とし、サイドを1°〜0°に。]エッジは立たせるけども、鈍角。この微妙なソールビベリングによって、驚くほど壁が登りやすく、スピードを落とさずにセクション攻略できる様になりました。

鈍角になる為、エッジを立てられる人じゃないと抜けてしまう場合もありますが、そもそもボードを極端に倒す様なボードではありません。 また、カービングには不向きになるのでは?という心配がありましたが、注意深く倒せば問題はなく、雪後の圧雪バーンなら尚更心配は無用です。

サイドの角度を更に削れば、カービングに対応するエッジに仕上げることも出来ます。

THE420の148と152でこのセッティングをテストしましたが、フィーリングはバッチリ。春のザクザクした雪でも引っかかませんでした。ただ、148と152ではボードの作り自体が違うので、今後もエッジチューン実験を続けていくつもりです。

色々なショートファットボード

このエッジのセッティングは、THE420だけでなく、ジビングのボードにも対応します。また、ソール側のエッジを削っているので、人工物に当て込むパークライディングなスノーボーダーにもフィットすると思います。MOJANEラインナップからTHE420に類似するモデルの例を挙げると、BURTON 2018-2019 STUN GUN, BOTTOM FEEDRE, BURTON 2017-2018 SKIP JACK、OFFSHORE SNOW SHAPES SEA BISCUIT等。

THE420のバインを見直し

THE420のバインを変えてみる

ここまで動くボードに仕上がったので、次はバインディングに注目しみました。

これまでTHE420には、NOW BINDINGを使っていました。NOWの特徴は、太いボードに対して楽にプレッシャーが掛けられる点です。 ターン性能そのものを見直すのなら、NOWは最適なバインの一つだといえますが、エッジチューンによって生まれ変わったTHE420に必要なのは”ホールド感と自由度” 。

すぐに思い浮かぶのは2018-2019UNION BINDINGのULTRA LTDです。 軽量なTHE420と軽量なULTRA LTD、深雪の中で身体を遊ばせるにはうってつけのコーディネートです。

エッジチューンでまだまだスノーボードが楽しくなる

エッジチューンの施工画像

道具の相性は大切ですが、ボードのチューニングによってもその相性が大きく変化することを実感しています。

また、「新しいボードを手に入れることでしか味わえない」と思われがちな乗り味が、エッジチューンやセットアップによっても得られるということ。飽きてしまったボードを低予算で遊べるボードにする、という発想は、スノーボードの楽しみを増やしてくれるのではないかと思います。

かつてMOJANEで押し売りさながらの激プッシュを受けたTHE420ユーザーのみなさん、今年はTHE420をリチューンし、バインを乗せ変えてみませんか?再提案させて頂きます! 

ちなみにTHE420HULLは深雪専用機なので、あえてエッジをバキバキなカービング仕様にしています。こちらのレポートもお楽しみに。


MOJANEではスノーボードの形状や用途に合わせたエッジの角度調整を行うエッジチューンナップ3.000円~+TAXを承っています。

メニューは全6種類(スタンダード/カービング/ジビング/ショートファット/テクニカル/カスタム)。新しいボードに手をつける前に、一度お手持ちのボードをリチューンしてみませんか?

YES. NOW BOARD

NOWに乗るたくちゃんの画像

Romain De Marchi/D.C.P./J.P.Solbergにより2009-2010年にスタートしたライダーズカンパニー。 風変わりなボードと見られがちなニューデザインに果敢に挑んできたYES. NOW BOARD。今回取り上げたTHE420もその一つ、”短く、太く、浮く”という一歩先を行くコンセプトで新たな扉を開きました。この他にも、キャンバーとロッカーが交わったCAMROCK(ダブルキャンバーの先駆け)は、ハイブリッド・キャンバーに呼び名を変えて、今や多くのスノーボードブランドが取り入れているスノーボードベンドです。また、2016-2017には業界唯一のPOWDER HULLを搭載した革新的なモデルを発表。プログレッシブなライディングスタイルと、クリエイティブなスノーボードデザインで人気を博しています。

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